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我が家は、夫と5歳の娘、それに愛猫2匹で、毎日バタバタと暮らしています。日々の生活はあわただしく、今日や明日のことで頭がいっぱい。だけど考えないといけないのは「もしも」の話。今日は最近見直した「防災グッズ」について書きたいと思います。
いままで大きな災害のニュースを見るたび「もしもの時のために我が家も備えなければ!」と思いつつ、恥ずかしながらその「もしも」に向き合うことなく生きてきました。
「とりあえず2週間分の食材を買おう!」と意気込んでお店に向かってみては、並んでいる非常食の値段が思ったより高くて、非常食より今日の夕飯を探してしまったり。家にあるのは、いつ用意したかわからない「非常用」と書かれた小さなリュックだけ。緊急用ホイッスルと懐中電灯、絆創膏や除菌シートなど、市販の防災セットについてきた最低限のグッズと、後から足したそれっぽい保存食が少し。
ちょっと考えれば、それだけで家族全員の命が維持できるはずもないことはわかるのだけど、なんとなく考えようとせずにこの何年間を過ごしていました。
「なんとなく考えようとせず」ほど怖いものはない。
今読んでくださってる方の多くが「え…これだけ? 少なすぎる」とドン引いていると思います。どう転んでも、防災グッズと呼ぶには心細すぎる内容。
「なんとなくだけど準備はしてる」という安心感を買うためにはるか昔に用意したそのグッズは、もしもの時に果たして私たちを助けてくれるのだろうか。ぶっちゃけ、1日と持たないでしょう。
「圧倒的に足りていない!」とやっと問題に向き合えたので、我が家の防災グッズ見直しが始まりました。
といって考えなしにお店に走っても、また「使うかどうかわからないけど持っていたら防災っぽい」物を買って自己満足してしまうに違いない。
防災グッズ売り場に並んでいるもの全て買えるだけの財力と収納力が我が家にあればいいのだけど、そうじゃないから厳選しなければいけない。
我が家に本当に必要なものって…?
我が家の住宅状況は、
最近建てられたマンションであれば災害のダメージで修繕が必要なケースはあるものの、住めなくなるほど崩壊・倒壊することは少ないはず。
海や河川も近くにない海なし県なので、津波や氾濫の心配は少ない。
しかも猫がいるので、避難所に行くリスクよりも(住めるのであれば)家での待機を選ぶことが予想されます。
今まで私の頭の中では「被災=避難所生活」というイメージが固定されていたけど、冷静に考えてみるとおそらく我が家は「よっぽどの災害でなければ自宅待機組」だということに気づきました。
自宅にいられる事はとてもありがたいけれど、そうなるといよいよ「家にあるものだけで生き延びなければならない」という現実味が出てくる。
もちろん自分たちの最低限の用意をするというのは避難所でも一緒だけど、自宅待機はプライバシーを守れる分、なにかあった時に周りに助けを呼べないリスクがある。これを肝に命じて用意に取り掛かりました。
とはいっても被災経験もなく、想像力も貧しい私。闇雲に動くより、経験者の声。
Twitterで実際にマンションに住みながら被災された方に聞いてみることにしました。
上記のツイートをした結果。
かなり限られた方しか答えられない内容にも関わらず、多くの方からアドバイスをいただきました。実際に災害に遭われた方の意見はとてもリアルで想像しやすく、自分に必要な用意が見えてきました。協力してくださった皆さん、ありがとうございます!
一部抜粋という形ですが、紹介させてもらいます。
2016年の熊本地震にてマンション被災。
まず断水が困りました。トイレが使えない! 人間の尊厳 を危うく失いそうでした。ガスが通ったのも2週間ほどかかり、お風呂も入れませんでした。
「地震=家倒壊=避難所生活」と思っていた安直な私ですが、実際はやはりマンションが崩れて住めなくなる事は稀で、それよりも頻繁に起こる停電や断水、ガスが止まる等ライフライン系の被害を訴える声が多かった印象。
その中で「地震が起きたらとにかくバスタブに水を溜める! 泥水でも!」という方はとても多かったです。
災害時は水道水に泥が混じったりすることもあるらしいですが、口にしない生活用水は一定数いるのでできる限り貯めた方が良い。バスタブとか使って。やがて断水されるとそれすら出なくなるので、配給でもらえる貴重な水や備蓄のミネラルウォーターを生活用水に回さなくて良いってことですね。トイレの水を流す時や、最低限の汚れ物を洗う時などに使うという声が多かったです。
そういう声、とても勉強になる…!
その一方で、こんな声もありました。
熊本地震のときに3階建てのアパートでしたが、下水のパイプが破裂して、1ヶ月トイレが使用できませんでした。
地震の時にマンションの下水管が破裂などして破損した場合、トイレの水などでザバーっと流すとその破裂した場所で下水も溢れ出す。破損に気づかず水を流すと、下水でマンション中が大惨事…!?
そう思うと携帯用トイレを多めに用意して、水を流さなくても用をたせる環境にしておくのがベストだな〜と痛感。これにおいては記事の後半でも触れますね。
そしてお子さんがいる家庭での体験談もハッとしました。
エレベーターが停まると本当に大変です。
小さい子ども(当時3歳)が10階くらいまで上がるのは大変で、抱っこひもは卒業していても、しばらくは保管して非常時におんぶできるようにしておいた方がいいなと思いました。
トイレは一番困るので、大人用おむつと尿パッド(おむつの使用量減らせる)、子ども用おむつも卒業していても、おむつ用ゴミ箱と一緒に保管してます。
たしかに…エレベーター停止問題は、階数はもちろんのこと、お子さんがいるかいないかで深刻度が変わりますね。
我が家の娘もなんとか自力で登り切る事はできますが、それを毎日最低2往復となると話は別。抱っこ紐に無理矢理でも入れられる年齢の子であれば、きっと活躍してくれるだろうなと思います。
緊急時というのは知らないうちにメンタルにきて、普段できていたことができなくなることも。特に子どもはそういった傾向が強く、「うちの子はもうおむつ卒業していたのに、急におもらしを連発するようになった」という声もありました。そういう時に、おむつストックがあると親も子どもも安心ですね。
おむつは給水ポリマー自体が優秀なので、簡易トイレとしてリサイクルしたりタオル代わりにしたという意見もチラホラ。おむつ、只者ではない。
生理ナプキンなんかも配給が間に合わないと不便なので、多めにストックしておいた方が良さそうですね。
こんな感じでたくさんの声をいただき、とても勉強になりました。
重ね重ね、アドバイスくださった方ありがとうございました。
みんなの声を見直しながら、改めて防災グッズを揃えてみました。(猫の防災については、以前に用意を済ましたため省略します。)
買い足したものばかりではなく家にあったものも含むけど、とりあえず買い足したものはほとんどカインズで揃ってしまったので、カインズの品揃えに驚かされます。
ではさっそくドーンとまとめリストアップしていきます!
ザクっとこんな感じのラインナップに収まりました。(今回はあくまでマンションの自宅での避難生活を意識したリストアップです)
被災経験のない私は実際の被害イメージに乏しく、元となる災害に次いで襲うであろう水道・電気・ガスなどのライフラインの停止がどれほど生活を苦しめるかをいまいち理解していませんでしたが、たくさんの声を聞いてライフラインの補填こそ自宅待機を乗り切る命綱だなと思い直しました。
その点も踏まえて今回揃えたグッズ。各項目ごとにみていきたいと思います。
・ガスコンロとガス
・水
・レトルト食品
・缶詰
・インスタントラーメン
・保存食
・保存のきくおやつ
・ラップ
正直言います…。
以前の私の用意では食品のストックが全然足りていなかったのは、「防災用の食品を家族分揃えるのってお財布痛いな〜」というのが理由でした。
ほら、専用の保存食はとても便利で美味しそうですが、それなりのお値段だから…(高い、とは言わないけど)。
「食品や水のストックは最低でも2週間分」、とか聞きますが、その分揃えることを計算すると自動的に脳が停止してしまう。それで結局買わずじまいでいました。
保存食を3人分×2週間分揃えたら、やっぱり割とします。明日明後日生きるための食費は出せても、もしもの時の保存食に渋る。自分の浅さが胸にきます。
でも考えてみると、全て保存食で揃えなくても火が使えれば大体のことは解決するので、全て専用の保存食で揃える必要はまったくありません。小学生でもわかることがわからなかった33歳…。
というわけで、単価の高い専用保存食は極力減らし、その分ガスコンロに使うガス缶を多めにストックすることにしました。火が使えることで、お米も炊けるし、缶詰などの食材を屈指して簡単な料理もできる。なんだか光が見えてきました…! そしてお湯も沸かせるので、コーヒーやインスタントラーメンも買える。インスタントラーメンなら箱買いでかなりの量の食事にすることができて、3人×2週間分の食事もクリアできました。
ちなみに専用の保存食を毛嫌いして買わなかったわけではありません。
保存専用なだけあって保存期間も長く調理も簡単なので本当に便利。我が家は煮込みハンバーグやかやくご飯など避難生活ではなかなか食べられない、気分転換できる様なものを数点選んで買いました。子どもが喜びそうなラインナップを選べるのが嬉しい。
子を持つ親としては「子どもにひもじい思いをさせる」というのは自分が飢えるよりずっと辛いので、食事だけは多めにストックしたいなと思いました。(ついこの前まで保存食代を渋っていた私が言うのもなんですが。)
・懐中電灯(置き型/手持ち型)
・手回し充電ラジオ
・モバイルバッテリー
・乾電池
多くの人がアドバイスをくれたのは「スマホの充電だけは死守できる様に!」。
確かにスマホの電源が消えてしまうと連絡手段はほぼ経たれてしまうので、できる限り温存したいですね! スマホひとつでなんでもできる時代になりましたが、災害時は「スマホ以外で出来ることはそれらに任せる」というスローガンに切り替える必要がありそう。
具体的に言うとラジオやライト等は個別に用意して、なるべく手回し充電やソーラー充電など電力に限りがないアイテムを揃えようと、今回買い足しました。
スマホ自体の電源を温存させるために、夫が去年買った大容量モバイルバッテリーを引っ張り出してきました。「スマホフル充電を6回(26000mAh)できる」というパワーワードに惹かれて購入したこのバッテリーも、避難生活用と考えるとちょっと心細い。とはいえこれ以上のものを災害グッズとして購入するのはお財布大打撃なので、スマホ充電6回分が私たちの戦闘力として受け入れようと思います。
モバイルバッテリーは今まで「必要そうな時の前日に充電する」というやり方でしか使っていませんでしたが、急な停電時での使用を考えると、これからは定期的な充電をしていく癖をつけた方がよさそうです。生活習慣、大事。
・ヘルメット
・水用のポリタンク
・軍手
・養生テープ
・毛抜き(刺抜き用)
・ライター
防災といえばヘルメットというイメージはあるものの、そういえば家に家族分のヘルメットが無いことに今更気がつきました。自転車用に娘の物はありますが、大人2人分を新たに購入しなければ。とはいえ結構かさばるので、今回は折り畳みタイプのヘルメットを購入。
価格だけ見ると折り畳みも通常タイプも物を選べば同じなので、収納場所に困らない家であれば通常タイプの方が強度も高いので良いかもしれません。
ポリタンクは水の配給時に必要なので購入しましたが、これにはちょっとした早合点が…。店頭では大小サイズが色々あり、私は「大きい方が良い」と思っていたので20ℓサイズを購入したのですが、後にもらったこのリプで小さいサイズにしておけば良かったと後悔。
断水時、給水用に空ペットボトル(2L)があると便利です。10L以上のポリタンクは持ち上げるにも一苦労なので、ペットボトルで小分けに入れ、給水所→マンションは台車に入れて運ぶと楽でした。
たしかに…!
エレベーターが止まったマンションで、20ℓを自分の部屋まで一人で持ち上がるのは至難の業。我が家は高層階ではありませんが、水の重さは1ℓ=1kg。20kgになったポリタンクを階段で持ち上げる自身がありません…。
せめて小さいサイズを2個にしておけば夫婦で一つずつ持てたので楽だったかもしれないなと反省。今後購入される方は参考になさってください。
ただ、こんな意見もありました。
水道が復旧するまで10日以上かかったので一番苦労したのは水の確保でした。給水所に並んでも一人3リットルとかの制限がありました。
1人3ℓ制限…。
災害時の過酷さが伝わってきました。資源は有限で、困った時は皆で分け合うもの。「多い方がいいじゃん」と思っていた自分が恥ずかしい。
水が貴重な災害時、たくさんの水を配給してもらえること自体が難しいのでポリタンクの容量は小さい物をいくつか or ペットボトルなどで代用を考えてもいいかもしれません。
そして「軍手と養生テープがあると何かと便利」というアドバイスもあったので改めてグッズに追加。
マンションが倒壊すること自体は稀だとしても、大きな地震であれば家の中はものが倒れたりガラスが割れたりと大惨事になることが予想されます。ガラスなどの破片を拾う時に軍手があると怪我を防げたり、養成テープで補修・床に散らばった細かい破片をくっつけて拾うのに重宝するらしいです。なにが起こるかわからないからこそ、当事者の話はとても参考になります。
・簡易トイレ
・子供用おむつ
・除菌シートやアルコール
・水無しシャンプー
・救急箱
緊急時は形振りかまってられない! という印象がありますが、むしろ1番気にしなくてはいけないのが衛生関連。
多人数が集まる避難所はもちろんですが、自宅での待機も上下水が安定していない時は病気が蔓延しやすいもの。そして限られたスペースでずっと過ごすとなると、家族とはいえやっぱり臭いが気になる!
元となる災害が止まっても、二次被害として上下水道などは1ヶ月止まったまま…という事も珍しくないようで、となると30日分のトイレをなんとかするめどを立てておかなければなりません。
防災グッズとして売られている簡易トイレはいろんなタイプがあるみたいですが、私が購入したのはビニールをトイレにそのまま設置して、使用ごとに給水ポリマーを入れて固める、というタイプにしました。1日の終わりにビニールごと交換。という工程で、40枚用意。無臭というわけにはいかないでしょうが、とりあえずトイレの心配を解消できたのは心強いです。
前半でも書きましたが「お風呂に水を溜めて、トイレを流す時に使う」という方も多かったですが、下水管が破裂している場合は流すのは厳禁らしいので、下水管の確認が取れるまでは簡易トイレを使った方がいいかもしれません。
5歳の娘はさすがにもうおむつは卒業していますが、異常時は精神的に不安定になって生活習慣が乱れる事もあると聞いたので、1袋ストックすることにしました。
長くなりましたが、以上が我が家で揃えた防災グッズです。
正直思っていたより追加購入もせず、最低限の防災用品の購入と、日々のストックを増やした感じで整いました。
もちろんこれは最小の用意なので十分とは言えないものですが、今までのほとんど意味を成していない防災グッズで「大丈夫かな…」と不安に思っていたことを考えると、かなり心強く感じます。
グッズはもちろんですが日常生活での日々の習慣も大事だなと思い、そこら辺もまとめてみました。
以上の生活習慣を見直しました。
何度もしつこいですが、今回はあくまで「自宅待機」を意識したラインナップ。
実際は外で被災して家族の誰かが怪我をしてしまう事もあるだろうし、避難所での生活が必要になる事もあるので、避難生活を踏まえた準備もこれからしていかなければいけないなと思いました。
なにより家族全員が同じ認識で、ハザードマップを頭に入れていろんな状況を想定して動ける様に、意識を持って話し合わなければいけないなと感じています。
「災害=非常時」というイメージでいましたが、「非常時であっても日常生活を続けていかなければならない」という現実。コロナ禍でもし大きな災害が起きれば、これまでの災害とはまた違う危険性が私たちを襲うと思いますが、常に情報とストックを更新していこうと思いました。
停電でマンションのエレベーターが止まって大変でした。ガスも止まったので、カセットコンロが役立ちました。