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カインズでビカクシダを育てる道具をぜんぶ揃えてみた

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yucchosan

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趣味は東南アジアを旅行して食べ歩きをすること。タイで見た野生のビカクシダの姿に衝撃を受ける。帰国後、日本でも観葉植物として売られていることを知り、試しにひとつ入手してみたところハマる。いつかビカクシダだらけの魯肉飯屋さんをやりたいと思っている。

ビカクシダってそもそもなに?

はじめまして。ビカクシダが大好きなyucchosanと申します。いきなりビカクシダといわれてもあまり耳なじみがないかもしれないので、写真を見ていただきたいと思います。

一般的なビカクシダ

一般的なビカクシダ

どうでしょうか。写真を見た方のなかには、もしかするとカフェや美容院などで目にしたことがある方もいるのではないかと思います。このように板に着生した形での流通はそう多くはないのですが、今回カインズで苗や資材を買って、自分で仕立ててみようという試みです。でもその前に! 私が大好きなこの植物について説明させてください。

ビカクシダのここがおもしろい

ビカクシダは、コウモリランという愛称でも呼ばれることがありますが、蘭ではなくその名の通りシダ植物です。漢字では「麋角羊歯」と書き、麋(おおしか=トナカイ、ヘラジカ、シフゾウなど諸説あり)の角のシダという意味です。

鹿の角のように突きあがった葉

鹿の角のように突きあがった葉

このように分岐が多いタイプもある

このように分岐が多いタイプもある

上に向かって枝分かれして伸びる葉の形が、鹿などの動物の角みたいですよね。また、その葉の根元にも注目していただきたいのですが、根を覆うようにまた別の葉があるのがわかるかと思います。

おもしろポイント1:貯水葉がある

その根元の葉を、貯水葉と呼び、名前の通り、水を貯める役割を果たします。これは、ビカクシダの原生地の多くが雨季と乾季がある地域であり、長いあいだ雨が降らなくても自らに水を貯めておくことで枯れずにすむという進化の賜物なのです。

角の形の葉(胞子葉といいます)が代謝のサイクルの中で枯れ落ちていくのに対し、貯水葉は枯れてもなお根元に残り、スポンジ状となった組織に水を貯め、自らを形作っていきます。後述しますが、この特性により、盆栽を剪定して理想の形を作るように、ビカクシダも形をデザインしていくことが可能なんです。

おもしろポイント2:木に着生する

ビカクシダはシダ植物なので、胞子で繁殖します。成熟したビカクシダの胞子葉には、ほかのシダ植物と同じように胞子がつきます。それが風などで飛ばされ、その先で胞子が受精し発芽します。胞子は非常に軽いため、もちろん地面に落ちる場合もありますが、ビカクシダの場合は多くが木の枝や幹に胞子が着生し、そこに生えることになります。

タイ北部チェンマイにいった際に撮影した写真。雑草のようにそこらじゅうに生えている

タイ北部チェンマイにいった際に撮影した写真。雑草のようにそこらじゅうに生えている

このように木に根が張り着生する性質に基づき、観葉植物として飾る場合も木の板にくっついた状態で管理するのが好まれます。一般的には観葉植物というと鉢植えで育てる場合が多いですが、このように木の板に張りつけて壁や天井に飾ると場所も取らないうえ、立体的なルームコーディネートにより、非常に映える部屋を作ることができます。もちろん鉢植えで床に置いて育てることも可能です。なお、木に張りつける際には水苔やヤシガラなどを使用するため、土を使う必要がないのもインテリアとして優れた点といえます。

おもしろポイント3:子株ができる

先述したように繁殖は胞子によるのですが、ビカクシダは子株を作ることでも種を存続させようとします。胞子による繁殖は次の世代になりますが、子株はいわばクローンということになり、根の先から生える不定芽という芽から自分のコピーの赤ちゃんを発生させるのです。そうしてその子株が育ち、それぞれが胞子を播くことで繁殖の機会を勝ち取ってきたのでしょう。その逞しさにはいつも感動させられます。

親株と子株は根を共有していますが、ある程度の大きさに育てば切断しても問題なく生きられます。なので、子株ができたら切り取ってまた別に育てたり、愛好家同士で子株をトレードしたりということも頻繁に行われています。まだ小さくても、親株のクローンなのでどんな姿に育つかがイメージできるというわけです。一方、胞子から育てた場合は子どもになるので、似てはいますが全く同じ姿にはならないこともあります(それもおもしろいところなのですが……)。

まだまだおもしろポイントはあるのですがこのくらいにして、木の板に仕立てるところを一緒に見ていただき、そのおもしろさを皆さまにも体験していただきたいと思います。

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