【水性ペンの落とし方】服やプラスチック、壁・床についた汚れを落とす裏ワザを場所別に紹介
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栃木県の佐野市周辺には「耳うどん」という郷土料理があります。
農林水産省の郷土料理のページに載っている耳うどんはこんな感じ。クルッとまわった生地が耳のように見えるために、「耳うどん」というわけです。
しかし、これって耳に見えるでしょうか? 確かに耳に似ているけれども、現代の技術を使えばもっと耳にそっくりな「リアル耳うどん」も作れるのでは?
見ていろよ、佐野市。待ってろ、世界。新しい耳うどんを見せてやるぜ。
本物そっくりの「リアル耳うどん」を作るにはどうしたらいいのか? 以下のような方法を考えました。
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かんたんですね!
問題があるとすれば「食品用シリコン」というものを使うのがまったくの初めてで、これがどんなものかイマイチ理解していないことです。
となりのカインズさんの編集さんにこのやり方を話してみたら「本当にこれでできるんですかね? なんか机上の空論っぽいような……」と言われてしまいました。
さらに「これでできなかったら早めに連絡ください。一緒に善後策を考えましょう」とのこと。なんだ、ぜんぜん信用されてないな。
妻にこのやり方を話したら「フウン……」とため息と言葉の中間のような音を漏らしました。目は上の方を見ていて、明らかに何か思い浮かべている様子。
妻は歯科衛生士で、「歯の型を取る」ということを日常的に行っています。たぶん妻は頭の中で耳の型を取ることを具体的にシミュレートして「なんか失敗しそうだな」と思ったのでしょう。「フウン……」の息一つで、夫婦というのはこれほどまでに通じあえるものなのです。
周りに話すことで不安だけが増して、特に具体的な改善点のようなものは出てきませんでした。人生でこういうときってありますよね。このまま突き進んでみます! これまでの人生でもそうしてきたし!
まずは耳の模型を用意します。
そして食品用シリコン、細長いヘラ、粘土、シリコンの枠となる牛乳パックを切ったものを用意します。
牛乳パックに粘土を敷き詰めて、その上に耳を固定します。
……なお、さっきから牛乳パックと言っていますが、実は「『牛乳パックの形の入れ物に入っているコーヒー』のパック」です。ややこしいので引き続き「牛乳パック」と呼ばせてください。
パックたちのアイデンティティーはどうでもいいです。
この食品用シリコンは、2種類の液体を同じ量だけ混ぜ合わせることで固まります。いったんそれぞれの紙コップに入れつつ正確に計量します。
さらにもう一つの紙コップで混ぜ合わせます。この作業は正確に手早く行う必要があります。しかも失敗できない。
まるで、運転免許取り立てのときに、高速道路に合流するときのような緊張感があります。……この例えがよくわからなかった人は、教習所に行って運転免許を取得してみてください。車も運転できるようになります。
型へ十分に食品用シリコンを注ぐ。
このまま8時間待ちます。
8時間経ったところ。もうだいぶ固まっているようですが、ハサミで牛乳パックを切って外し、さらに6時間待ちます。
6時間経ちました。食品用シリコンはほどよい弾力を保ちながら、十分に固まっています。粘土を洗剤で洗い流し、耳を外すと……。
型ができました!
すごいな、食品用シリコン。扱うのが初めてだし、難しいんだろうと思っていたのですが、何の問題もなく型が取れました。
型ができたので、次はうどんのタネを作っていきます。
さて、ここでふと思ったのですが、「リアル耳うどん」は本当にうどんなのでしょうか? というのも、リアルな耳の形になることを想像すると、どうも「うどん」よりも「すいとん」に近いような気がするのです。
「リアル耳うどん」を作ろう、ということで企画が始まっているので、あんまり認めたくないのですが、やっぱりこれは、すいとんの気がします。レシピはすいとんのものでいきましょう。
薄力粉75グラム、片栗粉25グラムを計量してボウルの中に入れます。
50ミリリットルの水を少しずつ入れてこねていきます。
こんな感じでタネができました。
ちなみに画面の左上の方にあるのは麺棒です。うどんを作るつもりで購入したのですが、すいとんになってしまったために、結局使いませんでした……。
麺棒の生きがいはどうでもいいです。
これを型に入れてみると……。
あっ! できた! できてしまった!
想像以上に耳だ!! どうしよう!! これをいまからゆでて食べるのか。なんというか、地獄の鬼の軽食のようだ……。意外な出来のよさに慌ててます。
ちなみに、75グラムの薄力粉と、25グラムの片栗粉、50ミリリットルの水で耳が6つ作れました。豆知識です。
なお、型は片面だけなのですが、あまり立体的にすると、ゆでたときに火が通りにくくなりそうでもあります。このまま片面の耳ということで進めていきます。
できあがった生の「リアル耳うどん」を熱湯で10分程度ゆでます。
ザルに上げる。……ひょっとしたら閲覧注意だったでしょうか。いまさら言ってももう遅いですね。
具の入った汁をかける。「リアル耳うどん」の完成です。うわー。
想像以上に存在感あるな。ディティールもさることながら、この「サイズ感」がすごい。それでは食べてみましょう。
……これは……強烈にゆでムラがある!
火の通りにくさを考慮して、片面だけにしたのですが、それでもやっぱり厚いところと薄いところの差があります。それにより一つの耳でもゆで加減が違ってきてしまっているのです。
例えるならば、一本のラーメンの麺に「粉落とし」と「やわらかい」が同居している感じ。一口でいろんな食感を楽しめるおもしろさはあるのですが、どうしても人を選ぶことは間違いなさそうです。
そして、ここで佐野の「耳うどん」がこのような形をしていることを完全に理解しました。あれはリアルに作ることを怠っているのではなくて、「ゆでやすい」というメリットのためだったのです。
やってみる前によく考えたらわかりそうなものですが、実際に「リアル耳うどん」を作ることで心の底から理解ができました。
栃木県佐野市の「耳うどん」は、これ以上ないくらい完全に完成された姿だったのです!!