クッションは洗濯できるの? 手洗いする方法と洗濯機で洗うときの注意点
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目次/ INDEX
トイレのウォシュレット、掃除したことありますか? 「丁寧に掃除をしてもなんか臭う」「カビが生えた」など、お悩みの宝庫であるトイレ。掃除を失念しがちなウォシュレット部分こそ、意外とトラブルの原因だったりします。
「ウォシュレットの洗い方がわからない」という方のために、トイレをはじめとした住宅設備機器メーカーの雄である「TOTO」のショールームにお邪魔させていただくことに。リテール販売本部・佐々木明彦さんに、作る側だからこそ知るウォシュレットのお手入れ方法を教わりました。
もともとは医療用で開発された温水洗浄便座を、1980年に「ウォシュレット」という登録商標で世に送り出した企業こそTOTO。いまでは普及率80%を超えるなど、生活必需品とも呼べる製品となりましたが、私たちが「ウォシュレット」と呼べるものはTOTO製のみです。
ではウォシュレットとは、一体どの部分なのか……。
水がプシューッと出てくるノズル部分を思い浮かべますが、ノズルはウォシュレットのパーツのひとつ。「よく量販店にて便座部分が壁にかかってディスプレイされていますが、便座部分こそがウォシュレットです」と佐々木さんが話すように、便座=ウォシュレット(温水洗浄便座)なのです。
佐々木さん
ノズルの先端側からビデ洗浄、やわらか洗浄、おしり洗浄の水が噴出されます。
普段からトイレの掃除をしているというTOTO社員の佐々木さん
佐々木さん
ウォシュレットは電化製品のため、他の白物家電と寿命の感覚は同じと考えていただければよいかと思います。耐用年数は一概には申し上げられないですが、10年以上使っていただいたお客様には、リフォーム(便座の交換)をおすすめしています。
つまり便座部分は樹脂でできた家電製品としての扱いが必要。綺麗にしたいからといって、水をかけるなどの掃除方法は厳禁です!
一方、TOTOの便器といえば、大きな窯で長時間かけて焼かれた陶器製。焼成される前は実物よりも二回りほど大きく、釉薬をかけることでツルリとしたトイレらしい質感に変わります。工程を考えると、便器はお皿やお碗などと何ら変わらない焼き物ですね。
ウォシュレットを含むトイレ全体の掃除は、やわらかい布での水拭きが基本。汚れがひどい場合は、水でぬらして固く絞ったやわらかい布に「台所用の中性洗剤」をつけて水拭きを行います。驚きのポイントは、トイレ用洗剤ではなく台所用洗剤を使うところ。トイレ用に1本ストックしておくと便利です!
佐々木さん
便座や蓋に目に見えない細かな傷がつく原因となるので、乾拭きや乾いたトイレットペーパーでの拭き掃除はNGです。
汚れや埃がつくため、上から下がトイレ掃除の基本。初めにタンクの手洗いから水拭きしていきます。
タンクの側面から蓋の裏表と、流れるような手付きで掃除方法をレクチャーする佐々木さん。ここまで1分もかかりません!
ハネなどの汚れが付きやすい便座の裏。新しい機種のトイレは継ぎ目が少なくなっているため、掃除がとにかく簡単です。
最後に便器のフチを拭いたら終了です。日常の掃除には特別な洗剤も必要なく、やわらかい布があればOKと、驚くほど簡単です。
トイレ全体はやわらかい布での水拭きが基本ですが、便器には様々な洗剤(※)が使用できます。トイレ用のブラシを使用してゴシゴシと掃除をしている方も多いでしょうが、便器のフチの掃除には、小回りの利く柄の短いシューズブラシがベスト! 汚れの種類に合わせて洗剤を使い分けるところもポイントです。
くぼみになっている便器のフチの裏側の掃除には、シューズブラシを! 便器内にはトイレ用洗剤も使用できます。
佐々木さん
洗剤の成分を気にせず使っている方も多いでしょうが、陶器であれば、酸性・中性・アルカリ性のどれでも安心してご利用いただけます。
※メーカーにより清掃時に利用できる洗剤の種類が異なります。事前にご確認ください。
トイレには、タンク・便座・便器を組み合わせた「分離型(組み合わせ型)」と、全てがつながった「一体型」があり、たとえ温水洗浄便座が故障したとしても、分離型であれば便座部分のみの交換で済む場合も。ウォシュレットを普及させたTOTOが便座の基本サイズとなっているため、実は他社製品の便器とTOTOのウォシュレットとの組み合わせや、その反対も可能なのです。自宅のトイレが実は分離できると知らずに使っている方は、意外に多いのではないでしょうか?
佐々木さん
なかでも知られていないお掃除箇所が、脱臭フィルターと便座・便器のすき間。この2箇所は埃が溜まりやすく臭いの原因にもなります。
脱臭フィルターは、便座の横もしくは裏に付いています。機種によって場所が異なるため、取扱説明書で確認しましょう。
使い古しの歯ブラシなどで汚れをこすり落とします。汚れがひどい場合は水洗いして、完全に乾燥させてから元に戻します。
ちなみに脱臭フィルターの存在を知らず、1年半以上掃除されていなかった編集部スタッフ自宅の現物がこちら。どこから湧いてきた……というほど埃が積もっています。
一体型の場合はワンプッシュでウォシュレット前方が持ち上がるタイプも。分離型の場合は着脱ボタンを押すと、簡単に取り外せます(取り外し方は取扱説明書をご覧ください)。
佐々木さん
基本のお掃除方法は変わりません。水で濡らして十分絞ったやわらかい布に台所用中性洗剤をつけて拭き、水拭きで仕上げます。脱臭フィルターと同様に月に1回の丁寧な掃除を行う際には、綿棒を使って細かなところの汚れも取りましょう。
なんとノズルの角度は、発売当初から43度と変わっていないそう。40年以上経ったいまでも、どのウォシュレットのノズルも同じ角度に傾いているというから驚きです。また汚れが付きにくいよう、ノズルには撥水加工が施されています。
佐々木さん
この角度はお尻に当たった水がノズルの上に落ちてこないので、ノズルに汚れが付きにくいんですよ。
ボタンを押すとノズルが出てきます
機種によっては操作リモコンの扉を開けた場所にあるなど、意外と知られていない「ノズルそうじ」ボタン。汚れが気になったら、普段の掃除の流れで水拭きを行います。
ノズルの格納部分を歯ブラシなどでゴシゴシとこすったり、ノズルを引き出して洗剤で洗ったりしたくなりますが、ノズルは基本的に拭き掃除だけで綺麗になるように設計されています。ノズルを無理に解体するのは故障の原因にもなるため、お掃除は拭くだけに留めておきましょう!
TOTOが全国約2000人行った大規模アンケートによると、トイレの汚れで気になるところは
と、見えない部分や掃除の手が届かない場所の汚れが気になる事例が多いよう。綺麗に掃除してもスッキリしない理由は、床や壁に蓄積した目に見えないアンモニア臭。
佐々木さん
座って用を足していても、実は見えないレベルで便器の前や横に跳ねているんです。リフォームのときに便器を外すと汚れの跡がくっきり残っていて、それが臭いの原因だったりしますね。
床掃除もトイレ全体の掃除同様に、やわらかい布での水拭きだけでOK。汚れが気になる場合は台所洗剤を使用すると良いですが、トイレマットを敷くと臭いの予防にもなります。
特に目に見えない尿ハネはトイレの前面に集中しているため、そのエリアを覆うトイレマットは必需品。マットをこまめに洗濯・交換することで、綺麗な状態の床を保てます。
どの場所にどの洗剤をどうやって使えばいいか……とウォシュレットの掃除方法に迷っていたものの、基本はやわらかい布での水拭きと至ってシンプル。
の4点をトイレに常備しておけば、普段の掃除から目に見えない汚れの撃退までできると判明しました。最後に、なるべく掃除をしたくないズボラさんに向けた対処法を聞いたところ、
佐々木さん
トイレタンクに物を置かない、床にマットを敷く・男性は座って用を足す・蓋を閉めて流すの4点ですね。
との回答が。小物などを飾る場合も、床や壁下の尿ハネエリアを避けるなど、見えない汚れが飛び散る場所には物を置かないことが鉄則です。
事実、トイレをリフォームすると綺麗に使いたいとの心理から、座って用を足す男性が増えるのだそう。新品のノートは最初だけ綺麗に文字を書いてしまう……に似ているのかもしれません。
綺麗なトイレであり続けるために大切なことは「汚れをためない毎日の習慣」。ズボラであればあるほど、トイレ内はシンプルに。そして日々の水拭きというシンプルな掃除こそが、汚れ・臭いを溜めない一番の近道のようです。
ちなみに佐々木さんのレクチャーを受けた後、自宅に帰って必死に掃除をしたのは言うまでもありません。
1年半のつもり積もった汚れがピカピカに
佐々木さん
ちなみにウォシュレットは「Let’s Wash (さあ、おしりを洗いましょう)」から名付けられたネーミングです。