冬のエアコンは効率的＆省エネに使おう！ 21台所有するエアコンマニアが簡単お掃除グッズも伝授

エアコンマニアって人生で初めて出会いました。マニアって言ってもたくさん収集できるものではないし、どうやって愛でてるんですか？

エアコンは今21台持っていますね。エアコンのモーターの音色って最高じゃないですか？

21台？！　本当に部屋の中に室外機がある......そしてモーターに音色ってあったんですね。（困惑）

そもそも、エアコン？　モーター？　に興味を持ち始めたきっかけはあるんですか？

3歳頃から室外機に食いついているような少年でした。

エアコンへの目覚め早すぎません！？

それから、中学生の頃から車や電車のモーターに興味を持つようになりました。特に、メカが好きで、インバーターという制御装置やモーターにだんだんと興味を持っていくようになったんです。

実はエアコンって家電の中で大きなサイズのモーターが入っているのでそのつながりで沼にハマっていきました。

へえ！　そこまでハマってしまうエアコンの魅力が知りたいです。

モーターの音色についてお話しましたが、音楽のジャンルの一つである“ノイズミュージック”として、エアコンのモーター音を楽しんでいます。鉄道ファンの中でも鉄道の走行装置の音や発車のメロディが好きな音鉄と呼ばれる方々がいますが、それと同じで純粋に音が好きなんです。

音フェチっていうことなんでしょうか。

そうですね。音楽にコードがあるように、ノイズにもコードがあるんです。みなさんが雑音だというものも僕にとってはきれいな音色で音楽と同じように聞いています。

お、音楽ですか......。とにかくエアコン愛がすごく伝わってきたのでいよいよ本題を聞かせてください！

まずは、エアコンのお掃除について教えてください。

まず、なぜエアコンを掃除する必要があるかというと、たくさんいいことがあるからなんです！

こんなにいいことが！

なぜこんなにいいことがあるかというと、エアコンの仕組みから説明したほうがわかりやすいのでそこから説明します。

先生！　レクチャーお願いします！

暖房は、外の空気の中にある熱を取り込んできて、そこに圧力を加えて高い温度に変えます。そこから熱交換器を通して温かい空気を出します。

逆に冷房は、部屋の中の熱を集めて室外機の熱交換器を通して熱を外に出します。そして熱交換器を通して冷たい風を吹き出します。

なるほど！　外から熱を取り込むか、中の熱を放出するかの違いなんですね。

もう少し詳しく説明すると、エアコンの中にはガスが流れていて、ガスと空気を触れさせて熱を移動させています。

そのため、空気をたくさん通過させないと熱が移動しづらくなる＝ロスが起きてしまいます。ということは、空気が綺麗に流れるように、いい環境で仕事させてあげることが重要になります。

わかりやすい！

エアコンが汚れているとロスが起こる＝電気代がかかってしまい効率が悪い状態になります。さらに、汚れが付着したままだと内部のファンやモーターに負荷がかかってしまうので、エアコンの寿命を縮める原因にもなります。

効率も悪いし、寿命も縮めてしまうなんて......でもお掃除ってどのくらいの頻度ですればいいんですか？

フィルターを1ヶ月放置するとホコリが詰まってくるので、効率を維持するには2週間に1回に手入れするのがおすすめです。

そんな頻度でのお掃除が必要だったなんて......うちのエアコンを最後に掃除したのはいつだろうか......

大掛かりな手入れをしなくても、フィルターについたホコリを掃除機で吸ってあげるだけでも全然変わってきます。

それだけでいいんですね！　それならめんどくさがりの私でもできそうです。

冬の暖房機器でいうとエアコンのライバルって電気ファンヒーターなどがありますが、効率がよく省エネなのはどれなんですか？

エアコンですね。同じ面積の空間をある温度まで上げるために入れる電気の量はエアコンの方が少なくて済むので安くなります。

例えば、最新上位モデルのエアコンは1の電気で約5倍の熱が出るので省エネなんです。たとえば、1000Wのヒーターの場合、1000W分の熱しか出ませんが、エアコンの場合は同じ1000Wで5000Wのパワーが出るので、温まるのが早いんです。

部屋全体を温めるのはエアコンが向いていますが、足元や手元など局所的に温めるにはヒーターを使うのがおすすめです。

他には、石油やガスなどの燃焼系ヒーターもありますが手軽に使える現実的な手段としてはエアコンがおすすめです。

なるほど！　エアコンが優勝なんですね。

個人的に最強なのは、燃焼系とエアコンの組み合わせです。立ち上げは燃焼系ファンヒーターの火の力で一気に温めて、そのあとの温度の維持はエアコンに切り替えると省エネです。

なぜその組み合わせがいいんですか？

エアコンは、基本的には長く使われる低出力領域で効率が最大になるように設計されていて、フルパワー、高出力領域では効率が悪化します。

燃焼系と組み合わせることで、最大出力領域で運転する時間を短縮させ、設定温度に到達したタイミング（低出力運転でOK）でエアコンのみに切り替えることで、スピード的にもコスト的にも効率を上げることができます。

それぞれの強みを生かして段階的に切り替えるんですね！　いいとこ取り！

エアコンが経済的なことはわかりました。次は、冷房や暖房の効率を更に上げるための断熱効率を高めるコツを教えて下さい！

エアコンが頑張らなくてもいいような環境づくりが大切です。冬の場合はできる限り外から冷気を入れないようにカーテンで冷気をさえぎる、断熱シートを貼るなど工夫ができます。

逆に、昼は太陽の光を最大限活用して熱を取り入れると効率が上がりますよ。

冷気をさえぎり、暖気を閉じ込める工夫が必要なんですね。夏の場合も、断熱されていることで熱を中に入れないため冷房効率も上がるとなると、今のうちに断熱シートを貼って備えておかないと！

カーテンだけでも冷気をさえぎる効果がありますが、カインズの、窓ガラス用水貼り断熱シートと断熱カーテンライナーを組み合わせるとさらに暖房効率を高めて省エネにつながります。

ちょっとアイテムを追加するだけで効果が高まるなら、やってみます！

あとは、あまりスポットライトが当たる存在ではないかもしれませんが、エアコンの心臓は室外機です。夏は日よけをのせて、熱を遮断し、冬は日よけを取り除いて室外機の周りを温めてあげるとさらに効率が上がります。

室外機は大きくて邪魔な存在だと勘違いしていました。これからは室外機にも工夫をしてみます！

よく議論にあがりますが、自動運転と弱運転だとどちらが省エネなんですか？

エアコンの仕組み的に、効率を突き詰めるならば熱交換の効率を上げるために強運転がいいです。エアコンが電力を使うのは、ファンとさきほどの心臓部分室外機にあるコンプレッサー（圧縮機）。特にコンプレッサーで8割の電力を使っています。

ファンを弱くしてコンプレッサーに負荷をかけるより、ファンを強くして効率を上げ、コンプレッサーが頑張らなくても熱を移動できる環境を作るほうがエコです。

ただし、ずっと強運転にするのは現実的ではないので......普通に効率をよくするには自動運転がおすすめです。

自動にしているとエアコンが自動で調節してくれるので、コンプレッサーに負荷をかけ続けることなく最適な風量になるっていうことですね？

正解です！　だんだん詳しくなってきましたね。

やったー！　もう1つ気になるのが、冬のエアコンはつけっぱなしにするべきか、こまめに切ったほうがいいかだとどちらが効率がいいのでしょうか？

時間によりますね。30分〜1時間程度の外出であれば、つけっぱなし。2時間〜3時間以上開けるときは一旦止めたほうが経済的ですね。

短時間で切ってしまうとまた温度を取り戻すために時間がかかるのと、最初の立ち上げに電気を使ってしまいます。逆に長時間の外出の場合は止めている間は電力が使われないので止めておいたほうがいいです。

夏は28度に設定しましょう！　なんていうことを聞いたことがありますが、冬は何度にするのが省エネなんでしょうか。

衝撃の事実をお伝えしますが、なぜ28度にするかという根拠ってないんです。

え、そうなんですか！？　28度って快適ではないですよね......

そもそも、リモコンの温度はエアコンの位置で検知した温度が表示されているので天井あたりの温度になります。そのため、冬だと設定温度よりも足元はかなり低いという状態になりがち。

快適さを追求するならば、よくいる場所に温度計をおいて温度調節すると快適に過ごせます。

暖房の場合、温かい空気は上にいくので、上と下で差が出てしまいますよね。

効率を上げるならば、空気の循環も大切になってくる......？　エアコンの風向きはどうすればいいんでしょう。

暖房の場合は、上に向いていると温かい空気が上に溜まってしまうので、下に向けておくと空気を循環させて効率が高まります。

冷房だと、下に向いていると足元だけ寒くなってしまうので上向きにしておくことをおすすめします。

向きは固定させておいたほうがいいのでしょうか？

スイングすると温かい空気が上まで行き過ぎてしまうので、下向きで固定がいいです。下向きのまま左右に循環させるような機能があるもので調整するとより効率が上がります。

続いて、冬のエアコンのあるあるトラブルを教えてください！

トラブルだと勘違いされやすいことが1つありまして。室外機の裏側にある熱交換器から熱を汲み上げる際に、氷点下近くなると凍ってしまうんです。

そうすると、ゴシューっと音がして突然5分ほど暖房が止まってしまうことがあります。

その経験あります！　なぜ止まってしまったかわからず、一旦電源を切った経験があります。

あれは、霜取り運転といって、故障ではないんです。音の原因は、中の熱を外におくることで氷を溶かすので、暖房で回っていたガスを冷房に反転させるときに鳴るものなのです。

冷たい風の原因は一時的に冷房に切り替わっているからだったんですね！　自動でそこまでしてくれるとは......ありがたい。

そうなると大雪の日や大雨の日はエアコンの使用は控えたほうがいい......？

上からの水は防げる仕組みになっているため、雪や雨は問題なく使えます。ただ、かなり強い台風で暴風雨の場合、室外機のファンが回る力と台風の風の力でぶつかり合ってファンの破損の原因になるため、控えたほうがいいです。

またしてもポイントは室外機。エアコンの心臓である室外機が壊れるともう使えなくなってしまうので注意ですね。

さきほど、エアコンのお掃除についてお聞きしましたが、カインズで買える手軽なお手入れグッズってありますか？　掃除機を出すのもちょっとめんどくさいなあって......

伸縮式もこもこハンディワイパーやブラインドクリーナーでエアコンの入り口を掃除したり、使い捨てマイクロファイバークロスで優しく拭いてなるべくホコリなどがつまらないようにしてあげるといいですよ。

マイクロファイバークロスは家中を掃除するのに常備しています！　まさかエアコン掃除にも使えるなんて！　あ、でもうちのエアコンは最後にいつ掃除したかわからないレベルなので結構汚れているかも......

そんなときは、フィルターブラシを使ってやさしく掃除してあげましょう！

ホコリが溜まっているので、フィルターブラシも試してみます！