意外に多い「隠れ口呼吸」に注意! デメリットだらけなので治し方を医師に聞いてきた
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目次/ INDEX
自宅を襲う火災。発生理由はさまざまですが、自然現象の地震と比べると、人為的な理由が原因で起こることが多い災害といえるでしょう。
だからこそ、火災につながる原因を知り対策しておくことで、発生を避けられたり、被害を最小限に止めたりすることもできるはず。そして、いざというときに取るべき行動も知っておきたいところです。
そこで、この記事では防災アドバイザー・岡部梨恵子先生の監修のもと、〈基礎知識編〉〈備え編〉〈行動編〉の3部にわたり自宅の火災対策のいろはをたっぷりお伝えします。
「対策しなきゃいけないのはわかっているけど……」という方も、「対策はしているつもりだけどこれでいいのかな?」という方も、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
「火災」と聞くとなんとなくイメージはつきますが、何を持ってして「火災」と呼ばれるのか、考えたことがない人も多いのではないでしょうか。まずは、火災の定義や種類について知っていきましょう。
火災は、消防庁によって以下のように定義されています。
火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象があって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。
つまり、ものが燃えれば全て火災というわけではなく(例えばこんろの火やロウソク、花火など)、「人の意図に反して、もしくは放火によって発生」「消火の必要がある」「消火のための施設や道具を必要とする」の3つを満たしたものが火災になります。
なお、人の意図に反して発生した爆発現象は、上記の3条件にかかわらず火災です。
私たちの生活にまつわる火災として、以下のようなものがあります。
たばこは、長時間炎が出ないまま燃焼を続けるため、気付かないまま就寝や外出をしてしまい大きな被害になってしまいます。
料理中、こんろに火を付けたままその場を離れてしまうことで、火災になる場合があります。特に天ぷら油は通常175℃で使われますが、加温し続けると温度が上昇し、約370℃で自然発火するため注意が必要です。
電気機器にまつわる火災も多く発生しています。コンセントと電源プラグの間にほこりがたまり発火する「トラッキング現象」や「絶縁劣化による発熱」、「コードの劣化」などが火災の原因となります。
子どもがライターなどで火遊びをし、誤って火災を起こしてしまうこともあります。子どもには火の危険性を正しく伝えておくことが大切です。
放火も出火原因の上位となっています。特に夕方から深夜の間に発生しており、可燃物を家の外に放置しないなどの注意が必要です。
火災への対策をするには、まずはどのような原因で火災が起こるのかを知っておくことが大切です。出火の主な原因や、火災が起こりやすい状況について解説していきます。
消防庁の「令和3年度版 消防白書」によれば、令和2年度の火災は34,691件発生しており、出火原因の上位は以下のようになっています。
(出典:消防庁「令和3年度版 消防白書」)
最も多い出火原因は、たばこ(3,104件)、次いでたき火(2,824件)、こんろ(2,792件)、放火(2,497件)という順でした。
なお同じ消防白書の調査によれば、たばこの中では、不適当な場所への放置が1,930件(3,104件中)と、出火原因の6割以上を占めていました。
(出典:消防庁「令和3年度版 消防白書」)
同じく「令和3年度版 消防白書」によると、建物火災の月別火災件数は12月が最も多く(2,073件)、次いで2月(1,881件)、1月(1,843件)、3月(1,838件)、4月(1,755件)となっています。
このことから、火災は冬から春にかけて発生しやすいことが分かります。特に春は空気が乾燥しやすく、夏に比べて風も強いため、炎が広がりやすくなるのです。
岡部先生
冬場は暖房器具を使うことが多くなるので、火災も増えることに注意しましょう。一方で、夏場は子どもの花火に要注意! 化学繊維でできた浴衣は燃えやすく、少し火が付いても体に巻き付いて大やけどすることがあります。
ここからは、自宅でできる出火を防止する方法や、被害を最小限に抑えるための方法を紹介します。簡単にできることも多いので、ぜひ実践してみてください。
日常生活でできる火災の防止策にはどのようなものがあるのでしょうか? 消防庁では、以下の4つの習慣が提案されています。
岡部先生
たばこは灰皿に水を入れておくのが良いでしょう。強制的に火が消える仕組みを作っておくのです。
コンセント回りについては、ほこりがたまっていないか、1年に1回は確認しましょう。特にパソコンの周りはコンセントだらけ。コロナの影響で在宅勤務が当たり前になってくると、掃除もしなくなるので危険です。ケーブルやコード、電源タップは、ケーブルボックスに入れておくことで、ほこりから守ってくれます。ただし、電源が熱を持つこともあるので、定期的なチェックは必要です。
たばこやこんろの火などの火種が、布団や衣類などの布製品に移って燃え広がってしまう住宅火災が多く起こっています。
そこで有効なのが、布団やカーテンなどを防炎品にすること。素材に特殊な加工を施すことで、火種が当たっても焦げるだけ。仮に着火しても燃え広がる可能性が低くなります。
防炎品を使用することで、火災発生のリスクを減らせるだけでなく、拡大を防止することができます。実は、火災での死亡要因として「逃げ遅れ」が多く、特に高齢者は避難に時間を要します。そのため、避難時間を少しでも長く確保できる防炎品が、命を守るために非常に有効なのです。
防火品の目印として、「防炎ラベル」や「防火製品ラベル」があります。カーテンやじゅうたんには防炎ラベルが、寝具や衣類には防炎製品ラベルが付いているので、選ぶ際の参考にしてみてください。
「防炎ラベル」と「防火製品ラベル」の一例
岡部先生
とはいえ、自宅の布製品全てを防炎品にすると、コストもかかり大変ですよね。私の場合は、一番家族が長い時間を過ごすリビングのみを防火カーテンにしています。
ここでは、消火器の種類や使い方について解説します。消火器は、見たことはあっても、いざという場面では使い方に困ってしまうかもしれません。使い方を押さえ、家庭で使いやすいように作られた住宅用消火器を自宅に備えておくなど、準備をしておきましょう。
住宅用消火器には粉末の薬剤が噴射される粉末タイプと、霧状に噴射される強化液タイプがあります。商品ごとに、以下の4種類の火災への適性が表示されているため、用途に合わせて選びましょう。
全ての火災に対応している消火器もあり、約4,000円ほどで購入できます。消火薬剤の詰め替えや内部の点検は不要ですが、使用期限があるので定期的な交換は必要です。
消火器の使い方は以下の通りです。
岡部先生
天ぷら油火災用の消火器は台所の近くに置くなど、火が出る可能性があるところに準備しておくことも大切です。なお、消火器による消火は、炎が天井に届くまで有効です。とはいえ、火が天井まで届くのは一瞬のこと。状況によっては、消火よりも命を守るための避難を優先しましょう。
火災に備えて、火災警報器や金庫などの必要なアイテムを揃えておくことも大切です。火災が起きてしまったとき、被害を少なくできます。それぞれの特徴や注意点を見ていきましょう。
住宅用の火災警報器は、火災により発生した煙を感知して音で知らせてくれます。消防法により、全国一律に設置が義務づけられています。基準をクリアした製品には合格マークが付いているので、購入する際にチェックしましょう。
住宅用火災警報器は、「寝室」と「階段(寝室が上階の場合)の踊り場の天井または壁」に設置する必要があります。市町村の条例によっては台所やその他の居室にも必要な場合があるので、管轄の消防本部や消防署に確認するのもいいでしょう。
また、住宅用火災警報器は、古くなると火災を感知しない可能性があります。交換の目安は10年です。
岡部先生
戸建てが密集している地域では、他の家が火災に巻き込まれる危険もあります。大きな音ですぐに周囲の家に火災発生を知らせ、逃げ遅れを防ぐためにも、火災警報器は絶対に必要。「うちは間に合っているから」と自分たちの都合だけで判断せず、近所で協力し合って設置するようにしましょう。
設置義務がある寝室や階段以外にも、最低限キッチンやリビング・ダイニングにはしっかりした火災警報器をつけていただきたいと思います。
金庫は、火災から貴重品を守ってくれるアイテムです。30分耐火、1時間耐火、2時間耐火など、耐火性能のある金庫を選ぶと良いでしょう。金庫によっては耐水性能が付いているものもあります。
岡部先生
小さい金庫は火災から中身を守れず、金庫ごと盗まれる可能性もあるのでおすすめできません。ホテルにある冷蔵庫ぐらいのサイズの大きめの金庫が理想ですが、予算的に難しい場合は銀行の貸金庫がおすすめです。セキュリティ性が高く、火災や水害から守ってくれますよ。
あなたは、もし自分が出火現場に居合わせたらどうするか、イメージできるでしょうか? パニックにならないためにも、どのように動けば良いか知っておきましょう。
火事を見つけたら、119番に通報します。以下のやりとりを参考に、焦らず落ち着いて対応していきましょう。
消防署:119番、消防署です。火事ですか、救急ですか。
通報者:火事です。
消防署:あなたのお名前と住所を教えてください。
通報者:名前は△△、住所は〇〇です。
消防署:近くに、何か目標がありますか。
通報者:◇◇の隣です。
消防署:今お使いの電話番号を教えてください。
通報者:000-0000-0000です
消防署:分かりました。何が燃えていますか。
通報者:私の家が燃えています。
消防署:分かりました。ただちにそちらに向かいます。あなたは大丈夫ですか。早く外に出てください。
(出典)総務省消防庁「119番の正しいかけ方」
また、火事が発生したら119番へ通報するだけでなく、「火事だー!」と叫び、回りに知らせましょう。
岡部先生
火災が起きるとパニックになると思いますが、119番をしたら相手の質問に一つひとつ答えることを心がけましょう。1人で全てを行おうとせず、近所にも危険な状況だと知らせ、手分けして対応することが大切です。
もし火災している場所に自分が居合わせたとき、初期消火(出火後1〜2分の消火行為)を正しく行うことができれば、被害の拡大を防ぐことができます。火元に合わせた消火方法を把握しておきましょう。
建物内で火災が起こると、多くの場合は3分以内に天井に火が燃え移ってしまうと言われています。火がまだ横に広がっている間は消火可能です。器具ごとの消火方法を見ていきましょう。
火元に向けて消火器を噴射する。石油ストーブの場合は粉末消火器が良い。消火器がない場合は濡らした毛布や大きいタオルを被せ、空気を遮断する。
器具のコンセントやブレーカーを切り、粉末消火器で消火する。感電の恐れがあるため、水をかけたり泡消火器を使用したりしない。
カーテンやふすまは上に燃え広がらないように、引きちぎってから消火する。ふすまや障子は蹴り倒し足で踏んで消火する。その後水をかける。
天ぷら油をはった鍋から出火した場合、粉末消火器は鍋の全面を覆うように、強化液消火器は鍋のフチに向けて噴射する。消火器がない場合は濡らしたシーツやバスタオルを手前からかけ、空気を遮断する。
消火器を使う。消火器がない場合は水をかける。水の準備ができないときは近くのほうきや木で叩いて消し、その後に水をかける。
岡部先生
毛布を濡らして被せることは有効ですが、実際に毛布を濡らすのには時間がかかります。寝室から毛布を取りに行ってそれを洗面所や風呂で濡している間に、火の手が大きくなる可能性があります。
火災の防止や火災が起こったときに有効なアイテムとして、以下のようなものがあります。
岡部先生
火が出ているフライパンや鍋の中に、この箱のまま差し込むだけで消火できる、非常に便利なアイテムです。長さがあるので、火傷しにくいのも高ポイントですね。
岡部先生
火元に向かってスプレーするだけで消火できる、便利なアイテムです。消火器も便利な道具ですが、使い慣れていない分、いざというの時に使いこなせずパニックになってしまうことも。そうした事態を考えると、キッチン周りなどにこうした使いやすいアイテムを置いておくだけで、安心感が生まれるのではないでしょうか。
頭にかぶる袋状のもので、有害な煙から身を守る。
初期消火に使えるアイテム。火元にそっと覆い被せて使用する。使用期限がなくいつでも使える。
岡部先生
今の時代、カインズなどのホームセンターではこれだけ進化した商品が多く売られているので、アイテムの力に頼るのが一番。
とはいえ、火災が発生した際は、判断力が下がっています。そんな中でも、冷静に行動するためには、消火器や消火グッズの正しい使い方を把握し、確実に使えるものを、確実に使える場所に備えておくことが重要です。
火災が起こったとき、一番に考えるべきなのは自分や家族の命です。避難するときのポイントを学び、安全に避難できるようにしましょう。
避難する目安は、火が背の高さを超えたときです。ほんの数秒が命取りになることもあるので、火が背の高さを超えたら迷わず避難してください。
火災が発生したときの初期消火は大切ではありますが、命よりも優先すべきことはありません。
2階にいる場合は、避難用のロープやハシゴを使って避難しましょう。万が一に備えて日頃から確認しておくことが大切です。
また、集合住宅の場合は、はしごがあったり、仕切りを突き破って隣の部屋に行けるベランダがあったりします。下の階に避難できるのか、それとも隣の部屋に避難できるのか、避難方法を日頃からシミュレーションしておきましょう。
お風呂に入っている場合は、もう服を取りに戻れない可能性があります。玄関やお風呂場に、火災が起こったときのためにすぐに着られる服を用意しておくのが良いでしょう。
岡部先生
避難するときはできるだけ、けがをしないようにすることが大切です。火災の被害範囲が大きい場合、中程度や軽傷だと診察が後回しにされる場合があり、どんどん悪化してしまうことがあります。2階から飛び降りるような選択肢はできるだけ取らないようにしましょう。
避難時の服装で最も大切なのはけがを防ぐことで、以下のような服装が理想です。
肌の露出を防ぎ、けがのリスクを防ぐ。綿などの燃えにくい素材が良い。
ガラスの破片などを踏むことによるけがのリスクを減らす。
落下物から頭を守る。
滑り止め付きのものが好ましい。
もし手元にない場合は、ハンカチやタオルで鼻と口を覆う。
すぐ火の手が迫ってきている場合は、服装や持ち物にこだわらず、すぐに避難しましょう。
岡部先生
財布、携帯電話などの最低限ないと困るものは、枕元に置いてすぐに持ち出せるようにしておくと良いでしょう。生活できるものが最低限入った非常持ち出し袋も必要です。玄関に置いておくと、持ち出しやすくなりますよ。
火災で恐ろしいのは炎より煙だと言われるほど、煙は危険です。有毒なガスである一酸化炭素を多く含み、吸い込むと意識が朦朧とし、最悪の場合は死に至ります。
煙はかけ足程度(3~5m/秒)の早さで上に進み、横には歩く速さ(0.3~0.8m/秒)で拡散していきます。天井に一時的にたまった煙は、徐々に下におりてきます。
高い位置にある煙は濃度が濃く危険なため、濡れたタオルやハンカチを鼻や口に当て、姿勢を低くして避難しましょう。姿勢を低くしても煙が濃い場合は、床と壁の角に空気が残っている場合があるので、そこの空気を吸いながら避難します。
岡部先生
私は煙を防いでくれる耐熱性のあるフードを携帯しています。しゃがんで逃げるとなるとどうしてもスピードが出ませんが、このフードをかぶれば走って逃げられるので、早さが全然違いますよ。
ここまで岡部先生に監修いただいた、自宅の火災対策のいろは。
まずはいつか起こるかもしれない火災に対して、日ごろからできるだけ多くの〈知識〉を付けておき、本当に必要な〈備え〉をしておく。そして「もし火災が起きたらどうするか」の〈行動〉をシミュレーションしてみる。
岡部先生
地震と違って、火災は「人災」と言われています。自分の家だけではなく、周囲の家まで延焼すれば、他人の命まで奪ってしまいますから。だからこそ、火災を起こさないことは当然ですが、もし起こってしまったときに、誰ひとり逃げ遅れないための備えと、正しい行動が必要なんです。
そのためには、今回紹介した消火用具などのアイテムを確実に使えるよう、日ごろから準備とシミュレーションをしておくことが大切です。
自宅の火災対策、みなさんも今日から少しずつ、できることから取り組んでみませんか。
岡部先生
このほかにも、コンセントとプラグの間にほこりがたまってショートしてしまい、火災につながるケースが多くなっています。
また、地震などの災害が起こった際に火災の原因として多いのが、ろうそくやマッチなどの「裸火」を使うこと。災害のときは気持ちが落ち込んで注意力が散漫になっていて、普段なら「危ない」とわかることに気付けなくなる場合があります。出来るだけLEDタイプのろうそくやランタンを代用し、裸火は絶対に使わないようにしましょう。