11歳の愛猫にごはんとマッサージグッズをプレゼントしてみた
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目次/ INDEX
こんにちは、トイアンナです。
私が祖父を亡くして、しばらくたちます。そのとき、一番記憶に残っているのは「DIYで葬儀をした」経験です。
祖父は根っからの無神論者で、仏教式の葬儀を受け付けませんでした。だったら「お別れ会」のように無宗教スタイルの葬儀もあるからいいじゃない、と思いきや…
「花はこれがいい、他は嫌だ」
「位牌のサイズはこれ、素材は指定のもので」
「僧侶は呼ばないで。でも般若心経は読んでほしい」
と生前の指定が細かすぎて「DIY葬儀じゃなきゃ無理!」となったのです。
これが実際に行った葬儀の写真。こぢんまりとしていて、悪くない収まりとなりました。
しかし、このDIY葬儀とやら。そこまで一般的にできるものなんでしょうか? 私の実家がこんな無茶ぶりをかなえられたのには、ちょっと特殊な事情がありました。
なにしろ、私の実家はほぼ全員がスピリチュアル系。実家が神社だったり、親戚に尼さんがいたりして、葬儀に慣れたメンツがそろっていたのです。
そこで改めて、一般家庭でも手作り葬儀・DIYのお葬式が可能なのかを、プロに聞いてみることにしました。お話をしてくださったのは、葬儀会社で長年お勤めの「考える葬儀屋さん」です。
考える葬儀屋さん
月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の葬儀屋さん。ライブドアブログ OF THE YEAR 2015受賞。両親の死をきっかけに大学卒業後、大手葬儀社に就職。以来20年間1,000件以上の葬儀を担当。 厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査1級葬祭ディレクター。 現在はお葬式の担当をしながら、葬儀業界の分析、セミナー・企業研修、大学・専門学校での講義、エンディングノートの制作なども行う。近著は『子供に迷惑をかけないお葬式の教科書』テレビ・ラジオ・新聞・雑誌でも活躍中。
葬儀屋さんに、葬儀社を使わないで葬儀をする方法を質問するなんて、お叱りを受けても仕方ないな……。とダメ元でのご依頼でしたが、快くご快諾くださりました。感謝ッ!
考える葬儀屋さんにお話を聞きました
考える葬儀屋さん
まず、日本人の8割は病院で亡くなります。亡くなってすぐは家族でお別れの挨拶をする時間を取れますが、約1時間くらいで看護師がやってきて「葬儀社は決まっているか」聞いてきます。
トイアンナ
いつまでも病院に安置してはおけないと。でも、さすがに1時間は早すぎませんか?
考える葬儀屋さん
そうなんですよ。だから、ご契約が決まっていない場合、ご遺族から葬儀社へあわてて問い合わせが来ます。だから、葬儀社は原則として24時間365日、稼働しています。ご依頼をいただいてから、まずはご遺体をお預かりしてエンバーミングします。
トイアンナ
死に化粧をしたり、傷ついたご遺体の場合は、ご遺体を修復して生前のお姿に近づける工程ですね。
考える葬儀屋さん
ええ。ただ、実はエンバーミングできる技術者がいて、さらに処置する場所が用意できる葬儀社は、20-30社しかないんです。代わりにドライアイスを当てて、火葬までご遺体を保護するケースが一般的ですね。エンバーミングをすると、特殊な技術でドライアイスなしでもご遺体がきれいなままでいられます。
海外からいらした方が日本で亡くなった場合は、母国の葬儀場まで長期間のフライトが想定されます。ご遺体を保つためにエンバーミングが必須となっていて、それをしないと税関を通らないんです。
トイアンナ
考えたこともなかった。確かに、ドライアイスだけでご遺体を保護しつつ24時間フライトなんて、さすがに難しそうですものね。DIY葬儀も、たどり着くまでが山場ってケースがあるのか。
考える葬儀屋さん
たとえ国内でも、最初に「DIY葬儀を、ご自宅に揃えられるか」とご相談いただいたとき、難しさを感じたのはご遺体の安置ですね。
ご遺体を冷やすには、ドライアイスが1日15kg程度必要です。それをご家庭で手配するのは難しそうですよね。
トイアンナ
その段階からのDIY葬儀は厳しいものがありますね。ご遺体は重いので、棺に入れて運ぶのも大変。棺が入るサイズの車やストレッチャーを当日レンタルできるかも賭けですし。
考える葬儀屋さん
棺もインターネット通販などで売ってはいますが、配送時間もあるので必要な日時までに届かないのではないかと……。
トイアンナ
一応あるのがすごい。
考える葬儀屋さん
火葬場の予約も、葬儀屋経由じゃないと受け付けてくれないところが多いと思います。ですから、火葬までは葬儀屋さんにお任せいただくのが一般的でしょうね。概算ですが、13万円ぐらいから火葬できるはずです。
トイアンナ
13万円を節約するために、棺をホームセンターで自作して、ドライアイスを15kg/日用意するのは現実味がなさすぎる。木材を買って、棺をホームセンターで作っても、それを安置している自宅の光景がシュールになりますしね。
※カインズには一部店舗に工房がついていて、機材を借りてDIYできるよ! でも棺のDIYをやっている人はカインズ好きの私も見たことがないし、上述のとおりおすすめもされていません。
考える葬儀屋さん
病院またはご自宅で亡くなられた場合、お電話いただいてから葬儀社の人間が駆け付けます。そして、2~3時間のお打ち合わせをいたします。そこで大体の方針が決まりますね。
お打ち合わせが終わったら葬儀のご案内を送る方へご連絡したり、住職の手配に入ります。
トイアンナ
通常、住職さんは葬儀社が手配してくださるイメージですね。これって、DIY葬儀だと自前で依頼できるものなんでしょうか?
考える葬儀屋さん
契約したお寺がなければできますよ。最近は、住職としてのお寺を持てないお坊さんを集めた派遣会社があるんです。
トイアンナ
お坊さんの派遣!
考える葬儀屋さん
檀家さんがいらっしゃる場合、お坊さんもそのシステムに甘えてしまう方もいらして。ご遺族の気持ちに寄り添うことが苦手だったり、お値段が高くなるケースもあります。
それに比べて、お坊さんの派遣は明朗会計ですから、ご予算上もリーズナブルです。それに、クレームがあれば派遣をクビになってしまいますから、競争にさらされて良質なお坊さんが来てくださるケースが多いですね。お坊さんは、派遣のほうがおすすめかもしれません。
トイアンナ
顧客にとってはいい話なのに、ちょっとつらい気持ちになるのは何でだろう。
トイアンナ
そういえば、葬儀って「お通夜」と「お葬式」で分かれているイメージですが、これってDIYで両方やるのはしんどいですよね。
考える葬儀屋さん
都心部では、もともとお通夜とお葬式は一度に済ませることが多いですよ。ですから、DIY葬儀でもセットで良いのではないでしょうか。
最近は高齢化に伴って火葬場が混んでいて、お通夜までに2~3日かかってしまうことも多いんです。そうなると、お通夜とお葬式を分ける理由があまりなくなってきました。
特に最近、新型コロナウイルスの影響で葬儀の簡易化が進んで、ご家族だけでの葬儀も増えました。いまの都心部では「お通夜の実施率」が半分を割っているかと思います。4割は火葬だけですね。
トイアンナ
確かに、何度も人を呼んで密になるは避けたいですよね。4割が火葬だけ……ということは、DIY葬儀をされる方もすでにいらっしゃる。
考える葬儀屋さん
そうですね。もともと「骨葬」といって、火葬してからお葬式をする地域もあるんです。ですから、火葬だけ済ませてからお別れの儀式をされることも、マナー違反ではないんですよ。
ここからは、実際にDIY葬儀で必要となるものを教えていただきます。
考える葬儀屋さん
仏式でしっかり揃えると、40個ほど必要なものがあります。何より、ご遺体を運ばれるなら引っ越し業者さん並みの筋力が必要ですから。棺とご遺体の重さを考えると、相当な腕力が必要です。
トイアンナ
筋力はカインズで買えない…。
それに、死に装束などを買うのは専門性が高すぎて難しいですね……。
DIY葬儀といえど、「火葬を終えた段階からの葬儀」ならどうでしょう?
というわけで、考える葬儀屋さんに「火葬後」を想定してご用意いただいた「必要なもの一覧」がこちら!
<DIY葬儀のために最低限必要なアイテム一覧>
宗派で指定がなければ、デザインは好きなものを選んでOK
トイアンナ
この中で、特に気を付けたほうがいいものはありますか?
考える葬儀屋さん
布ですね。ドラマのイメージだと、みなさん葬儀場の布は白と黒のストライプを想像されると思います。しかし、実際には葬儀場の室内で使う色は白なんですよ。
ですから、白い布でテーブルを覆っていただいたり、家の中で片付いていない場所を白布で覆うだけでも、儀式性は生まれると思います。
トイアンナ
確かに、私も白黒のシマシマを想像していました。白い布なら、普段から使っているテーブルクロスを応用できるご家庭も多そうですね。案外小物が多いから、買うのも重労働にならなさそう。
お花も果物も、ホームセンターで一緒に扱っている店舗なら、セットで買えるのがありがたいです。
トイアンナ
お葬式自体は、いったいどんなプログラムで進行したらいいんでしょうか。
考える葬儀屋さん
無宗教なら決まりはないので、結構自由です。実際の例では、アーティストが故人の顔を絵にかいたり、音楽を演奏したり、遺骨と旅をしたり。さまざまな弔いがありえます。ごく一般的な式次第だと、無宗教と仏式でこういう形になります。
<DIY葬儀 無宗教の一般的な式次第>
<DIY葬儀 仏教の一般的な式次第>
トイアンナ
初心者にもわかりやすい! これなら慌てずに進められそうです。祖父のDIY葬儀はお坊さんをお呼びしなかったのですが、お坊さんが遺族に話してくださる言葉が沁みることも多いですよね。
生きる気力を分けていただける法話が多かった記憶があります。
考える葬儀屋さん
そうですね。いま、仏教のコンセプト、考え方は好きでもお坊さん嫌いな方は多いかと思います。ですが、それで仏教をすべて否定してしまうのはもったいないように思います。もし信仰が決まっていないなら、仏教式で葬儀をされるのもよいのではないでしょうか。
子供に迷惑をかけないお葬式の教科書
考える葬儀屋さん
書籍『子供に迷惑をかけないお葬式の教科書』に、詳しくは書きましたので、よろしければご覧ください。
トイアンナ
何から何まで、ありがとうございました!
今回の取材では詳しく扱っていませんが、実際には「死亡診断書、火葬許可証」などお役所手続きも発生します。このあたりは火葬をご依頼される段階で、葬儀社さんとお打ち合わせすることをおすすめします。
あなたのご家族を、納得できる形で送り出せますように。DIY葬儀で温かいお見送りができますよう、お祈りしております。
トイアンナ
初めまして、トイアンナです。いきなりなんですが、人ってどこで亡くなって、どうアレコレして、葬儀を終えるものなんですか?