潮干狩り歴70年の超人から潮干狩りに必要な持ち物、時期、場所、注意ポイントを超伝授された
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春から初夏に咲く可憐な花が、見る人の心を癒してくれる「ミヤコワスレ」。江戸時代から品種改良が盛んに行われ、「江戸紫」「浜乙女」「瀬戸の白雪」など、美しい品種が数多くあります。
夏の暑さに弱いため「気づいたら枯れてなくなっていた」という経験をした方も多いかもしれません。この記事では、ミヤコワスレの育て方を紹介しています。夏の管理や肥料の与え方、剪定の方法なども解説していますので、参考にしてみてください。
ミヤコワスレは直径3〜4cmほどの可憐な花を咲かせる日本原産の宿根草です。
もともとは「ミヤマヨメナ」という山野草を改良して作られた品種で、今では紫や青、ピンクなど、さまざまな色の花があります。
花には風情があり、鉢植えや庭植えはもちろん、茶室に生ける「茶花(ちゃばな)」としても古くから利用されてきました。
日本の気候に適応しやすく、条件が合えばほとんど手を加えなくても毎年咲いてくれる強い性質をもっています。
ただ、暑さだけは苦手なため、夏をうまく乗り切れるかがミヤコワスレ栽培のポイントと言えるでしょう。
ミヤコワスレは苗から育てるのが一般的です。
苗選びがとても重要で、元気のない苗を選んでしまうとそのまま枯れてしまうことも珍しくありません。根がしっかり張っていて、葉色が濃く、株全体が大きいものを選ぶようにしましょう。
根の張り具合は、ポットを持って少し揺らしてみると分かります。根元がグラグラしないものを選んでください。また、小さなポットではなくロングポットや鉢売りされている株は、丈夫である場合が多いです。
ミヤコワスレは暑さが苦手で、夏は半日陰に移動する必要があります。そのため、鉢植えで育てた方が管理しやすいでしょう。
植え付けの適期は春と秋ですが、夏越しが難しいので秋植えをおすすめします。
また、冷涼地では地植えでも育てられます。直射日光が当たらない半日陰の場所を選び、株の間隔を15〜20cm空けて植え付けを行いましょう。
ミヤコワスレは日当たりと風通しの良い環境を好むものの、強い日差しが苦手です。
春と秋は日が良く当たる場所に置き、6月から9月半ばくらいまでは午前中だけ日が当たる場所(半日陰)で管理しましょう。西日にも当てない方がよいです。
気温は15〜20℃で良く成長します。寒さには強いですが、霜や凍結の恐れがある場合は軒下に移動したり、ビニールで覆うなどの対策をしたほうが良いでしょう。
ただ、冬の日差しが不足すると翌年の開花に影響することがあります。天気の良い日は日光に当ててあげましょう。
地植えにする場合は遮光ネットやヨシズを利用して、日差し対策を行ってください。
ミヤコワスレは水が大好きです。鉢の表面がしっかり乾き、鉢の中まで乾きはじめたらたっぷり与えましょう。鉢の中の乾き具合は鉢を持ち上げた時の重さで判断できます。
冬になると花はすべて落ちますが、根は生きています。水やりは継続して行ってください。
地植えの場合は基本的に水やりは不要です。晴天が続き乾燥が激しい時だけ水やりをしましょう。
ミヤコワスレは水はけの良い土を好みます。市販の培養土を使う場合は、鹿沼土を1〜2割加えるとさらに水はけを改善できます。あまりにも安価な培養土は水はけや通気性が悪く、根腐れを起こしやすいので避けてください。
用土を自作する場合は、赤玉土(小粒)5、腐葉土4、パーライト1の割合で混ぜ合わせて使います。地植えの場合はあらかじめ腐葉土や堆肥を土に混ぜ込み、しっかり耕しておきましょう。
ミヤコワスレは元肥と追肥が合計3回必要です。元肥は植え付け時に緩効性の化成肥料を土に混ぜこみましょう。
追肥は開花中に1回と、花が咲いた後に1回与えます。追肥は土に混ぜ込む必要はなく、株元にバラまくだけでOKです。
また、ミヤコワスレはアルカリ性土壌を嫌うため、石灰質肥料を与えてはいけません。必ず緩効性の化成肥料を与えましょう。
ミヤコワスレの剪定は主に「切り戻し」と「花がら摘み」です。
切り戻しとは茎の先端をカットし脇芽の成長を促す方法で、生育期に切り戻すことによって株のボリュームをアップさせることができます。
切り戻しの時期は3〜4月、または花がすべて咲き終わったタイミングで行います。
花がら摘みとは咲き終わっても散らずに残っている花を摘み取る作業で、株の寿命を伸ばしたり、病害虫の発生を抑えるなど、大切な役割があります。
咲き終わった花や枯れた葉は、こまめに取り除きましょう。
ミヤコワスレは、根がよく成長するため1年に1度の植え替えが必要です。花が咲き終わってすぐか、9月下旬〜10月頃が適期となります。
植え替える際は根鉢を1/3ほど崩すと根付きやすくなります。この時に傷んだ根や伸びすぎた根も切りそろえておきましょう。
鉢が大きすぎると鉢の中が加湿気味になり根が腐ってしまうため、株よりひと回りだけ大きい鉢に植え替えてください。
地植えの場合は株分けを兼ねて3〜5年に1度植え替えると生育が良くなります。
ミヤコワスレは「株分け」か「挿し芽」で増やせます。
株分けとは掘り起こした株を均等に切り分けて植え付ける方法で、株を増やすのはもちろん、株のリフレッシュにも有効なテクニックです。植え替えと同時に行うと、株への負担を最小限に抑えられます。
また、挿し芽の方法は以下の通りです。水切れに注意して管理すると約1ヶ月ほどで発根します。
ミヤコワスレは、うどん粉病にかかることがあります。
うどん粉病とは「糸状菌」と呼ばれるカビが原因の病気で、うどんの粉をまぶしたように白い斑点がつくのが特徴です。花だけでなく野菜や果樹にも多く発生し、花が咲かないといった症状を引き起こします。
お酢や重曹スプレーで対処できる場合もありますが、感染した葉を切り取るのがもっとも確実な方法です。
日当たりと風通しの良い場所では発生しにくいため、栽培場所を工夫し、うどん粉病を予防しましょう。
ミヤコワスレには、4〜6月と9〜11月頃にアブラムシがつくことがよくあります。
アブラムシは主に新芽に寄生し汁を吸う害虫です。「株を枯してしまう」といった直接的な被害は少ないものの、アリを引き寄せたり、病気を蔓延させたりと、2次被害をもたらす厄介な存在です。
殺虫剤を使用しても良いですが、数が少ないうちはガムテープにくっつけたり、歯ブラシでこすり落として駆除すると良いでしょう。
ミヤコワスレは品種改良によって生まれた日本原産の宿根草です。4〜6月頃には紫やピンクの可憐な花を咲かせ、見る人を楽しませてくれます。
年間を通して屋外で栽培できるものの、暑さには弱いため、夏対策は必須です。夏の管理と肥料と剪定、これらを確実に行って、美しいミヤコワスレを育ててくださいね。