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目次/ INDEX
庭の雑草が勢いを増す季節。雑草を手軽に一掃してくれる「除草剤」デビューしてみませんか?
誤解されがちですが、除草剤の種類や使う時期によっては、除草剤を使った後の土でも草花はちゃんと育ってくれます。除草剤について正しく理解して、快適なガーデニングライフに役立てましょう。
除草剤の正しい選び方と効果的な使い方などについて、家庭園芸用の除草剤などを幅広く手がける住友化学園芸株式会社の牛迫正秀さん監修のもと、解説していきます。
お庭の悩みの種である雑草。パッと見どれも同じに見えますが、実は生える時期や雑草のタイプによって分類されます。除草剤を使う前に、どの種類の雑草が生えているのかをチェックしてみましょう。
毎年、新しい種子から発芽する雑草です。春に発芽し秋に枯れるものと、秋に発芽し冬を越えて春~夏に枯れるものがあります。今生えているものの寿命は1年ですが、枯れる前に種などを落とすので、次の年にはまた新しい雑草がより広範囲から生えてきます。例えば、オヒシバ、スズメノカタビラ、ナズナ、ツユクサなどが該当します。
種子で繁殖するほか、地上部分の茎葉が枯れた後も地下に茎や根が残り、次の年も同じところから芽が出てきて成長します。中には地下で茎を伸ばし、ほかの植物を押しのけながら繁殖するものもあります。例えば、オオバコ、タンポポ、ヨモギ、クローバー、スギナなどが該当します。
一年生雑草と多年生雑草という違いに加え、「イネ科雑草」か「広葉雑草」かも除草剤選びで気をつけたいポイントです。
イネ科雑草は、葉が稲のように細長く、葉脈が平行に入っているのが特徴です。例えば、ススキ、チガヤ、オヒシバなどが該当します。広葉雑草は、イネ科雑草とは異なり葉脈が葉全体に網状に入っています。葉の形は種類によりますが、例えばシロツメクサ、タンポポ、クズなどが該当します。
除草剤には、広葉科には効くけどイネ科には効きにくい特性をもつ商品もあります。生えている雑草がどの種類に分類されるかを確認して、効果が期待できる除草剤を選ぶことが大切です。
今生えている雑草を枯らしたいなら「液剤(茎葉処理型)」タイプ、新しく生える雑草種子の発芽を防ぎたいなら「粒剤(土壌処理型)」タイプがおすすめ。それぞれの特徴を見ていきましょう。
「茎葉処理型」と「ハイブリッド型(茎葉兼土壌処理型)」があり、どちらも基本的にはすでに育っている雑草の茎葉に散布します。葉や茎からだけ除草剤が吸収される「茎葉処理型」は即効性で、数時間〜数日ほどの短期間で効果が表れます。
芽が出たばかりの雑草よりも、ある程度成長して葉の枚数が多い雑草に効果的。比較的背丈が高い雑草にまで効くのも特徴です。
雑草の生育が盛んになる5~9月ごろが散布に適しています。
効果期間が短いため1~2ヵ月ほどすると、またその場所にほかの雑草が生えてくる場合もあります。その分、雑草が枯れた後の土に別の植物を植えることができ、「茎葉処理型」の中には除草後すぐに植物を植えることができるタイプも流通しています。
また、散布後に雨が降ると液剤が薄まってしまうので注意が必要です。
粒剤タイプは「土壌処理型」とも呼ばれ、地面にまいた薬剤が主に根から吸収されます。効果が出るまで1週間~数週間ほどかかるものが多いですが、効果は3~6ヵ月ほど続きます。
地下に眠っている多年生雑草を含め、これから生える雑草に効果的です。発芽して間もない雑草にも効きます。
雑草の発生前~初期である3・4月、9~11月が散布に適しています。効果期間は商品ごとに異なるので、購入前にラベルをチェックしましょう。
背丈の高い雑草には効きにくいので注意してください。
住友化学園芸 クサノンEX粒剤
「茎葉処理型」の即効性、「土壌処理型」の持続性など、両方の特性を兼ね備えています。商品によって特徴が異なりますが、多くの商品には即効性があり、生えている雑草を今すぐ枯らしたい人におすすめ。さらに薬剤が地面にしみて留まるので、新しい雑草を生やしたくない、何度も散布する手間を省きたいという人にも最適です。
粒剤タイプ(土壌処理型)と同じく、背丈が高い雑草にはあまり効果がありません。
除草剤を使う数日前から直前までに準備しておくべきことをご紹介します。
散布した除草剤が風に飛ばされて、周辺の作物にかかっては大変! なるべく風のない日にまくのがベストです。また、粒剤タイプは雨上がりにより効果を発揮し、液剤タイプには散布後しばらくは雨が降らないほうがいいとされています。散布予定日の前後1日分の天気予報をチェックしましょう。
除草剤以外にも、下記の道具を用意しておきましょう。
また、液剤タイプと粒剤タイプでは枯らした雑草を片付けるタイミングが異なりますが、後片付けの際には下記の道具も必要です。
安全に除草剤を散布するために服装を整えましょう。皮膚に除草剤が直接つかないよう長袖・長ズボン、軍手などの厚手の手袋を着用すること。目に入らないようにメガネやサングラスをかけるのもおすすめです。万が一、皮膚に除草剤がついたらすぐに石鹸で洗い流し、目に入った場合は十分に水で洗ってから眼科を受診しましょう。また、夏に限らず長時間の屋外作業になるので、帽子をかぶっておくとより安心です。
除草剤をまく準備が整ったら、いざ散布スタート! 液剤タイプと粒剤タイプでは、効果的なまき方が異なります。
散布するなら晴れた日の午前中がおすすめ。次の日も晴れなら、なお良いです。
すでに生えている雑草の茎や葉に、しっかりと付着するように散布していきます。商品によって薬剤を希釈する必要がありますが、その際に使用する散布器具は、間違って作物を枯らしてしまわないように殺虫剤などを散布するものとは分け、除草剤専用のスプレーボトルやジョウロを使いましょう。
雑草種子や地下茎などが土の中で眠っている時期、またはまだ背丈が短い時期に散布します。このとき、雨上がりなどの“地面が湿っているタイミング”だと効果的です。
商品によって、ボトルから直接パラパラとまいたり、付属の散布容器を使ったりします。なるべく均一にまくために、敷地を縦・横に往復しながらなぞるようにまくといいでしょう。
ここまでは、液剤タイプと粒剤タイプの一般的な使い方をご紹介しました。しかし、除草剤は商品によって使用できる場所、効果を発揮する散布時期や散布方法が異なるので、使用する除草剤の商品パッケージに記載されている説明をしっかりと読むことも忘れずに。
雑草や土以外に除草剤がつかないよう、散布後の後片付けにも気をつけてください。
空になった除草剤のボトルは水でしっかりと洗浄し、除草剤が含まれる水は除草効果が出て困らない場所に捨てましょう。洗ったボトルは自治体のルールに従って捨ててください。
散布後、除草剤によって枯れた雑草はビニール手袋や軍手をつけて、ゴミ袋にまとめましょう。枯れた雑草には除草剤の成分が含まれているので、ガーデニングや家庭菜園に使う腐葉土づくりには向きません。
もし除草剤を1回で使い切らなかったら、残りはきっちりフタを閉めて保管してください。直射日光をさけ、なるべく涼しく湿度が低い場所に置くのが望ましいです。小さな子どもがいる家庭では、子どもの手の届かない場所を選びましょう。
散布中や片付けの途中で服に除草剤がついた場合でも、普通に洗濯してOK。ほかの洗濯物と一緒に洗濯機に入れても問題ありません。ただし、あまりにも大量にこぼしてしまった場合や肌が荒れやすい人は、念のため服を水洗いしてから洗濯すると安心です。
まく場所や目的によっては、専用の除草剤が必要なケースもあります。以下にまとめたので、参考にしてみてください。
家庭菜園に使う場合は、普通の除草剤ではなく、農薬登録されたものを使いましょう。農薬登録された除草剤とは、作物や動物への影響や毒性、残留性などのテストをクリアした除草剤のこと。パッケージに「農林水産省登録第○○号」といった表記があります。使用する際は、適用作物が記載されているか必ずラベルを確認してください。
除草剤には、特定の植物だけを枯らす「選択性除草剤」もあります。イネ科である日本芝には効きにくく、広葉の雑草にはよく効く除草剤を使えば、芝生を守りつつ雑草だけを枯らすことができます。芝生以外にも「樹木類」を守りながら除草するのに適した、庭木の株元で使える除草剤もあります。
空き地などで除草剤を使用する際、その場にいる虫も同時に退治したいと思う人も少なくないはず。殺虫効果を兼ね備えた、防虫もできる除草剤もあるので活用しましょう。
小さな子どもやペットがいる家庭では、食品にも含まれている「ペラルゴン酸」由来の除草剤がおすすめ。環境に優しく、効き目が早いのが特徴です。
除草剤にはさまざまな種類がありますが、まずは枯らしたい雑草のタイプやまく場所に合わせて選ぶのがいいでしょう。散布の前にしておくべき準備や作業時の服装など、この記事を参考にトライしてみてください。除草剤をうまく使って、理想的なお庭を叶えましょう!