いざというときのために「防犯用カラーボール」は投げる練習をした方がいい
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目次/ INDEX
幼少期に見た映画でその存在を知って以来、培養ポッドという存在がずっと気になっている。
暗い実験室に緑色のライトが怪しく灯り、透明なポッド内になみなみと注がれた液体がコポコポと音を立てる中で、チューブに繋がれた何者か(往々にして裸である)が眠って培養されている、アレだ。
あの中に入ってみたい。
”培養ポッド”で伝わるだろうか、”培養カプセル”、”培養槽”などと言う呼称もあるかと思うが、今回は培養ポッドで統一したい。
ざっと描いてみた、なんとなくのイメージ。ポッドがいくつか並んでいるとより研究室みがある
培養ポッドには、物語の鍵となる強大な敵が眠らされていることが多い。
人工的に造られた、クローンである、傷ついた身体を回復させている、などなど背景は様々だが、とにかく「培養ポッドに入っている人物を起こしてしまったらヤバい」という共通認識があるように思う。
つまり、培養ポッドに入るだけで重要な人物になれるということなのだ。それはなりたいだろう。
というわけで撮影スタジオである。
今回のために頼もしいメンバーが揃った。ありがたいなー。
左から林さん、橋田さん、石川さん
そして、そうだな、筆者のことは人造人間Hとでも呼んでもらおうか。
右にいる眼鏡が北向ハナウタ改め人造人間Hです
培養ポッドを作るため、設計者の林さんが厳選したアイテムは下の通り。
…少なくないか、大丈夫か?
今のところどのように培養ポッドになっていくのか筆者には朧げであるが、疑問に思っていても仕方ない、あとは粛々と組み立てていくのみ。前を向いていこう。
まずは透明な塩ビ板3枚をテープでつなぎ合わせていく
塩ビ板は新座のカインズで購入したとのこと。「大きいサイズの板を持ち運ぶのがうまくなってきた」と林さんは話していた。コツがあるらしい。
その姿は真剣そのもの。伝統工芸職人の顔つきだ
ところで皆様が培養ポッドと聞いて思い浮かべる作品はなんだろうか。SNSで問いかけてみたところ、絶望的に強大な悪役や物語の鍵となる神秘的な人物などが多数挙げられた。
必ずしも敵ばかりではないが、いずれにせよここから出てきて一瞬で出番を終える役もそうそうない。コスパ悪いもんな。
さて、制作の話に戻ると、のぼり棒(店頭などにあるのぼり旗を立てる棒)を2本立てて…
先ほどの塩ビ板をクリップで半円状に留める
林:できたできた
橋田:できた、もう帰ろう
石川:あとはハナウタさんに任せて
橋田:完璧です
できてない、まだできてないんだよみんな。
この姿じゃ帰れないんです
ここで改めて培養ポッドとして必要な条件を挙げていこう。今一度冒頭の文章を引用する。
暗い実験室に緑色のライトが怪しく灯り、透明なポッド内になみなみと注がれた液体がコポコポと音を立てる中で、チューブに繋がれた何者か(往々にして裸である)が眠って培養されている、アレだ。 |
ここまでで満たしているのは「部屋(実験室)」「透明な」「何者か」の3点。そりゃこれだけで培養ポッドになるわけはないのだ。ここからはひとつずつ足りないところを詰めていく作業だ。
まずは「緑色」。照明に緑のセロファンを貼る
うーん、限りなく透明に近いグリーン
橋田:8割できた
林:いけるね! これはいけちゃうかも
北向:集団催眠?
ポジティブな人たち
特に橋田さんが積極的にポジティブ。
部屋を暗くしたほうが良かろう、ということで大きな窓を塞いでいく
こういう撮影の、文化祭のような雰囲気がいつまでも好きだ。まだ全然完成まで遠いけれど。不安6:楽しさ4。
少し近づいてきたか?
手持ちのLEDに緑色のセロハンを貼り光源とした。やっぱりライティングが重要そうだ。
林:のぼり棒はあとで消しておいてください
北向:完全に最終手段じゃないですか
「Photoshopで加工してどうにかする」は工作記事としてアウトだ。大丈夫かな。
北向:飲み物買いに行ってきます
橋田:逃げる気だ
石川:「飲み物を買いに行く」と言って戻ってこないんだ
メンバーに信用されていない、ちゃんと炭酸水買って戻ってきましたよ。
戻ると突っ張り棒の後ろには暗幕が張られていた。撮影スタジオにはいろいろなものがあって便利。
後ろに暗幕を張ることで緑の光が漏れなく差し込むようになった
上からも光を当ててみる。この他、この記事では紹介しきれない試行錯誤があります
なんとなーく形が見えてきたが、暗幕と筆者の服の色がかぶって人物が沈んでしまう。ここらでベージュ色の服に着替えよう。
着替えてここまでの写真を確認する人造人間H
再現度を考えると本当は裸になるべきなのだけど、誰も得しないので服を着たい。何かあっても誰も責任を取ってくれないから。
あ、服装を明るくしたことで人物がかなり際立つ
北向:いいかも、全然印象が違う!
石川:かなり近い気がする
かなりゴールに近いっぽいかも! もう我々にはわかりません!
撮影名物、「色々見すぎて感覚がマヒしてきたやつ」である。
さて、次に満たしたい条件が「液体がコポコポとしている様子」だけど、本当の液体を使うわけにもいかない。そこで林さんが用意してきたものがこちらだ。
シャボン玉が出るおもちゃの銃
シャボン玉をたくさん出して泡を再現しようというのだ。
これに関してはガラスのモビールを吊るす、透明な素材を丸く切って貼るなどいくつか案が出ていたが、結果的にはこのシャボン玉銃がランダムな雰囲気が出て楽しかったので良かった。
この銃、シャボン玉を出しながら青く光る。色がぶつかって野生のチームラボのようだ
体につけるチューブのことを忘れていたが、スタジオにおあつらえ向きなケーブルを見つけたのでこれを活用していこう。
本来はチューブを何本も身体に取り付けたいが、今できることをする
☑暗い実験室に☑緑色のライトが怪しく灯り、☑透明なポッド内になみなみと注がれた☑液体がコポコポと音を立てる中で、☑チューブに繋がれた☑何者か(往々にして裸である)が眠って培養されている。 |
さぁこれで要素としてはすべて揃った、もうこれ以上はどうにもできない、頼む!
あーどうかな! 全身だと少し粗が見えるが(のぼり棒がのぼり棒すぎる)
もう少し寄って…
こうか!?
…! できた! 撮れた写真に歓声が上がる。
シャボン玉が予想していた以上にいい仕事をしている。”培養ポッドらしさ”は緑の光と泡さえクリアできればそれなりのものになるんじゃないだろうか。
目を開けるとこわい、覚醒だ
林:カメラ目線で笑ってみてください
こっち見て笑うな
前向きな声をかけていた林さんたちも培養ポッドができるのか未知数だったらしく、この日スタジオを5時間も確保していたというところからもその不安さが垣間見える。
培養ポッドはサウナのように蒸し暑い。複数の光源が自分に向かってくる上に空気の逃げ場がまったく無いからだろう。
撮影を終え、風に当たりながら飲み干した炭酸水はおいしかった。
石川さんが脳のぬいぐるみ(脳のぬいぐるみ?)を持ってきてくれたので、脳を浮かせた。
確かにこういうパターンもある!
シャボン玉噴射役を引き受けたがめちゃくちゃ目に泡が入ってダメージを受ける人造人間H
というわけで、今回は、
培養ポッド設計 / シャボン玉噴射:林
カメラマン:石川
応援:橋田
人造人間H:北向
というメンバーで培養ポッドに入るまでの一部始終をお送りしました。ありがとうございました。