電動ドライバーで“水回り汚れ”が激落ち!「スカットディスク」おそうじ用に大感動
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目次/ INDEX
森の奥深くに住む謎めいた鳥・フクロウ。
最近では、フクロウカフェでモフモフとしたかわいらしい姿に癒やされたり、某イギリスのファンタジー小説でフクロウを飼う主人公に憧れている方も多いのではないでしょうか。
フクロウは、その生態や飼い方を正しく理解していれば、ペットとして飼うこともできるんです。
Hiro and Buffy
早速フクロウを飼っている方にお話を......って、え!?!?
フクロウと一緒におでかけして......る!?
ペットというよりも、長年連れ添った相棒のような雰囲気すら感じるこのお二方。どうしたらこんなに信頼関係を築くことができるのか、フクロウを大切にしながら暮らすコツや条件を聞いてみました。
──早速ですが、Hiroさんはどんなフクロウを飼っているんですか?
Hiro:僕が飼っているのは、シベリアワシミミズクという種類のオスで、名前はBuffy(バフィー)といいます。フクロウカフェによくいるメンフクロウなどに比べると、大型のフクロウです。
──フクロウと、一緒に暮らし始めたきっかけが気になります。
Hiro:エキゾチックアニマルを飼いたくて探していたときに、フクロウにたどり着きました。
鷹なども検討していたんですが、フクロウのふわっとしたフォルムは、他の動物にないかわいさで惹かれました。かわいさだけでなくて、大きい種類だとかっこよさも兼ね備えているので、そこがさらに魅力ですよね。
──かわいさとかっこよさを併せ持っているんですね。
Hiro:何かにつまずいたり、羽をいじったり、眠っていたり......色々な仕草や表情がかわいくて、見ていて飽きないですよ。フクロウは顔が約210度回るって知ってますか?
──そんなに回るんですか!?
Hiro:フクロウは眼球が球状ではなく円筒状になっていて、人間のように眼球を動かすことができません。そのため、顔ごと後ろに回転させることで、周囲の状況を窺っているんですよ。
──眼球が円筒状とは驚きました。
Hiro:身体的な特徴としては、聴力もいいし、視力もいいですね。1km先の物体も見えます。
──本当に不思議な生き物ですね。フクロウの生態がもっと知りたくなりました。
Hiro:自然界では群れずに1羽だけで生息しています。そのため、寂しい・構ってほしいなどの気持ちはあまりない生き物です。
だから、四六時中一緒にいてなでたり構ってあげたい! という方にはあまり向いてないペットです。
また、夜行性ですが昼も夜もジーっとしていることが多いです。継続して眠れる時間はせいぜい30分程度で、昼間もずっと寝てるわけではないですね。
──自然界ではどのような場所で暮らしているのですか?
Hiro:森、林、山など、人目につかない自然豊かなところに住んでいます。日本だと、北海道に最も多く生息していて、千葉県の山中にもいます。
また、日本にいるフクロウは10種類くらいで、特にウラルフクロウという種類が1番多いです。
──寿命はどれくらいでしょうか?
Hiro:大型だと25〜30年、小型だと15年くらいです。ペットの中でも長生きな動物なので、覚悟を持って飼育しなければなりません。
──それだけ長生きするペットとなると、飼い主の良き相棒になってくれそうですね。ちなみに、ペットとして普及し始めたのは最近ですか?
Hiro:2012年頃に東京でフクロウカフェが相次いでオープンして、その後にペットとしても広がっていきました。
──Buffyとはどうやって出会ったんですか?
Hiro:生後3週間のときにブリーダーさんから迎えて、ヒナから育てて今は5歳になりました。
Hiro:ブリーダー以外の入手方法としては、フクロウカフェで卵が生まれたときにもらえるようにお願いするか、ペットショップで購入するかですね。あとは、レプタイルズショーという、爬虫類や両生類の即売会で入手することもできます。
──フクロウってどんな環境で飼育すればいいのか全く想像がつかないのですが、そもそも賃貸でも飼えるんですか?
Hiro:僕は戸建てに住んでいますが、ペット可の物件なら大丈夫ではないでしょうか。ただ、人に育てられたフクロウは、餌がほしいときに甘えて鳴くのですが、これがかなりうるさくてしつこい。特に、メンフクロウはギャーっと絶叫します。
──絶叫するペットって初めて聞きました......環境面で他に注意することはありますか?
Hiro:日当たりも大切で、窓ガラス越しではなく、屋外に出して日光浴させることが必要です。紫外線を浴びると、ビタミンDの形成やカルシウムの吸収が促進されますし、ストレス軽減にもなります。
──夜行性でも日光浴が大事なんですね。
Hiro:賃貸などでの室内飼いの場合、他に気を付けるべき点としては、エアコンの掃除と換気の徹底です。フクロウは呼吸器系の疾患が多いので、エアコンのお手入れを放置したら、カビが原因でアスペルギルス症という病気になってしまいます。
あと、狩りの模倣なのか、靴下やティッシュなどそのへんに置いているものを飲み込んでしまうこともあるので、注意が必要です。
──HiroさんはどのようにBuffyと暮らしているんですか?
Hiro:ベランダにテントを張って、広い鳥小屋のような空間にしています。その中では自由に飛び回れるし、日光浴もできる環境になっています。
──フクロウにとっては、ストレスなく暮らしやすそうな環境ですね!
Hiro:最初はリビングで飼っていました。鳥類は脂粉という白い粉が身体から落ちるのですが、空気清浄機が3日で目詰まりするほどの量で、掃除が大変でしたね。置いている物もたくさん壊されました。
──人間と生活空間を一緒にするのはかなり難易度が高そうです。
Hiro:糞のしつけもできないので、いつもいる場所の下にペットシーツを敷いておくしかないのですが、網がなければビリビリに引きちぎってしまいます。
──フクロウをペットにしている方々でよく議論に上がりますが、放し飼いか係留するかだと、どちらがよいのでしょうか?
Hiro:飼い主が見守れるときに1〜2時間放鳥して、それ以外のときは係留しておくのがよいです。係留は、止まり木にひもでつないでおきましょう。鳥類は羽を伸ばしてストレッチをするので、羽を伸ばしきれないような小さい鳥かごは避けるべきですね。
──係留する場合は、ひもの長さや止まり木の高さで気を付けることはありますか?
Hiro:止まり木は30〜40cm、ひもは40〜50cmくらいが目安ですね。この目安からずれると、飛ぼうとしたときにひもが絡まってしまう係留事故が起きる恐れがあります。
ひもは止まり木よりやや長めにして、着地できるようにしてください。ひもは長すぎず短すぎずがベストですが、長ければひもが絡まっても宙ぶらりんになるのを防げるので、短いよりかはやや長い方が良いです。
──係留事故という危険があることを初めて知りました。
Hiro:高いところに止まり木を置く人がいますが、高いところからひもで繋がれた状態で飛ぶと、ぶら下がって落鳥してしまう恐れがあります。行きたい場所にしつこく何回も飛ぼうとして、ひもで引っ張られて足を痛めてしまうことも。
──室内飼育には細心の注意が必要なことがよくわかりました。街中で「ペットのインコ探してます」と書いた張り紙を見かけますが、フクロウも外に逃げたらなかなか自宅に戻ってこられないのでしょうか?
Hiro:外で飛ばせる「フリーフライト」の訓練をしていなければ、戻ってくる確率はかなり低いです。どこまでも飛んでいきます。迷子になることをロストと言うのですが、日光浴させているときにつないでいる金具が壊れて、そのまま帰ってこなかったロストの話は最近も何件か聞きましたよ。
──ロストはかなりショックですね......
Hiro:カラスなど他の鳥から攻撃の真似にあたる「モビング」をされると、追いやられてどんどん遠くに行ってしまうんです。
フクロウは実はイメージとは違って鳥類のなかでもとてもおとなしいんです。野生の個体でもカラスに追われるくらいなので、飼育されている個体はどんどん怖がって遠くに逃げてしまいます。
──ペットにするとなると気になるのは費用。1ヶ月あたりどれくらいかかりますか?
Hiro:餌代はBuffyのような大型フクロウで25,000円、メンフクロウなどの小型で10,000円ほどですね。室内飼育だと、ペットシーツ代もかかります。あとは、爪やくちばしのメンテナンスも月1回、3,000~4,000円ほどします。
──くちばしってメンテナンスが必要なんですか?
Hiro:自然界だと自分で木などにこすりつけて削りますが、飼育下では伸びすぎたら変形して割れてしまうんです。フクロウカフェにお願いするケースが多いですが、僕の場合は自分でやっています。
──フクロウってどんな餌を食べているんですか?
Hiro:僕は1日4匹のアダルトマウスを与えています。
──ひっ、ネズミ......鳥だと、虫とか食べるのかなとイメージしていました。
Hiro:ヒヨコやウズラなどの鳥類を与えている人もいるのですが、獣医さんからも鳥インフルエンザやマレック病など、鳥の感染症にかかる危険があるので、おすすめできないと言われました。自然界のフクロウの主食はネズミなので、飼育下でも同じ方が健康的です。
──なるべく自然に近い状態を意識して、餌を与えているんですね。
Hiro:実際に、フクロウが吐き出した内容物を分析して、何をどれくらい食べているか海外の鳥類学者が調べた研究があるのですが、結果としては、マウスが90%以上で、鳥は2%、爬虫類や昆虫が数パーセントでした。
獣医さんからも「ヒヨコやウズラはサルネモラ菌などの食中毒になる恐れがあるから、やめた方がいい」と言われました。
──餌の与え方で他に気を付けることがあれば、教えてください。
Hiro:フクロウは基本的に餌を丸飲みしてしまい、消化に時間がかかってしまうため、最低限半分に切ってから与えるのが望ましいです。
切り込みが入っておらず被毛に覆われている状態だと、胃酸が内部まで浸透する間に高い体温で餌が温められて、鮮度が落ち、雑菌が繁殖するからです。そのため、1日1回の給餌で、丸ごとそのままの餌を数匹詰め込むような与え方は避けるべきです。
Hiro:食べきれない分を隠してしまうこともあるので、なるべく置き餌にせず、ピンセットで食べきれる分だけ与えるようにしましょう。
これは、鮮度が落ちるデメリットに加えて、飼い主とのスキンシップの機会も失われてしまうからです。将来的にフライトに取り組むなら尚更ですし、問題行動の改善や関係性向上のために、日常の世話で餌をご褒美として与えるのは有効です。
──フクロウを飼育するために用意しておくべきグッズって何でしょうか?
Hiro:1番必要なのは止まり木ですね。フクロウカフェやネットで購入できますし、丸太で自作している人もいます。
1つだけだと同じ部分に体重がかかって足の病気になってしまうので、形の違うものが何種類かあったらベター。フクロウが止まる部分には、人工芝を太めに巻きつけることで、足への負担を軽減させられます。
──何種類か止まり木を置くとなると、それなりにスペースは必要になりそうですね。他に必要なグッズは何かありますか?
Hiro:動物病院などに連れて行くために犬猫用のキャリーケースのほか、同じく犬猫用の爪切り、やすり、止血剤などが必要です。
実際に使っているものがあるので共有します。
──ご自身のYouTubeではフクロウと触れ合う様子が見られますが、そもそもフクロウは人間に懐くんですか?
Hiro:懐いているのはかなり珍しいですね。普通は攻撃されたり威嚇されます。
──では、なぜそんなにフクロウとの距離を縮められたんですか?
Hiro:僕も最初は触りまくっていたのですが、そのたびに嚙まれていて、近づくと逃げられるという繰り返しでした。完全に嫌われていましたね。
でも次第に、かまいすぎてもダメだと気づいて、そっとそばにいるだけにしました。そうすると、「触ってこられるかもしれない」という緊張感がなくなったのか、気付けば隣にいてくれるようになったんです。
──押してダメなら引いてみろ、ですね。
Hiro:まさにそうですね、恋愛と一緒です。近道しようとせず、心を開いてくれるのを辛抱強く待つことが大事なのではないでしょうか。噛まれて血が出ても、笑っていられるくらいでないと。
──けがを負っても受け入れようとするなんて、フクロウへの愛が深すぎます。
Hiro:フクロウの飼育は自分のダメージも覚悟が必要です。僕の手は傷だらけですが、その分距離を縮められました。
──フクロウと一緒にお出かけすることってできるんですか?
Hiro:できますよ。家ではギャーギャー騒いでても、外では良い子になるので、気晴らしになります。夜行性なので、夜に出かけるのがおすすめです。
──フクロウって内弁慶なんですね。
Hiro:家は縄張りの中なので飼い主の存在を意識してしまいますが、外は色々なことに気が向くので、落ち着いていますね。外にいるときに触ってみると、触られるのにも慣れてきますよ。
──お出かけのときに必要なグッズってありますか?
Hiro:腕に止まらせるために、革製のグローブは必要です。最初のお出かけのときは、グローブから飛び立たないように、ロープで足を巻いておくといいです。
──外に連れ出す頻度はどれくらいがいいのか教えてください。
Hiro:できれば毎日がいいです。たまに出かけるのではなく、犬の散歩のように習慣にするのがポイントです。
──毎日となると、なかなか大変な気が......。
Hiro:外で餌をあげる習慣をつけると、うまくいきますよ。同じ場所、同じ時間帯に餌をやれば、「ここで餌をもらえるんだ」と学習します。そうすると、習慣化して信頼関係も生まれてきます。僕はBuffyがまだ飛べないひなの頃から、外で餌をあげるようにしていました。
──フクロウを外で飛ばせる「フリーフライト」ができるようになるには、どうやって練習したらいいんでしょうか?
Hiro:まず、20mくらい離れている木やポールの間にロープを張ります。その後、ロープにカラビナでもう1本ロープをつなぎ、そこにフクロウの足をくくりつけます。フクロウと飼い主はロープの端と端に離れて、飼い主は餌を持って「おいで」と呼びます。
──それって、すぐに飛んできてくれるものなんですか?
Hiro:いや、最初は全然ですね。30分くらい来ないときもありますが、ひたすら待ち続けます。
──忍耐力がすごい......私にはとてもできなさそうです。
Hiro:スマホいじりながら待っていればいいですよ。
──なるほど。釣りみたいなものなんですかね?
Hiro:確かに、待ち続けるところは釣りと似ていますね。あと、絶食させて飛ばせようとする方もいますが、これは最もよくないです。ご飯を抜くとフクロウ自身がイライラするし、何より健康に良くない。フリーフライトは健康維持や運動のためにやるくらいが、ちょうどいいです。
──ここまでお話を聞いて、フクロウの好きなことって何かあるのか気になりました。
Hiro:そもそも行動的な動物ではないので、何か特定のことをやりたがるとかはないんです。特におもちゃもいらないですし。
──フクロウカフェだと撫でることもできますが、あれはストレスなんでしょうか?
Hiro:縄張りもない環境で、無気力になってるので好き・嫌いどちらでもないんじゃないかなと......
──自然界とは全く違う状況ですもんね。逆に、されて嫌なことはありますか?
Hiro:室内で飼っていると、タオルや服をつかんで持って行かれることがありますが、そうなったらそれらはフクロウのものになってしまうので、人間が取り返そうとすると嫌がります。
──見た目からしておっとりしたイメージを持っていたので、何だか意外です。
Hiro:実はわがままなんですよ。他に意外な一面で言うと、水浴びが好きですね。たらいに足が浸かるくらいの水を貼っておくと、バシャバシャ浴びています。
──わがままな性格の場合、フクロウと一緒に飼えるペットっているんでしょうか。
Hiro:ケースに入れられた爬虫類や魚とかなら大丈夫ですが、犬や猫など基本的に全ての動物と相性が悪いです。
──病気のサインとして注意すべきことは何かありますか?
Hiro:うつ伏せで寝転がるアヒル寝という体勢を取っているときは、要注意です。ひななら問題ないのですが、大人になってやっていたら身体の調子が悪いサインですね。ペタンとなっている姿はかわいいので、SNSでもよく写真が投稿されていますが......あとは、羽づくろいをしなくなったり、食欲が落ちたりする場合なども、体調不良が疑われます。
──確かにアヒル寝はかわいいですけど、ぐったりしているようにも見えます。体調が悪いときはどう対応すればよいでしょうか?
Hiro:自己判断せずに、すぐ病院に連れて行った方が良いです。すぐに連れて行けないときは、とりあえず室内を暖めるとかかな。
あと、フクロウをペットとして迎える際は事前に、猛禽類を診察できる動物病院を知っておく必要があります。エキゾチックアニマルを診察できる動物病院は多くないので、少なくとも鳥に関する知識や実績のある動物病院が望ましいですね。
──普段から健康管理として何かやっていることがあるのかも知りたいです。
Hiro:1週間に1回程度、体重を測ることですね。減っていたら、異変にいち早く気づけます。
──最後に、フクロウと一緒に暮らしていて感じられる幸せって何かありますか?
Hiro:自分次第でフクロウの性格や生態が変わるところでしょうか。特に、人間と触れ合えるか、フリーフライトができるかなどは、飼い主の向き合い方に大きく影響されます。
──根気強さを持っていれば、良い関係性を築けることがお話を聞いてわかりました。
Hiro:また、フクロウカフェではなかなか見られないような行動を、間近に観察できるのも面白い点ですね。大変なことは多いですが、その分育てがいのある動物だと感じています。
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