料理研究家・リュウジの簡単やばうまレシピ「キノコ柚子胡椒バターパスタ」
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目次/ INDEX
ミニブタよりもさらに小さい「マイクロブタ」がかわいすぎると評判です。甘えん坊で人懐っこいうえ、「お座り」や「スピン」ができるほど賢く、トイレも覚えてくれます。テレビや雑誌、SNSなどで話題に上がっているのを見て、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マイクロブタを飼うのに必要な道具やお世話の仕方を詳しく解説します。飼育上の注意点もまとめましたので、上手な飼い方の情報をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
呼称 | マイクロブタ マイクロピッグ ティーカップピッグ など |
原産 | イギリス |
体重 | 18~40kg |
性格 | おとなしい、人懐っこい、寂しがり屋 |
食性 | 雑食(主に植物性) |
寿命 | 10~15年 |
マイクロブタはその名の通り「非常に小さいブタ」の総称です。ミニブタをかけ合わせて作出した品種で、2000年頃にイギリスで誕生しました。
あまりの小ささから「マイクロピッグ」「ティーカップピッグ」とも呼ばれていますが、学問上の品種名は存在しません。あくまで見た目上の呼び名であり、少し大きな個体は「ミニブタ」と区別することもあります。
マイクロブタは大人になっても18~40kg程度にしか成長しません。一般的なブタは100~300kg、ミニブタでも40~100kgほどに成長することを考えると、非常に小型であることがわかります。
とても甘えん坊で人懐っこい個体が多いです。寂しがり屋な一面もあり、コミュニケーション不足だと不安になることもあるほどです。
ブタの祖先であるイノシシと同じく、食性は「草食寄りの雑食」です。家畜用のブタと変わらず食欲旺盛なので、肥満には注意しなければなりません。
ブタの鳴き声は約20種類あるといわれており、マイクロブタも同じです。普段は小さめの声で「ブッブッ」などと発しますが、驚いたり嫌な目に遭ったりしたときは、大音量で「ピギー!」「ピギャー!」などと鳴き叫ぶこともあります。ご近所トラブルに発展する恐れがあるため、騒音トラブルへの対策はしておきましょう。
一般的なブタやミニブタと大差なく、10~15年といわれています。健康的な食事や適度な運動、清潔で暮らしやすい生活環境を整えてあげると、15年以上生きることもあるでしょう。
マイクロブタは白、黒、茶、ピンクなどのほか、白ブチ模様が見られる個体もおり、カラーリングはさまざまです。
■マイクロブタの主なカラー
価格は色・月齢・体重などによって変わりますが、1頭20万円~40万円ほどが相場でしょう。マイクロブタを取り扱う事業者はまだまだ少ないため、どうしても高額になってしまうのが通常です。
現状、マイクロブタは一般的なペットショップでは販売されていません。お迎えするには、マイクロブタを取り扱う事業者(マイクロブタカフェなど)を見つけ、問い合わせし、審査を受ける流れが一般的です。
審査では、「本当に飼育できるか」「衝動買いではないか」といった点を確認されます。慎重に話し合いを重ねた結果、「信頼できると感じた飼い主さんに譲る」という事業者が多いようです。
マイクロブタを海外のブリーダーから個人輸入する手もありまが、ブタはペットではなく家畜扱いになるため、厳しい検閲が予想されます。また、1頭や2頭だけを個人輸入するのは、手間暇や金銭面の観点から考えてもおすすめできません。
販売価格が相場を大きく下回っている場合、それは生まれたばかりの普通のブタやミニブタをマイクロブタだと偽って販売しているかもしれません。子ブタの状態ではマイクロブタも普通のブタもほとんど同じで区別が付きにくいため、注意が必要です。
次のような特徴が見られないショップやブリーダーは警戒したほうがよいでしょう。
ペット用に改良されたマイクロブタといえど、法律上は家畜扱いになるため、「家畜伝染病予防法」に基づいた行動が必要です。具体的には、毎年1回の予防接種と家畜衛生保健所へ定期報告書の提出が義務付けられます。定期報告書は難しいものではありませんが、どのような内容なのか、事前に目を通しておきましょう。
ペットとして人気上昇中のマイクロブタですが、まだまだメジャーな存在とはいえません。けがや病気で具合が悪くなったとき、マイクロブタを診てもらえる動物病院が近くにあるのかどうか、事前に確認しておくと安心でしょう。また、現状はペット保険の対象外である可能性が高く、医療費が高額になる恐れがあります。
マイクロブタを飼育するうえで必要なものを紹介します。マイクロブタ専用のものはまだ出そろっていないため、中型犬用のペット用品で代用するとよいでしょう。
中型犬以上のケージで代用している方が多いです。トイレ・ベッドも設置可能な大きめのサイズがおすすめです。
清潔でふかふかしたベッドを用意してあげると安心します。中型犬以上の大きめサイズがよいでしょう。スペースの関係などで設置が難しい場合は、不要になった毛布やタオルなどで代用しても構いません。
中型犬以上のトイレボックスが適しています。より理想をいえば、囲い付き・床面の網付きのトイレボックスがおすすめ。囲いがあることでマイクロブタがトイレだと認識しやすいうえ、排泄物の飛び散りを防げます。また、床面に網があれば底に敷くトイレシーツを噛むなどのイタズラを防止できます。
主食はマイクロブタ専用フードがよいでしょう。近くのペットショップで入手できない場合は、マイクロブタをお迎えしたカフェやブリーダーから購入する手もあります。野菜や果物は副食として与えます。
餌皿は、餌がこぼれないよう深さのあるものを選んでください。マイクロブタが引っくり返さないよう、ある程度は重みのあるものがよいでしょう。
飲み水は水道水で構いません。水皿は軽いものだと鼻で引っくり返してしまうため、陶器製など重みのある皿を用意するか、犬や猫用の給水器を設置するとよいでしょう。飼育ケージに固定できるタイプもあります。
マイクロブタはきれい好きのため、生活環境だけでなく自身も清潔に保ってあげましょう。
人用の爪切りでも切れますが、成体になると爪が硬くなります。ニッパーを使用するとカットしやすいでしょう。爪切り後の尖った部分は犬用の電動やすりがおすすめです。万が一失敗して出血した場合は、止血剤を使用してください。
定期的にブラッシングしてあげてください。人用の頭皮ブラシ、靴磨きブラシのほか、タワシなどでもOKです。
目ヤニや耳の汚れはペット用のボディタオルで拭いてあげましょう。耳のケアには綿棒とペット用のイヤークリーナーを利用するのがおすすめです。
歯周病の予防には定期的な歯磨きが効果的です。犬用の歯磨きシートかブラシ、ジェルで代用できます。
ブタの習性により、鼻堀りをしないとストレスがたまります。本来は土を掘りますが、室内では凹凸のあるマットやクッション、園芸用の玉砂利などで代用するとよいでしょう。誤飲防止のため、玉砂利は少し大きめのものを選んでください。
動物病院に連れていくときなど、移動用に必要です。マイクロブタといえど突進力は強いため、飛び出し防止を考えて扉が頑丈なものを選んでください。
散歩をするときに使用します。特別なポイントはありませんが、微調整が効きやすいものや、太くて丈夫なものがおすすめです。
【要注意】豚熱(CSF)感染の危険性があるため、散歩は各自治体の指示や方針に従ってください。
お迎えしたマイクロブタが元気で快適に過ごせるよう、上手な飼い方のコツを紹介します。
マイクロブタは超ミニサイズでありながら食欲旺盛です。餌を与えれば与えるほど食べてしまうため、1日に与える餌の量を守りましょう。頻度の目安はマイクロブタ専用フードを1日2回、多くて3回です。果物は副菜、あるいはおやつとして与えます。
なお、マイクロブタの飼育で注意する点で後述しますが、ドッグフードなどほかのペット用フードを食べさせるのはおすすめしません。
ブタは集団で暮らす生き物であり、マイクロブタも寂しがりや屋ところを受け継いでいます。一人でのお留守番もできますが、長時間になるとストレスを溜めるため、ケージの外に出して触れ合う時間も作ってください。クッションや玉砂利などの鼻堀グッズを使って遊ばせましょう。
マイクロブタは非常に賢いため、「できたら褒める」を繰り返していけば信頼関係を構築できる子がほとんどです。いうことを聞いたらおやつをあげるなどして手なづけましょう。犬のような芸事ができる子も珍しくありません。
ただ、なまじ賢いだけに、「人間を噛んだら餌をもらえる」「大声で鳴くと構ってくれる」などわがままな子に育つこともあります。これではマイクロブタに逆にしつけられている状態なので、甘やかしすぎないように注意してください。
マイクロブタの多くはトイレの場所を覚えてくれます。もともと寝室とトイレを明確に分ける習性があるため、トイレのしつけで困ることはないでしょう。
マイクロブタを抱っこしながら優しく行います。抱っこする人、歯磨きする人の2人がかりで行うのが理想です。驚いたマイクロブタが飼い主さんの指を噛むこともあるため、厚手の手袋をしたほうがよいでしょう。
マイクロブタに限らず、ブタは歯磨きを嫌がる傾向があります。小さい頃から習慣付けるのはもとより、気持ちよく横になっているときを狙うなど、タイミングを見計らいましょう。まずは口の周りを触ったり、歯磨きシートで歯を拭いたりなど、徐々に慣らしていく作戦も効果的です。
体の汚れはぬるま湯で濡らしたタオルで拭いてあげましょう。口、目、尻、腹部周りは汚れやすい箇所のため、数日に一度は清拭することをおすすめします。
頑固な汚れがある場合は、犬用の刺激が少ないシャンプーを使って洗い流してください。頻繁にシャンプーすると乾燥肌になる恐れがあるため、月に一度程度で十分でしょう。
マイクロブタをお迎えするにあたり、事前に知っておきたい注意点をいくつか紹介します。
「ブタは何でも食べる」と思われがちですが、食べさせると栄養過多になったり、中毒症が起こったりするものもあります。与えてはいけないものが明確にわかっているわけではありませんが、NGなもの、注意が必要なものを表にまとめました。
食べ物 | 危険度 | 食べさせてはいけない理由 |
チョコレート | 高 | 「テオブロミン」という成分により中毒症になる恐れがあるため |
ネギ類 | 高 | 「有機チオ硫酸化合物」という成分により中毒症になる恐れがあるため |
イチジク | 高 | 「ソラレン」「フィシン」といった成分により中毒症になる恐れがあるため |
観葉植物 | 中 | 種類によっては毒になる恐れがあるため |
生の豆 | 高 | 下痢や胃の不調を起こす恐れがあるため |
人用の加工食品 | 中 | マイクロブタにとって過剰な栄養分が含まれているため |
養豚用の餌 | 中 | 効率よく太るように作られた餌のため |
ほかのペット用フード | 中 | 成長に必要な栄養分が異なるため |
ミネラルウォーター | 中 | ミネラルが結石の原因となるため |
乳製品 | 低~中 | 肥満の原因になるため。たまに与えるのは問題なし |
パン | 低~中 | 血栓ができやすくなるため。たまに与えるのは問題なし |
ホウレンソウ | 低~中 | ホウレンソウに含まれる「シュウ酸」は尿路結石の原因になるため。 きちんと茹でたうえで少量を与えるのは問題なし |
なお、副食にリンゴやバナナを与えるのはよいですが、糖分が高いものは食べさせすぎないように注意してください。
ブタには機能的な汗腺がなく、体温調整が得意ではありません。極端な暑さや寒さにさらすと弱ってしまうため、エアコンや毛皮、ヒーターなどを使って適温を保ってあげてください。適温は諸説ありますが、18~24℃だといわれています。
マイクロブタは18~40kg程度のブタのことですが、あくまで定義です。飼育環境にもよりますし、個体差もあります。成長して予想以上に大きくなる可能性を理解したうえでお迎えしてくだい。
マイクロブタは普段は静かでおとなしいですが、空腹時やご機嫌ななめのときは叫ぶような鳴き声を出すことがあります。
空腹で叫ぶほどにならないよう、餌の時間を調整したり、おやつを適度に与えたりして対策するとよいでしょう。
また、ご機嫌ななめになるのには必ず原因があります。まずは、何に対して怒っているのか突き止めてください。
自分で自由に動き回れるスペースがあれば、マイクロブタには室内散歩で十分です。フローリングでは滑ってしまうため、カーペットやタイルマットを敷いてあげるとよいでしょう。
なお、いたずら好きなので、傷を付けられたくない家具やオブジェは散歩スペースには置かないことをおすすめします。
マイクロブタがかかる病気の種類と特徴を知っておくことで、いくらかの対策ができます。なかには飼い主さんにも健康被害が及ぶ可能性があるため、日常の観察やケアが大切です。
CSFというウイルスが原因でかかる強力な伝染病です。以前は「豚コレラ」と呼ばれていましたが、人間にも感染するような印象を受けるため、「豚熱」と呼ぶようになりました。感染すると高熱や消化器系疾患、呼吸障害、麻痺といった症状が表れ、1~2日で死亡します。
豚熱は日本各地で発生しており、感染した理由の多くは「外での散歩」だと思われます。散歩は室内でさせるか、豚熱を予防するワクチンを接種するのが有効な防止策でしょう。
サーコウイルス2型というウイルスが原因でかかる感染症です。元気なマイクロブタが保有している分には問題ありませんが、体力が落ちて免疫力が低下すると、下痢、腎不全、呼吸障害や皮膚炎などさまざまな病気を引き起こします。予防するにはワクチン接種が効果的です。
マイコプラズマ・ハイオニューモニエという細菌が原因でかかる肺炎です。主な感染ルートは菌を含んだ排泄物との接触や経口・飛沫感染だと考えられています。マイコプラズマ肺炎になっても激しい症状が出ることは少ないですが、慢性化しやすく、ほかの病気を併発する原因になる恐れがあります。予防するにはワクチン接種が効果的です。
ミネラルウォーターをたくさん与えているなど、食生活が不適切だと尿路結石や膀胱炎などの泌尿器系疾患を引き起こすことがあります。尿道と肛門が近い(=排泄物が付きやすい)メスに発症しやすいのが特徴です。予防にはこまめな水換えや適量の水分接種、適度な運動などが効果的です。泌尿器系トラブルが見られた場合は、速やかに動物病院を受診してください。
豚丹毒菌という菌が原因で起こる感染症です。菌を含んだ排泄物との接触や、土壌にいた菌が傷口などに入って感染すると考えられています。人が感染することもある厄介な菌であり、発熱や皮膚炎、関節の炎症を引き起こす恐れがあります。衛生面には注意するとともに、外傷への適切な処置も大切です。
疥癬というダニが原因でかかる感染症です。ブタは何かに体をこすりつける習性がありますが、変に痒がっていたら疥癬を疑ってください。放っておくと出血するまで体をこすりつける恐れがあります。早期発見することで大事に至ることを防げるため、異変を感じたら早急に動物病院を受診しましょう。
マイクロブタを飼ううえで気になる素朴な疑問や不安にQ&A形式でお答えします。
A.なつきます。特に、小さな頃から飼えばよくなつくでしょう。
ブタは犬にはできないとされる鏡像認知(鏡に映る自分を自分だと認識する)が可能なほど頭が良く、飼い主さんのことも、自分の名前もきちんと理解できます。犬ほどの従順さはありませんが、猫ほどマイペースでもない、独特の距離感で接してきます。
Aブタは本来きれい好きであり、清潔な環境で飼育すればにおいはほとんどしません。トイレも覚えるうえ、犬や猫のように体毛が抜けにくいため、掃除はしやすいでしょう。
A.相性にもよりますが、基本的には可能です。特にお互いが子どもの場合は、うまくなじむ可能性が高いといえます。ただし賢い動物ほど優先順位を意識しているため、先住ペットに対する気遣いは必要でしょう。
小さな体と愛くるしい姿で人気急上昇中のマイクロブタですが、家具にいたずらをしたり、大きな声で鳴いたりと、やんちゃな個性を持つ子もたくさんいます。また、マイクロサイズが売りではありますが、40kg以上に成長する子がいないとは断言できません。
本当に最後まで飼育できるのか、マイクロブタを取り扱うショップのスタッフともよく相談してからお迎えしてください。きちんとした事業者であれば飼い主さんとの面談には積極的で、疑問や不安について相談に乗ってくれるはずです。
※専門家・有識者のみなさま
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