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1969年にデビューし、2023年で発売55周年を迎える超ロングセラー商品「キッチンハイター」。キッチンツールの除菌※・消臭・漂白ができる台所用漂白剤として、キッチンに常備しているという人も多いのではないでしょうか。
キッチンハイター 600ml
一方で「ふきんを漂白するイメージが強いけど、他にどんなことに使えるの?」「泡ハイターとの違いは?」と、ボトルを見かけたことはあるけれど実は使い方をあまり知らないという人もいるようです。
今回はそんな疑問を解決し、キッチンで幅広く活躍してくれるキッチンハイターの正しい活用法を、メーカーである花王株式会社の福本さんに教えてもらいます。
キッチンハイターは、日本で初めて台所専用の漂白剤として発売されました。
発売当時、プラスチック製品や耐熱ガラスなど、キッチン用品に新しい材質のものが登場し始めていました。従来の食器用洗剤では落ちない茶シブや黒ずみ、さらにクレンザーでキズがつきやすい製品の「除菌・消臭・漂白」を、浸しておくだけで簡単に実現でき、さらに今まで以上にきれいに落とすことができる画期的な商品として一躍話題に。
初代キッチンハイター(1969年)と初代キッチン泡ハイター(1998年)
用途に合わせた分量で原液を水で薄めて、つけおきが基本の使い方です。菌やニオイが気になるふきん、まな板の除菌・消臭、カップ・子供用マグなどの食器用洗剤で取りきれない黒ずみ・シミ・茶シブの漂白など、幅広い用途で使われています。
スプレータイプのキッチン泡ハイターとは、一体どんな違いがあるのでしょうか?
キッチンハイターはつけおきに適しているのに対して、キッチン泡ハイターは、洗い桶に入れてつけおきしづらいまな板や水切りカゴのふちなどに、ピンポイントに対処できます。水で薄める必要はなく、気づいたときに準備なしにシュッとスプレーすることができるのが長所です。
福本さん
泡ハイターはその手軽さから、発売当初は若い世代を中心に広がっていきました。
キッチンハイターとキッチン泡ハイターを用途に合わせて使い分けるのが、家事上手の第一歩! まずは主役のキッチンハイターから、どのようなシーンで活用できるのか見ていきましょう。
台ふきんやおしぼりなどのふきん類には、洗って繰り返し使える布製のものを活用している人も多いと思いますが、キッチンや食卓周りで使えばたった1日で汚れてしまうもの。
濡れた状態が続いて増えた菌が気になるので、洗濯機で衣類と一緒に洗うのはできれば避けたいところです。だからと言って、水洗いだけでは、ふきん類についた汚れや菌は落ちきれません。キッチンハイターでつけおきすれば、一度で除菌・消臭・漂白が叶います。
キッチンハイターを使用するときは必ずゴム手袋をすること
福本さん
つけおきするときは、必ず水を張った状態でキッチンハイターを丁寧に注ぎ入れてください。液の水ハネを防げます。また、洗い桶は折りたたみ式が省スペースでおすすめです。
毎日使うお皿やグラス、コップ、ステンレス製の水筒やタンブラー、ピッチャーなどには、茶渋やくすみ、コーヒー汚れなどが付着しています。普段、食器用洗剤できれいに洗っていても、取りきれない汚れは溜まっているものです。
キッチンハイターでつけおきすることで、汚れやくすみが落ちるだけではなく、気になるニオイもきれいに除去してくれますよ。
水筒などは、ステンレスを除く金属製品には使えません
福本さん
水筒のパーツは全てバラしてからつけおきしてください。商品の取り扱い説明書に従ってくださいね。
使用OKの素材は、プラスチック製やシリコン製など
お弁当箱やタッパー類は、隙間や溝の部分がキレイに洗いにくく、カレーなどの香りが強い食材のニオイが残ってしまうこともあります。
先ほど紹介した食器類同様に、お弁当箱やタッパー類もつけおきすることで、除菌・消臭・漂白することができます。
福本さん
アルミ製やホーロー製のものは、変色などの危険性があるため使用できません。
意外と知られていないのが、赤ちゃんや子供用品の除菌・消臭ができることです。特に赤ちゃんの哺乳瓶は、「赤ちゃん専用品」を買い足さなくても、キッチンハイターがあれば、他のキッチン用品とともにつけおきすることができます。
福本さん
赤ちゃんや子供用品のものにも安心して使ってくださいね。
パーツも全てバラして、つけおき
「時短のため、一度にまとめてつけおきがしたい」「1人暮らしでキッチンが狭いので洗い桶がない」そんなときに活用して欲しいのが、キッチンシンクの中にビニール袋を張って、大きな桶を作る方法です。
シンクのサイズに合わせて、ゴミ袋をカットして使うのもおすすめ
福本さん
こちらに赤ちゃん用品を一緒につけおきしても大丈夫です。
つけおき後は箸などで排水口付近に穴を開けるとスムーズに水が流れる
ビニール袋を張る理由は、シンク内にキッチンハイターの液が残ってしまった場合、シンクが錆びてしまう原因になるからです。また、シンク自体の汚れが、つけおきするものに付着してしまう場合もあるので、衛生的ではありません。シンクに直接水を張ってつけおきするのは、避けましょう。
福本さん
ひと手間加えるだけで、安全につけおきすることができるので、ぜひこの方法で試してみてください。
野菜などの食材が直接触れる冷蔵庫は、菌やニオイが気になりますよね。水で薄めたキッチンハイターで拭き掃除をすれば、しっかりと除菌・消臭をすることができます。
※水1Lに対してキャップ約0.4杯(10ml)が目安です
福本さん
キッチンハイターを薄めた液で拭いた後、必ず水拭きをしてくださいね。
スプレー式でピンポイントに噴射でき、泡が汚れに密着してくれるキッチン泡ハイター。平らなプラスチック製まな板や、なるべく触りたくない排水口のごみ受けのお手入れには、キッチン泡ハイターを使うのがおすすめです。
福本さん
キッチンハイターとキッチン泡ハイター、それぞれの良いところを生かして、使い分けてみてくださいね!
キッチンハイターは、ウイルス除去※にも活用できます。多くの人が触れる家や職場のドアノブや取っ手などの除菌・ウイルス除去に使ってください。
福本さん
除菌できますが、アルコール除菌スプレーのように手指には使えません。ご注意ください。
幅広く使えるキッチンハイターですが、正しく使う上でいくつか注意点があります。ここで改めて確認しておきましょう。
キッチンハイターを使うときは、手指に付着しないように「炊事用手袋」と言われるゴム手袋を着用しましょう。ゴム手袋の裾を折れば、袖口から水が入るのを防ぐことができます。
目を保護するために眼鏡などを着用し、液が目にはいらないように注意してください。
濃度が高いほど、素材を痛めてしまう可能性があるので原液では使わないようにしてください。用途に応じて、必ず正しい濃度になるように水で薄めて使うようにしましょう。
キッチンハイターが色物の洋服に着くと脱色されてしまいます。一度脱色されてしまった部分は、基本的には元には戻りません。水ハネに十分に注意する、エプロンを着用するなど、大切な洋服につかないように気を付けてください。
家の掃除メソッドで、覚えておかなければならないことは「塩素系漂白剤と酸性タイプの製品は混ぜたら危険」ということ。キッチンハイターは塩素系漂白剤のため、クエン酸などの酸性タイプの製品と併用は危険です。同じく、生ごみ・食酢・アルコールと混ざってしまうと有毒なガスが発生して危険です。ふきん類や食器類は洗って汚れを落としてからキッチンハイターでつけおきしましょう。
塩素系漂白剤は独特のニオイがあります。使用するときは、窓や扉を開けたり、換気扇を回したりするなど、よく換気をするようにしてください。
キッチンハイターが使えない素材は以下の通りです。これらへの使用は避けてください。
〈キッチンハイターが使えない素材〉
色物・柄物の繊維製品、金属製の容器・用具(ステンレス除く)、メラミン食器、漆器、天然石の調理器具・設備、獣毛のハケ、水洗いできない製品や場所、「食品、塩素系は使えない」と表示されているもの
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キッチンまわりは、直接口に触れるツールが多いのでとにかく清潔をキープしたいもの。手軽に除菌・消臭・漂白ができる、キッチンハイターとキッチン泡ハイターを最大限に活用して、汚れもニオイもきれいにしながら快適な暮らしを送りましょう。今回教えていただいた正しい使い方を実践してみてくださいね。
※すべての菌・ウイルスを除去するわけではありません。
福本さん
発売当初から緑のボトルとピンクのキャップはそのまま。レトロなパッケージですが、時代や暮らしに合わせて地味に変化しています!