コリドラス飼育の注意点! 混泳はできる? 種類や餌、水槽の大きさを専門家が解説
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北海道洞爺湖へ移住し1年が過ぎた。家の前には広々とした土地があり、妻が野菜やハーブを育てているが空き地はまだまだある。
この空き地を使って、いつか四川省で食べた烤鴨・烤鶏(アヒルや鶏を炙った料理)や腊肉(燻製肉)を自分で作ってみたい……そんなことを漠然と思っていたら、「炉をつくって北京ダックをつくりませんか?」という謎の依頼がきた。
「こんな依頼、10年に一度かもしれない。やるなら、いまでしょ!」ということで、庭にレンガで炉を作り、北京ダックを作ってみました。
10年間空き家だった家なので、とにかく草がすごい。まずは草刈り機で草を刈り、刈った後をクワで平らにならす。この作業だけで半日ほどかかった。
炉は一回作ったら、動かせないので、場所は慎重に選びましょう!
次に炉の材料となるレンガを選ぶ。ホームセンターにいけば外に沢山のレンガがおいてある。この中から、最適なレンガを選ばなければならない。
赤レンガやベルギーレンガなど沢山の種類がある
こういう時は詳しいスタッフに聞くのが一番早い。「炉をつくりたい」という要望を伝えてみたところ、返ってきた回答は「絶対に耐火レンガを使用する」ことだった。
「通常のレンガの場合、高温になったら、砕けて飛び散る。ぼくの知り合いはこれで顔の骨を折った。だから絶対、耐火レンガで!」と念を押された。ネット上のDIYの記事や動画では一般的なレンガで作っているものが多いので、これは要注意。
これが耐火レンガ、1個200円ぐらい。今回は100個ほど購入
炉を作るために用意したのは以下のとおり。
実際に炉をつくるとなると様々なものが必要になる。必要な材料を洗い出し、探し、仕入れるだけで一週間ぐらいの時間がかかった。特にレンガは重いので、家まで配送してもらうのがおすすめ。
軽トラを借りて自分で輸送をするのもいいが、軽トラの積載量は350kg。対して耐火レンガ1個約3.5kg。100個の場合で350㎏と積載量ギリギリなので、注意したい。
こちら今回作った簡易的な炉の作り方。耐火レンガ15個しきつめて土台とする。あとは一段ずつ地道に組んでいく。
レンガの中に空気があるので、使用前に水につけること。10分~15分ぐらい。泡がしゅわしゅわ~とでて空気がでていく。また湿ってモルタルがつきやすくなる。
レンガとレンガの接着に耐火モルタルを使用。レンガごてを使い、組んでいく
組んでいるとレンガを半分使用する箇所ができるので、その時はレンガタガネでレンガを真っ二つに割る。結構簡単に割れる。使い方はyoutubeで検索してみてください。
食材をかける鉄棒は庭に刺さっているものを使用。金切りのこぎりで切断できる
八段目に鉄棒を設置。レンガを半分にわり、間に入れてモルタルで固定
蓋も自作。木だけだと焦げる可能性あるので、炉の部分はステンレス(SUS430)を設置。ステンレスは金切りのこぎりで切れる。インパクトで穴をあけて、釘で止めればOK。できた蓋はこんな感じ。
初めは水平器を使っていたが面倒になり、使用せず……。出来上がった後に測ってみたところ、若干傾いている。まあ大丈夫!
炉を作るのに大体2日ぐらいかかった。けっこうな重作業だったができた! という達成感は格別。次はいよいよ炉を使い、焼いていく。
北京ダックは通常アヒルでつくるが住んでいる街では売っていないので、今回は近所で買える丸鶏を使用。作り方は中国語で「家庭で作れる北京ダック」で検索し、一番シンプルなレシピで作ることにする。
刈り終わった草や小枝など燃やせそうなものを集める。薪はDIYで使った切れ端を使う。あまり火をつけたことがなかったが小枝は乾燥したパリパリのやつを使うと火のつきがいい。あとこれだけだと火が付きにくいので、紙を使用した。やっぱり紙が一番よく燃える。
木に火がついたら、チキンを吊るし、蓋をして1時間炙る。
正面の薪をいれるところが通気口となる。けっこう隙間があったみたいでレンガとレンガの隙間から煙がもくもくと出ていた。次使う時には耐火モルタルで補強が必要。
薪を追加し、1時間炙り、30分余熱で火を通してついに完成!!
途中、薪を追加した際に火が強くなりすぎておしりと足、手羽先が少し焦げ付いたがこんがりと焼きあがった!!
前からみると首元も少し黒くなっている。しかし、茶色に輝いた焼色はキレイだ。
おしりのアップ。おしりと足の先が一番焦げやすい。火の強さはとろ火がベスト。
実際、食べてみると身がすごくジューシー。肉汁がすごい! まな板が肉汁でぬれてしまったぐらい。皮はパリッとしているかといとスモーキーな味わい。やはり油をかける方が皮はパリッとする。
身はふわふわの蒸し焼き状態。皮に仕込みをしたがあまり甘味はなかった。次はもう少し蜂蜜を多めにしたら、さらに甘味を感じおいしくなるはずだ。
食べていて感じたのは、これは北京ダックの味ではなく、スモーキーなタイのガイヤ―ンの味に近い。タイの北部で食べたガイヤ―ンに似ている。
量が多いので、味変をしてみよう。ラー油、醤油、黒酢、刻んだ青唐辛子をいれて、四川風のタレをつくる。シンプルなチキンが一気に四川風に変わる。生の青唐辛子がさわやかな辛さでうまい!
もちろんビールとの相性も抜群。昼前だがビールがすすむ、すすむ。
炉を作っているとき、一体何をつくっているの? とのぞきに来ていたお隣さん。中川家では食べきらないので、隣のお家へお裾分け。「おいしかったわよ~!」とご満悦でした。
中国の街を歩けば至る所にアヒル、ガチョウ、鶏、ウサギが吊るしてあるテイクアウト専用のお店がある。昔、四川省に住んでいた時、人気のテイクアウト専門店を見つけては買い、家でビールを飲みながら食べていた。
日本へ帰国してから、そういう豪快な料理はほとんど食べる機会がない。上野のアーケードや池袋あたりでは売っているかもしれないが、北海道洞爺湖町にはそんなものはない。100年後もきっと売っていないだろう。
ないなら、作ればいい。
レシピはネット上に溢れていて、作るハードルは下がった。あとはハード(炉とか)を整備すれば自分でも作れる。今回、最終的には「北京ダックならぬ北京チキン風のタイのガイヤーン」という謎の料理ができたが、この作る工程そのものが楽しくおいしかった。
次はこの炉を使い、楠の葉とジャスミン茶で燻製させる四川ダックこと樟茶鴨(ジャンチャヤー)でも再現してみる予定。モノづくりと、食の好奇心はつきない……。