【乙女心に刺さる花言葉】ロマンチック花束選手権
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DIY用品から電気工具、インテリア、アウトドア、ガーデニング、日用雑貨、食料品まで、幅広いジャンルと豊富な商品を取り揃えているホームセンター・カインズ。特に超大型店舗ではどこのコーナーに何があるのか見渡せないくらいの大きさで、「あれ? ひょっとしてカインズって宇宙なの? 大気圏突き抜けてない?」と疑い始めました。
宇宙といえばとてつもなく広大で、まだまだ謎の多いまさに人類のロマン。宇宙の謎を解き明かせば、カインズの魅力をもっと知ってもらえるに違いない。ということで今回は、ホームセンターにもよく通い、タレントとして宇宙の魅力を発信・JAXA宇宙飛行士を目指す黒田有彩(ありさ)さんに、宇宙の謎についていくつか質問をしてみました。
黒田さんは宇宙系YouTuberとしても活動されているんです
──宇宙といえば、空気がなくて息ができないなんてシーンを漫画やアニメでよく見ますが、本当に真空(空気などの物質がまったくない空間)なのでしょうか?
──地球の大きさをりんごに例えると、ISSが回っているところはりんごの皮くらいのところだそうで、とても近いところをくるくる回っていますよね。そんな近所でも大気は限りなく薄く、生身ではとても生きられないことは想像できますが、もし私たちがその空間に放り出された場合、どうなっちゃうのでしょう?
黒田さん
深海魚が陸に上がってくるイメージに近いかもしれません。私たちは海の表面にいるだけでは水圧(水が及ぼす圧力)をほとんど感じませんが、2m、3m、10mとどんどん深く潜ると、その分上に水があるから水圧がかかり、水に押されます。一般的に深海と言われる水深200mでの水圧は20気圧となり、たとえば空気をたくさん含んだマシュマロはギュッと押されて潰れてしまうんです。
一方、海底にいる深海魚は強い圧がかかっている状態でも海水と体内の圧力を同じにすることで体を保っているわけですが、突然水圧から解放された場合、体内の圧力の方が大きくなってしまい、目がぽんと飛び出たり、口から胃袋が出てしまったりするんです。それと同じように、人間は大気圧の中で進化してきたので、生身で宇宙空間に飛び出したとき、圧力差で身体を保てなくなるのか、血流が止まってしまうのか、はたまた急激な温度の低下で凍り始めるのか…。何が先に起こるかはわからないですが、何らかの異常が生じるでしょうね。
──ちょっと想像しただけでも怖いですね……。ちなみにカインズでは、なめらかな飲み口でやさしい口当たりが人気の真空タンブラーを取り扱っております。生身で真空に近い空間に飛び出すのは危険なので、真空断熱構造で結露しにくいタンブラーで宇宙を体験しましょう。
──そんな宇宙へ勇敢にも向かうのが宇宙ロケットですが、どんな素材で作られているのでしょうか?
黒田さん
ロケットにはアルミニウム合金という材料が主に使われています。そもそもロケットを飛ばすには、地球の重力を振り切って逆向きに進む必要があるので、ものすごくたくさんのエネルギーを使う必要があるんです。ロケットの構造を長い鉛筆に例えると、荷物や人を乗せているのは先の削っている部分だけで、あとの9割くらいは燃料を積んでいます。
──めちゃくちゃ積んでいますね。
黒田さん
なので、できるだけ軽くて丈夫な素材がいいわけです。アルミニウムは軽くて加工しやすいという特徴がある一方、衝撃に弱いという弱点があるので、他の金属を混ぜる、つまり合金にすることで軽い+丈夫な最強の素材ができるというわけです。さらに、アルミニウム合金は低い温度に耐えられる特性もあり、マイナス100度や200度にもなるロケットの燃料(液体ロケット)を入れる燃料タンクなどにも使われている、宇宙ロケットではポピュラーな存在です。
今後は強くて軽い炭素繊維を樹脂でくるんだ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が主流になる可能性もありますが、アルミニウム合金にしかできないこともあり、まだまだ活躍してくれそうです。
──アルミニウムといえば一円玉やアルミ箔など、私たちの生活にも馴染みにある素材ですが、合金にすることで宇宙ロケットの素材にもなっていたのですね。ちなみにアルミニウム合金は石油精製、化学プラント、電力、共同溝の新設、増設、改造工事などに広く使われていて、カインズでも鋳物などが売っています。すごい、やっぱりカインズって宇宙だったんだ!
──宇宙といえばエイリアンのような宇宙人に会えるかも、と子供の頃からワクワクしているのですが、ずばり宇宙人はいるのでしょうか?
黒田さん
いるに違いないとは思っています。実際、木星の周りを回っているエウロパや火星には、微生物のような生命体がいるのではないかと日々探査されています。よくイメージするような知的生命体ではないかもしれませんが、単細胞のような微生物がはじめに見つかるのかなと。
そもそもの話ですが、私たちが住んでいる銀河は「天の川銀河」と呼ばれていて、その銀河だけでも太陽みたいに光り輝く恒星が1000〜2000億個はあるといわれています。さらに地球みたいに光っていない星(惑星)も一兆個あるといわれていて、月みたいに惑星を回っている星(衛星)もあることを考えると、その中で地球だけに生命体があるなんて到底思えないわけですよ。
──なるほど。では期待大ですね!
黒田さん
ですが、私たちが宇宙人と出会えるかというと、それは相当ハードルが上がると思います。私たち生命は地球上で約40億年間という膨大な時間をかけて進化してきました。宇宙誕生から現在までの時間を1年とすると、生命が生まれたのが9月21日、人類が科学技術をもって宇宙を知り始めたのが大晦日の最後の1秒なんです。もしも他の星で生命が誕生し進化を繰り返し文明を持てたとしても、お互いを知り合うには1年のうち1秒ずれただけでも難しいわけですよね。
その上、宇宙の大きさを考えると、通信して1万年後に返事がきました、なんていうのもおおいおおいに考えられます。さらに、私たちは地球の生命というサンプルしか知らなかったわけで、地球の外には全然違う材料でできている生命体、つまり私たちが生命体とは認識できない生命体さえいるかもしれない。
そういった状況を考えると、同じような時間スケールで誕生・進化し、同じようなレベルの文明を持った星や生命体に出会うのは、今私たちが知っている科学や技術では不可能に近いのではと思えてしまいますね。…でも夢がありますよね!!
──たしかに膨大な時間の中で、私たちが生きている間にひょっこり知的生命体に出会うなんてことは奇跡中の奇跡なのでしょうね。しかし微生物でも人類の大きな発見だと思いますので、現在の探索が実を結ぶといいですね。いつか人類が知的生命体と出会える日を夢見ながら、私たちはカインズの宇宙人ソーセージカッターで宇宙人を作って待っていましょう。
──最近も銀河の中心にあるブラックホールの撮影に成功したというニュースが流れていましたが、そもそもブラックホールとは何なのでしょうか?
黒田さん
ブラックホールとは天体のことで、SFのように空間に穴が開いている、ということではないです。つまり形があり、重さもあるし大きさもある。ただしめちゃくちゃ高密度なのが特徴。たとえば地球を重さはそのままに、ぎゅーっと縮めてピンポン玉くらいの大きさにすると、ある程度の近くまでいったら重力によって吸い込まれる、もう出て来られない、点のように圧縮されたブラックホールになります。
今回撮影に成功したのは、私たちが住んでいる天の川銀河(銀河系)の中心にあるラスボスのように大きなブラックホールですが、小粒なものも数えれば100万個くらいは銀河系にあるといわれています。
──え、そんなにあるんですか!?
黒田さん
そもそもブラックホールとは恒星(太陽のような光っている星)の最後の姿、つまり星の死骸のようなもので、その生前の姿は、とても重くて大きな星だったんです。ブラックホールになるには太陽よりも約30倍以上大きい必要があり、それより小さな星は白色矮性や中性子星と呼ばれる天体に変わります。生前は光り続けてエネルギーを放出しまくっていましたが、最終的には「我、関せず」みたいなスンとしたキャラクターになります(笑)。
ちなみにホワイトホールという物質を吐き出すだけの天体が数学上はあるとも考えられていて、(現時点で)物理学者の間では懐疑的な存在ではありますが、過去にかのアインシュタインですらブラックホールの存在を信じていなかったことを考えると、もしかしたら今後観測されるかもしれませんね。
──SFのような時空の旅ができる可能性もゼロではないのですね。光さえも飲み込むといわれるブラックホールは怖い存在ですが、カインズで売っているブラックホールは、流木の黄ばみやアクを吸着してくれるお手軽な超高性能活性炭です。我々人類はブラックホールで水槽をきれいにしましょう。
こじつけのようにはじまったカインズ=宇宙論ですが、黒田さんのお話を聞くと宇宙の謎がどんどん明かされ、そしてもっと知りたくなる、まるでカインズのような広くて膨大な内容でした。
黒田さんは子供の頃から物事の「理由」を考えるのが好きで、その答えを与えてくれたのが科学だったそう。中学のときに書いた科学に関する作文をきっかけにNASAに行き、すっかり宇宙に魅了されて宇宙飛行士になることを目指しているわけですが、宇宙に行ったら叶えたい夢があるそうです。それは、月面にお風呂を作り、日本の文化でもある入浴をすること。本当にサステナブルな宇宙環境の実現を目指す黒田さんをこれからも応援するとともに、バスアイテムはカインズで揃えてもらえるようにお願いしました!
黒田さん、ありがとうございました!
黒田さん
厳密に言うと、実は真空とは言い切れないんです。今、私たちの地球には大気がありますよね。大気は重力によって下の方にたくさん集まっていて、大気圧の一番下、空気がたくさんある場所で私たちは暮らしています。ところが富士山の上に登ると酸素が薄いように、上昇すると空気の圧力がどんどん減っていくわけです。
「宇宙」と呼ばれる高度100kmあたりでは空気の圧力が地上の100万分の一くらいになり、さらにISS(国際ステーション)が周回している高度約400kmでは100億分の一くらいの薄さになっちゃいます。グラデーションのようにどんどん大気が薄くなっていくわけですが、大気にも重さがあり、重力の影響を受けているため、(理論上はありうるが)まったくの真空にはならないとされています。