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デジタル陰陽師! アクリルとLEDで発光する「おふだ」が近未来過ぎた

クリエイター

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Dai

Dai

3Dプリンターをこよなく愛する古参の「ニコニコ技術部員」。アナログ手作業とデジタル工作を組み合わせた創作が得意。現在はコスプレ衣装や小道具を制作する「コスプレ造形師」として活動

LEDで発光する「おふだ」を作りたい

LED発光には無限の浪漫がある……。多少なりともSFアニメやSF映画に触れた人には、光輝くLEDの美しさに魅了されないことは無いでしょう。また最近のガジェット界隈では7色に発光する「ゲーミング仕様」が流行っており、大変美しいですよね。やはりLEDには人を魅了する力がある。

という訳で、光り輝くLEDと和のモチーフである「おふだ」を組み合わせ、サイバーパンクな「LEDおふだ」を作ってみました。

「おふだ」と言う薄い物にどうやって機構を詰め込むか

作品を制作する際、いつも悩むことになるのは「必要な機能を、如何にして綺麗にデザインに落とし込むか?」と言うことです。特に今回の「おふだ」は基本的に紙一枚の厚みしか無いモチーフなので、可能な限り厚みを感じさせ無いデザインにしなければなりません。具体的には片手で持てるレベルです。

制作ワークフロー

もっとも最初から悩んでも仕方ないので、まずはIllustrator等のデザインソフトで設計後に3Dプリンター・レーザーカッターで試作を行い、実際のサイズ感を確かめたりデザインを詰めていくことにします。

フレームの設計をして3Dプリントを行う

3DCADソフトのFusion360で設計

イメージが固まったら早速 3DCADソフトのFusion360で設計を行います。このソフトは高機能にも関わらず「趣味や個人的な用途ならば無料」で使える大変ありがたいソフトです。

モデリングが完成したら3Dプリント出力にかかりましょう。

ところで、3Dプリンターを知らない方が圧倒的に多数派だと思いますので簡単に補足しておきますが3DCADソフトで設計した3Dデータを、3Dプリンターに直接送って出力することはできません。一旦3Dモデルを「スライサーソフト」と言う出力準備を行うソフトで処理する必要があります。

『なんのこっちゃ?』と思いますので、普通の紙プリンターに置き換えて説明しますとパソコンから紙に印刷するときに必ず「プリンターの設定画面」が出てきますよね? 「紙の向き」や「印刷品質」を聞いてくる画面です。あの画面に当たるのが3Dプリンターの「スライサーソフト」です。3Dプリンターは印刷設定をするのが別のソフトで独立していると考えてください。「スライサーソフト」で設定することは「出力物の配置」だったり「出力の速度や密度」等になります。

スライサーソフト

この設定も出力品の精度に影響するので注意が必要です。何はともあれ、これにてデータ準備OK。早速3Dプリンターで出力をしていきます!

MakerbotReplicator2:大きな出力ができる3Dプリンターは貴重

MakerbotReplicator2:大きな出力ができる3Dプリンターは貴重

紙のプリンターでもA4、A3サイズで機種が違いますよね? 同じように、3Dプリンターの最大出力サイズは機種に依存します。私が使用しているのはMakerbot Replicator2と言う、既に販売終了した古い機種ですが、出力サイズが大きくて便利です

(最大造形サイズ:横28.5㎝ × 縦15.3cm ×高さ15.5cm)

3Dモデル出力中

3Dモデル出力中

ちなみに、出力時間は出力サイズに比例し、今回の大きさですと大体4時間ぐらいかかります。長いと思いますか? 大丈夫、ボタンを押したら後は放って置けば良いので。

レーザーカッターでアクリル部分のデザインを試作

Illustratorで図案を考える

Illustratorで図案を考える

さて次に、レーザーカッターで加工するアクリル部分のデザインを考えます。こちらのデザインはAdobeのIllustaratorを使用して作っていきます。一番最初にも書きましたが、3Dプリンターでもレーザーカッターでも「一発で完成」はあり得ず何度も微調整を繰り返すことを前提として気楽に設計デザインを行います。

家庭でも簡単に置けるレーザーカッター「Hajime」

家庭でも簡単に置けるレーザーカッター「Hajime」

使用するレーザーカッターは「オーレーザー Hajime」と言う機種です。日本製で信頼性が高く、価格も個人で買える範囲の物なので大変便利です。気になった方は是非調べてみてください。

MDF(木材)によるテストカット

MDF(木材)によるテストカット

アクリルは材料費が高い為、試作には安い木材板(MDF材)を使用します。MDF材はカインズでも売ってますので助かりますね。

試作完成。細かな調整は後程

試作完成。細かな調整は後程

LED発光の電子工作は友人に依頼

ゲーミングに発光するLEDテープ

ゲーミングに発光するLEDテープ

続いてはキモとなるLED発光部分です。構成としてはLEDテープ + 制御マイコン + バッテリー ですが、私は電子工作が専門外なので友人の電飾師:五味さんに制作を依頼してゲーミングLEDを作ってもらいました。

持つべきものは友人ですね!

さあ始まるぞ! 微調整の地獄がな!

さあ! フレーム部分・アクリル部分・LED部分の各パーツの試作が揃いました。しかし! 現時点ではこれらが「綺麗に収まる」とは限りません! ですから、ここから微調整の地獄が始まります!

数ミリ単位で3Dの設計を変更したり、レーザーカッターで穴をあける位置を変更したりする訳です。一見大変そう……実際に結構大変なのですが……しかし、それでも3Dプリンターやレーザーカッターは機械作業! 手作業に比べれば遥かに簡単に調整作業をすることができます!

この点がデジタル工作機械の大きなメリットですね。

工作機によって作られた沢山の失敗作

工作機によって作られた沢山の失敗作

今回の場合、最適の設計に行きつくまでに7回調整を行いました(特に3Dモデリング)

最初に問題になった厚みは1.5㎝になりました。LEDや制御マイコンの大きさを考えると、これでもギリギリです。それでも片手で持てるので良しとしましょう。

カインズでアクリルと組ネジを買ってくる

試作設計も無事に完了しましたので、早速本番です。カインズで3㎜アクリルと組ネジ(10㎜)を購入してきます。身近に材料が買えるのはありがたいですね。

カインズ青梅店で材料を購入

カインズ青梅店で材料を購入

アクリルをレーザーカットしまして

決定したデザインでアクリルカット

決定したデザインでアクリルカット

素材が全て揃いました

素材が全て揃いました

揃ったパーツを実際に組み立てていきます。ワクワクしてきましたね。

パーツを綺麗にはめ込みます

パーツを綺麗にはめ込みます

そして完成!

そして完成!

めっちゃカッコ良い「サイバーパンクおふだ」爆誕

無事に片手で持てます

無事に片手で持てます

完成しました! いよいよワクワクのスイッチオンです

スイッチON!

スイッチON!

おお光る! 光るぞ! 7色に輝く「おふだ」だ!!

色の変化が分かり辛いので5倍速にしています

色の変化が分かり辛いので5倍速にしています

これは、現代の妖怪も成敗できそう

ちなみに、バッテリーは手に握り込む形で持っています。チラ見せしているバッテリーケーブルがさらなるサイバーパンク感を醸し出す!

さらに、右手に包帯を巻きつければ中2病感もup! もう誰にも止められない!

静まれ俺の右手! どうなっても知らんぞ!

静まれ俺の右手! どうなっても知らんぞ!

と言う訳で、心の中の男児がお祭り騒ぎになる「サイバーおふだ」の制作記でした!

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