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缶詰には、製造者たちの知られざるドラマが閉じ込められている。そんな想いや魅力を世界に向け発信しているのは、缶詰博士・黒川勇人さん。自ら運営している「缶詰 Blog」を皮切りに、現在はテレビやラジオ、新聞で大活躍中の、缶詰博士だ。
黒川さんは缶詰をこう語る。
「世界中の料理を楽しむことができる」
「200年前の発見が今も生き続けている、ものすごい発明品」
「缶詰には、人間ドラマが詰まっている」
黒川勇人/缶詰博士
日本缶詰協会公認の缶詰博士として様々なメディアに出演。缶詰業界で働く人の魅力も伝えている。著書に「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)等多数。
── 黒川さん、今日は缶詰についてのマニアックなお話、聞かせてください!
── 缶詰って今や私たちの生活の中では当たり前の存在になっていますが、そもそも誰が最初に思いついたのでしょうか?
缶詰を最初に作った人ですか? それはもちろんニコラ・アペールですよ!
── えっと……誰⁉︎
時は1804年、場所はフランス。当時はイギリスやオーストリアなどの国がたくさん戦争をしていました
── ナポレオンが大活躍していた時代ですね。
そうですね、まさに戦国時代です。そのころニコラ・アペールという男は、保存食について研究する日々を送っていました。すると偶然、今の缶詰の原理を発見したんです。煮沸した瓶に食べ物を入れて、コルクで蓋をしてからさらに瓶ごと煮沸すると、なぜか食べ物は腐らないことに気づきました
── 偶然の発見ですね。当時は缶じゃなくて瓶だったんですか?
そうですね、まだ缶という存在がない時代でしたので。あくまで1804年は缶詰の原理が発見された年になります。その保存方法を発見したところ、戦争をしていた兵隊たちは大喜び。家庭で食べているような美味しい食べ物を、戦場でも食べられるようになったんですからね。これが缶詰の始まりです
── 日本に流通してきたのは、いつになるんですか?
日本にその技術が入ってきたのは、明治4年(1871年)になります。長崎の語学学校の先生が、当時雇っていたフランス人の教師に缶詰の存在を教えてもらったのがきっかけです。食べ物が長い期間保存できるなんて、当時からすると大革命ですよ。もう学校どころではなくなってしまいましたよね。その技術は海軍に広まり、日本政府の後押しもあって、その後飛躍的に缶詰は発展していきました
ちなみに缶切りは、缶詰が発明された45年後誕生したんですよ
── ええ! 遅い!! ではそれまでどうやって缶を開けていたんですか?
ノミとハンマーですね。戦争中は銃で撃って開けている人もいたそうですよ(笑)。そもそもこの時代は、極地探検家や船乗りのような特殊な人たちが缶詰を使っていました。だから、簡単に開けられることより、しっかり長期保存ができることの方が重要だったんです
── 戦争が終わって日常的に缶詰を利用する人が増えたから、もっと簡単に開ける方法を模索し始めたんですね。缶詰の歴史、おもしろすぎます。でも最近は、缶切りを使わなくても開けられるタイプが増えてきましたよね?
これはイージーオープン式と言います。この開け方は小さな缶には適用されるのですが、大きな缶では適用されないんです。イージーオープン式の缶詰には、切り込み線が入っています。大きい缶詰は横から圧力に弱いので、横から負荷がかかると、その切り込み線から破けてしまう可能性があるんですよ
これはロンドンで買ったミートパイの缶詰です。このように大きいサイズのものは、イージーオープン式ではなく、缶切りが必要なタイプになりますね
── 大きいですね〜! 海外サイズって感じがします。
でも、日本では昔に比べて核家族化が進み、大人数用の缶詰はあまり必要とされなくなってきているので、大きなサイズの缶詰の需要は減りつつあります。だから、缶切りが必要ない時代がもしかしたら来るかもわかりませんね
ちなみにこの缶詰は上蓋を取ったら、缶詰ごとオーブンで焼けるようになっているんです。中には半分生焼けのパイ生地が入っていて、それを焼けば食べられるんですよ
── 缶詰ごと焼けるのは便利ですね。日本の缶詰にはそういったタイプはないんですか?
日本に丸ごと加熱調理できる缶詰はないですね。なぜかというと、缶は保存器具であって調理器具ではないという認識になっているからです。缶の内側はコーティングがされているんですけど、焼いたときにそれが溶けて、食べてしまう危険性があるので、国内では缶詰ごと直火で加熱して食べてはいけないことになっています
── なるほど。内側にコーティングがされているんですね。そもそも缶詰って、どのようにして作られているんですか?
いやぁ、嬉しいですね。たくさん話しちゃいますよ!