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猫の「イカ耳」って何? どんな気持ちの時になるのか調査してみた

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黒岩ヨシコ

黒岩ヨシコ

猫と暮らすWebデザイナー兼フリーライター。飼ったことのある動物は猫、犬、ウサギ、リス、インコ、チンチラ、メダカ、亀…など。元インテリアショップ店員でDIYと食べ物が好き。食生活アドバイザー3級。

猫のイカ耳とはどんなもの?

普段は三角の形をしている猫の耳。しかし時々、耳の先を外側に引っ張って耳を伏せたような形になることがあります。これが、猫の「イカ耳」と呼ばれる姿です!

イカ耳

由来はもちろん、海洋生物の「イカ」(烏賊)から。伏せた猫の耳の形がイカの耳(ヒレ)に似ているという理由で猫好きの間で呼ばれはじめ、今ではすっかり定着しています。

ちなみに、英語では飛行機の翼になぞらえて「with airplane ears」などと呼ばれることもあるのだとか。

勘違いされることがありますが、猫がイカ耳になるのは不満や恐怖の感情からだけではありません。なぜイカ耳になるのかは、猫の聴覚や気持ち、習性などに関係しているといわれます。

猫は聴覚が非常に優れた動物で、音を聞き取る聴力は人間の4~5倍ともいわれています。そんな猫にとって耳から入る情報はとても重要なもの。発達した耳の筋肉を使い、耳の角度を自在に動かして外の音を聞き取るなかで、イカ耳の形になることがあるんです。

猫によって性格が違うので一概にはいえませんが、不安・恐怖・ジレンマ・怒りなどの感情の他、好奇心・熱中・リラックスなどの感情のときにイカ耳になるケースもあります。

猫がイカ耳になる理由は様々なので、心理状態を知りたいときには状況や耳以外の様子も併せてよく観察してみてくださいね。

猫がイカ耳をする心理とは? よくある5つのパターン

猫がイカ耳になるのは、具体的にどんな意味があるのでしょうか? 猫がイカ耳になっているときの気持ちやよくある理由をまとめました。

全ての猫に当てはまるわけではありませんが、飼い猫の気持ちを読み取る参考にしてみてください。

1.「怖い」「不安」「こっちへ来ないで」

猫がイカ耳になることが多いのが、怖いときや不安なときです。

怖いときや不安なとき

警戒や拒絶の意味もあり、目の前の相手に対して「それ以上近づかないで」という主張でもあります。イカ耳だけでなく、しっぽや頭を下げて目を大きく見開いているような場合は恐怖を感じている証拠といえます。

安全な家の中で過ごしていても、臆病な猫であればインターホンの音や掃除機の音、来客などにおびえてイカ耳になってしまうこともあるでしょう。病院嫌いな子が病院に連れていかれたときや、保護されたばかりの野良猫などにも多いパターンです。

人慣れしていない猫だと恐怖から攻撃してしまう可能性もあるので、イカ耳で拒絶されているときは無理にかまわずにそっとしておいてあげましょう。

2.「イライラ」「ムカムカ」「気に食わない」

猫は、イライラしているときや怒っているときにもよくイカ耳になります。

イライラや怒り

「物音がうるさい」「かまってほしいのに無視される」などのちょっとした不満から、猫同士の本気のケンカまできっかけは様々です。

耳が後ろに反り返っている角度が大きいほど、強い怒りや不満を感じているサインだと思いましょう。もしちょっとした不満やストレスが理由であれば、可能な限り取り除く工夫をしてみてあげてください。

怒りのあまり興奮しているときは、瞳孔が開くのも特徴です。イカ耳のまま毛を逆立て、腰を落とした伏せの姿勢で「シャー」「フー」などと威嚇しているときは臨戦態勢になっている可能性があります。下手に手を出すと、噛む・引っ掻く・飛びかかってくるなどの行動に出ることがあるので注意しましょう。

反対に、冷静に怒っているときや獲物を攻撃するときは瞳孔が細くなります。小さな子供や子猫にしつこくされて「うっとうしい」と感じているときなどは、イカ耳でも瞳孔は細いまま冷静であることも多いでしょう。

ちなみに、猫同士の本気のケンカの場合は、自分と相手を同等だと思っているため負けるまで伏せの姿勢はとりません。イカ耳でしっぽを膨らませて背中を弓なりに反らせ、体を大きく見せて威嚇しながら攻撃します。

3.「興味津々」「音が気になる」

猫は何かに強く興味を持ったときや物音が気になったときにもイカ耳になることがあります。

遊ぶときやおもちゃにじゃれるときにイカ耳になるのは、イライラではなく興味を持っているサイン。耳を前後左右に動かして、わずかな音や気配を察知して獲物(おもちゃ)を捕えようとしている状態です。生まれて初めて電動式のおもちゃを見たときなどは、好奇心に加えて驚きと警戒からイカ耳になってしまう場合もあります。

窓辺でまどろんでいたと思ったら突然イカ耳になるようなときは、外にいる小鳥の声や人の話し声が気になっているのかもしれません。猫は人間には聞こえない微かな音や高音まで聞き取ることができるので、一見何もないのにイカ耳になっているときは何か聞きなれない音がした可能性が高いでしょう。

4.「気持ち良い」「撫でてほしい」「まったり気分」

意外かもしれませんが、猫は気持ち良いときやリラックスしているときにもイカ耳になることがあります。

気持ち良いときやリラックスしているとき

日向ぼっこをしながらうとうとしているときや、飼い主さんに甘えるとき、膝の上で撫でられているときなど、飼い猫がイカ耳になっているのを見たことはありませんか? うっとりした表情で目をつぶったり、顔の筋肉が緩んでリラックスしているのであれば、不満があってイカ耳になっているわけではありません。

嬉しいのか嫌がっているのか判別がつきにくいときは、耳と併せて猫のひげをチェックしてみてください。ひげをピンと張って前方に向けていたら警戒や集中、または怒っているときです。頬に沿うように後方に倒していたら、恐怖や不安を感じているかもしれません。ひげの力が抜けていて自然な角度で下がっていたら、リラックスしている証です。

また、猫のひげが時計の「10時10分」の角度になっているときはご機嫌な可能性が高いです! この場合、ゴロゴロと喉を鳴らしたりふみふみをするのも心地良さや嬉しい気持ちの現れなので、存分に甘えさせてあげましょう。

5.「おやつに夢中」「トイレに集中」

何かに夢中になっているときに、ついイカ耳になってしまう猫もいます。

その代表的な例といえば、おやつを食べているときです。ちゅーるをあげるといつもイカ耳になってしまうという猫は意外と多いですが、大抵は集中しているだけで機嫌が悪いわけではないので安心してくださいね。

おやつだけでなく、ご飯に夢中になりすぎて食事中にイカ耳になってしまう子もいます。なかにはトイレのときにイカ耳になる猫もいて、集中して用を足している様子が伺えます。

猫の飼い主さんに「どんな時にイカ耳になるのか?」を聞いてみた!

猫の飼い主さんたちは、実際にどんな場面で愛猫のイカ耳姿を目撃しているのでしょうか?

飼い主さんがお話してくれた愛猫のイカ耳事情について、かわいいイカ耳猫ちゃんたちの写真と共にご紹介します。

Nico Tabu Popo Ukko と Mayumi(@mayuekkip)さんのお家のにこちゃん・タブくん・うっこくんの場合

1組目にご紹介するのは、3匹のブリティッシュショートヘアの猫ちゃんと、羽衣インコのポポちゃんと暮らす@mayuekkipさん。3匹の猫ちゃんたちはそれぞれ全く違う性格をしているのだそう。

人間は大好きだけど弟たちにはクールな姉「にこ」ちゃん、基本はそっけないのにお姉ちゃんのストーカー「タブ」くん、最強の甘えん坊末っ子男子「うっこ」くん、という個性豊かな猫ちゃんたちは、一体どんなときにイカ耳になるのでしょうか?

性格の異なる3匹の猫ちゃん

画像:Nico Tabu Popo Ukko と Mayumi(@mayuekkip)さんのインスタグラムより

「イカ耳率が高いのはにこです。無神経な弟達には常にイカ耳で『すごくイヤです』というオーラをビシビシ出しています。タブはにこたんと主人以外、すなわち、わたしとうっこが近づくとイカ耳です。好き嫌いはっきりしているみたいです笑」(@mayuekkipさん)

イカ耳

画像:Nico Tabu Popo Ukko と Mayumi(@mayuekkip)さんのインスタグラムより

「うっこのイカ耳はとてもレアで、来るもの拒まず、嫌がられても突進するうっこは大抵るんるんです。いつまでもかまってあげないとたまに拗ねて耳を背ける感じでしょうか。」(@mayuekkipさん)

イカ耳になる理由もやっぱり、三者三様のようですね!

ふに(@funi0202)さんのお家のふにちゃんの場合

続いてお話をお伺いしたのは、短足マンチカンの女の子「ふに」ちゃんと暮らす@funi0202さん。ふにお姉ちゃんのことが大好きなニンゲンの弟「ムチ」くんを優しくあしらう姿はインスタグラムでも人気を集めています。

そんなふにちゃんは、どんなときにイカ耳になるのでしょうか?

ふにちゃん

画像:ふに(@funi0202)さんのインスタグラムより

「トイレの時、威嚇や怒ってる時、かまって欲しくて噛もうとしてる時、などですかね!」(@funi0202さん)

イカ耳

画像:ふに(@funi0202)さんのインスタグラムより

ふにちゃんの場合は怒っているときだけじゃなく、トイレの時にイカ耳になるのがお馴染みなのだそう。本人(猫)は至って真剣なのですが、ポーズといい表情といい思わず笑ってしまいますね!

イカ耳以外にもある、猫の耳から読み取れる色々な感情

猫の耳の向きや動きは、猫が今どんな気持ちでいるのか読み取るポイントになります。イカ耳以外にもある、特徴的な猫の耳の動きと意味をまとめました。

特徴的な猫の耳の動きと意味

【感情からくる猫の耳の状態】

  1. 自然体
  2. 前に向けてピンと立っている
  3. 片耳だけ動かす
  4. 色々な方向へ動かす
  5. 頭にペッタリとつける

 

1.自然体

猫の耳が自然体なのは、リラックスモードのとき。寝る直前や暇を持て余してぼんやりしているときなどは耳も自然な状態になっていることが多いでしょう。耳は自然体でも飼い主さんの顔をじっと見てくるようなときは、何かを訴えている可能性もあります。

2.前に向けてピンと立っている

猫が耳をピンと前に向けているときは、興味のあるものを見つけたとき。音の出所によってはイカ耳になることもありますが、見慣れないものを見たときも耳をしっかり立てて視線をそちらへ集中させます。

特に強い関心を示しているときは耳の先にある房毛(リンクスティップ)もピンと立つのが特徴で、情報を集めようとしている様子が見られます。

3.片耳だけ動かす

猫が片耳だけ動かすのは、少し気になる音がしたとき。動くのが億劫なときに音が聞こえると、「何?」くらいの軽い気持ちで反射的に片耳だけ向けることがあります。

ちなみに、猫がリラックス中に呼びかけると片耳だけピクッとさせることがありますが、これは一応「お返事」のつもりです。「今はかまわれたくないけど返事だけしておこう」や「眠いけど反応はしたい」という気持ちの表れなのだとか。

4.色々な方向へ動かす

猫が耳をピクピクさせて色々な方向へ動かすのは、集中して音を聞こうとしているとき。聞きなれない音がしたり、知らない場所で情報を集めようとしているときなどによく見られます。警戒心はありますが、イカ耳のときほどの不安感はなく、好奇心や興味が混ざっているような状況といえます。

他には、耳先に何かが触れたり、空気の流れを感じたときなどに耳をピクピクと動かすことがあります。

5.頭にペッタリつける

猫が耳を頭にペッタリつけているのは、怖いとき。人間や他の動物などに対して委縮している状態で「こっちに来ないで」「かまわないで」という気持ちの現れです。イカ耳よりもさらに緊張感のある心理状態なので、この状態の猫にはむやみにちょっかいを出さないであげてくださいね。

例外として、猫同士のケンカで勝敗が決まったときにもこの耳をします。どちらか一方が耳をペッタリ倒し、しっぽや手足を全て体の下にしまい込む姿勢をとっていたらそれは「降伏」のサイン。「負けました、ごめんなさい!」という意味になるので、勝った方はそれ以上攻撃をしないルールになっています。

音を聞く以外にも役立つ? 猫の耳の仕組みや役割

猫は聴力が非常に高く、五感の中で最も発達したのが聴覚だといわれています。

猫は聴力が高い

猫の聴覚が優れているのは耳の作りに由来していて、「耳介」と呼ばれる耳の三角形の部分が集音器のような役目を果たしています。耳介には筋肉があり、音のする方向に向けて左右の耳を別々に180度動かせる仕組みになっています。

他の動物と比較して「可聴域」(聞き取れる音の周波数の範囲)が広いのも特徴で、犬よりも約1万ヘルツ多く、人間の約3倍の高音域まで聞き分けることが可能だといいます。

猫はそのパラボラアンテナのような耳でわずかな音を聞き分け、音で獲物の動きを察知しながら高い身体能力を駆使して効率的に獲物を捉えているのです。

音を拾うことは猫の耳にとって重要な役割ですが、実はその他にもいくつかの役割があります。

イカ耳のように、感情を表現するコミュニケーションツールとしての役目もその1つです。

また、猫の耳の中にある優れた三半規管は、高度な平衡感覚を保つために役立っています。

他には、体温をコントロールする役目も担っています。猫の耳には多数の毛細血管があり、暑い時は毛細血管を拡張させて耳から放熱することで体温調節をしています。興奮しているときや寝る前などは熱くなりますが、異様に熱いときは体調不良による発熱の可能性もあります。

猫の体温は耳を触ることで大まかに予測することができるので、普段から耳を触って平常時の状態を知っておくと良いでしょう。

しきりに耳を気にする場合は病気の可能性もある

イカ耳や耳をピクピクと動かすのは、猫にとって日常的な行為です。しかし飼い猫がやたらと耳を気にしているような様子が見られたら、病気が潜んでいる可能性もあります。

なかでも外耳炎は猫や犬にとって一般的な耳の病気で、猫種・年齢問わず発症する恐れがあります。頻繁に耳をかく、頭を振る、耳が臭い、壁や地面に耳をこすりつける、などの仕草は外耳炎からくる症状かもしれません。

外耳炎の原因は様々で、主に細菌や真菌(カビ)の過剰な繁殖や耳ダニなどの寄生虫、過敏性皮膚炎などのアレルギーや異物混入、腫瘍などが考えられます。

軽度の場合、単に「最近よく耳を気にしているな」くらいにしか見えないことがあるので注意しましょう。発見や治療が遅れると症状が悪化し、慢性化してしまう恐れもあります。

異変に気づいたら早めに動物病院を受診するか、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

猫のイカ耳は気持ちの現れ

目は口ほどにものをいうといいますが、猫の場合、耳を見れば大まかな感情を読み取ることができます。

とはいえ猫の性格や状況によって一概にはいえないので、耳と併せてしっぽや毛並み、目つきやポーズなどを見てそのときの気持ちを予測してあげると良いでしょう。

普段と違うかわいいイカ耳姿は、猫なりの感情表現です。猫からのサインをしっかりキャッチして、コミュニケーションに活かしてみてくださいね。

画像:黒岩ヨシコ

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