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のこぎりのようなギザギザの葉をもつハーブ、ヤロウ(セイヨウノコギリソウ・アキレア)。茎の先端に傘状に咲く花は、種類によって白色や深紅色、黄色など、鮮やかな色彩で庭や畑を彩ってくれます。
庭などで育てるだけでなく、ドライフラワーにしてリースにしたり、切り花として楽しんだりと、観賞用に大活躍するうえ、風邪のひきはじめや高血圧の緩和にも活用できるハーブです。今回は、そんなヤロウの育て方から収穫方法、活用法まで詳しくご紹介します。
ヤロウは、キク科ノコギリソウ属の多年草のハーブです。和名は「西洋ノコギリソウ」、別名「アキレア」とも呼ばれます。原産地はヨーロッパで、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアにも分布しています。日本にも、明治時代に伝わって以来、本州や北海道で自生しています。
ヤロウは、細めの茎をまっすぐ上に伸ばす植物で、草丈は種類によって60cmから1m前後まで様々です。のこぎり状にふちどられた葉と、茎の先端に傘状につく花を特徴としています。
ヤロウの種類は豊富で、園芸品種も多数開発されています。赤色や深紅色の花をつける「アカバナ西洋ノコギリソウ」、草丈1m前後に成長する「イエローヤロウ」、草丈約20cmで黄色い花を咲かせる「ウーリーヤロウ」などが、人気の園芸品種です。
根から出る分泌液は、周辺に生えている植物の病気を治癒したり害虫から守ったりする効果をもつため、コンパニオンプランツとしても重宝されています。
ヤロウの苗の植え付けに適する時期は、4月下旬~5月と、10月~11月の2シーズンです。春に植える場合は、苗が出回りはじめる4月下旬頃に苗を入手して植えておくと、収量を増やしやすくなります。
苗を選ぶ際は、葉や土に虫がついていないか、病気になっていないかを確認して購入しましょう。葉が黄色く変色しているような苗も、栄養不足や根腐れで弱っているおそれがあるため、避けた方が無難です。
また、料理やハーブティーに使う場合は、苗に使われた農薬が食用に耐え得るものか確認して購入しましょう。
ヤロウの種まきに適する時期は、3月中旬~4月下旬と9月上旬~10月下旬の年2回、巡ってきます。種まきは、育苗ポットにまくと発芽しやすいです。
まず、培養土を入れた育苗ポットの土の表面に浅いくぼみをつけて、数粒ずつヤロウの種をまきます。種にうすく土をかぶせて指で軽く押さえた後、ジョウロでやさしく水やりします。発芽するまでは、毎日水やりを欠かさないようにしましょう。
ヤロウは、鉢植えと地植えのどちらでも育てられます。観賞用や少量の収穫を目指す場合は、鉢植えでこじんまりと育てるのがよいでしょう。量を収穫したい場合は、断然地植えがおすすめです。
ヤロウは、非常に生育旺盛なハーブです。植え付け後は株がどんどん成長しますので、地植えなら50cm~80cmほどの間隔をあけて植えるようにしてください。プランターなどで育てる場合も、できれば10cmほどの間隔をあけるのが理想です。
ヤロウは、日当たりのよい環境を好みます。生育に適した温度は、15℃〜25℃程度。耐寒性は高く、冬越ししやすい一方で、夏の暑さには弱いです。
よって、温暖な地域では、夏の間の遮光が不可欠です。地植えであれば、ある程度陰ができる場所に植え、鉢植えであれば、夏の昼間は直射日光が当たらない場所に鉢を移動させておきましょう。
ヤロウは、乾燥した場所でよく育ちます。ただ、過度に乾燥すると弱りやすく、デリケートな一面もあります。土壌の乾き具合と植物の状態を観察しながら、水やりの頻度を調整してみてください。
地植えであれば、基本的には水やり不要です。植え付けから根を張るまでの間(約2週間)と、高温で乾燥する日が続くような時期に限り、水やりします。
庭や畑に植えたヤロウに水やりするときは、地中約10cmまで水がしみこむようなイメージで、たっぷりの水を与えましょう。
鉢植えのヤロウには、土の表面が乾いてから2、3日後のタイミングで、たっぷりの水を与えます。鉢底から水がしみ出してくるくらいの量を目安にするとよいでしょう。
ヤロウの土は、水はけのよさが命です。肥沃な土壌は必要としないので、市販のハーブ用の培養土を使えば十分に育ちます。土を自作する場合は、赤玉土:腐葉土:川砂=6:3:1の割合で配合するとよいでしょう。
ヤロウは、やせた土壌でよく育ちます。栄養を与えすぎると葉が黄色くなり、却って株が弱ってしまいます。よって、基本的に肥料は不要です。
培養土にあらかじめ肥料が含まれているような場合は、追肥は必要ありません。肥料が入っていない場合は、植物の様子を観察して、栄養不足であれば少量の緩効性化学肥料を追肥するとよいでしょう。
ヤロウは非常に生育旺盛なハーブなので、小さい鉢だとすぐに根詰まりを起こして植え替えが必要になります。植え付ける段階から10号鉢くらいの大きめの鉢で栽培することをおすすめします。
小さめの鉢で育てた場合は、根詰まりを起こしたタイミングで植え替えます。
鉢の底や土の表面から根が飛び出してきたら、根詰まりのサインです。また、水やりの際の吸水スピードが早すぎたり遅すぎたりしても、根詰まりを起こしている可能性があります。よく観察して、植え替えを怠らないようにしましょう。
鉢植えでも地植えでも、数年経つと茎や葉が混みあい、株が弱ってきます。3年~4年に1度は、株分けや挿し木で株を更新するようにしてください。株分けや挿し木に適するタイミングは、4月下旬~5月下旬と10月上旬~11月下旬の年2回あります。
ヤロウは、放っておくとどんどん成長し、葉が混みあってきます。葉が茂ってきたら、葉のつけ根からハサミで切り取る「すかし剪定」をこまめに行いましょう。
特に、高温で蒸れやすい梅雨前の時期には、株全体を1/3ほど刈り込み、風通しを確保しておくと、病害虫の予防になります。
花が終わり冷え込んきたら、冬越しに向けて株元からバッサリ剪定します。冬になると地上部分は枯れてしまいますが、春になればまた新芽が芽吹きます。
サラダに利用する場合は、開花前の時期の若い葉を、葉のつけ根から摘み取って使います。硬い葉を使ってハーブティーを作るなら、開花期の5月~8月頃の葉が収穫に適しています。
見た目の可愛い花は、お茶だけでなくクラフトにも活躍します。開花してすぐのタイミングで、株元付近にハサミを入れて収穫し、観賞用の切り花やドライフラワーに使うとよいでしょう。
ヤロウは、柔らかい若葉をサラダや料理のトッピングに活用できるほか、薬効の高いハーブティーとしても古くから重宝されています。
抗炎症作用、消化機能の強化、血圧降下作用があるとされるハーブで、風邪のひきはじめや高血圧の緩和によく使用されています。
ただし、多量摂取や妊娠中の摂取、キク科アレルギーのある方の摂取は、避けた方がよいでしょう。
ヤロウは比較的丈夫なハーブで、病気にもかかりにくいです。ただ、葉が混みあって風通しが悪くなると、うどんこ病が発生することがあります。
うどんこ病は、葉の表面がうどんの粉をまぶしたように白くなり、次第に植物全体に広がり最終的には枯れてしまう植物の病気です。うどんこ病は、カビの一種で、放置していると周囲の株や別の植物にも広がりかねません。
うどんこ病にかかった部分を早期に発見して取り除き、残渣をしっかり処分しておきましょう。また、症状の初期段階であれば、重曹と水で作ったスプレーや、お酢を希釈化したスプレーをふりかけて回復させることもできます。
ヤロウにつきやすい害虫は、グンバイムシです。グンバイムシは、その名の通り、翅をたたんだときに「軍配」のような模様が現れる体長3~5mmの平らな虫です。葉の裏に寄生して吸汁被害をもたらすほか、黒い斑点状の排せつ物を残します。
個体数が少ないうちは捕獲して駆除できますが、増えてきたら薬剤を使う必要があります。株元の土に粒剤を混ぜ込んだり、薬液を散布したりして駆除します。グンバイムシは葉の裏に生息しているので、薬液を散布するときは葉の裏をめがけて散布しましょう。
観賞用、クラフト、ハーブティー、食用と、様々に活用できるヤロウ。夏の高温乾燥やいくつかの病害虫に気を配る必要はあるものの、やせた土地でもよく育つ、丈夫なハーブです。
ヤロウは生育旺盛で株分け後もぐんぐん成長します。種あるいは小さな苗から、大きなヤロウの株が育つプロセスも楽しみつつ、栽培してみてくださいね。