湿気取りには重曹がおすすめ! 除湿剤の作り方や再利用術をご紹介
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新しいお部屋に移ることはワクワクする反面、引っ越し費用に新居の初期費用と大きなお金が必要になるとき。少しでも費用を抑えたいと、引っ越し前は頭を悩ませるものです。
そこで今回は、YouTube「お部屋探しの教科書channel」の運営でも知られる一律報酬の不動産屋「ichikari(イチカリ)」代表の“なかゆーさん”こと中野 由妃絵さんに、不動産屋さんがチェックしている退去時の汚損ポイントや、意外と忘れがちなお掃除場所を教わりました。
退去時の立ち会いでチェックされている場所さえわかれば、退去費用が抑えられるはず……! なかゆーさんに基本のチェックポイントを聞いたところ、
などが一般的とのこと。「不動産屋側も人なので、パッと見たときの第一印象が汚ければ隅々までチェックしたくなりますよね。細かな場所のお掃除も必要ではあるものの、お部屋に入ったときのファーストインプレッションも大切です」と、少しでも退去費用を抑えたい場合は“立つ鳥跡を濁さず”の精神で、第一印象をよくすることが重要です。
また、不動産屋の立ち会い時には、汚れやキズが入居前からあったものなのか、入居後にできてしまったものなのかを、トラブルを避けるためにもその場で伝えましょう。
なかゆーさん
入居時ははじめに室内の状況を確認しましょう。「引っ越し前からあったキズや汚れ」があった場合は写真を撮ったり、壁や床など部位ごとにチェックリストを作るのもおすすめです。
原状回復とは、元々の状態(原状)に戻すことです。賃貸借物件の契約の際に用いられる言葉で、入居者は借りていた部屋に対し、退去時に原状回復の義務を負うことが定められています。ただし、「経年劣化」や「自然損耗」については貸主(オーナー)の負担になるので、完全に“借りた当時の状態に戻す”訳ではないのがポイントです。
経年劣化とは、誰が使っていても年月により自然と色あせるといった具合に、物そのものとしての価値が減少していく状態を指します。賃貸においては、壁の他にもバスやトイレなどの最初から取り付けられていた設備関係も経年劣化の対象になります。
自然損耗とは、「通常損耗」ともいわれます。例えば、生活するうえで必要な家具・家電を部屋に置くと、床に凹みやキズができる場合がありますが、この損傷は普通に生活するうえで仕方なくついたものになるので、経年劣化と同じく貸主(オーナー)負担という考え方になります。
なかゆーさん
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも告知されてるよう、通常のクリーニング範囲を超える汚れがある場合は退去費用が嵩むことも。破損の場合は修復費用を請求される可能性大です。
ちなみに数多くの物件を見てきたなかゆーさんですが、壁を拳で殴ったと思われる穴が沢山空いていたお部屋には衝撃を受けたそう。この場合はいわずもがな、多額の退去費用が発生したに違いありません……。
今回なかゆーさんに教えていただくのは退去時のお掃除術ですが、実は入居の時点で様々な便利グッズを仕込んでおくことも、退去時のお掃除を楽にする秘訣だそう。日々のお掃除もグッと楽になるため、新居に荷物を搬入すると同時に行うことをおすすめします。
「日常のお掃除が綺麗にできていれば、退去費用に大きく響くことはないと思います」と話すよう、日々の積み重ねこそが退去時の汚れに直結します。引っ越し前後は、荷物の梱包・搬出・搬入と作業が多く、そこに退去時のお掃除が加わると疲労もピークになってしまうので、普段から綺麗にしておくことがポイント。引っ越しが決まった際も、できる場所から少しずつお掃除を始めておきましょう。
油汚れの上に重曹を撒き、そこにキッチンペーパーをかぶせ、上から水スプレーをして湿らせ10分放置する。その後、キッチンペーパーごと油汚れをこすり取る。
フィルター・ファン・ねじなどを分解して取り外す。重曹水をスプレーボトルに入れ、パーツに吹きかけてラップで覆う。1時間以上放置した後、歯ブラシで水洗いして、乾燥させる。
白い水垢はアルカリ性の汚れのため、酸性のクエン酸水をスプレーして中和させる。メラミンスポンジでこするとより落ちやすい。
なかゆーさん
ワンルームなどの単身者であれば、午前中にお引っ越し、午後にお掃除&立ち会いというスケジュールがベスト。広いお部屋やファミリー世帯であれば、お引っ越しの翌日に、お掃除&立ち会いの日を設けることをおすすめします!
普段のお掃除と大きく異なるのは、掃除道具を全て持ったうえで退室しなければならないところ。箒・バケツ・フローリングワイパーといったかさばる道具よりも使い捨てできるものを選ぶのがおすすすめです。お掃除中はほこりも出てくるのでマスクを着用して行いましょう。
※撮影のため今回はマスクを外しています。
なかゆーさん
そのままゴミに捨てられるので、私は雑巾の代わりにキッチンペーパーやウェットティッシュを使うことが多いです。
足裏が意外と汚れるのでスリッパは必須
立ち会い時に不動産屋さんが玄関のドアを開けた瞬間こそが、退去費用を左右するポイント。中でも面積の広い壁・床はお家の印象を決める重要な箇所のため、全体を拭き掃除します。汚れが酷い場合は薄めた中性洗剤を雑巾に含ませ、その後に二度拭きを。簡単に済ませたい場合は、ウェットティッシュの使用もおすすめです。
なかゆーさん
床の傷や凹みの修復費用が入居者の負担になるかどうかは、物件によって異なります。重要事項説明書の特約欄に内容が書かれているため、入居時に必ず確認しましょう!
手垢などで意外と汚れているドアホン周りも壁と一緒に
キッチンやダイニングの壁には、調味料や食べこぼしのシミが気づかないうちに付着していることも。そんな汚れを見つけたときには、薄めた中性洗剤を含ませた雑巾で拭くか、水を含ませたメラミンスポンジで擦ると綺麗になります。
なかゆーさん
お子さんが壁に落書きをしてしまったケースなどは、火災保険の補償が使える場合も。ぜひ居住中にチェックしてみましょう!
「誰が住んでいても変わらない“一般的な汚れ”は、ハウスクリーニングの適用範囲です」と話すよう、窓の外側に付着した雨水などの汚れは退去費用には響きません。一方、チェックポイントとなるのは住居側の窓。目に見えて汚れていると感じた場合は、こちらも薄めた中性洗剤での雑巾拭き&二度拭きで綺麗にしておきましょう。
サッシのお掃除には古歯ブラシの使用もおすすめ
小さなお子さんがいる場合は、掃き出し窓の下部が手垢で汚れていることも。「手垢自体が退去費用には響くことはありませんが、立ち会い時の印象をよくしたいのならば、お掃除は必須です」と、退去掃除はとにかく印象第一です。
なかゆーさん
ベランダも退去費用に響く場所ではないですが、植木鉢など私物は撤去しておきましょう。
エアコンの換気口
また、窓周りの汚れ自体は一般的なハウスクリーニング費用で賄えるものの、結露などで生じたカビは入居者負担になります。拭いても取れないカビが発生した際は諦めて追加費用を支払うしかなさそうです……。
なかゆーさん
退去費用を抑えるためにも、普段からカビを発生させないことが重要です。エアコンの換気口を開けておくこともカビ対策になりますよ!
キッチン周りは汚れが一番蓄積するため、不動産屋さんが念入りにチェックするポイント。中性洗剤を含ませた雑巾でお掃除をした後、二度拭きをウェットティッシュで行うとお掃除が捗ります。
油ハネが気になるキッチンの壁周りは、メラミンスポンジが大活躍
引き出しの中もウェットティッシュで拭きます
そしてキッチンの中でも忘れがちな場所が、引き出し・魚焼きグリル・五徳の3箇所。不動産屋さんはこれら3箇所もきっちりとチェックするため、忘れずにお掃除をしておきましょう。
なかゆーさん
拭き掃除だけでは取れない染み込んだ汚れは、追加費用が発生する場合も。調味料をこぼしたときは、その都度拭いておきましょう!
キッチン同様にカビや水垢が蓄積しやすい浴室もチェックポイントです。大掃除と同様に、排水溝の掃除やカビ取り・水垢取りなどをひと通り済ませておきましょう。
浴室ドアなどのパッキンはカビやすいところ。黒ずみが気になる細かなところは、カビ取り剤を駆使して原状回復を目指しましょう。
そして、お部屋探しのプロであっても忘れていた意外な盲点が浴室の鏡です。「過去に浴室の鏡に水垢が残ったまま退去をしたところ、ウロコ落としの費用として15000円を請求されそうになった経験があります」とのことなので、忘れずにお掃除をしておきましょう。専用クリーナーもしくはダイヤモンドパッドを使うと簡単に落とすことができます。
なかゆーさん
鏡のウロコ汚れは自然損耗に該当するため、クリーニング料は大家さん側の負担になると国土交通省のガイドラインに明記されてます。私の経験では大家さんと交渉した結果0円となりましたが、規定を知らないと無駄に支払ってしまうのでは。
トイレ・洗面所は、酷く汚れていなければ普段通りのお掃除でOKです。メラミンスポンジにウェットティッシュと、お好みの掃除道具を駆使してピカピカに仕上げてください。
24時間ゴミ出しができる集合住宅であれば、ポイっとゴミを捨てれば身軽に引っ越し先へと移動できます。そのためにも、掃除道具選びは使い捨てがポイントです。
ちなみに「必要な掃除道具」にリストアップされていたものの、記事内に登場しなかったティッシュは一体何に使うのか……。
その答えは「お掃除以外の場所で何かと活躍する」です。
長年蓄積した埃でくしゃみが止まらなくなったり、意外な場所にお醤油が溢れていて手が汚れたり。はたまた思い出深い部屋を離れる寂しさから涙を流したりと、何かと活躍するため、退去掃除の際にはお忘れなく!
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
なかゆーさん
不動産屋である私も、かつて退去時にお掃除を忘れていた場所がありました! そこで今回は、忘れがちな場所や各部屋のお掃除ポイントを不動産屋目線でレクチャーします!