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chicoどうぶつ診療所所長。体に優しい治療法や家庭でできるケアを広めるため、往診・カウンセリング専門の動物病院を開設。
犬はたとえ体調が悪くても、「痛い」「痒い」「しんどい」など、言葉を発することはできません。シニア犬でもパピーでも大切な愛犬をしっかりと守るためには、オーナーは健康診断を毎日行い、体調を把握することが不可欠です。朝ごはん前など時間を決めて、健康診断をするとよいでしょう。愛犬に健やかに長生きしてもらうために、毎日チェック(触診)すべき犬の健康診断のポイントをご紹介します。
目次
- 犬のデイリー健康診断(1):耳(ニオイや汚れもなくて内側はピンク色!)
- 犬のデイリー健康診断(2):目(目やにも涙も充血もにごりもなし!)
- 犬のデイリー健康診断(3):鼻(湿り気があってつやつや!)
- 犬のデイリー健康診断(4):口・歯(舌と歯茎はピンクで、ニオイや歯垢もなし!)
- 犬のデイリー健康診断(5):首(まっすぐに伸ばせる!)
- 犬のデイリー健康診断(6):胸・心臓(腫れやしこりがなく心拍音も平常!)
- 犬のデイリー健康診断(7):被毛(光沢があってぎっしり生えそろっている!)
- 犬のデイリー健康診断(8):背中(しこりやコブがなく痛みもない!)
- 犬のデイリー健康診断(9):お腹(凹凸や湿疹がなくて張ってもいない!)
- 犬のデイリー健康診断(10):脚・足(まっすぐ歩けて肉球もしっとり!)
- 犬のデイリー健康診断(11):尻尾(変形していない!)
- 犬のデイリー健康診断(12):お尻・性器(ただれやしこりや腫れがない!)
犬のデイリー健康診断(1):耳(ニオイや汚れもなくて内側はピンク色!)
健康な耳はニオイ・汚れ・傷・耳垢などがなく内側がピンク色をしています。外見だけでなく、犬が耳をかゆがっていないかもチェックしましょう。犬種や年齢にかかわらず、犬がもっともかかりやすい病気は外耳炎です。特に耳が垂れている犬種は要注意。耳掃除も正しい方法でしっかりとしてあげてくださいね。耳のトラブルを放置していると聴覚やバランス感覚に影響する場合もあるので、早めの対処が大切です。
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犬のデイリー健康診断(2):目(目やにも涙も充血もにごりもなし!)
目やに・涙などが出ていないのが健康な状態です。他にも充血やにごりがないかも要チェック。眼球の色や大きさなども確認しておきましょう。また、よく物にぶつかるときは目が見えづらくなっていることも考えられるので、普段から犬の行動もしっかり把握しておくことが大切です。長毛種の犬は毛が目に入りやすいので、特に注意が必要です。草むらで眼球に傷がついてしまうことも多いため、お散歩コースに目の高さ以上の草がたくさん生えていないかも注意してあげてください。
犬のデイリー健康診断(3):鼻(湿り気があってつやつや!)
健康な犬の鼻は、湿り気があります。ただし、乾燥している場所や寝起きの状態などは湿り気がなくてもおかしくありません。通常の状態で鼻が湿っているかどうかを確認してみましょう。犬が活動している日中でも鼻が乾燥しているときは、発熱や便秘、アレルギーなどを知らせるサインの可能性があります。鼻の色が薄い犬種は乾燥に気がつきづらいため、よく見るようにしましょう。また、鼻水や鼻血などが出ている状態はもちろんNGです。
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犬のデイリー健康診断(4):口・歯(舌と歯茎はピンクで、ニオイや歯垢もなし!)
舌と歯茎の色がピンクであり、ニオイや歯垢がないのが健康な口内です。しっかりと犬に口を開けさせ、確認しましょう。舌や歯茎の色がいつもと違ったり、ニオイが気になったりする場合は要注意。犬は人間よりも歯周病になりやすく、歯磨き・口内チェックを嫌がる子が多いことから、普段から歯磨きの習慣をつけておくとよいでしょう。歯磨きを嫌がってしまう子は、マズルを触るところからトレーニングするのがおすすめです。
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犬のデイリー健康診断(5):首(まっすぐに伸ばせる!)
健康で痛みなどがないとき、犬はまっすぐ首を伸ばせます。物を追うときに首は動かさず目だけで追うようなことがあれば、首にトラブルがあるかもしれません。また、しこりや腫瘍のようなものがないかもしっかりと確認してください。
犬のデイリー健康診断(6):胸・心臓(腫れやしこりがなく心拍音も平常!)
健康な犬は、乳房に腫れがありません。発情後や偽妊娠中に張ることがありますが、それ以外の場合でしこりがあったり、腫れていたりするときは、乳腺炎や炎症性乳ガンの恐れもあるため、すぐに病院へ連れていきましょう。雌の場合は、特にしっかりとしたチェックを。また、胸をチェックする際は心拍数も同時に確認するクセをつけましょう。心拍数を数える際は左胸をおさえるか、後ろ足の付け根をおさえるとよいです。
犬のデイリー健康診断(7):被毛(光沢があってぎっしり生えそろっている!)
光沢があり、ぎっしりと生えそろっている状態が健康の証。換毛期でないのに抜け毛がある状態は、ノミ・ダニ・シラミなど寄生虫がいる場合や、その他の皮膚病を患っている可能性もあります。また、被毛をチェックする際はフケなどがないかも確認しましょう。被毛のトラブルは、皮膚からきていることもあるためです。
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犬のデイリー健康診断(8):背中(しこりやコブがなく痛みもない!)
触ったときにしこりやコブがなく、嫌がる様子がないのが健康な状態です。背中を触られて嫌がる場合は、椎間板ヘルニアの可能性があります。しこりは腫瘍や炎症、皮下出血などが原因になっているケースも考えられるでしょう。
犬のデイリー健康診断(9):お腹(凹凸や湿疹がなくて張ってもいない!)
健康なお腹は、皮膚の表面に凹凸・赤み・黒ずみ・湿疹などがありません。また、皮膚だけでなくお腹が張っていないかもしっかりとチェックしましょう。考えたくもありませんが、犬の死因で一番多いのは、お腹が張る症状の出る腹腔内腫瘍です。毎日きちんとチェックをすることが、こうした事態の防止につながります。
犬のデイリー健康診断(10):脚・足(まっすぐ歩けて肉球もしっとり!)
トラブルがないときは、まっすぐ歩けていて、足をかばったり引きずったりする様子はありません。他にも、足が震えていないかなども要チェック。震えは筋肉量の衰えや寒さからくることもありますが、それらに当てはまらない場合は神経症状の可能性も考えられます。また、肉球もしっかりと確認してあげてください。夏場はアスファルトなどでヤケドしやすく、冬場は乾燥でひび割れてしまいがちなので、しっかりとケアしてあげましょう。肉球の間に小石や草の実、トゲなどが挟まってしまっていることもあるので注意が必要です。肉球を確認できたら、仕上げに爪もチェックを。爪が伸びすぎると巻き爪になってしまったり、骨格が歪んでしまうこともあります。嫌がる子が多いですが、定期的に爪を切ってあげることが大切です。
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犬のデイリー健康診断(11):尻尾(変形していない!)
健康な状態の尻尾は変形などがありません。尻尾にも骨が通っていますが痛みに鈍感なため、犬自身も気がつかないうちに骨折などをしているケースがあります。排泄している姿や運動を嫌がる様子がないかなども尻尾の確認ポイントになります。また、尻尾の付け根などの隠れやすい部分に腫瘍ができていないかも、チェックをしてあげましょう。
犬のデイリー健康診断(12):お尻・性器(ただれやしこりや腫れがない!)
皮膚のただれやしこり・できものなどがなく、犬自身も気にしている様子がないのが健康な状態です。お尻をしきりに掻いていたり、お尻歩きをしていたりするときは、トラブルを抱えている可能性があります。性器は、腫れがないかなどをしっかりと確認しておきましょう。
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