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目次/ INDEX
厳しい生存戦略の果てに、昆虫を食べるという道を選んだ「食虫植物」。
その特異な生態と、目を惹きつけて離さない美しい見た目に魅了され、食虫植物をこよなく愛する人がいます。
食虫植物愛好家・田辺直樹さんです。
田辺さんは、食虫植物についてこう語ります。
「食物連鎖の下克上」
「田辺、虫を食う花を知ってるか? それがすべての始まりでした」
「マイノリティな世界だからこそ、おもしろいんです」
ウツボカズラ
田辺 直樹
1963年東京生まれ。小学校2年生の時に食虫植物と出会って以来、食虫植物の魅力に取り付かれて50年。
日本食虫植物愛好会を設立し、通信販売、機関誌発行、定例集会、即売会、講習会の開催と精力的に活躍。
国際会議で研究発表するなど国内外の愛好家との交流も活発
──田辺さん、今回は食虫植物の世界について教えてください!
──それは、どういうことでしょうか?
食虫植物は、世界に約800種類生息しています。そのうち日本で生息しているのは23種類です。その23種類は、日本全国さまざまな場所に生息しています。だから、ひとえに『食虫植物の育て方は?』『生態は?』と質問されても、1つ1つ種類によって解説が異なるんですよ
──たしかに、“食虫植物”というくくりで考えられがちですが、本来いろいろなところに生えている植物ですもんね。
そうなんです。だから、あくまでそれぞれの種類によって生態は異なるということを前提に聞いてくださいね。ちなみに現在、世界では約800種類の食虫植物が発見されていますが、少し前までは約600種類と言われていました。だから、まだ未発見の食虫植物が眠っている可能性はかなり高いです
──それはロマンがありますね…!
私自身、コロナ禍になる前は、年に1回のペースで海外に出向いて、自然に生えている食虫植物を見に行ったりもしていました。オーストラリアやボルネオ、スマトラ、アメリカにはよく行きましたね
──その辺りは、特に食虫植物が生えているんですか?
特にオーストラリアは圧倒的に食虫植物が多いですね。オーストラリアは動物も独自の進化を遂げているものが多いので、植物にもその傾向があります。あとは、マレーシアのような熱帯雨林にも、多く生息していますね
──逆に日本には、どんな食虫植物が生息しているのでしょうか?
日本にのみ生息している食虫植物は2種類います。1つは『コウシンソウ』です。これは、栃木県の標高2,000mの場所に生えている食虫植物になります
コウシンソウ
粘着式で虫を捕まえるタイプの食虫植物で、“ムシトリスミレ”の仲間になります。基本的に日本に生息している食虫植物は管理が難しいので、育てるのにはあまり向いていないですね
──では、ホームセンターなどで販売している食虫植物は、海外で生息している食虫植物が多いんでしょうか。
販売しているものはだいたい外国産で、日本に生えている食虫植物は売っていないと思います。売っているのは、丈夫で殖やしやすい種類になりますね。よほどマニアでない限りは、育てにくいものを購入する人も少ないでしょうから(笑)
もう1つは、『フサタヌキモ』という食虫植物です。これは湖などの水中に生息している食虫植物になります。根がない“浮草”になりますね
──水中で生息しているということは、水の中で虫を捕まえることがあるんですか?
フサタヌキモは、主にミジンコやボウフラを食べています。水と一緒に餌を吸い込んで捕まえる『吸い込み式』という捕獲タイプの食虫植物になります
──水中でも食虫が行われているんですね。食虫植物には、「吸い込み式」のほかにどのような捕獲方法があるのでしょうか。
よろしくお願いします。いろいろお話したいところなのですが、『食虫植物』という1つのグループとしてひと括りにされてしまうと、生態を説明するのは、実は少し難しいんですよ