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目次/ INDEX
自宅の敷地内に蜂の巣を見つけた場合、自分で駆除することはできるのか気になる方もいるのではないでしょうか。蜂の巣は一般の方でも比較的安全に駆除できる物と、プロに依頼すべき危険な物があるため、安易に手を出さず、慎重に判断することが重要です。
そこで今回は、蜂の巣を安全に駆除するために知っておきたい、蜂の種類の見分け方や駆除方法を解説します。併せて、蜂に刺されたときの対処法や、蜂の巣を作らせないためのポイントも確認しておきましょう。
そもそも、蜂の巣は一般の方でも自分で駆除して問題ないのでしょうか。一般家庭の敷地内に巣を作る蜂にはいくつか種類があり、それぞれ危険度が異なります。また、巣の場所や大きさも、素人が安全に駆除できるかどうかに大きく影響します。
これらのポイントをまとめると、自分の手で蜂の巣を駆除するかどうかは、下記の3点を確認した上で、慎重に判断することが大切です。
<駆除したい蜂の巣のチェックポイント>
一般の方でも比較的安全に巣を駆除できるのは「ミツバチ」だけです。「アシナガバチ」や「スズメバチ」は非常に危険なため、プロに駆除を依頼する必要があります。
また、過去に蜂に刺されたことがあると、再び刺された際にアナフィラキシーショックを引き起こすリスクがあります。ですから、たとえミツバチであっても、蜂の巣を自分で駆除することは避け、プロに駆除を依頼したほうが安全です。
日本の家屋に巣を作る蜂のほとんどが、「ミツバチ」「アシナガバチ」「スズメバチ」のいずれかです。まずは蜂や巣から種類を見極めて、ミツバチなのかそれ以外なのかを判断しましょう。
ここでは、3種類の蜂の個体や巣の特徴をご紹介します。
ミツバチは、縞模様と丸みのある胴体が特徴的です。体長は20mm程で、背や胸には細かく毛が生えています。比較的、攻撃性が低く基本的におとなしい種類ですが、刺激すると集団で攻撃してくる可能性もあります。
かわいらしい見た目をしていますが、毒性は決して低くありません。巣を駆除する際には、刺されないよう十分に注意する必要があります。
ミツバチの巣の特徴
ミツバチの巣は平面で、板のような形状の「巣板」が垂れ下がってできています。巣が大きくなるにつれて、この巣板の枚数が増えていく点が特徴です。作り始めは白っぽいですが、ミツバチが蜜を集めていくと、だんだんと金色に変化していきます。
アシナガバチは全体的に細身で腰がくびれており、体長は25mm程度です。一見、スズメバチとよく似ていますが、アシナガバチの足は黄色い点が特徴です。
アシナガバチは胴体と足の両方が黄色である一方、スズメバチは足が黒いため、見分ける際は足に注目してみるとわかりやすいでしょう。また、ゆっくりと飛行するのもアシナガバチの特徴です。
アシナガバチは基本的に攻撃性が低いですが、巣に異変を感じると攻撃的になります。また、毒性が強く、中にはスズメバチに刺されたとき以上の痛みを与える場合もあります。アシナガバチに刺されて死亡した例もあるため、一般の方が巣を駆除するのは危険です。
アシナガバチの巣の特徴
アシナガバチの巣は半円状で、お椀を逆さまにしたような形と薄い灰色が特徴的です。蜂の幼虫を育てる育房が露出しているため、外からでも六角形の育房の中にいる幼虫やサナギが見えることもあります。強度も高く、少しの刺激では壊せません。
スズメバチは蜂の中で最も大きいタイプで、中には40mmを超える個体もいます。見た目はアシナガバチに似ており細身ですが、スズメバチは足が黒いため、足に注目するのが見分けるポイントです。
スズメバチは非常に攻撃性が高く、巣の近くにいるだけでも刺されることがあります。毒性も高く、刺された場合はすぐに病院で治療を受けなければ命に関わる可能性もあるでしょう。
スズメバチに2度刺されてアナフィラキシーショックを引き起こして死亡したというケースもあるため、一般の方がスズメバチの巣を駆除するのは非常に危険です。
スズメバチの巣の特徴
スズメバチの巣は、未完成の時点ではお椀のような形状です。完成すると球体に近い形となり、大きなスズメバチの巣は直径60cmを超えることもあります。
色は茶系で、中にはマーブル模様の巣もあります。外側は木片や樹皮によって固められており何層も重なっているため、強度はとても高いです。
蜂の巣は、場所や大きさによっては、一般の人でも駆除できる場合があります。蜂の巣を見つけたら確認したい点を、具体的にご説明します。
蜂の巣のある場所によっても、安全に駆除できるかどうかが変わってきます。次のどちらの場所に巣があるのかを確認しましょう。
ベランダや軒下
ベランダや軒下など、屋外に面している場所や広い空間にある巣は、比較的自分で駆除しやすいといえます。しかし、緊急事態でもない限り、できるだけプロに駆除を依頼することをおすすめします。
床下や屋根裏、壁の隙間など
床下や屋根裏、壁の隙間といった閉鎖的な空間は、蜂の巣の駆除時に、蜂に攻撃されるリスクが高くなります。さらに、屋根裏や床下などは、天井や床板を外したりこじ開けたりする必要もあるため、こうした場所で蜂の巣を見つけたときは、プロに駆除を依頼しましょう。
蜂の巣を見つけたら、蜂の巣の大きさや状態もチェックします。この蜂の巣の大きさで、一般の方でも駆除できるかどうかが決まるのです。一般の方が自分で駆除できるのは、一辺が15cm未満の作り始めの巣とされています。
15cmを超える巣は内部にいる蜂の数が多く、刺激を与えて攻撃されるリスクも非常に高くなるため、素人による駆除は難しくなります。
自分で蜂の巣を駆除する際には、防護服を含め、しっかりと準備することが大切です。一般の人が蜂の巣を駆除する場合に必要な物は、下記のとおりです。
<蜂の巣駆除の際に必要な道具>
なお、蜂の巣を駆除する際に注意したい点があります。蜂はにおいに敏感で、香りに刺激されて攻撃的になることもあるため、香水や整髪料などをつけていない状態で駆除します。
汗のにおいに反応することもあるため、作業前にシャワーで汗を流しておくのもおすすめです。その際、ボディソープやシャンプーなどの使用も避けたほうがよいでしょう。
準備が整ったら、いよいよ蜂の巣の駆除に取り掛かります。蜂は、日中は活動的ですが、暗くなると動きが鈍くなり、夕方以降は巣に働き蜂の多くが戻っているため、一気に駆除しやすくなります。そのため、夕方から日没後までのあいだが、蜂の巣の駆除に適した時間帯です。
なお、夕方以降は暗い中での作業となるため、日中に巣の正確な位置を把握して、スムーズに駆除できるように対策をしておきましょう。
駆除中に少しでも危険を感じた場合はすぐに中止し、プロに依頼することが大切です。くれぐれも無理はせず、安全第一で作業してください。実際に、蜂の巣を駆除する流れは下記のとおりです。
巣から2~3m離れた場所に立ち、巣の表面に殺虫剤を吹きかけます。中から蜂が飛び出してきても、落ち着いて2~3分噴射し続けましょう。可能であれば、巣の入り口も狙って殺虫剤を吹きかけます。
殺虫剤を噴射したまま少しずつ巣に近づき、入り口から内部に噴射して、中に残っている蜂も駆除します。その際、巣から蜂が出てきても、殺虫剤で弱っているため激しく飛び回ることはできません。慌てずに殺虫剤をかけ続けましょう。
もし、周囲に残りの蜂がいたら、殺虫剤を噴射して駆除します。
蜂の巣の下にゴミ袋を被せた虫取り網を置きます。そのゴミ袋に入るよう、長い棒を使って巣を落とします。何度か棒で突いても落とせないときは無理に落とそうとせず、この時点で、プロに依頼することをおすすめします。
このとき、駆除しきれなかった蜂が襲ってきても、急に動いたり大声を出したりせず、殺虫剤を噴射しながらゆっくりと巣から遠くへ避難してください。
巣の入ったゴミ袋内に殺虫剤を噴射して、密閉します。燃えるゴミとして処分したら駆除完了です。
なお、蜂の巣を駆除した後は、周囲に蜂が落ちていてもできるだけさわらないようにしましょう。蜂の針は、死後1日程度は反射で動くことがあります。むやみにふれると刺されてしまうおそれがあるためです。
問題なく巣を落とすことができたら、戻り蜂対策として、巣があった場所に殺虫剤を噴射します。戻り蜂とは、蜂の巣の駆除時に巣に戻っていなかったなど、駆除しきれなかった蜂のことです。そうした蜂は、巣があった場所に戻ってきます。
戻ってきた蜂は、同じ場所に再び巣を作る習性があります。この戻り蜂対策のためにも、駆除から1週間程は、巣があった場所に殺虫剤をまき続けましょう。
自分で駆除することが難しい蜂の巣は、自治体または民間の業者に駆除を依頼します。各サービスの利用手順や、利用する際の注意点を押さえておきましょう。
自治体によっては、蜂の巣の駆除を無料または格安料金で依頼できるところがあります。蜂の巣を見つけたら、まずは自治体に問い合わせて、蜂の巣駆除サービスを行っているかどうか確認してください。
また、自治体の中には、蜂の巣を駆除するための道具を貸与してくれたり、準備にかかった費用を一部負担してくれたりする場合があるほか、プロの業者に蜂の巣の駆除を依頼した際、補助金を支給するところもあります。
自治体の蜂の巣駆除サービス依頼時の注意点
自治体の蜂の巣駆除サービスは、プロではなくボランティアによる作業となるケースもあります。その場合、徹底して駆除できず、巣を撤去しても再び巣を作られてしまう可能性もあるため注意が必要です。
また、自治体によっては実際に駆除に来てもらえるまで日数がかかる場合もあるため、緊急性の高い巣の駆除はプロの業者に依頼することをおすすめします。
蜂の巣の駆除を専門分野とする民間業者によるサービスなら、確実に巣を撤去した上で、再発防止もしてくれるためおすすめです。
一般的には、現地で蜂の巣の状態を確認して見積もりを取り、後日駆除を行うという流れになります。場合によっては、依頼時に蜂の巣の状況を伝え、すぐに駆除をしてもらうというケースもあります。
プロの蜂の巣駆除サービス依頼時の注意点
蜂の巣駆除サービスの料金相場は、業者ごとの料金設定や蜂の種類によって変わってきます。相場としては、巣1個あたり1〜2万円程度です。
依頼の際に蜂の巣の状態や場所を伝えると、おおよその見積もりを出してもらえるため、業者を比較する際の参考にしましょう。
蜂の巣を見つけたときや駆除作業中、蜂に刺されてしまったら、慌てず応急処置を行い、必要に応じて病院を受診することが大切です。ここでは、蜂に刺されてしまったときにどうすればいいかご説明します。
蜂に刺されたら、すぐに水道水で患部を洗い流します。その際、毒を絞り出すようにして洗いましょう。
絶対にしてはいけないのは、傷口に口をつけて毒を吸い出そうとする行為です。毒で口の中がしびれてしまう可能性があります。
刺された場所の腫れが数日経過しても引かない場合は、皮膚科を受診してください。
蜂に刺されてすぐに全身にかゆみやしびれ、吐き気、めまい、呼吸困難などの症状が出た場合は、早急にアレルギー内科を受診します。病院までの移動中に意識障害が起こる可能性もあるため、救急車を呼んで搬送してもらいましょう。
蜂の巣が敷地内に作られているときや、巣の駆除を行うときは、蜂が攻撃してきたり家の中に入ってきたりといったトラブルも想定されます。
そのようなトラブル時に落ち着いて対応できるよう、対処法を確認しておきましょう。また、蜂の巣を作らせないためのポイントもお伝えします。
蜂が攻撃してきたら、手で追い払ったりはせず、低く身を伏せてじっと動かないようにしましょう。大きく体を動かしたり大声を出したりすると蜂が興奮し、仲間の蜂を呼んでさらに攻撃してくる場合があります。
家の中に蜂が入り込んだときも、手や大声で追い払うことは避けます。蜂に刺激を与えると驚いたり興奮したりして、攻撃してくるためです。
蜂は明るいほうを目指すという習性を持つため、日中は部屋を暗くして、窓を開けて蜂を逃がします。夜間の場合は、家の外に懐中電灯などの明かりを置いて、窓から蜂を逃がしましょう。
また、殺虫剤を家の中で蜂に向かって噴射するのはできるだけ避けます。吹きかけた瞬間に蜂を刺激してしまうおそれがあるためです。やむをえず使用する場合は、人やペットを遠ざけて、十分に注意した上で噴射するようにしてください。
蜂は、花の蜜などを摂取するため、甘い香りの花や甘いジュースの缶のほか、香りの強い洗剤や柔軟剤に近づいてきます。こうしたにおいを持つ物は、外に放置しないことが蜂の巣を作らせないためのポイントです。
また、蜂が苦手なハッカ油や木酢液を、庭やベランダに週に1回程度の頻度でまくと効果的です。蜂の巣を作らせない、市販の予防スプレーなども効果が期待できるでしょう。
蜂の巣は、状態や蜂の種類によっては、一般の方でも比較的安全に駆除できますが、その場合でも慎重に行うことが重要です。
蜂の巣の駆除作業中に危険を感じた場合は中止し、プロに依頼してください。また、駆除した後も、殺虫剤などで再発防止を徹底することを忘れないようにしましょう。