LEDとは違う本物のネオンサインに心奪われる理由とは。ネオン職人・高橋秀信
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小アジアや地中海沿岸の地中海性気候の地域が原産の球根植物で2〜4月に咲く冬咲き、春咲き種が流通。スパイスの原料ともなるサフランは実はクロッカス属の花ですが、こちらは10月の下旬から11月の中旬にかけて咲きます。草丈は5〜10cm程度ですが、くっきりとした花色の品種が多く作られ、小さいながらに冬花壇で存在感のある花です。
和名はハナサフランですが、学名のクロッカスCrocusもラテン語で「サフランイエロー」にちなんで名づけられており、いずれもサフランの仲間として捉えられた名前だといえます。
花言葉は「青春」、「切望」などです。また、ヨーロッパではクロッカスは若さや青春、陽気さの象徴と捉えられているほか、かつてはクロッカスはバレンタインデーの夜に咲き、愛を育むと信じられていました。
クロッカスは水耕栽培もできますが、一般的には花壇や鉢植えで土を使って育てます。ここでは一般的な土を使った育て方をご紹介しましょう。
クロッカスは日当たりのよい場所で水はけのよい土を使って育てます。終日日が当たる南向きの場所などがおすすめです。日当たりが悪いと植えたその年は咲いても、花が終わった後に球根が太らず、翌年花が咲かないことがあります。
クロッカスは秋の10〜11月に植えつけます。クロッカスは俗に言う春咲きの「秋植え球根」。秋植え球根は、単に植えつけに適した時期が秋であるというだけでなく、まだ気温が高い秋のうちに植えつけ根を張らせ、冬の低温で花芽ができ、春に咲くようなタイプの球根植物です。
花壇に植える場合は植え場所の土をよく耕し、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質を1㎡あたり10ℓ、苦土石灰と緩効性化成肥料(ゆっくり効く粒状肥料)をそれぞれ半カップずつ混ぜ込んでおきます。球根二つ分の穴を掘って球根を入れ、土をかぶせておきましょう。複数の球根を植える時には間隔を10cmほど取って植えます。
鉢植えやプランターに植える時は市販の草花用培養土か赤玉土6:腐葉土4などの配合の用土を使って植えつけます。自分で用土を配合する時は、緩効性化成肥料(ゆっくり効く粒状肥料)と苦土石灰をそれぞれひとつまみずつ加えておきましょう。植える深さや間隔は庭植えと同様です。
植えつけたら水をたっぷりと与えましょう。
鉢やプランターに植えたものは、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。翌年も花を咲かせたい時は、花が終わった後も葉があるうちは水やりをし、葉が枯れたら水やりは不要です。庭植えは、芽が出るまでは土の表面が乾いたら水を与えてください。
植えつけ前に土に緩効性化成肥料(ゆっくり効く粒状肥料)を混ぜ込んでおきます。その後しばらくは追加の肥料は必要ありませんが、花が終わったら肥料を与えます。緩効性化成肥料でも液体肥料でも、使いやすいものでかまいません。肥料を与えて1か月後にまだ葉が残っているようであれば、もう一度肥料を与えましょう。
クロッカスは6月になると葉を落とし、休眠に入ります。ここでは休眠期の管理の仕方と、休眠期に行える球根の分球についてご紹介します。
クロッカスは6月ごろになると葉が枯れ、球根だけになって夏越しをします。そのまま植えておいてもかまいませんし、掘り上げて保管しておいて、10月になったらまた植えつけるのでもかまいません。
掘り上げる場合は土をよく落とし、キッチン用の水切りネットなどに入れて風通しのよい場所に置いて保管します。鉢植えにしておいたままにするのであれば、あまり雨が当たらない軒下などに取り込んでおきましょう。日は当たらなくてもかまいません。庭植えは球根を掘り上げないのであればそのままにしておきます。
株が混み合っているとどの株も育ちにくくなってしまいます。葉が茂っている時に株が混み合っているようであれば、葉が枯れたらいったん球根を掘り上げて乾かし、10月に適切な株間を取って植え直しましょう。
クロッカスは小さな花ですが、たくさん植えつけて群生して咲かせると春の庭がとても華やかになります。クロッカスを増やして、春めく庭を作ってみましょう。
クロッカスは球根が十分太ると脇から新しい球根が育ってきて、これを切り分けると別の株として育てることができます。元の球根を「親球(おやきゅう)」、新しくできる球根を「子球(こきゅう)」といいます。
親球につけたままにしておくと、株が混み合って子球が大きくなりにくくなります。6月ごろに葉が枯れたら球根を掘り上げ、繋がっている球根を分けましょう。両手で持ってむしるようにすると、親球と子球を分けることができます。
分けた球根はキッチン用の水切りネットなどに入れて風通しのよい場所で管理し、10月になったら植えつけましょう。
クロッカスは花が小さいので、全体のボリュームを出すために同じ場所にまとめて植えてられているのがよく見かけられます。小さな花を逆にばらけて咲かせるのがナチュラルでおしゃれな植え方。やり方は簡単で、球根を手に持って放り投げ、落ちた場所に植えていきます。
晩秋になると庭のあちこちからひょっこり芽を出して、春になるとそこここで花を咲かせてくれます。花壇の縁や芝生の中などにも少しずつ球根を仕込んでおくと、春先に楽しい景色が現れます。できれば多めの球根を使った方がよいので、数年育てて株が増えてきた時にやってみてください。
クロッカスはとても丈夫で育てやすく、増やして楽しむこともできる冬の庭の強い味方。色味が少なくなる早春の庭に、ビビッドな花色をプラスし、春の訪れを一層盛り上げてくれる花です。植えっぱなしでも花を楽しめるクロッカスを、ぜひ楽しんでみてください。