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目次/ INDEX
僕たちは週末縄文人。「現代の道具を使わず、自然のものだけでゼロから文明を築く」というルールを自分たちに課しているため、鍋を食べるには、まず土鍋そのものを作らなければならない。それも、土からである。
なんとか土鍋を作れたとしても、具材集めも自分たちでしなければならない。そもそも冬の山に食べられるものなんてあるのだろうか?
味付けだって難しい。シンプルに塩でいくにしたって、それも自力で調達する必要がある。
ただ鍋を食べたいだけなのに、越えなければならない壁がめちゃくちゃ多いのだ。
しかし、そんな苦労の末にできる“縄文の鍋”は、さぞウマいはずである。
その究極の味が知りたい。そして、あわよくば日本人の鍋のルーツに迫りたい。
そんなこんなで、僕らは長い旅に出た。
自家製のカゴを持って粘土を探す
まずは土器を作るための粘土を探す。粘土になるのは、粒子が細かく、粘性の高い土だ。山や川岸の地層が露出しているところを歩き、手にとって調べながら歩く。また、竹は粘土質の土壌を好むという話を聞いたので、竹やぶも重点的に探した。
ようやくたどり着いた粘土スポット
空いた時間を見つけては粘土を探すこと3ヶ月。山奥の集落に住む男性から、「昔この山の土で瓦を直した」という耳寄りな話を聞き、その場所へ向かった。すると、そこには黄土色の土が。手に取ると粘り気があり、押すとへこんだままの状態で固まった。これは間違いなく粘土だ!
地主さんの許可を得て、カゴ一杯に集めた。季節はもはや春になっていた。
岩石が何万年という時間をかけて風化し、粘土になる
それにしても、この時点でこんなに時間がかかるとは思わなかった。粘土はどこにでもあるものではないのだ。きっと縄文人は住む土地を探すときには、「粘土採掘場から徒歩○分」みたいな条件を重視していたのではないだろうか。