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美術館を単なる「アート鑑賞の場」ではなく、「遊べる空間」にしていこうという試みをご存知でしょうか。
千葉市美術館で開催中の「つくりかけラボ06 岩沢兄弟|キメラ遊物園」展です(会期は2022年4月3日まで)。
同展では、クリエイターユニット・岩沢兄弟が、「モノと遊ぶ」をテーマにした作品を現在進行形でDIYしながら展示。会期中も作品は日々変化しているのが特徴です。
展示室はこんな感じ。展覧会というより美術館に出現した「工房」といった雰囲気です。
岩沢兄弟が滞在制作を行うスペースもあります。
美術館とホームセンターの境界が曖昧になるような、実験的な仕掛けが広がっています。
「キメラ遊物」とは、岩沢兄弟による造語。既製品と既製品の合成作品として、キメラ(合成獣)のような不思議な佇まいを見せる作品群のことだそうです。
この写真は岩沢兄弟の代表的な作品「ポリタンク・ライト」。電源を入れるとポリタンクがふわっと光って目を引きます。
こちらは、ヘルメットをランプにDIYした作品。
会場では、参加者もモノと遊ぶ機会が生まれるよう、次のような仕掛けが用意されていました。
「本当に千葉市がやってる美術展?」という疑いの声もあるそうですが、それこそが千葉市美術館と岩沢兄弟の狙いだそうです。
「キメラ遊物園」を手掛けている岩沢兄弟は、兄の岩沢仁(ひとし/右のメガネの方)と、弟の岩沢卓(たかし/左のヒゲの方)の2人で活動している空間デザインユニット。本当の兄弟です。
普段はオフィスやコワーキングスペース、アートプロジェクトの拠点といった空間デザインを手がけていて、ひと工夫加えたユニークな家具やインテリアをその中に忍ばせるのが得意です。
もともと、さまざまな素材や既製品の組み合わせから、ユニークな家具をつくる「キメラ家具」という試みをスタート。
その後、さまざまな試作を発表する中で、家具だけではないおもしろさと、キメラたちと遊べる「動物園」のイメージを重ね合わせて「キメラ遊物園」というネーミングに辿り着いたそうです。
岩沢兄弟は「日頃からホームセンターをうろうろすることをライフワークにしている」と言います。
カインズ幕張店に入店早々、顔つきが変わる2人。
岩沢兄弟はホームセンターに入ると、「空間や家具を手がけるプロの顔」と「どんないたずらをしてやろうかと考えている子どもの顔」が混ざった感じになります。
目に入った商品を片っ端から観察し、手に取り、角度を変えたりしながら、あーでもないこーでもないと議論しつつ、どんどんカートに放り込んでいきます。
岩沢兄弟にとってホームセンターはアイデアの源泉。しかも、アイデアを具現化するためのプロトタイピングまでできてしまう、最高にクリエイティブな場所です。
「膨大なパーツからさまざまなヒントやインスピレーションを得られる場所だよね」と兄。
「ホームセンターの機能自体がどんどん進化していて、資材やパーツを加工したり、思いついたアイデアをかたちにできるようになっているのもいい」と弟。
岩沢兄弟は、ホームセンターとアートの境界をDIYで乗り越えているようにみえます。
「美術展はどうしても会期終了後にゴミが出てしまう」という問題にも、岩沢兄弟は真面目に向き合っています。
「キメラ遊物園」の展示空間の設計では、なるべく再利用や転用が可能な素材を使っています。
展示室の壁には大量の野菜カゴを使っていますが、会期の最終週には、この野菜カゴを「キメラ遊物」化できるDIYレシピととも渡し、自宅で家具をつくる持ち帰りワークショップを開催。
カットした木材をテーブルの天板にして、野菜カゴに乗せることで、簡単に高さ調整が可能なテーブルをDIYできるレシピです。
木材カットのための寸法シートなどもDIYレシピに書いてあるので、自分で木材をカットして作れます。
持ち帰りワークショップ「はじめよう、黄色いプラカゴのある暮らし。」は3月26日、27日、4月2日、3日に開催します。ぜひ足を運んでみてください。
つくりかけラボ06 岩沢兄弟「キメラ遊物園」
会期:2022年1月13日(木)~ 4月3日(日)
休館日・休室日:2月7日(月)、3月7日(月)
観覧料:無料
主催:千葉市美術館
会場:4階子どもアトリエ
協力:合同会社バリュープロダクト、千葉市動物公園、大洋技研株式会社
撮影:ただ(ゆかい)
執筆:森田哲生(Rockaku)