住設メーカーの「LIXIL」に教わる! 雨戸&シャッターお掃除完全マニュアル
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じんわりとしたやさしい温かさが人気の湯たんぽは、一度温めてしまえば電気や火を使わずとも温かさが持続。しかも、繰り返し使えるエコな暖房アイテムです。
そんな湯たんぽを大正12年(1923年)の創業以来、100年近くにわたり作り続けているのが、マルカ株式会社。ロングセラーとして愛され続けている湯たんぽですが、より便利で安全に使えるようアップデートされ続けているといいます。
そこで今回は、マルカ株式会社の営業部 国内販売課・白石康之さんに、湯たんぽを使用するメリットや湯たんぽの正しい使い方などを教えていただきました。
なんと、昨今のキャンプ・アウトドアブームを受け、キャンパーの寒さ対策として湯たんぽが爆売れしているんだとか…! 冬キャンプに興味のある方は必見ですよ!
湯たんぽの歴史は古く、中国では唐の時代から使われていたといいます。日本に伝わった時期は不明ですが、あの徳川家康も湯たんぽを使用していたという記録もあります。
以来、品質と価格を重視した製品作りで、湯たんぽに加えて爪もみや肩たたき用の健康グッズ、燻製器などのアウトドアグッズまで幅広く展開。主力商品である湯たんぽは、消費者からの声や時代のニーズに合わせて進化をさせ続けているといいます。
技術と知恵を駆使して作られた湯たんぽですが、電化製品の暖房器具が普及するなかで、昔ながらの湯たんぽが求められ続けたのには、社会の動きと深い関わりがありました。
マルカ
白石さん
湯たんぽの生産量は、最盛期の昭和30年代以降は減ってきているものの、これまで販売数が急激に伸びた時期がいくつかありました。例えば、コンピューターの誤作動で電気が止まると噂された2000年頃(いわゆる2000年問題)、2007年頃のエコブーム、2011年の東日本大震災で計画停電が実施されたときなどです。こうした出来事をきっかけに、電気を使えないときの防災用として備えている方も多いですね。
2019年頃から、またじわじわと湯たんぽの販売数が上昇傾向に。しかも、通販サイトで人気上位にランクインするほどだそうです!
マルカ
白石さん
これまでの湯たんぽ市場占有率のイメージとしては、約85%がポリエチレン製、10%が金属製、5%がゴム製。ポリエチレン製のほうが安価のものが多く、買いやすい・販売しやすい点で流通も多くなります。しかし、いままであまり注目されてこなかった昔ながらの「金属製」の人気が出てきていることに、メーカーとしても驚いています。
金属製湯たんぽの人気の理由は、昨今のキャンプ・アウトドアブーム。特に最近のキャンプ場は、本来はオフシーズンである冬も営業するところが増え、冬キャンプを楽しむ人が増加しています。そんなキャンパーの間で、アウトドアで電気を使わない防寒対策として、湯たんぽが人気を集めているのです。
マルカ
白石さん
キャンプを始めたばかりの人は、まず汎用性の高い春〜秋の3シーズン用のシュラフ(寝袋)を買うことが多いですよね。そこから冬キャンプに挑戦するとなると、冬の気温にも耐えられる冬用のシュラフや暖房器具を用意しないといけないんですが、価格が高く気軽に買えるものではない。
そこで、キャンパーさんたちが注目してくれたのが湯たんぽでした。「湯たんぽなら数千円で買えて朝まで暖かく寝られる!」とSNSやブログで発信してくれたり、レビューを投稿してくれたりしたことで、売上が伸びていったんです。
シングルバーナーの直火で温める方法「ダイレクトバーナー」
なぜ、金属製の湯たんぽがキャンプやアウトドアの暖房器具として注目されているのでしょうか。そこには、5つのメリットがありました。
マルカの「湯たんぽA(エース)」シリーズは、コンロ・ストーブ・IHクッキングヒーターに対応しています。
マルカ
白石さん
キャンプ用のやかんは小さく、湯たんぽに必要な2〜3Lほどのお湯を一度に沸かせないものも多いです。何度もやかんで沸かして入れるのはちょっと面倒ですが、直火対応なら熱源に乗せておくだけ。シングルバーナーやカセットコンロ、焚き火でも利用できます。時間がたってお湯がぬるくなった場合も温め直しできて便利ですよ。
ちなみに、シングルバーナーで湯たんぽを温めることを「ダイレクトバーナー」と呼ぶそうです!
キャンプ場には、テントを張ることができる「サイト」というエリアがあります。電源付きのサイトもありますが、電源なしのサイトでは電気毛布やホットカーペットが使えないので、テントの中では寒くて寝られないケースも。湯たんぽは沸かしたお湯を入れれば使用できるので、電源いらずの暖房アイテムとして重宝します。
マルカ
白石さん
保温性は、「湯たんぽA(エース)」シリーズを室温15℃の部屋で、敷布団・毛布・羽毛布団を使用して実験した場合、沸騰したお湯を入れてから8時間後でも約40℃を保ちます。この保温時間は、キャンプの環境下によっては変動する可能性がありますが、じんわりとした温かさが長時間続きますよ。
マルカの「湯たんぽA(エース)」シリーズは、販売店にもよりますが、2,000〜3,000円程度の価格で購入可能。低い気温に対応したシュラフやポータブル電源を新たに購入するよりも安く防寒対策ができます。しかも、繰り返し使えるのでコスパ抜群です。
テント内を暖めるには、石油ストーブやカセットガスストーブ、石油ストーブなどが一般的ですが、どれも閉め切ったテントの中で使うと一酸化炭素中毒の危険があります。そのため、テントのベンチレーション(換気窓)を開けておいたり、定期的な換気だったりが不可欠です。その点、湯たんぽはテント内で安全に使えます。
金属製の湯たんぽは見た目が重そうに見えますが、マルカの「湯たんぽA(エース)」2.5Lタイプは640g、3.5Lタイプは800gと、意外と軽くて持ち運びしやすいんです!
マルカ
白石さん
金属製の湯たんぽは、上下2枚の金属板を合わせることで形成しています。マルカのプレス技術によって、強度を保ったまま0.5mmまで薄くした金属板を使用しているので、中の水を捨てれば軽々持ち運べますよ!
左:マルカ ポリゆた イエロー 600ml、右:マルカ ミニゆたA(エース)600ml
また、ちょっとしたアウトドアのお供に「ミニゆたA」が人気なんだそう。600mlタイプで、保温時間は短くなるもののお湯を沸かす時間が短くて済み、手軽に使えます。軽量でコンパクトなので持ち歩きにもピッタリ。
マルカ
白石さん
お湯を入れ替える必要がないくらいの短時間のアウトドアなら、ポリエチレン製の「ポリ湯たんぽ」も軽くて丈夫でおすすめです。金属製よりも柔らかく、やさしいぬくもりが特徴です。
マルカ
白石さん
マルカ株式会社(以下:マルカ)の創業は大正12年。もともと湯たんぽを作っていた加藤金属株式会社からブランドを引き継いで、マルカが湯たんぽの製造を始めました。社名も加藤金属株式会社のブランドロゴである「カ」の文字をとって「マルカ」と名付けられています。