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目次/ INDEX
夏も冬も、エアコンはいつだって正常に動いてほしいもの。フィルター掃除などお手入れを定期的に行っているのに、「なんだかかかりが悪いな」と感じたことはありませんか?
そんな時は「室外機」の汚れが原因かも。室外機の掃除は、基本的には専門業者を頼るのが安心ですが、中にはDIYでできる作業もあるのです。しかも、想像以上に簡単なのだとか?
そこで今回は、「おそうじ本舗」の尾崎真さんに、室外機の基礎知識から、掃除の仕方、注意点までを教えていただきました。
「室外機」は“エアコンの心臓部”と呼ばれるもの。「室内機」とは対になっていて、冷風・温風を作るのが室外機、それを制御しているのが室内機という関係です。
室内機と室外機の間は「冷媒ガス」が行き来しています。このガスを室外機で温めたり冷やしたりして室内機へ送り込むことで、室内の空気が調整されているのです。室外機と室内機、どちらか一方でも動作不良に陥ると、エアコンの性能がしっかり発揮できなくなってしまいます。
エアコンの仕組みは、国によっても異なります。
米国などで主流の「ダクト式空調」は、本体は大きなものが1つだけですが、室内にダクトがいくつかあり、エアコン本体のスイッチを入れると家中に空調がかかる仕組みです。
一方、日本のエアコンは室内機と室外機に分かれています。室内機1つに対して個別の室外機を付けることで、空調を行いたい部屋だけ稼働させることができます。
室外機は形状や仕様により、次のように分類されます。
【外見の違い】
【室内機とのつなぎ方による違い】
【仕様の違い】
尾崎さん
掃除する時には、どの種類の室外機であっても手順は全く同じで大丈夫です!
エアコンの室外機を自分で掃除する際は、次の部分の名称を覚えておくとスムーズです。
※一般的な呼称を挙げていますが、機種によっては異なる名称で呼ばれることもあります
【本体カバー】
全体を覆うカバーのこと。上部を「天板」、前面の大きな吹き出し口を「ファンカバー」、左右の側面のうち網状になっている側を「フィンカバー」あるいは「サイドカバー」と呼ぶ。
【アルミフィン】
フィンカバーの内部に入っている部分。ここを通過する冷媒ガスを圧縮することで、温度を変えている。「熱交換機」とも言う。
【ドレンホース】
結露水が室内機に溜まった時、その水分を外へ出すためのホース。「排水ホース」などとも呼ぶ。
エアコンの説明書には「室外機のメンテナンスを必ずしましょう」とは書かれていません。しかし、尾崎さんによると「掃除のプロの立場で考えると、室外機は基本的に掃除をするもの」なのだとか。その理由を、メリットとデメリットから考えていきましょう。
例えば、ドライヤーをイメージしてみましょう。吸い込み口や吹き出し口にホコリが溜まっていると、風量が弱くなりますよね。
室外機も空気を出し入れするアルミフィン部分に汚れが溜まると、稼働効率が悪くなります。土埃や土砂、落ち葉、花粉など、汚れの要因となるものが多い室外だと、なおさら注意が必要でしょう。
また、汚れたまま使うと、室外機の各部に負荷がかかります。掃除をして負荷を取り除くことは、エアコンの寿命を縮めないことにもつながります。
尾崎さん
室外機は、環境によっても汚れ方が変わってきます。例えば『地面に近いところに置かれていたり、近隣に幹線道路や海があったりすると、汚れは溜まりやすくなります。お住まいの環境を一度チェックしてみてくださいね。
室外機の掃除には、後述するように注意点があります。うっかり見逃して掃除をすると、故障につながってしまうことも。 掃除で室外機の負荷を取り除くはずが、かえって悪影響を与えてしまわないように気をつけましょう。
室外機を掃除する時のタイミングや注意点は以下の通りです。
掃除はいつでもOKですが、おすすめは春先と秋口の年2回。エアコンをハードに動かす真冬や真夏に先立ってケアをし環ておくと、電気代や機器の負荷を上げずに済みます。
ちなみに、異音がしている時は、火事などの危険をはらむことも。自分で掃除する前に、速やかにプロへ相談しましょう。
尾崎さん
異音がするときは、経済産業省が定める耐用年数※を超している可能性もあります。この場合は室外機の買い替えを検討した方がいいかもしれません。
※エアコンによって異なりますが、6年・13年・15年の3パターンがあります。
室外機は絶対に動かさないこと! 室外機と室内機をつなぐ配管は精密に作られているため、ちょっと動かすだけで壊れることも。
プロの清掃業者は、エアコン室外機のクリーニングに高圧洗浄機を使うこともありますが、圧力が2メガパスカル未満のもの。一方、家庭用の高圧洗浄機は洗車などに使う設定のため、圧力は6〜7メガパスカルほどもあります。機械に損傷を与えるリスクがあるので、家庭用のものをエアコン掃除に使うのは避けましょう。
清掃業者の掃除では、室外機を分解し中の汚れをすべて取り去ります。これは、水をかけてはいけない部分の養生や、高圧洗浄機の圧力調整、環境負荷がない洗剤を使うなど、プロのノウハウがあるためにできること。
一方、DIYで行う室外機掃除は、あくまでも「室外機が正常に稼働する環境を整える」ためのもの。分解までは絶対に行わないようにしましょう。
尾崎さん
目安としては、半年に1回は自分で掃除し、2年に1回ほどはお掃除業者へ洗浄を依頼するのが理想的です。
基礎知識がわかったところで、いよいよ室外機掃除をやってみましょう! 尾崎さん直伝の方法なら、なんと10分もあればできてしまいます。必要な道具やお掃除の手順は次の通りです。
【用意するもの】
室外機の周りをほうきで掃きます。特に室外機の後部と壁の間には、落ち葉や飛んできた袋などのゴミが溜まりやすいのでしっかり掃除しましょう。
洗車ブラシを使い、乾いた状態で室外機の天板、ファンカバー、フィンカバーを軽く払ってホコリなどを除去します。歯ブラシでも代用きますが、毛の多い洗車ブラシを使うほうが格段に楽ですよ。
尾崎さん
熱交換器の部分は鋭いので、触らないようにご注意を。また、強く押したり叩いたりすると変形してしまうため、柔らかいブラシで優しく払ってくださいね。
バケツやペットボトル、シャワーなどで、水を上からそっと全体に流しかけます。
尾崎さん
室外機はもともと屋外で雨風にさらされる前提で作られているため、少量の水を流しかけることは問題ありません。ただし、マンションなど集合住宅の場合、水を大量に流すと近隣の迷惑になることも。水量は少なめにしておきましょう。
全体を洗車ブラシでこすったり払ったりしていきます。手順2のブラシ掃除では払い切れなかった汚れを、水で浮かせてから除去するイメージです。
尾崎さん
払っている過程でゴミが室外機の中に入ってしまっても、室外機の稼働を阻害するようなことはありません。心配せずに払ってくださいね。
固く絞ったタオルや雑巾で本体カバーを拭き、汚れを拭き取ります。背面は手を入れるとケガをしやすいので、拭かなくてOK。最後に空拭きで汚れた水分を拭き取ったら、本体掃除は完了です!
尾崎さん
側面のうち、フィンカバーの反対側にあたる面は配管があるため、こちらもあまり触らないほうが無難です。天板、ファンカバー、フィンカバーを中心に拭くのがいいでしょう。
ドレンホース先端に付いている苔や汚れなどを歯ブラシで掃き出します。ドレンホースからはゴキブリやカメムシなどの虫が室内に入ってしまうことも。できれば、仕上げに新しい防虫キャップを装着しておきましょう。外れないようテープで留めておくと安心です。
尾崎さん
過去には、ドレンホース内にカメムシが100匹ほどいた(!)という事例も。防虫キャップはぜひ付けることをおすすめします!
ほかにも室外機の環境を整えるため、日頃からできるちょっとしたお手入れ方法があります。「これならできそう」というものばかりなので、是非試してみてくださいね。
室外機の周りには、ついつい掃除道具や植木鉢などを置きがちですが、風を送り出すファンの前にこうした物があると、室外機稼動の妨げになります。必ず取り除きましょう。
日なたよりも日陰にある室外機の方が、冷たい空気を作る時の負荷が少ないと言われています。室外機に日光が直接当たる場合、日よけとなる屋根を置くとよいでしょう。また、雪が積もる地域では、雪が室外機の稼働を阻むことがあるのでカバーや屋根があった方がベターです。いずれも、室外機の空気の出入りを妨げない造りにすることが肝心。
尾崎さん
室外機の上に板を載せ、重りで抑えるだけでも屋根代わりになりますよ。また、ホームセンターなどで市販されている室外機専用の屋根を利用するのもいいですね。
「エアコンを使うのは夏だけ」など、エアコンを数ヶ月使わない時期があるなら、全体を覆う室外機カバーを被せるのがおすすめ。動いていない時期が長いと、中に汚れが蓄積されてしまうためです。
室外機は、汚れが溜まると稼働効率が悪くなるもの。10分もあればお掃除できるので、定期的にメンテナンスして、稼働効率が悪くなるのを防いでいきたいところです。
室内機のフィルター掃除をするついでに、室外機掃除もサクッと済ましてみてはいかがでしょうか?
尾崎さん
日本式の『ダクトレス空調』のほうが省エネ仕様なんです。そのため、最近は海外でもこちらの方式へ切り替える動きが進んでいるんですよ。