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春から初夏にかけて、可憐な白い花を咲かせるカモミール。カモミールはキク科のハーブで、カモミールティーの原材料としても知られています。
カモミールは鑑賞用として育ててもよいのですが、カモミールティーを楽しむ目的で栽培するのもおすすめです。古くから薬用として用いられてきたカモミールには、鎮静作用があるとされています。
ここでは、カモミールの栽培方法について詳しく解説していきます。収穫方法やカモミールティーの作り方についても紹介していくので、これからカモミールの栽培を始める方はぜひチェックしてみてください。
カモミールは、キク科シカギク属の植物です。和名は「カミツレ」で、「カモマイル」や「カミルレ」と呼ばれることもあります。
カモミールの原産地はヨーロッパや中央アジアなどで、紀元前2000年頃から薬草として用いられていました。日本に伝わったのは19世紀初め頃です。
カモミールは春から初夏にかけて、小さな白い花を咲かせます。真ん中には黄色い筒状花が多数あり、白いデイジーによく似ています。花にりんごに似た香りがある点も特徴です。
カモミールには、「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類があります。ジャーマンカモミールは、花の黄色い中心部分が膨らんでいる一年草です。甘い香りが楽しめるため、多くのカモミールティーに用いられます。
ローマンカモミールは、花の黄色い中心部分が平らになっている多年草です。フルーティーな香りが特徴で、カモミールティーにすると若干苦味があります。
一年草のジャーマンカモミールは種から、多年草のローマンカモミールは苗から育てるのが一般的です。ジャーマンカモミールの種まきは春か秋に行い、ローマンカモミールは春か秋に苗を植えます。
カモミールの開花時期は3~6月頃です。カモミールティーを楽しみたい場合は、同じく3~6月に順次収穫しましょう。
カモミールは日当たりと風通しがよい場所を好みます。ただし、暑さと蒸れに弱いため半日陰の場所に植え付けるとよいでしょう。
鉢植えで育てる場合も日当たりのよい場所で管理しますが、真夏は午前中だけ日が当たる場所に移動させるのがおすすめです。
カモミールは、水もちがよく肥えた土を好みます。鉢植えの場合は、市販の野菜用培養土かハーブ用培養土を使うと手軽です。自分で土を配合する場合は、赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合で混ぜるとよいでしょう。
地植えの場合は、植え付けの2週間前になったら苦土石灰をまきます。さらに、腐葉土をすきこんでおくと水はけがよくなります。
おすすめの土
ローマンカモミールの苗は、ホームセンターや園芸店などで購入できます。苗の選び方のポイントは、茎がしっかりとしていて、株元まできれいな緑色をしているものです。花が多く咲いているものは避け、下葉のみの苗を選べば長期間花を楽しめます。
ジャーマンカモミールは種まきから育てるのが一般的で、種まきの適期は3~4月と9~10月の2回です。
育苗ポットにハーブ用腐葉土などの土を入れ、指で軽くくぼみをつけます。種が重ならないようにまき、薄く土をかぶせたら手で軽く押さえましょう。日当たりのよい場所で管理し、本葉2〜3枚になったら生育の悪い苗を間引きます。
ローマンカモミールは苗から育てるのが一般的です。また、ジャーマンカモミールの場合も、種から育てて本葉が5~6枚前後になった苗を植え付けます。
植え付けの適期は3~4月と9~10月の2回。鉢植えの場合はまず鉢底ネットを敷き、鉢底石を敷き詰めておきます。鉢の半分ほどまで土を入れたら、株間を25cmほど開けて植え付けましょう。
地植えの場合は、株間を25cm開けて根鉢と同じ大きさの穴を掘り、苗を植え付けていきます。大株にしたい場合は、9~10月に植え付けるのがおすすめです。冬の寒さに耐えて大株に育ちます。
地植えの場合、原則として水やりは必要ありません。鉢植えの場合も、ジャーマンカモミールかローマンカモミールかによって水やりのポイントが異なります。
ジャーマンカモミールは、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。一方のローマンカモミールは、根腐れを起こしやすいため、やや乾燥気味に管理することをおすすめします。
カモミールは多肥を嫌うため、地植えの場合は追肥は不要です。鉢植えは元肥を入れて植え付け、追肥は花が咲いたら少なめに与えるとよいでしょう。市販の腐葉土には元肥が入っている場合もあるため、購入時に確認してください。
カモミールは湿気に弱いため、必要に応じて切り戻しが必要な場合があります。葉っぱ同士が重なっている部分がある場合、茎や葉を切り取って風通しをよくしてください。切り戻しを行うことで、蒸れによる根腐れや病気・害虫の予防になります。
カモミールの収穫時期は、花を咲かせた後が適期です。花後2~3日すると、花の黄色い部分が盛り上がってきます。花びらが反り返る前に収穫を済ませましょう。収穫は、晴れた日の午前中がおすすめです。
花の黄色い部分が盛り上がってきたら、花を1つずつ摘み取ります。一度にすべての花を収穫できないため、収穫適期を迎えたものから順次収穫してください。
摘み取った花は水洗いをして、風通しのよい日陰で陰干しにして乾燥させます。1週間ほど乾燥させたら、乾燥剤を入れた密閉できる容器で保存しておきましょう。
乾燥させたカモミールの花ティースプーン2杯に対し、200〜300ccのお湯を注いで5分ほど蒸らします。アイスティーで飲む場合は、濃いめに作るのがおすすめです。ただし、長時間蒸らしていると苦味が出てくるため最長7分程度に留めましょう。
カモミールの栽培で気をつける病気は、高温期の「うどんこ病」です。うどんこ病とはカビの一種が感染することで起こる病気で、葉っぱの表面に白いカビが生えます。
放置すると広がってしまうため、発見したらすぐに該当部分を切り取って処分しましょう。日当たりと風通しのよい場所で育て、多肥を避けることで予防となります。
カモミールに付きやすい害虫は、「アブラムシ」や「ハダニ」です。特に発生しやすいのはアブラムシですが、それほど気にする必要はありません。
なぜなら、アブラムシの天敵であるヒラタアブが集まり、アブラムシを大量に捕食してくれるからです。また、カモミールティーにする場合は収穫後に水洗いをすればきれいに落とせます。
白くて可愛らしい花を咲かせるカモミール。多湿や多肥に注意すれば、栽培において特に難しい点はありません。園芸初心者でも育てやすい植物の1つです。
一口にカモミールといっても、ジャーマンとローマンローマンの2種類があるため、少しややこしいかもしれません。ジャーマンカモミールは種から、ローマンカモミールは苗から育てるのが一般的なので、その点は覚えておきましょう。
カモミールはハーブティーだけでなく、ポプリやサシェを作って楽しむことができます。この記事を参考に、自宅でカモミールの栽培を始めてみてください。