肉肉肉の高タンパク超絶ガッツリ系チャーハンを喰らえ! ――ぼくのかんがえた最強の定食
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
画像:MASH♥マッシュ(@mashmallowcat)さん
気持ちよさそうに目を細めながら、口を大きく開ける猫のあくび。その様子があんまり可愛いので、思わず指を入れてしまったことがあるという飼い主さんもいるのではないでしょうか。
「あくび中の猫の口に指を入れる」というイタズラは一時期SNSなどで流行ったもので、そのまま指をくわえてキョトンとしていたり、指を舐めてくれる猫の様子が可愛すぎると話題になりました。
それはさておき、猫も人間と同じように寝起きや寝入りばなにあくびが出ることがあります。猫も人間も、眠い時にあくびが出るのは生理現象なので基本的には心配いりません。ただし実は、何のためにあくびをするのかというメカニズムについては未だ明確になっていません。
よくいわれるのが、口を大きく開き、顎や顔の筋肉を動かすことで脳神経を刺激しているというものです。あくびをすると一息でたくさんの空気を取り込むため、血液中の酸素量を増やし、脳や体を活性化させる役割があるともいわれています。
寝起きにあくびをしながら伸びをするのもまた、これからの活動に備えて脳と体を目覚めさせるための行動なのだとか。眠っている間に凝り固まった筋肉をほぐし、血流をアップさせて準備運動をしているんですね。
なんにせよ、「あくびは一時的に鈍くなった脳や体の活動を活性化させるために出る」というのが概ねの定説です。
しかしここで、飼い猫があくびをするタイミングを思い出してみてください。おもちゃにじゃれて遊んでいるときや、イタズラを叱られているとき、猫が急にあくびをし出したなんていう経験はないでしょうか?
もし眠気覚ましのためにあくびをしているとしたら、そのタイミングであくびが出るのは少し不自然ですよね。
猫は眠たいときやリラックスしているときにあくびをしますが、実はそれ以外の意味があってあくびをすることもあるんです。
画像:Mikineeeeee-ow806763(@rikukaikuu0316)さん
猫が日常的にあくびをする理由は、大きく2パターンに分けられるといわれます。
1つ目は、生理現象としてのあくびです。前述のように、寝起きや眠くてウトウトしているとき、飼い主さんに甘えているときなど、リラックスしている状況で出るあくびです。
2つ目は、心理的なものからくる「カーミングシグナル」としてのあくびです。
カーミングは「落ち着かせる」、シグナルは「信号」という意味があります。
カーミングシグナルのおもな役割は、相手に敵意が無いことを示したり、自分自身の感情を落ち着かせることです。猫や犬などの動物は、カーミングシグナルを上手く活かして無用な争いを避けて生きているといわれます。
猫にとってのあくびはこのカーミングシグナルの1つで、他者との意思の疎通以外にも興奮やストレスを感じたときの気分転換としての意味があるといわれます。
そのため、「おもちゃに夢中になりすぎた→興奮を冷まそう」「叱られた→ストレスを緩和させたい」などという理由から、あくびが出ることがあるんですね。
ちなみに猫のカーミングシグナルは他にも「グルーミング」や「爪とぎ」「喉をゴロゴロ鳴らす」などがあります。
猫の性格は千差万別で、考えていることもみんな違います。なぜあくびをしているのか本当の意味ではわかりませんが、その時のシチュエーションや前後の行動から大体の気持ちを予想することはできるでしょう。
「こんなタイミングであくびをしたらこんなことを考えているかも?」という例をシチュエーションごとにいくつかまとめたので参考にしてみてください。
画像:Mikineeeeee-ow806763(@rikukaikuu0316)さん
睡眠の前後や、くつろいでいるとき、退屈しているときなどに出るあくびは、生理現象としてのあくびです。脳や体の活動が緩やかになっている状態なので、無理に構わずそっとしておいてあげましょう。
飼い主さんの膝の上にいるときや撫でられているときのあくびも、大抵はリラックス気分から来ています。触られている状態が気持ち良くて眠気が襲っているのかもしれませんね。
ノリノリで遊んでいる最中に突然あくびをするのは、「ちょっと落ち着こう」という気持ちです。
遊びが退屈なわけではなく、自分自身が興奮しすぎていることに気づいてクールダウンしようとしているのだと思ってください。自然界では獲物に夢中になっている隙を狙う外敵もいるため、刷り込まれた防衛本能ともいえるかもしれませんね。
もしダラダラと遊んでいるときにあくびをしたら、反対に「ここからもっと本気を出すぞ!」というやる気の現れである可能性もあります。
筆者の家の猫の話ですが、なかなかおもちゃを捕まえられないときにふとあくびをすることがあります。するとその後急にハッスルしはじめ、さっきよりも俊敏におもちゃに飛びかかってくるようになるんです。
遊んでいるとき=狩りのときのあくびは、猫にとって「仕切り直し」のような意味合いがあるのでしょう。
イタズラなど何か悪いことをして叱られているときのあくびは、猫にとってストレス緩和の手段です。相手の機嫌が悪いことを理解しているからこそ、気まずさや居心地の悪さをどうにかしたくてあくびをするのだそう。
猫は緊張や恐怖などのストレスを感じた際、自分の気持ちを鎮めるために無関係な行動をとることがあります。これを、動物行動学で「転位行動」と呼びます。
この場合、叱られていることへの恐怖や不満を我慢するためにあくびという転位行動をとっています。不安を緩和して自分を落ち着かせようとしているんですね。「嫌だな」「怖いな」という気持ちの現れだったり、あくびをして敵意が無いことを示して「だから落ち着いてほしいな」と飼い主さんに訴えている可能性もあります。
決して飼い主さんをナメているわけではなく、むしろ空気を読んでいるからこその行動なので「ちゃんと聞いてるの!?」なんて怒らないであげてくださいね。
猫は、ジャンプに失敗したときや足を滑らせた直後にもあくびをすることがあります。これも気持ちを切り替えるスイッチとしてのあくびです。
予期せず何かヘマをしでかしたときは、人間でもドキドキしたりびっくりしたりしますよね。猫も同じで、その気持ちを落ち着かせるために「さ、今のは無かったことにして次に行こう」といった意味であくびをするといいます。
失敗したときのドキドキをごまかすためにあくびをしていると思うと、なんだかいじらしくて可愛いですよね。
「さて、食べるぞ」「張り切って遊ぶぞ」など
何か行動をはじめる前にあくびをするのも、気分転換の意味があります。
猫は食事の前や遊びの前、散歩の前など、「さて、食べるぞ」や「よし、行くぞ」といった気分であくびをすることがあります。
もしかしたらまだ眠たいだけという可能性もありますが、寝起きにあくびをしてから行動するのはどちらかというと眠気を払拭して活動をはじめる準備のためといえます。
→「ケンカする気はないよ」「ケンカしたくないからかまわないで」「勝手にどこかに行って」など
猫同士で目が合ったときに、どちらか一方の猫があくびをすることがあります。これは「自分にはケンカをする気はない」という意思表示だといわれています。
争いを避けるため自分自身を落ち着かせる転位行動の意味もあり、どちらにしてもケンカをしたくないという気持ちの現れだといえます。
猫にとってにらみ合うこと=ケンカをする気があるというサインなので、あくびによって目をそらした後にケンカになることはあまりありません。にらみ合いが続いていたかと思えば1匹があくびをした、なんてシチュエーションのときは、「一抜けた」といった感じでケンカを回避したのでしょう。
画像:MASH♥マッシュ(@mashmallowcat)さん
時々、飼い主さんを見るとあくびをするという猫がいます。わざと目の前に来たと思ったら、「ファッ」と声を出してあくびをする子もいます。
わざわざ目の前に来て見せつけるようにするあくびや、声を出しながらするあくびは「かまってほしい」のサインである可能性があります。
もしかして以前、飼い猫があくびをしたときに撫でたり、「可愛いね」と言って褒めてあげたことはありませんか? もし覚えがあるなら、それを記憶していた猫が同じことをしてもらいたくてわざとあくびをしているのかもしれません。
また、目が合うとすぐにあくびをする猫の場合は「攻撃する気はない=仲良くしたい」の意思表示である可能性もあります。
ただし例外として、「かまい過ぎてあくびをされる」というパターンもあります。猫は不満やストレスをごまかそうとする際にもあくびをすることがあるので、「うっとうしいなぁ」という気持ちであくびをされている可能性もあるのです。迷惑がられていることに気がつかずかまい過ぎてしまうと、猫のストレスを貯めてしまう恐れもあるので気をつけましょう。
猫がイライラしているときはしっぽをビシビシと振ったり、耳がイカ耳になっていたりするので、態度と併せて判断してみてください。
猫は時々、鳴いているような、あくびのような、大きく口を開ける仕草をすることがあります。もし「ニャー」という鳴き声は聞こえないのに飼い猫が鳴いているような仕草をしているならば、それはあくびではなく「サイレントニャー」かもしれません。
サイレントニャーは猫好きの間での通称で、その名の通り鳴き声が聞こえない鳴き声です。
それってどういうこと?と思いますよね。
実はサイレントニャーをしているとき、猫は声を出さずに口だけを動かしているわけではなく、しっかり発声しているんです!
それがなぜ聞こえないのかというと、人間の耳ではキャッチできないほどの高音域(またはとても微かな声)で「ニャー」と鳴いているからだといわれています。
サイレントニャーは猫にとって挨拶やコミュニケーションの意味があります。猫は本来群れをなす動物ではないので、親しく思う相手以外と積極的にコミュニケーションをとることはしません。
飼い主さんに向かってサイレントニャーをするときは、甘えたいときやかまってほしいとき、スキンシップをとりたいときである可能性が高いでしょう。一見あくびのようにも見えるサイレントニャーをしてくれるのは、信頼関係がある証なんですね。
また、猫が外を見ながら顎をカクカクと動かしている仕草を見て「変なあくび」だと思ったことはないでしょうか?
これは「クラッキング」という反応で、猫の狩猟本能からくる動作です。
手が届かない獲物を捕まえたいという興奮やジレンマのようなもので、猫によってする子としない子がいます。実際に獲物を前にして声を出すと気づかれてしまうため、クラッキングをするのは狩りをしたことがない子猫や室内飼いの猫だけだともいわれます。
窓の外にいる鳥や虫を見ながら「カカカカッ」や「ククククッ」と小さな声で鳴く姿は、少し不思議な光景ですよね。小刻みに震えているように見えることもありますが、クラッキングからくるものであれば心配いりません。
クラッキングではなく、あくびや食事の際に顎がガクガクしている様子が見られる場合は何か異常が起きている可能性もあるので、続くようなら一度動物病院へ相談してみると良いでしょう。
見ているだけで癒される猫のあくびですが、意外にも病気の発見のきっかけになることがあります。もし以下のような異変を感じたら、できるだけ早めに動物病院を受診することをおすすめします。
食後に口臭がすることはよくありますが、あくびをしたときに極端に臭いと感じたら病気を疑ってみてください。口内炎や歯周病(歯肉炎)になると口臭がひどくなるため、あくびで口を大きく開いたときに口の中をチェックしてみると良いでしょう。歯茎が赤くなっていたり、口の中に出血がみられる場合は要注意です。口内に異変が起きている猫は、痛みから食欲が低下したり、口元を触られるのを嫌がることもあります。
他に、腎臓病や口腔内腫瘍(がん)が原因で口の匂いが変わることもあるため、ただの口臭と侮らずに早めにかかりつけ医に相談してみましょう。
また、あくびをするときに苦しそうな様子や嗚咽する様子が見られたら誤飲の可能性があります。早急な対処が必要になることもあるので、収まらないようであればすぐに動物病院へ連れて行くようにしてください。
あくびと一緒に鼻水やよだれ、くしゃみや涙目などの症状があるときは、猫風邪(感染症)の疑いがあります。下痢や食欲低下、発熱など、他の症状が出ていないかどうかも併せてチェックしましょう。
部屋の中以外では、車酔いによってあくびが増えることがあります。車に乗っているときにやたらと落ち着きがない様子が見られたり、よだれや鼻水も一緒に出ているようなら車酔いをしてしまったのかもしれません。一旦車を停めて休憩を取るなど、工夫をしてみてあげてください。
猫が眠いときにするあくびはなんとも可愛らしく、気持ちよさそうな様子を見ているとつい「うつる」こともありますよね。
眠い以外にも様々な意味があり、気分転換としてしていることもあるので、猫の気持ちを探るヒントとして観察してみてはいかがでしょうか。