八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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ゴキブリの幼虫(赤ちゃん)は成虫と似たような形をしています。羽根はありませんが、ひと目でゴキブリの幼虫とわかるでしょう。しかし、ゴキブリの種類によって赤ちゃんの特徴は違うので、種類ごとの特徴を紹介しましょう。
今回はそんなゴキブリの幼虫について、害虫駆除のプロである豊喜信介さんに解説してもらいます!
豊喜信介
害虫・害獣対策専門の合同会社SHIN代表。関東を中心に害虫・害獣の再発保証を強みとして、駆除関連の依頼を請け負っている。
飲食店に出没することの多いチャバネゴキブリの赤ちゃんは、3~10mm程度の大きさで、比較的小さいほうです。
卵からかえってすぐは体が白く、米粒のような姿をしています。成長とともに茶色~黒っぽくなっていくので、一概にどんな色とはいえませんが、体に白や黄色のまだら模様が入っているのでわかりやすいでしょう。
寒さに弱いため、春以降の温かい季節を好みます。また、暖房が効いている場所や、冷蔵庫など熱を発する家電の裏側などでは、通年発生します。
クロゴキブリは日本全国に生息し、一般家庭にも出やすいゴキブリです。赤ちゃんは4mm程度の大きさで、こちらも比較的小さいほうです。
生まれてすぐは白く、米粒のような姿をしていますが、脱皮を繰り返して成虫に近づくと、体が黒くなり白い縞模様が現れます。
発生時期は、春から夏にかけての暖かい季節です。しかし、暖房が効いている環境や、冷蔵庫の裏などの温かい場所では通年発生します。
ワモンゴキブリは、室内に現れるゴキブリとしてはもっとも大型で、半年ほどで3.5~5cmほどの成虫になります。そのため幼虫(赤ちゃん)も大きく、8~9mmほどの大きさです。
ワモンゴキブリは熱帯、亜熱帯に生息するゴキブリのため、寒さが特に苦手で、寒い環境だと簡単に死んでしまいます。そのため、関東以南でよく見られます。
活動が活発になるのは5〜10月ですが、暖房が効いている環境では1年中活動します。
ゴキブリの赤ちゃんに似ている虫に、「トコジラミ」や「シバンムシ」がいます。どちらも大きさがゴキブリの赤ちゃんと同じくらいなので、見間違えることがあるかもしれません。
なお、トコジラミには羽根がなく、シバンムシには長い触角がありません。また、どちらもゴキブリの赤ちゃんよりも丸っこい体をしています。
トコジラミは人の血を吸い、場合によっては激しいかゆみを伴います。また、シバンムシは血を吸うことはありませんが、小麦粉やお菓子などを食べることがあります。見つけたら駆除したほうがいいでしょう。
ゴキブリは暖かい場所を好みます。さらに、狭い場所を好むため、冷蔵庫やテレビなど、暖かい家電の裏側の狭い空間は、ゴキブリの生息に適した場所です。
また、大型家電は頻繁に動かすものではないため、意識的に掃除をしないと裏側にホコリが溜まります。ゴキブリはチリやホコリをエサにするため、やはりこの点でも大型家電の近くは成長に適した環境といえます。
さらに、水気があって暗い場所をより好むため、冷蔵庫、食洗機、洗濯機周辺は特に注意が必要です。
ゴキブリは、湿度が高い場所を好みます。新聞紙やダンボールを重ねて置いている場所は、暗くて狭く、さらに湿度が高いため、ゴキブリの生育に適した環境になっています。
また、古新聞やダンボールの周辺は、ゴキブリのエサになるチリやホコリも多くなりがちです。特に冬場は寒さをしのぐために新聞やダンボールのある場所に逃げ込んでくるため、特に注意しましょう。
植木鉢やプランターの受け皿の中も、ゴキブリにとって居心地のよい場所のひとつ。なぜなら、受け皿の中は常に湿っていることが多く、また、暗くて狭く、土の入った鉢がすぐ近くにあるため温度も保たれるからです。
そのため、受け皿に溜まった水はそのままにせず、定期的に捨てるようにしたり、ときどき鉢を持ち上げて掃除をしたほうがよいでしょう。
ゴキブリは一度の産卵で、たくさんの卵を産みます。そこから、少ない種類でも10匹前後、多くなると40匹ほどの幼虫が生まれます。そのため、ゴキブリの赤ちゃんを1匹見つけたら、その近くには最低10匹程度はいると考えてよいでしょう。
さらに、産卵期のゴキブリは産卵を10回程度繰り返すのも特徴です。民家に出没しやすいクロゴキブリの場合、産卵期は7~10月頃。その期間が来る前に、母親のゴキブリを駆除することが大量発生を防ぐ秘訣となります。
まず最初にすべきは、ゴキブリが外から入ってこない環境をつくることです。家の中に入れなければ、さすがのゴキブリも棲み着きません。
チェックすべきは、玄関の扉や、掃き出し窓のサッシなどの隙間です。さらに、排水口の近くに隙間がないかもチェックしましょう。ゴキブリはわずかな隙間からでも侵入できるので、隙間は丁寧にふさぎましょう。
ゴキブリは、暗くて狭く、湿り気のある暖かい場所を好みます。そのため、家の中のそういった場所をできるだけ減らすことが大切です。ゴキブリが好む新聞紙やダンボールを、長期間にわたって保管しないようにしましょう。
また、ゴキブリは、チリやホコリだけでなく、人の皮脂や抜け毛などもエサにします。そのため、清掃が行き届いていないとゴキブリが発生しやすくなります。普段から家の中の清掃をしっかり行い、家の中を清潔に保ちましょう。
また、大型家電の後ろのチリやホコリも、できるだけ清掃することが理想です。定期的に模様替えをして、ホコリのない部屋をキープするのもおすすめです。
ゴキブリが嫌がる臭いがする「忌避剤(きひざい)」を置くのもおすすめです。ゴキブリは、ハッカやミント、レモングラスなどのにおいを不快に感じます。
「ゴキブリよけ」として販売されている市販品を使うと便利ですが、ゴキブリの侵入経路になりそうな場所や、大型家電の裏などに、ポプリを置いたり、精油を塗ったりしても効果的です。
ゴキブリ向けにつくられたスプレータイプの殺虫剤は、ゴキブリの赤ちゃんにも有効です。速効性があり、その場ですぐゴキブリを駆除できますし、ノズルがついていて狭い隙間にも噴射できます。
一方で、殺虫剤は1匹を狙って駆除するようにできているので、大量発生してしまった場合は効率がよくありません。
いわゆる「バルサン」のように、殺虫成分を煙にして、部屋の隅々まで行き渡らせるタイプの殺虫剤を「燻煙剤(くんえんざい)」といいます。
燻煙剤のよいところは、「ゴキブリを見かけるけど生息場所がわからない…」といったケースでも駆除できることです。その際、大型家電や家具などの移動も必要ありません。
一方で、卵を死滅させることができないため、すでに卵があった場合は孵化してしまいます。ゴキブリの卵は10日~2週間程度で孵化するため、2週間程度時間を空けて2回燻煙剤を使うとよいでしょう。
注意点としては、燻煙剤の成分が、家具などのインテリアの変色の原因になったり、臭いがついたりする原因になる可能性があることです。製品の説明書をよく読んで使いましょう。
ゴキブリの生息場所がわからないまでも、侵入経路や移動経路が推測できる場合は、毒餌剤(どくじざい)を使うのもよい方法です。
毒餌剤とは、置き型の毒エサで、毒エサを食べたゴキブリはもちろんのこと、体内の卵にも作用します。毒エサを食べたあとに産みつけられた卵であれば、孵化を阻止できる可能性は高いでしょう。
また、ゴキブリは仲間の死がいやフンをエサにすることもあります。そのため、連鎖的に駆除する作用も期待できます。市販品を使うのが一般的ですが、手作りのホウ酸団子でも同様の効果が期待できます。
毒餌剤を使うときに注意したいのは、小さな子どもやペットの誤飲です。ゴキブリは生命力が強い生き物のため、毒も強力ですから、くれぐれも子どもやペットの手の届かない場所に置くようにしましょう。
ゴキブリの赤ちゃんが大量発生している可能性がある場合、専門の業者に依頼することも視野にいれましょう。
費用は業者によって異なりますが、ワンルームであれば1万円程度から、3LDKなどの大きめのお部屋でも、高くて5万円前後が相場となっています。
プロによる駆除は効果がもっとも期待できるため、ゴキブリの赤ちゃんを大量に見る場合は検討してもよいでしょう。
ここからはゴキブリの赤ちゃんについて、豊喜さんにより詳しく聞いてみました!
──それぞれの特徴について、教えてください。
豊喜さん
まずチャバネゴキブリは、飲食店や家庭の“熱源部”によく発生します。具体的には、コンロの中や冷蔵庫の裏、電子レンジなどですね。あと意外なところでいうと、トイレのウォシュレットの部分も熱源部なので集まったりします。しかも、チャバネゴキブリは熱源部さえあれば、通年発生します
豊喜さん
一方クロゴキブリは、“湿気”があるところに集まります。具体的には、下水やドブのようなところですね
──それぞれ好む場所が違うんですね。ほかに違いはありますか?
豊喜さん
チャバネゴキブリは寿命が4ヶ月前後と短命なのに比べて、クロゴキブリの寿命は約2年ほどです
──チャバネゴキブリのほうが、寿命が短いんですね。
豊喜さん
そうですね。卵から産まれる赤ちゃんの数も、短命な分チャバネゴキブリのほうが少し多いです。1回の産卵につき、クロゴキブリは30匹前後の赤ちゃんを、チャバネゴキブリは20〜50匹の赤ちゃんを産みます
豊喜さん
そうですね。ただ、生息地域は年々北上してきているように感じます。また、ゴキブリがあまりいないと言われる北海道でもゴキブリは発生してきているので、全国的にゴキブリの発生場所は増えているのかなという感じがしますね
豊喜さん
ゴキブリは人間の生活圏内で見かけるものが注目されがちですが、もちろん自然界にも生息しています。たとえば森には、『モリチャバネゴキブリ』というゴキブリが生息しています。見た目はチャバネゴキブリにそっくりですが、自然の中で生息しているので、室内などで発生することはあまりありません
豊喜さん
基本的に隙間があればどこからでも入ってくるのですが、卵の侵入経路には2パターンあります。1つは、卵を持ったゴキブリが家の中に入ってきて産みつけた場合です。もう1つは、外部のものに卵を産みつけ、そのものごと家の中に搬入されてしまった場合ですね
──どのようなものを介して、家の中に持ち込まれてしまうのですか?
豊喜さん
よくあるのは、ダンボールや新聞紙です。暖をとるためダンボールで休んでいたり、卵を産みつけたものが、そのまま家の中に運ばれてしまうんです。そして、家の中で卵が孵化してしまいます。普段からゴキブリ対策をしている家庭でも、このパターンでゴキブリの赤ちゃんが家の中で発生した事例もありました
豊喜さん
あとは、ゴキブリの発生源がとなりの部屋だったという事例もあります。駆除依頼のなかには、ゴミ屋敷と呼ばれるような状態の部屋も多々あります。タワーマンションの45階がゴミ屋敷だったこともあるんですよ(笑)。特殊な事例かもしれませんが、みなさんが思っている以上に、ゴミ屋敷の物件はたくさんあるんです
豊喜さん
確認する場所としては、換気扇、エアコン、下水、網戸などですね。あとは食べものの周りに、ゴキブリの糞が落ちていないのかも確認しましょう
豊喜さん
エアコンは外気を取り込むための管があるのですが、そこにはこのようなキャップをしておくと、ゴキブリの侵入対策になります
豊喜さん
あと、下水が臭うようでしたら、ぬめりや汚泥が発生していて、発生源になる可能性があります。その場合はこのようなアイテムで対策をしましょう
豊喜さん
排水溝から上がってくる臭い臭いがなくなります。水の流れもよくなりますので、おすすめですね
豊喜さん
ゴキブリが好む場所は、“水”と“油”があるところです。水があるは排水溝やシンクもそうなのですが、そういった場所に加えて、冷蔵庫下のタンクに住み着いていることもあります
豊喜さん
油に関しては、油を使った料理をしたあとの汚れなどに寄ってきます。ご自宅だと、油を使った料理をよくする方のご自宅によくゴキブリが発生します。飲食店ですと、中華料理屋さんなどに多いですね
豊喜さん
まずゴキブリは、おしりの部分に卵鞘(らんしょう)といって、カプセル状の卵を持っています。産みつける場所は、人目につかないような場所が多いです。具体的には、床下や冷蔵庫の下、押し入れの中などです
豊喜さん
ゴキブリの赤ちゃんは、まず卵の中の汁を吸って成長します。そして卵から出たあとは、人間のフケや髪の毛、食べこぼしや油汚れ、小さいダニなどを食べて成長します
──見た目の変化はありますか?
豊喜さん
赤ちゃんの頃は見た目の色が薄いのですが、成虫になるまでには何度か脱皮を繰り返し、だんだんと色も濃くなっていきます
豊喜さん
スプレーの殺虫剤が定番とは思いますが、殺虫剤を使わずに駆除することができる商品もあります。小さいお子さんがいるご家庭ですと、薬品が広がるものよりは、そういったアイテムを使うのもおすすめですね
豊喜さん
たとえば、殺虫剤をあまり使用したくない場面では、このようなアイテムがおすすめです。手を汚すことなく、ゴキブリを捕獲して回収することができます
豊喜さん
駆除するときに気をつけるポイントとしては、『素手で触らないこと』と『トイレに流さない』ことですね
──それは、なぜでしょうか?
豊喜さん
トイレに流してもまだ生きている可能性があるからです。下水の中で生息をしていた場合、またそこから這い上がってくることもあります
豊喜さん
素手で触らないほうがいい理由は、ゴキブリがいろんな菌を持っているからですね。これは成虫に限らず、赤ちゃんや卵の状態でも同じことが言えます。駆除したあとは、その場所をアルコールなどを使用してしっかりと拭き取りましょう
今回は害虫駆除のプロ・豊喜さんに徹底解説をしてもらいました!
この記事がゴキブリの赤ちゃん対策の参考になると幸いです。
快適な生活を送るための知識として、ぜひ役立ててください!
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※効果は使用環境や使用状況により異なります。
豊喜さん
よく発生するのは、『チャバネゴキブリ』と『クロゴキブリ』の2種類です。あと、『ワモンゴキブリ』という種類もいるのですが、『ワモンゴキブリ』は国内でもかなり南のほうの地域に生息しているので、前者の2種類に比べると、そこまで見る機会は多くないです