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目次/ INDEX
昨年のカインズ町田多摩境店の様子。デグーのグッズが当たるくじ引きイベント「DEGUBIKI(デグビキ)」が開催され大盛況だった
カインズ町田多摩境店は、400人以上ものお客様が長蛇の列を作ることもあります。
来店するお客様の目的は、デグーの第一人者である茂木宏一さんに会うこと。
茂木さんはカインズ町田多摩境店のペットショップ「ペッツワン」に在籍し、年間500匹以上のデグーを飼育・販売。デグーの専門書を監修するほどのプロフェッショナルです。
そんな茂木さんに相談したり助言をもらいたいと、全国各地からデグー愛好者が集まるように。いつしか、カインズ町田多摩境店は「デグーの聖地」と呼ばれるようになりました。
デグーは知能が高く人懐っこい性格で、ハムスターやモルモットよりも飼いやすいとペット需要が高まっています。
今回は、茂木さんがデグーと向き合った30年を紐解き、デグーの魅力に迫ります。またデグーを飼うときの参考になるように、生態や飼い方のコツについても茂木さんに詳しく教えていただきました。
茂木さんとデグーとの最初の出会いは約30年前、ペットショップのバイヤーとして問屋さんを訪れた時。当時のデグーは今ほど知名度がなく売れ残っていました。
「その時に初めてデグーを見て『ネズミみたいだな』とあまりいい印象ではなかったです(笑)」。
しかし茂木さんは、デグーにどこか惹かれるものを感じ、100匹ほどを引き取り自分のお店で販売してみることに。
偶然の出会いをきっかけに、デグーの飼育・販売を始めた茂木さん。デグーと触れ合ううちに、愛らしい姿や高い知能など、デグーの魅力にどんどん引き込まれていきました。
「デグーはとても人懐っこく、店舗にいらしたお客さまにも触れ合ううちにどんどん懐いてくれるんです。もともと見た目はかわいらしいので、人気者の素養はあったんでしょうね」
デグーのかわいらしさが評判となり、問屋さんから譲り受けた100匹ほどのデグーたちは、あっという間に引き取り先の家族が決まりました。
それから、お店で本格的にデグーの飼育・販売をするようになりました。当時はデグーを扱うペットショップが少なかったこともあり、次第に全国からデグーファンが茂木さんのもとに集まるようになったのです。
頭に被るのはオリジナルのデグーキャップ。イラストはデグーを愛する漫画家が制作した。
茂木さんがデグーの虜になり、本格的に飼育・販売をはじめたのは2000年頃です。いまほど知名度がなかったにも関わらず、多くのデグーを取り扱いはじめました。
「店舗で取り扱う動物の半分をデグーが占めていました。同業者から『どうしちゃったの?』と本気で心配されましたね(笑)」
ただ徐々にデグーの魅力が世に伝わり、デグーを求める方も増えるように。ピーク時には年間1000匹以上を販売するほどになりました。
デグー人気が高まる一方で、茂木さんは「世に出回っているデグーに関する情報が少なすぎる」と感じていました。
自分のお店でデグーを購入したお客様には直接アドバイスできるが、別のお店で買った人にはできません。それではデグー飼育の正しい知識を得られない可能性があるのでは。またもっと快適に、デグーとの生活を楽しんでもらうにはどうすれば良いか。
茂木さんが頭を悩ませていた時、出版社から声がかかり『はじめてのデグーの育て方』という飼育本を監修することになりました。
『はじめてのデグーの育て方』(ナツメ社刊)では、デグーの基本的な生態からエサ・飼育グッズの選び方、15種類以上あるといわれる鳴き声の意味など、初めてデグーを飼う人が知りたい情報が掲載されています。
茂木さんのデグーの愛らしさを知ってほしいと普及に尽力した30年と、誰もがデグーを正しく飼育できる環境を作りたいという情熱は次第に知れ渡り、茂木さんを「デグー愛日本一の男」と呼ぶ人も現れました。
デグー愛あふれる茂木さんを頼って、多くのデグー愛好家がカインズ町田多摩境店に来店しているのです。