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【アリジゴクの飼い方】捕獲も餌やりも簡単な自由研究に一押しの昆虫!

スタッフ

カインズ How to ペット編

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カインズ・スタッフ自らが実践した情報満載。動画で見る「カインズ How to」のペット関連のコンテンツを文字起こししています。

名称からして子どもの心をくすぐりやすいアリジゴク。アリをはじめ、巣穴に落ちてきた昆虫を食べるウスバカゲロウの幼虫のことですが、その生態は謎に包まれている部分もあり、神秘的ともいえます。

しかし飼い方や捕まえ方はかなり簡単で、餌にも困らないことから夏休みの自由研究にぴったり。無事に成熟すると、成虫となったウスバカゲロウが飛びたつ姿も観察できるでしょう。

この記事では、アリジゴクの飼育に必要なアイテムや上手な飼い方、注意点などを詳しく解説します。

アリジゴクってどんな虫?

アリジゴクってどんな虫? 

アリジゴクは、アリ目線から見ると地獄のような罠を張っていることから付けられた昆虫の俗称です。英米では「ant lion(アントライオン)」と呼ばれており、私たちと近い感覚でアリジゴクを見ていることがわかります。

正式には「アミメカゲロウ目」「ウスバカゲロウ科」に属する昆虫で、ウスバカゲロウというトンボに似た昆虫の幼虫を指します。カゲロウの名を持つもののカゲロウ目には属さず、15種類以上いるウスバカゲロウのうち、すり鉢状の巣を作る種類(ウスバカゲロウ・クロコウスバカゲロウ・コウスバカゲロウ・ハマベウスバカゲロウ・ミナミハマベウスバカゲロウ)が「アリジゴク」と呼ばれています。

生息地域

アリジゴクは北海道から南西諸島まで、日本全国の平地に幅広く分布しています。サラサラと柔らかい「シルト」という土砂地にすり鉢状の巣を作り、その底で顎だけを出して獲物を待ち構えています。

比較的よく見かけるウスバカゲロウの幼虫は、民家の軒下やお寺の境内下、木の根本など、雨が直接当たらない半日陰の場所にいることが多いです。一方、同じアリジゴクでもクロコウスバカゲロウの幼虫は、海岸砂丘や川の中州周辺に巣穴を作ります。

見た目の特徴

クワガタのような大きな顎を持つのが最大の特徴です。体長は、ウスバカゲロウの幼虫は30~35mm、クロコウスバカゲロウの幼虫はもうひと回り大きいです。

食生活

食性は肉食です。アリジゴクと呼ばれていますが、小さな昆虫であればアリ以外でも捕食対象です。

獲物を捕えると毒入りの消化液を注入し、体の組織を分解してから体液だけを吸います。この毒にはフグの持つテトロドトキシンの約130倍の威力があるといわれており、アリなどはひとたまりもないでしょう。……そう聞くとアリジゴクを飼うのが怖くなるかもしれませんが、人間の皮膚を貫通できるほどの咬合力はないため心配ありません。

なお、獲物の狩りは自ら行わない「待ち伏せ作戦」を常とします。餌にありつけるかは運次第なところも大きいため、数か月の絶食に耐えられる体をしています。

巣の形状

ウスバカゲロウの場合、直径1~6cm、深さは0.5~3 cmほど、底に行くにかけて狭くなるすり鉢状の構造をしています。サラサラで崩れやすい土砂で、ぎりぎり崩れてこない角度の傾斜(安息角)を作るため、脚力のあるアリでも上手に登れません。もがけばもがくほど足場が崩れ、やがてアリジゴクの大きな顎に捕まります。

なお、山盛りした砂の角度は湿度によって微調整が必要のため、幼虫は必要に応じて角度を整えています。アリジゴクの狩りはほぼ運任せであることから、少しでも確率を上げられる努力をしているのでしょう。

ライフサイクルと寿命

民家の近くでも見かけやすいウスバカゲロウのアリジゴク(幼虫)を例に挙げて紹介します。

アリジゴクは幼虫でいる期間が長く、いつ成熟できるかは餌にありつける頻度・量で異なります。早ければ1年、通常でも2年ほどかかり、長ければ3~4年は幼虫でいます。

脱皮を繰り返して大きくなり、初夏にかけて土団子状の繭を作ってさなぎへ。通常は約2週間で羽化し、ウスバカゲロウとなって飛び立ってきます。ウスバカゲロウの寿命は数時間から数日と短く、初夏から秋にかけて交尾・産卵をして一生を終えます。

なお、アリジゴクは(巣が汚れるのを避けるためか)尿しか排泄しませんが、羽化が完成すると幼虫時代から溜めていたフン(宿便)を出します。珍しい生態といえるため、宿便を観察してみるのも面白いのではないでしょうか。

自然採集? 昆虫ショップで購入? アリジゴクの入手方法 

自然採集? 昆虫ショップで購入? アリジゴクの入手方法

アリジゴクは昆虫ショップで販売されていることがあり、数百円で購入できることがほとんどです。ウスバカゲロウ以外のアリジゴクなど、少し珍しい種類のアリジゴクを飼ってみたい場合は、昆虫専門のお店を探すとよいでしょう。

自然にいる個体を採集するのも可能です。特にウスバカゲロウは日本各地に生息しており、虫取りに慣れていない方でも簡単に捕獲できるでしょう。

アリジゴクがいる場所

神社の境内や山道の脇など、少し日陰で細かい砂がある場所を探してみてください。木の根元など、草木の葉が傘代わりになっている場所にもよく巣を作っています。巣は密集していることが多いため、エリアさえ発見できれば複数匹を捕まえることもできるでしょう。

捕まえ方

  • 巣穴に指を突っ込みつまみ出す
  • スプーンなどですくう
  • 水をかけ、出てきたところを捕まえる
  • ストローなどで砂を巻き上げ、出てきたところを捕まえる
  • 糸に餌(ダンゴムシなど)をくくり、巣に垂らして釣り上げる

どれでも捕まえられますが、巣穴に指を突っ込むのは、アリジゴクを傷つけてしまう恐れがあるためおすすめしません。

手早いのは、ストローなどで砂穴の中心を拭き上げていく方法です。アリジゴクが露出したら、スプーンなどで優しくすくって虫かごに移しましょう。このとき、アリジゴクが巣にしていた砂土も一緒に持って帰るのがポイントです。ほかの砂土ではアリジゴクがお気に召さず、巣作りしないかもしれません。虫かごに10cmほど敷ける程度の量を採取しておきましょう。

アリジゴクの餌や飼育に必要なもの

アリジゴクのエサや飼育に必要なもの

アリジゴクを飼うにあたって特別なものは必要ありません。アリジゴクがいた(お気に入りの)砂土と飼育ケース、餌(昆虫)があれば十分です。

飼育ケース

アリジゴクが作る巣穴は直径1~6cm、深さ0.5~3cm程度なので、これ以上の大きさのケースであれば何でも構いません。素材にこだわる必要もないため、安価なプラケースがおすすめです。

巣穴の中は確認できませんが、クリアな飼育ケースはアリジゴクの様子を観察しやすく、おすすめです。

砂土

巣を作るための砂土は、生息地のものを使うのがおすすめです。少しは湿っていないとお気に召さない傾向があるため、少量の水も入れてください。砂土同士がくっつかない程度の量で十分です。

海岸砂丘や川の中州の砂地などで見つけたコウスバカゲロウであれば、乾いた川砂でも構いません。

餌はアリのほか、小形で柔らかい体をした昆虫ならなんでも食べます。ダンゴムシやイモムシ、釣具屋で購入できるアカムシ(ユスリカ幼虫)やミルワームも大好物です。ただ、アリジゴクの巣に捕らわれる昆虫の様子を観察したい場合は、やはりアリが適しているでしょう。

割り箸

割り箸でなくても構いませんが、アリジゴクが羽化する際につかまれる棒状のものを入れてあげましょう。そこで翅を乾かします。

アリジゴクの上手な飼い方と注意点

アリジゴクの上手な飼い方と注意点

アリジゴクは必要なものをそろえればほとんど放置状態で飼える昆虫です。飢餓にも強く、餌やりを失念しても簡単には死にませんが、早く羽化させるには多少のコツがいります。ここでは、アリジゴクの上手な飼い方を注意点とともに解説します。

飼育ケースは直射日光が当たらない場所へ

アリジゴクは神社の境内下や木の根元近くなど、日陰になりやすい場所を好んで巣を作ります。巣の中が乾燥しすぎると調子を崩す恐れがあるため、飼育ケースは直射日光が当たらない場所へ置いてあげましょう。

部屋を暗くする

ウスバカゲロウは夜行性です。アリジゴクも夜に巣作りをするため、部屋は暗くしておくとよいでしょう。

早く育てたいなら餌は頻繁に与える

アリジゴクの成長スピードは餌の豊富さに依存するところが大きいです。早く成虫にしたければ、最低でも3日に1度は餌を与えましょう。ただ、イモムシのような大型の獲物を与えた場合は、しばらく餌を口にしないこともあります。様子を見ながら餌の量を調節するとよいでしょう。

吸汁後の餌の死骸はその辺に投げ捨てるため、気づいたら取り除いてください。

ちなみに、アリのような脚力が強い昆虫は脱走に成功することもあります。飼育ケースから逃げ出すと厄介なので、アリジゴクがきちんと捕まえるまで目を離さないでおきましょう。

羽化

餌を入れても動きが見られなくなったら、さなぎ化している可能性があります。一般的には梅雨の前後にさなぎ化することが多いですが、個体差があるため一概にはいえません。アリジゴクの状態を確かめるために、飼育容器全体をゆすって砂を動かしてみましょう。砂粒をつけた球状の繭があれば、その中でアリジゴクがさなぎになっています。

羽化に備え、割り箸など棒状のものを7〜8cmに切って砂に突き立てておきます。順調に成長すれば約1か月で成虫になります。宿便を出し、十分に翅を乾かしたら飛んで行ってしまうので、飼育容器に蓋をしておくことをお忘れなく。

アリジゴクの生態Q&A

アリジゴクの生態Q&A

アリジゴクを飼うにあたって気になる疑問をQ&Aにしてまとめました。飼育に役立つプラスαの知識として、ぜひ参考にしてください。

Q.アリジゴクは後ろにしか進めない?

A.アリジゴクは全身に滑り止めのような毛が生えており、後ろ向きにしか進めない構造をしています。飼育容器に入れると、後ろ向きに進みながら円を描くように砂を掘っていく姿を観察できるでしょう。なお、巣の形は砂土によって違い、大きさは初めに描く円の大きさで決まる傾向があります。

    Q.アリに負けることもある?

    A.1対1の戦いでは勝負になりませんが、大群のアリが協力してアリジゴクに立ち向かった場合、巣ごと崩壊できる可能性はあります。

    また、ウスバカゲロウの幼虫には巣を作らない種類もいます(むしろそちらのほうが多数です)。それらは岩の上で獲物を待ち伏せしたり、徘徊して獲物を狩ったりしていますが、巣という主戦場がない以上、徒党を組んだアリに襲われることもあるようです。実際に、クロヤマアリやアシナガアリなど、特別に強くないアリがアリジゴクを巣穴に運んでいる姿が確認されています。

    Q.カゲロウとトンボの違いは?

    A.カゲロウもトンボも漢字で「蜻蛉」と書き、昔は同じ生き物(あるいは仲間)だと認識していたと考えられます。しかしカゲロウは「カゲロウ目」、トンボは「トンボ目」であり、分類上ではまったく別の昆虫です。さらに、ウスバカゲロウは「アミメカゲロウ目」で、カゲロウの名が付くもののカゲロウ目とは少々異なります。

    トンボとカゲロウの代表的な違いを表にまとめます。

    カゲロウ トンボ
    外見上の違い ・腹部の末端に細長い毛(尾毛)がある
    ・後翅が前翅の半分以下の大きさ
    ・3つの単眼と1対の複眼を持つ
    ・尾毛を持たない
    ・後翅が前翅の大きさにカゲロウほどの差がない
    ・1万個〜3万個からなる複眼を持つ
    成長過程の違い ・羽化して成虫になるまで亜成虫(成虫だが未熟)という段階を経る ・羽化後はすぐに成虫となる
    成虫後の摂餌 ・餌を取らない ・積極的に餌を取る
    成虫後の寿命 ・数時間~数日(繁殖のためだけに成虫となる) ・数週間~2か月

    アリジゴクの飼い方まとめ

    アリジゴクの飼い方まとめ

    アリジゴクは手間なく飼える昆虫です。簡単なプラケースと巣作りに適した砂土、餌があれば特にお世話をしなくても成長します。餌の量によって成長スピードが変わるため、早く成虫の姿を見たければたくさん餌を与えましょう。アリのほか、ダンゴムシやイモムシ、釣具屋で購入できるアカムシ、ミルワームなども喜んで食べます。

    成虫になったウスバカゲロウは、「カゲロウ」の名の通り、短くはかない命です。繁殖するためだけに成虫に姿になるといっても過言ではないため、羽化後はすぐに自然に放してあげましょう。

    ※専門家・有識者のみなさま

    本記事の内容については細心の注意を払っておりますが、行き届かない点、お気づきの点がある場合は、下記メールアドレスまでご連絡ください。迅速に対応させていただきます。

    info_tonarinocz@cainz.co.jp

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