粘土ってバラになれるんだ。元花屋がホームセンターの材料で枯れない花を作ってみた【クレイフラワー】
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アジサイ(紫陽花)は剪定をしないと、どんどん大きくなってしまい扱いにくくなってしまいます。この記事では、アジサイ(紫陽花)を育てたい人向けに、正しい剪定の方法、注意点などを解説します。アジサイ(紫陽花)を育てる際にぜひお役立てください。
アジサイ(紫陽花)は東アジア、南北アメリカ原産で樹高1~3mと比較的低めの落葉低木です。科名、属名は「アジサイ科(ユキノシタ科)アジサイ属(ハイドランジア属)」で学名は「Hydrangea」になります。一般的に「アジサイ(紫陽花)」とされるのはガクアジサイ(ハイドランジア・マクロフィラHydrangea macrophylla)とガクアジサイをもとに作られた品種です。ここではガクアジサイをもとにして作られたアジサイの剪定を主にご紹介していきます。
開花時期は6~7月頃、花の色は青、紫、赤、白、緑、ピンクと色とりどりで、その花色の豊富さから世界的にも人気の高い植物です。
アジサイ(紫陽花)は前の年に伸びた枝に花が咲くという性質の植物です。今年花が咲いた枝に直接花芽はつかず、そこから新しく伸びた枝に花芽がつくことになります。初夏に花を咲かせたアジサイ(紫陽花)は夏以降に枝を伸ばしながら、翌年咲く蕾の元となる花芽を作り、花芽ができるのは枝の先端です。
前の年に伸びた枝に花芽がつく性質のことを「前年枝咲き(ぜんねんしざき)」と呼ぶことがあります。おなじみのウメやサクラ(ソメイヨシノ)なども、同様に前の年に伸びた枝に花芽がつく性質があります。
アジサイ(紫陽花)の剪定は必須というわけではありません。剪定をしなければ、伸びた枝からさらに新しい枝が伸びていき、その先端に蕾がつくからです。しかし、それを繰り返していくと株がどんどん大きくなってしまいます。アジサイは最大3mほどまで生長する樹木なので、大きくなれば地上から3mの高さで花が咲くことになりますが、それだと花を観賞しにくくなってしまいますし、枝葉が茂ると風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなってしまうでしょう。大きくなったアジサイを剪定する場合は、秋以降はすでに花芽ができているので、冬に枝を切ると花を楽しむことができません。剪定をするのであれば、花芽ができる前の夏に行っておく必要があります。
ここからはアジサイ(紫陽花)を剪定する目的や効果について詳しく解説します。
アジサイ(紫陽花)は剪定しなくても夏以降に伸びた枝に花が咲きますが、そのままだと株が大きくなって邪魔になるので、剪定でボリュームを調整しましょう。アジサイ(紫陽花)は茎の先端に花芽がつきます。アジサイ(紫陽花)は最大3mほどまで育つので、伸びるままにしておくと高い位置で花が咲いてしまって観賞しにくくなってしまうので、定期的に剪定を行って鑑賞が楽しめるサイズになるように調整しましょう。
アジサイ(紫陽花)は旺盛に枝を伸ばすので、放任していると株が茂りすぎてしまいます。木が茂りすぎないように茎を適切な高さに切る剪定を行うのがおすすめです。冬に葉を落とす落葉樹は秋以降に剪定するのがよいものもありますが、アジサイはその時期には花芽ができているので、剪定してしまうと花が咲く枝を切ってしまうことがあります。株の大きさをコントロールするためには、これから枝が伸びるのを見越して開花後なるべく早く剪定しておくのがおすすめです。
強剪定とは、枝や茎をつけ根からばっさり切る剪定のことです。アジサイの場合は、一番下の芽のすぐ上で切ります。株が混み合いすぎているときに行いましょう。
花後すぐに、地面から伸びている株の半分ほどを強剪定すると夏から秋に新しい茎が伸びます。翌年にはまだ花が咲かないことがありますので、剪定せずに残しておいて花が咲く枝を作っていきましょう。
夏から秋に新しい茎がたくさん伸びて株が混み合っているときは冬に強剪定をしてもよいのですが、枝の先端についている花芽ごと切り落とすことになるので、花数は減ってしまいます。ほかに花が咲く枝があるのであれば、それを覚悟の上で冬に強剪定をするのもよいでしょう。
アジサイ(紫陽花)の剪定は基本的に夏に行います。秋以降にも行えますが、花数が減ってしまいます。それぞれの時期に行う際の注意点を説明します。
夏の剪定は翌年咲く花芽をつける枝の伸びを促すことが目的です。夏の剪定は花後、7月下旬までに行います。アジサイ(紫陽花)は9月の下旬以降に花芽を作りますが、それまでに枝がしっかりと生育していないと花芽はできません。8月にはまだ花芽ができていませんが、剪定が遅くなればなるほど、花芽が作れるほど枝が生育する期間が少なくなってしまいます。なので、アジサイの剪定は、花が終わったらなるべく早く行うようにしましょう。
冬剪定をすると、枝の先端にできている花芽を切り落としてしまいます。なので、たくさん枝が伸びていて、多少花が減ってもよいという場合以外はおすすめしません。アジサイ(紫陽花)は枝の先端に花芽があるので、枝の長さを調節するような剪定は冬にやってしまうとちょっともったいないことになってしまいます。冬に剪定するのであれば、一番地面に近い芽の上で切る、強剪定がおすすめです。
ここからはアジサイ(紫陽花)の剪定で、どんな枝を切るべきなのかを紹介します。
花が咲いた茎は、上から2〜3番目の葉の上で剪定します。夏の時点で背が高くなりすぎている枝は、一番地面に近い芽の上で切る強剪定をしてもよいでしょう。
冬にはすでに花芽ができているので、枝の先端近くだけを切る剪定は行いません。混み合いすぎているようであれば、一番地面に近い芽の上で切る強剪定を行います。また、夏以降に十分生育できなかったひょろひょろとした枝や、木質化した太い茎は地際で切ります。
ここからはアジサイ(紫陽花)の剪定方法について具体的に解説します。
花が咲いた枝は、花の2~4枚下の枝を剪定していきます。ポイントは脇芽が出ている上で切ることです。そうすることで来年も花が咲きます。逆に、あまり茎の下の方で剪定すると、翌年花が咲かない枝になります。
今年花が咲かなかった枝は、翌年花が咲く可能性があるためそのまま残しておきましょう。花が咲かなかった枝でも、細い枝や横に張りすぎている枝は切っても構いません。
紫陽花は5〜6月に花付きの鉢植えがたくさん出回ります。この時期に手に入れたアジサイ(紫陽花)はどうすればいいのか、について解説します。
アジサイ(紫陽花)の鉢植えは、地上部に対してギリギリの大きさの鉢で育てられていることが少なくありません。そのまま育てていると夏に水切れで枯らしてしまいやすいので、花の下の2〜3枚目の葉の上で剪定をしたら、一回り大きな鉢に植え替える「鉢増し(はちまし)」をおすすめします。直径でいうと3〜6cm大きな鉢に、市販の草花用培養土やアジサイ用の用土を使って植えつけましょう。小粒赤玉土6:腐葉土4などの比率で配合した用土でもよいです。根鉢は崩さずに植え替えて下さい。
数年育てている鉢植えも1~2年に1回は植え替えた方がよく育ちます。植えかえは落葉している11〜3月ごろが適期です。
鉢増しの場合と同様に、剪定をしたら庭植えにしてもよいでしょう。午後からは直射日光が当たらない場所や、終日明るい日陰などを選んで植えつけます。植え場所に深さ30cm、直径30cmの植え穴を掘り、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質を土に混ぜ込んでおきましょう。冬に乾いた寒風が当たると、秋にできた花芽が傷んで花が咲かないことがあるので、寒くなる地方では風が吹き抜けない場所の方がよいでしょう。植えつけたら、しっかり根づくまでは水やりをして下さい。
剪定した枝を使って株を殖やすことができます。
切り落とした枝を挿し木にして、株を増やしていくこともできます。挿し木の手順は以下のとおりです。
1.切った茎の下端を新しいカッターナイフなど鋭利な刃物で斜めに切る。
2.一番上の葉2枚を残して他の葉を取り除く。残した葉も、先端側の半分を切り落とす。
3.斜めに切った切り口を1~2時間程度水につけて、挿し穂に水を吸わせる「水あげ」をする。
4.挿し木用の用土や新しい鹿沼土などの清潔な土を鉢に入れて湿らせておき、斜めに切った切り口を深く土に挿す。
挿し木をした鉢は鉢受け皿に載せ、さらに1cmほど水を溜める「腰水(こしみず)」をして挿し穂を乾かし切らないように管理します。風などで挿し穂が揺れると根が出にくいので、風が吹き抜けない場所で管理しましょう。
種苗登録されている品種は、増やしたり販売したりするのに種苗登録している人の許可が必要です。挿し木で殖やしたものを許可無く人に譲ったり販売したりすると、法理で罰せられることがあります。
アジサイ(紫陽花)は、その花色の豊富さから世界的にも人気の高い植物です。特徴としては今年育った枝に、翌年花をつけるということです。日当たりや風通しをよくするためにも剪定は欠かせません。本記事で紹介した剪定の方法や目的を参考にして、アジサイ(紫陽花)の生育に活かしてください。
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