「最強の定食」の定義から考える。「色」と「方向」重視の定食
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日々、仕事などで革靴を履く方にとって、定期的なメンテナンスは欠かせません。普段のお手入れの方法や履き方を工夫することで、革靴は長く愛用することができます。しかし、革靴のメンテナンス方法やなるべく劣化させないための使い方がわからない、ほかの靴と同じような方法でお手入れをしてしまっているという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、革靴のメンテナンス方法について、日常のお手入れから念入りに行うときの本格的なお手入れの手順まで詳しく解説します。併せて、革靴が濡れてしまったときの対処法や、長持ちさせるための履き方や管理方法などについても見ていきましょう。
革靴のメンテナンスは、どれくらいの頻度で行うべきなのでしょうか。
まずは革靴を購入して履く前に一度、お手入れをする必要があります。その後、革靴の美しさや機能性を保つための本格的なお手入れは、1ヵ月に1回が目安となります。ローテーションで履く革靴の数にもよりますが、同じ靴を8〜10回程度履いたら一度本格的なメンテナンスをするのが理想です。
また、革靴を履いた後に行う、日常のケアも必要です。過剰にメンテナンスをすると、かえって革への負担が大きく、型崩れなどを起こす可能性がありますから、適切な頻度と正しい方法でメンテナンスすることが大切です。
<革靴の適切なメンテナンスのタイミング>
新品の革靴は革が乾燥しており、そのままの状態で履くとしわやひびの原因となります。また、水分が染み込みやすくなっているため、シミもできやすい状態です。
新品の革靴を履く前には、下記のようなお手入れをしておきましょう。
<用意する物>
靴にブラシをかけてチリやほこりなどを落としたら、シューズクリームを少し取り、靴全体に塗り広げていきます。
シューズクリームを塗ったら、靴全体に防水スプレーを吹きかけます。防水スプレーをかけることで、汚れを弾く効果もあります。30分程放置して、スプレーが乾いたらシューズキーパーを入れて保管します。
なお、防水スプレーをかけるときは、まずは目立たないところに少量吹きかけ、変色などしないか確認しましょう。
革靴は、月に1回は、時間をかけて本格的なメンテナンスをしましょう。メンテナンスすることで、革全体に栄養が行き渡るため、革靴を長持ちさせることが可能です。用意する物と手順は下記のとおりです。
<用意する物>
まずは、馬毛ブラシを使って革靴全体のほこりを落とします。特に、ソールと革を縫い合わせているフチの部分はほこりが溜まりやすいため、念入りにブラッシングしていきましょう。
クロスを指に巻いて、汚れ落としクリーナーをクロスにしっかりとなじませた上で、靴全体を磨きます。その際、強くこすりすぎてしまうと革靴に傷がついてしまうこともありますので、力加減に注意が必要です。軽く拭くようなイメージで磨くといいでしょう。
隅々まで汚れを落としたら、シューズクリームを少量取って、靴全体に塗り広げます。シューズクリームは革に色や栄養、ツヤを与えるためのアイテムです。靴と同系色か、靴よりも薄めの色の物を選びます。
このとき、あまり量を多く塗ってしまうと色ムラが出てしまう可能性がありますので、注意が必要です。
塗ったシューズクリームを革靴になじませるために、豚毛ブラシでクリームを均一に伸ばしていきます。ブラッシングをしながらツヤ出しをしていきましょう。
ブラッシングでシューズクリームが革靴になじんだら、靴磨き用のグローブで乾拭きします。余分なクリームを取り除き、ツヤを出します。
お手入れが完了したら、シューズキーパーを革靴に入れて保管します。シューズキーパーは、革靴の除湿や脱臭、型崩れ防止といった役割を果たします。つま先の部分にぐっと押し込んで、革靴の履きジワを伸ばすようにして挿入しましょう。
普段、帰宅して革靴を脱いだらそのまま放置している方も多いかもしれません。しかし、革靴は1日履くだけでもほこりやゴミが付着し、そのまま放置すると革の水分や油分が奪われて乾燥し、しわができやすくなってしまいます。革の乾燥は、ひび割れやシミの原因にもなるため、日常のちょっとしたメンテナンスが大切なのです。
革靴の日常のメンテナンスの際に、用意する物と手順についてご説明します。
<用意する物>
ブラシで革靴全体をブラッシングして、表面をきれいに掃除します。ほこりやチリをしっかりと取り除きましょう。
革靴にシューズキーパーを入れずに保管してしまうと、履きジワがつきやすくなります。シューズキーパーは、自分の革靴の形に合っている物を選ぶことが大切です。
雨の日や水気の多い場所で革靴を履いたときは、より念入りなケアが必要です。濡れた状態で放置すると劣化や型崩れを早めてしまうため、その日のうちにメンテナンスを行いましょう。
ここでは、革靴が濡れたときのメンテナンスの手順をご紹介します。
<用意する物>
まずは、革靴の表面に付着した水分や泥などを、乾いた布で拭き取りましょう。強くこすらずに、水分を押さえるようにして優しく拭き取ることがポイントです。
表面の水分や汚れを拭き取ったら靴の形を整えて、ティッシュで包んだ新聞紙を中に詰めます。
その後、風通しの良い日陰に置いて半日程度かけて乾燥させましょう。直射日光やドライヤーで一気に乾燥させると、革が硬くなってひび割れを起こす可能性があります。また、革靴は斜めに立てかけてソール側にも風を通すことが大切です。
なお、靴の内側までびっしょりと濡れている場合は、中の新聞紙を途中で交換します。2~3時間程乾燥させて、新聞紙が湿っていれば新しい物に交換し、なるべく早く水分を取ることがポイントです。
ある程度革靴が乾いてきたら、靴の形をキープするシューズキーパーも活用します。形を整えながら、しっかりと乾かすことができます。シューズキーパーは、シダー材を使った物なら消臭効果や内部の水分を吸い取る効果が得られるためおすすめです。
革靴が乾いたら、全体をブラッシングして、汚れ落としクリーナーで全体の汚れを拭き取ります。
その際、白いシミ(塩吹き)が出ることがあります。これは、革の塩分や汗がシミとなって浮き出た物であるため、クリーナーで拭き取ってしまいましょう。
通勤などで、雨でも革靴を履かなければならないという方もいるでしょう。また、突然の雨で革靴を濡らしてしまうこともあるかもしれません。日頃から雨対策をしておくことで、革靴を長く愛用することができます。ここでは、日頃から簡単にできる革靴の雨対策についてご説明します。
革靴の劣化や型崩れを早めないために最も大切なのは、革靴が濡れたときに革に水が染み込むのを防ぐことです。そのためには、日頃から防水スプレーを使います。
防水スプレーは、その名のとおり水が染み込むのを防ぐだけでなく、革に汚れが付着しにくくしたり、落としやすくしたりする効果もあります。
革靴に使う防水スプレーは、フッ素系の物がおすすめです。フッ素系の防水スプレーは、革靴の表面をコーティングするのではなく、革の繊維に成分を浸透させることで撥水させるため、革靴の通気性を保つことができます。成分を浸透させるためにも、雨の日は出かける30分程前にかけることをおすすめします。
なお、防水スプレーは、商品に注意事項が記載されています。革の素材と商品の相性が悪い場合もあるので、使用する前に、自分の革靴に使用して問題ないスプレーかどうか、必ず確認しましょう。
雨が降っていない時期でも、普段からシューズクリームを使った丁寧なお手入れを欠かさないことも重要です。革はお手入れをせずに放っておくと乾燥が進むため、乳化性のシューズクリームで定期的に保湿する必要があります。
なお、どんな革靴にも使える防水スプレーやシューズクリームはありません。革靴に使われている革の種類ごとに相性の良いスプレー、クリームが異なります。スプレーやクリームが問題なく使えることを確認した上で、全体に塗りましょう。
また、スプレーやクリームを初めて使う際には、革靴の目立たない部分に使って、変色したりシミになったりしないかどうかを確認するようにしてください。
一般的に靴は、履けば履くほど傷んでしまいますが、革靴は履き方を工夫することで長持ちさせることが可能です。下記のような、革靴を長持ちさせる履き方を習慣化して、長く愛用しましょう。
人は1日のうち、足からも大量の汗をかきますから、1日履いた革靴は1~2日程休ませて、そのあいだは別の革靴を履くことが望ましいです。
毎日革靴を履くのであれば、1週間で2~3足をローテーションさせるといいでしょう。革靴は、汗による湿気が完全に乾くまでに半日から1日程度かかるため、1日履いた翌日は乾燥させる必要があるのです。連日湿ったままの革靴を履くと、劣化を早めてしまいます。
たまにしか履かない革靴を長期間保管する場合は、メンテナンスしてから保管するようにしましょう。メンテナンスをしておけば、長期間保管してもカビの発生や型崩れを防ぐことができます。
革靴を長期間保管する前には、先にご紹介した1ヵ月に1回行う本格的なメンテナンスを行います。その後、靴にシューズキーパーを入れて、通気性の良い袋に入れて保管します。袋は、革靴を購入したときについている袋で問題ありません。
なお、もし通気性の良い袋がなければ、箱で代用が可能です。箱に革靴をしまっておく場合は、除湿剤や乾燥剤も入れてカビを予防します。
革靴を履くとき、かかとに指を入れて履くという方も多いかもしれません。しかし、指を使って無理に足を押し込むと、かかと部分の革に負担がかかって革が伸びたり、摩擦で傷んだり、縫製している糸がほつれたりしてしまいます。その結果、型崩れを起こしやすくなってしまうのです。
革靴のかかと部分は特に傷みやすいため、履くときは靴べらを使うよう習慣化しましょう。
革靴は、通気性の良い場所に保管します。湿気の多い場所で保管したり、よれた状態のまま放置したりすると、革靴にカビが発生したり、型崩れを起こしたりするおそれがあります。
シューズキーパーや除湿剤を活用して、革靴にとって環境の良い保管場所を用意することが大切です。
革靴は、メンテナンスを怠ったり靴への負担の大きい履き方をしたりしていると、色褪せを起こしてツヤもなくなり、どんどん寿命も短くなってしまいます。できるだけ良い状態で長く履き続けるためにも、日常のメンテナンス方法や履き方を見直してみましょう。
最初は大変に思えるかもしれませんが、時間をかけてしっかりとメンテナンスすることで革靴への愛着もわき、より大切に使えるようになるでしょう。