探検に必要なのは防災グッズ!? 洞窟探検家が教える初心者おすすめ道具5選
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油性マジックは落ちにくい特徴を持つからこそ重宝されていますが、間違ったときや子どもが落書きしてしまったときは焦りますよね。
そこで今回は、除光液や液体洗剤などどこでも手に入るものを使って、油性マジックの汚れを落とせないか徹底検証してみました。服やプラスチック、木材など汚した場所別に落とし方が変わるので、適切な方法で落としてくださいね。
水性ペンに比べて油性マジックが落としにくい理由は、主に成分の違いです。成分の違いは、溶剤の違い・定着剤・樹脂の有無による3つ。
油性マジックと水性ペンの違いを表にまとめました。
3つの違いについてもう少し詳しく説明します。
油性マジックが落としにくい理由のひとつは、成分の溶剤に油分が含まれているためです。油は水に浮かぶように、油分は水をはじく性質を持つため洗濯しただけでは汚れは落ちません。
水性ペンは水が溶剤なので水に溶けやすく、油性マジックは溶剤が揮発性が高く油分があるために乾きやすくにじみにくくなっています。
着色をするときには顔料または染料を使用しますが、油性マジックの多くは染料が使われています。
顔料は「色を塗る」イメージで素材の表面にのります。色が安定しているので経年変化が起きにくい特性をもちます。
染料は「色で染める」ので溶剤に溶けて、布や紙などの繊維の間に染み込むことで色をつけます。そのため一度付いたら落ちにくい性質を持ちます。デメリットは日光による日焼けなど経年変化に弱いことが挙げられます。
油性マジックには定着剤が含まれています。この定着剤は表面がつるつるしているプラスチックやビニールに書いても色をのせることができるようにする成分。樹脂は定着した色を安定した状態に保つつなぎの役目を持ちます。
素材から色がはがれないようにするための定着剤や樹脂が、油性マジックが落ちにくい要因になっています。
基本的には凹凸がなくつるつるした面は落としやすいです。
※金属は基本的には落ちやすいですが、一部アルミなどは時間が経つと色が染まり落ちない場合があります。
溶剤に耐性がない素材や、表面にざらつきがあったり、でこぼこしていたりする素材は落ちにくくなります。
ビニールは、耐溶剤性(薬品に浸したときの変化のしにくさ)の低いもの・染まりやすい材質・凸凹のあるものは落ちにくい場合があります。
木材は表面は落ちますが奥まで染まってしまったインクは落とせません。
油性マジックがついてしまうと落とせない素材の例です。
油性マジックを落とす時に使えるのは主に下記の4点です。
上記以外にも素材によってお役立ちアイテムがあります。ここについては実際の落とし方にて解説します。
前述した「油性マジックには落ちやすい素材と落ちにくい素材がある」でご説明の通り、油性マジックが落とせるかは素材や時間の経過が関係します。
洗濯しても落ちない油性マジック
書いてから時間が経過したものは落とすことは難しくなります。気づいたらすぐに対処をしましょう。
使用するクレンジングオイルや無水エタノールは、服の色落ちまでする可能性があります。特に色の濃い服や柄の場合は、目立たないところで試してから作業をしましょう。
今回は綿100%の服に油性マジックで書き込み、2週間放置したものを用意しました。
色移りする可能性があるため、作業は汚れても良い場所で行ってください
落としたい油性マジックの汚れの裏に汚れてもいい布を置きます。汚れをこの布に移すためなるべく隙間がないように設置します。
ぴったりつかない場合は、写真のように汚れを移す布の下に手を添えるとやりやすいです。この場合、直接触れるため手が荒れる可能性があるためゴム手袋をするなどしましょう。
キャップを開けたらドバッと出てしまいました……。
無水エタノールを落としたい油性マジック部分に塗布します。
別容器に移すもしくは、出口が小さく少しずつ出るため除光液の方が使い勝手がいいかもしれません。
なんと! いきなり効果が出始めました
無水エタノールが付いた瞬間に、油性マジックがじわっと溶けるように薄くなっていきました。勝手に諦めていた油性マジックが落とせると実感でき嬉しくなりました。
歯ブラシでトントンと押さえるように後ろに添えた布へ落としていきます。歯ブラシがなければ、不要な布を丸めてトントンしてもOKです。
繰り返していく内に、だんだんと薄くなっていきます。
除光液でも同じように落ちるのか、右側で試してみます。
除光液を付けて、トントンし薄くなるまで行いました。無水エタノールより量と時間は使いましたが、同じように油性マジックが見えなくなりました。
水で流してそのまま乾かした状態がこちらです。洗濯洗剤を使用していないため、純粋な無水エタノールと除光液の効果です。
近くで見ると赤みが抜けて蛍光色のようなピンク色が残っていますが、最初の状態から比べるとかなり薄くなりました。
左側3分の2は無水エタノール、右側の残り3分の1は除光液で落としましたが、落ち具合の差はさほど感じられませんでした。
書き込んでから2週間置いた油性ペン汚れでしたが、無水エタノールと除光液でかなり落ちました。完全には落ちませんでしたが、汚れを発見してすぐ取り掛かればもっと落とせそうですね。
クレンジングオイルを塗ります。
裏に置いた布へ色を移すようにポンポンとティッシュなどで叩きます。
ぬるま湯を用意し、こすりながら流します。こすりすぎると生地を痛めるため、様子を見ながら行ってください。
3回目くらいでだんだんと薄れて来たのがわかりました。クレンジングオイルで行う場合、根気がいる作業ですね。
無水エタノールや除光液に比べて、クレンジングオイルは落ちにくいものの、あらかた落とすことができました。
無水エタノール>除光液>>>クレンジングオイル
布に使用可であれば、ぜひ無水エタノールを。無水エタノールであればこする時間が減るため生地に負担をかけず済みます。
一気に落とすのは難しいですが、徐々に落ちていきます。
良く泡立てた石けんで丁寧に洗ってください。
油性マジックで書いた壁紙素材を用意しました。書いてから2日経過したところで実験。
プラスチックの消しゴムでこすります。力加減が強すぎたり、何回もこすったりすると壁紙が破れる可能性があるため、壁紙の様子を確認しながら行います。
消しゴムでこすった結果がこちら。
時間が経過していない汚れならある程度落ちるのですが、奥まで汚れが染み込んでしまい思ったよりきれいにはなりませんでした。
油性マジックで書いた直後に消しゴムで汚れをこすった場合はどうなるのでしょうか? 比較用に検証してみます。
汚れを消しゴムでこするとオレンジ色の消しカスが出てきました。
左半分が消しゴムで消した後です。汚れの落ち具合は、2日間放置してから消しゴムをかけた壁紙と大差はありません。
消しゴムでこすった壁紙を、今度は無水エタノールで拭いていきます。
布がなかったため、ティッシュで拭いていきます。少し触れただけで、赤い油性マジックが溶け出して蛍光オレンジ色へ変わりました。
注意点は、少量ずつ繰り返し根気よく拭くこと。
無水エタノールは揮発性が高いため、1回で多く付けても拭く前にティッシュが乾いてしまう場合も。一気に片付けてしまおうとたくさんつけるとにじみやすくもなります。
布に汚れが付かなくなるまで拭いた結果がこちら。赤みがなくなり、薄い蛍光オレンジ色になりました。
使用した壁紙は消しゴムよりも無水エタノールの方が落ちることがわかりました。
表面がつるつるとした素材であるガラスやせとものに付いた油性マジックはほぼ落ちます。
※1と2はどちらかでもOK
プラスチックの場合、下記に当てはまるものは落ちにくいことがあります。
溶剤の影響で強度が落ちる可能性がありますのでご理解の上落としてください。
※1と2はどちらかでもOK。
クリアファイルはプラスチックでできています。油性マジックの汚れを落とす際は、無水エタノールや除光液が使用可能です。左側を無水エタノール、右側を除光液で落としてみます。
まずは無水エタノールです。布またはティッシュなどに染み込ませ、くるくると落とすと力を入れる必要もなく綺麗に落ちました。
右側は除光液です。
こちらも力を入れることなくスルッと綺麗に落ちました。無水エタノール・除光液も落ち方は変わりはありません。
つるつるしたプラスチックの場合落としやすいですが、素材により繰り返して落とすものもあります。
左側は無水エタノール、右側は除光液で落としましたがどちらも跡形なくさっぱり元通り綺麗になりました。
革製品に付いた場合、中まで染みついてしまうため落とすことはできません。本当に落とすことができないのか確かめてみました。
無水エタノールを含ませたティッシュをベルトで拭いてみると、キュッという感触があり、ティッシュを確認すると少しだけ油性マジックが取れたあとが。
無水エタノールを少量つけては拭きを繰り返します。
全体的に少しだけ薄くなり中心部は落とせました。結果として革製品の油性マジック汚れは落とすことは出来ませんでしたが、諦める前にやってみる価値はありますね。
木製品に油性マジックがついた場合、表面はやすりがけなど表面を削って落とせますが、奥に入り込んでしまったインクは落ちません。
しかしものは試し!
どこまで落とすことができるのか検証してみます。
※サンドペーパーで汚れた部分を削る方法もあります
今回は塗装なしの白木で行います。無水エタノールを含ませたティッシュで少しずつ拭いていきます。
液体が木に染みていくのと無水エタノールの揮発性が高いため、拭こうとしてもあっという間に水気がなくなります。他の素材よりも多めにティッシュに含ませながら行いました。
表面は取れましたが、木目の中に入ってしまったものは落とせませんでした。見た目で30%ほど落とせた印象です。
革製品と同じように木も諦める前に試してみる価値はありそうです。
塗布放置洗浄とは、油性マジックの汚れの上に高濃度の衣類用液体洗剤を直接塗布し、そのまま一晩放置した後、通常通りに洗濯する方法。この方法は油性マジックの成分の違いやインクの量、衣類の素材により効果が薄い場合もあります。
※浮いた汚れや洗剤が他の場所へ付着することを防ぎます。
※油性マジックが付着する可能性があるため、汚れても落とすことができる陶器やガラス製品の上で行うと良いです。
洗濯機へ投入する洗剤は、塗布放置洗浄で使用した量を引いて投入します。
油性マジックがついてしまったものは、素材別にアプローチの方法が変わります。油性マジックは書いた文字を定着させる成分が配合されているため落としにくいです。
しかし今回ご紹介した方法で行えば、落ちたり薄くなったりする可能性が十分にあります。
紹介した方法をぜひ試してくださいね。