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イノシシ対策に撃退グッズは効果なし? 侵入防止から捕獲・処置までを解説

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CAINZ ライフハック

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CAINZ ライフハックは、ホームセンターのカインズ (カインズホーム) が提案する日常で使える便利な知恵をお届けします。すぐに実践できる便利なTIPSや情報が盛りだくさん。

イノシシは農地や農業用施設へ被害をもたらす代表的な鳥獣であり、被害額はシカに次いで多い警戒すべき相手です(農林水産省調べ)。鳥獣による被害量は減少傾向にあるものの、依然として全国各地で発生しており、農村周辺で暮らす方々の悩みの種となっているでしょう。

そこでこの記事では、イノシシを寄せ付けない、侵入させない対策をまとめました。場合によっては捕獲し、適切な処置も必要ですが、捕獲には原則として狩猟免許が必要なので注意してください。

イノシシとは? 対策に必要な生態の基礎知識

イノシシとは? 対策に必要な生態の基礎知識

イノシシは「ウシ目イノシシ科」に分類される哺乳類です。人間との関わりは深く、古くから食肉用として狩りの対象とされてきました。意外と知らない方がいますが、ブタはイノシシを恒常的な食料資源として確保するために品種改良した姿です。

日本に生息するイノシシは本州・四国・九州に広く分布する「ニホンイノシシ」と、琉球諸島に分布する「リュウキュウイノシシ」に大別されます。また、イノシシとブタの交配種が野生化した「イノブタ」も全国各地で確認されていますが、正確な分布や数は把握できていません。

■日本で見られるイノシシの違い
種類 ニホンイノシシ リュウキュウイノシシ
口横から牙が見える 口横から牙が見えることは通常ない
体色 茶褐色・黒褐色
体長 100~170cm 90~110cm
体重 90~100kg 50~60kg
生息地 本州、四国、九州、淡路島 奄美大島から南や沖縄

雑食性が強く農作物を荒らすニホンイノシシは、リュウキュウイノシシよりも体が大きい分、戦闘力も高いのが厄介です。これは、寒い所で暮らす哺乳類は体が大きくなる『ベルグマンの法則』が関係していると考えられます。

食性

イノシシは雑食で何度でも食べますが、どちらかといえば植物質のものを好みます。ドングリ、栗の実、キノコ、植物の新芽や根のほか、芋、タケノコ、ワラビなどを掘り起こします。農作物として被害が多い稲やサツマイモ、豆類なども大好きです。

畑や芝生にいるミミズ、昆虫、カエル、ヘビなどもイノシシの餌となります。また、市街地に現れるイノシシは生ゴミを漁ります。

性格

非常に臆病かつ神経質で、人間を見ると一目散で逃げてしまうのが通常です。ただし不用意に近づいたり、挑発したりすると反撃に転じる恐れがあります。特に発情期やウリボウ(幼獣)のいるイノシシは攻撃的になるため要注意。

なかには大胆な性格の個体もおり、人家の敷地内に堂々と現れるほか、買い物袋を狙うといった山賊のような行動に出ることもあります。

「シュー」「カッカッカッ」などと牙を鳴らして発声する、あるいは毛を逆立てている、また前足で地面を引っ掻いているイノシシは興奮状態にあります。むやみに刺激せず、その場からそっと立ち去りましょう。

行動

イノシシは夜間に現れて悪さをするイメージがありますが、実は昼行性です。夜行性動物のような行動をしているのは、人間の活動サイクルとバッティングしないためです。もともとは平地で暮らしていたイノシシが山地へ引っ込んだのも、人間との接触を避けるためでしょう。決まった縄張りは持たず、約2㎞の生活圏で安全な餌場や寝床を求めて移動する習性があります。

ただし、警戒心が薄れた個体や、背に腹は代えられない個体は、人間と遭遇するリスクを踏まえて昼間でもやって来ます。鋭敏な嗅覚を生かし、隙間や窪みなど人里に侵入するルートを発見するのが得意。軽い金網程度なら力技で突破するうえ、味をしめれば何度でも侵入を試みます。学習能力が高い点も、イノシシ対策が難航する要因の一つでしょう。

身体能力

イノシシの身体能力で特筆すべきはパワーでしょう。鼻先だけで70kgを持ち上げ可能といわれており、鼻をしゃくり上げた力と同時に牙で刺されると大変危険です。突進をまともに受けると成人男性でも跳ね飛ばされるうえ、骨折する恐れもあります。噛む力も強く、人間の指程度を噛みちぎるのはわけありません。

視力はあまり良くありませんが、嗅覚は犬並に発達しており、外敵や餌の発見はほぼ嗅覚と聴覚で行っているようです。イノシシ対策の視点に立てば、イノシシを撃退するには嗅覚と聴覚を刺激してやるのが得策だともいえます。

しかし捕獲となると簡単にはいかず、時速約40kmといわれる脚力を生かして一目散に逃げます。「猪突猛進」という言葉通り不器用かと思いきや、急な方向転換や停止、発進も軽々とこなします。20cm程度の隙間があればくぐり抜けてしまう柔軟性も驚愕。加えて1m程度の柵なら飛び越えられる跳躍力があるため、中途半端な高さの防護策は機能しません。

繁殖と寿命

ニホンイノシシの繁殖期は12~1月頃であり、春から初夏にかけて4~5頭を出産するのが一般的です。ただし、春に出産できなかったり、出産したものの子が死に絶えたりした場合は、秋に子を産むケースもあります。このため、イノシシの子だけを捕獲してしまうと、子を失った母イノシシは再び妊娠できる状態になります。

イノシシの幼獣はウリボウと呼ばれ、授乳期を過ぎる生後約4か月程度までは背中に縞模様が見られます。約1歳半で性成熟に達するスピードは驚異ですが、成獣になれるのは生まれた子のうち半数だけです。立派なオスとなった個体は単独で生活するようになります。

寿命だけでいえば5~10年は生きられますが、多くのイノシシは2~3年で餓死するといわれています。狩猟の多い地域での平均寿命はさらに短いでしょう。

イノシシがおよぼす被害

イノシシがおよぼす被害

イノシシに荒らされた麦畑

イノシシによって受けるダメージはさまざまで、ときに重大な損害や健康被害をもたらします。下記はその代表的な例です。

農作物を荒らす

イノシシは、鳥獣被害額ではナンバーワンのシカよりもグルメで、水稲、イモ類、タケノコ、豆類、クリ、麦など栄養価が高いものを好んで食い荒らします。食害だけでなく「お行儀の悪さ」も問題視されており、水田の稲は踏み荒らされ放題。土も掘り起こされ、ときには食事はしないのに荒らして去ることもあります。結果、イノシシがやってきた跡は見るも無惨な光景になりがちです。

泥浴びで田畑を汚す

イノシシの汗腺は「アポクリン腺」といって身体の隠れた部分にあり、人間のように全身で汗をかけません。体を冷やすためや、体表に付着した寄生虫を落とすために、乾きにくい泥を使ってシャワーすることがあります。この行為を「ヌタウチ」と呼び、水田などでヌタウチをされると深刻なダメージを受けます。

生ゴミを荒らす

イノシシが市街地までやって来て生ゴミを荒らす被害も報告されています。野生鳥獣にとって生ゴミは「捨てるにはもったいないごちそう」であり、イノシシだけでなくシカ、イタチ、ハクビシンなどにとっても格好の的です。田畑や家の周りに置いたままにするのは止めましょう。

イノシシに攻撃される

イノシシは基本的に臆病ですが、ときに人間を襲って怪我をさせるうえ、なかには死亡事故にまで発展するケースも報告されています。イノシシの突進をまともに受けると、成人男性でも無事では済まないでしょう。また、イノシシが牙をしゃくり上げで攻撃する高さにはちょうど太ももがあり、大腿深動脈が損傷すると非常に危険です。

豚熱(CSF)発生の恐れがある

豚熱とは、イノシシやブタが感染する病気のことです。人に伝染ることはありませんし、万が一感染したイノシシやブタを食べても健康被害はありませんが、同種には強い伝染力と高い致死率を発揮します。養豚農家の方は大ダメージを受ける恐れがあるでしょう。

イノシシ被害への有効な対策は防護柵の設置

イノシシ被害への有効な対策は柵の設置 

イノシシの捕獲・駆除へ乗り出す前の段階として、侵入させない対策を練りましょう。つけ入る隙を与えなければ、自然に距離を置いてくれます。もっとも有効なのは、防護柵を設置して物理的にガードすることです。

柵にはさまざまな種類がありますが、大別すると「電気」「金属」「ワイヤーメッシュ」「ネット」の4種です。それぞれの特徴を表にまとめました。

電気柵 金属柵 ワイヤーメッシュ柵 ネット柵
耐久性 ×
設置難易度
維持管理の難易度
費用

なかには設置費用の補助金を用意している地域もあるため、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。それぞれの柵の特徴や設置のポイントなどは以下で解説します。

電気柵

電気柵は、電気ショックを与えて野生動物に「危険な場所だ」と学習させる作戦です。電流は軽めのためイノシシが驚く程度であり、あくまで「心理柵」です。したがって、通電していない場所や状態を作らないよう注意してください。電流が流れないケースがあると、イノシシはそれを学習します。

設置にあたって特別難しいことはありませんが、正しく作動させるために守りたいポイントはあります。少し多いですが、箇条書きにしてまとめました。

  • イノシシの鼻に当たりやすくしたいため、柵線は地面から 20cm・40cmの高さに張りましょう
    ※イノシシは障害物を飛び越えるよりくぐり抜けるほうを選ぶ傾向が強く、高く張ると電線に当たることなく突破されます
  • 柵と柵の間はきちんと塞ぎましょう。柵が重なってもかまいません
  • 地面と柵を固定するために杭などを打ち込むと潜り込み防止に役立ちます。柵の下に補強材を取り付けるのも有効
  • 伸びた雑草などが電気柵に当たると漏電するため、草の管理を徹底しましょう
  • 碍子(がいし)はイノシシがやってくる側(守りたい敷地内の逆側)に向けましょう
    ※反対を向いているとイノシシに当たりにくく、碍子が付いた支柱ごと押し倒される恐れがあります
  • 電気柵は土の上に設置してください。柵の外側も50cmは舗装のない地面が望ましいです
    ※イノシシの足先が舗装された地面の上にあると電気が抜けづらく、想定以下のショックしか与えられないため
  • 電圧チェックはこまめに行いましょう

金属柵

電気柵は「心理柵」ですが、それ以外は「物理柵」です。金属柵は物理柵のなかでもっとも頑丈であり、噛み切られる心配はありません。傾斜や管理がしにくい場所でも設置可能です。

効果を持続させるにはこまめなメンテナンスが必要です。金属柵を仕掛けた場所へは定期的に足を運ぶことになるため、ルート作りは行ったほうがよいでしょう。そのほか、設置にあたって気を付けたいポイントは下記の通りです。

  • 80cm以上など十分な高さを確保しましょう
  • 設置する場所の段差に注意し、実質的な高さもチェックしましょう
  • 柵の下部は地面に密着させたうえで補強します。掘り起こしのすきを与えてはいけません
  • 柵の上部を守りたい敷地側に折り返すと、イノシシの飛び越え防止に役立ちます
  • 金属柵周囲の茂みはイノシシの隠れ家となるため、草刈りは徹底して行いましょう

ワイヤーメッシュ柵

ワイヤーメッシュ柵は金属柵に次いで頑丈です。イノシシが噛んだり、引っ張ったりすると曲がる可能性はありますが、破損することはないでしょう。安置で設置しやすいのもポイントです。

設置にあたって注意したい点は金属柵とほぼ同じです。急傾斜地に設置する際は、隙間ができないよう小さく切るなどすると、イノシシが入りにくくなります。また、掘り起こし防止のため、ワイヤーメッシュ柵を設置した外側の地面にワイヤーメッシュを敷くという手も有効です。

ネット柵

ネット柵は、ポリエチレンやステンレスなどの素材でできた簡易フェンスです。紹介している物理柵のなかではもっとも強度が弱いですが、軽量で扱いやすく、長距離の設置にも向いています。加えて安価なものが多いです。

ネット柵を設置するにあたってのポイントも、金属柵・ワイヤーメッシュ柵とほぼ同じです。ネット柵は軽量のため、風で飛ばされないよう専用の留具などでしっかり固定しましょう。

なお、ネット柵ならではの使い方として、柵の外側の地面に曲線状に敷くという手もあります(スカートネット)。こうすることで、イノシシが飛び越そうとしても踏切位置が不安定のため、うまくジャンプできません。

イノシシを寄せ付けないその他の対策

イノシシを寄せ付けないその他の対策

イノシシの餌となるものをなくし、隠れ家となる空間を作らなければ、イノシシがやって来る可能性を大幅に減らせます。たとえやって来ても、イノシシが嫌がる音や光で撃退することは可能です。イノシシは学習能力が高く、個体によっては複数回の効果は得られないケースもありますが、試してみる価値はあるでしょう。

ここでは、柵を設置する以外に考えられるイノシシ対策について解説します。

トレイルカメラで行動を監視する

できればカメラを設置して、イノシシの行動を監視しましょう。動物の熱を感知して自動撮影できる「トレイルカメラ」を使えば、イノシシがどこから、どのようにして敷地内に侵入するのかが判明するため、対策を練るのに役立ちします。

注意したいのは設置場所です。イノシシの背丈ほどの高さでは通行時に破壊されるかもしれません。アングルと角度に気を付けつつ、イノシシが届かない場所に設置するとよいでしょう。

餌となり得るものを処分する

イノシシは雑食で何でも食べます。収穫時に不要になって捨てた果樹や野菜、種子類なども、イノシシにとっては立派なごちそうです。耕さなくなった田畑に生え放題の草や根、茎までも食べてしまうため、餌となるものを放置しないようにしましょう。もちろん、残飯や生ゴミを適当に捨てる行為もNGです。

隠れ家やけもの道をなくす

イノシシの隠れ家となる空間もなくしましょう。使わなくなった小屋や、耕作を放棄して荒れ放題になった田畑などがその代表です。また、竹林は隠れ家であり、餌場にもなります。近隣の人々とも協力し、定期的に管理したほうがよいでしょう。敷地内から5m程度に森林がある場合は、伐採するのが望ましいです。

撃退グッズを使う

においや音、光を使った撃退グッズを導入するのも一つの手です。オオカミなど猛獣の尿を利用した忌避剤なども有効とされています。

イノシシは環境の変化に敏感なため、いつもと違う音やにおいがあると警戒し、近寄ってこなくなるでしょう。ただ、「おかしな感じはするけど危険はない」と判断すると、撃退グッズを物ともせず侵入してくるかもしれません。

一時的な効果に留まる可能性はありますが、電気柵や金属柵の導入前に試してみてもよいでしょう。

イノシシを捕獲するには

イノシシを駆除するには

イノシシ対策最後の手段は捕獲です。しかし、イノシシのような野生動物は「鳥獣保護管理法」で保護されており、行政の許可なく捕獲してはいけません。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるため、正しい手続きを踏みましょう。

まずは役所に捕獲許可の申請を

お住まいの地域の役所に申請し、許諾を得ましょう。許可の種類は「捕獲」と「狩猟」です。どちらのケースにしろ、申請者が狩猟免許を所持しているのが原則です。

狩猟には「狩猟期間」や「狩猟区域」が決められており、諸々の条件を満たしていれば、通常の申請ルートをたどらずとも捕獲可能なケースがあります。猟期は毎年11月15日~翌年2月15日(北海道では9月15日~翌年2月末日)が基本ですが、地域によって延長または短縮している年もあるため、必ず自治体に問い合わせましょう。

申請に必要な書類

一般的に、イノシシの捕獲に必要な書類は次の通りです。

  • 鳥獣捕獲許可等申請書
  • 有害鳥獣捕獲依頼書
  • 捕獲理由書
  • 捕獲予定の場所が分かる図面
  • 捕獲等の方法が分かる図面
  • 被害状況の写真
  • 狩猟免状の写し

申請から許可が下りるまで1か月ほどかかることもあるため、早めに手続きしましょう。

イノシシ向けのわなを用意する

イノシシを捕まえるには、「箱わな」「囲いわな」、または「くくり罠」を使うのが一般的です。それぞれの代表的な違いは下記の通りです。

箱わなの特徴

  • 箱状の檻内に餌を仕掛けてイノシシを閉じ込める
  • 1~2頭の捕獲なら問題ないが、群れ単位では難しい
  • 移動・運搬が容易で安全

箱わなはホームセンターなどでも購入できるほか、自治体や保健所が貸し出しているケースもあるため、捕獲許可を得る際に問い合わせておくとよいでしょう。

囲いわなの特徴

  • 箱罠のスケールを広げたもの。一部屋程度のスペースを檻で囲う
  • 箱わなと同じく餌でおびき寄せる
  • 群れ単位での捕獲も可能
  • わなの設置、解体、移動などのハードルが高い

一度にたくさんのイノシシを捕獲できますが、群れのすべてが囲いわなに入るまでの見極めが必要です。

くくりわなの特徴

  • イノシシが踏んだり、仕掛けに触れたりするとワイヤーが足に巻きつく
  • 小型軽量で一人でも設置しやすく、安価
  • 1頭だけを捕まえたいときにおすすめ
  • イノシシの移動ルートを把握する必要がある
  • 捕獲後の対応には十分な注意が必要

くくりわなは場所選びが重要です。イノシシが頻繁に利用するけもの道を探しましょう。イノシシ以外の鳥獣がかかる可能性もあるため、離れた安全な所から捕獲状況を確認できる場所が理想です。

わなを設置するポイント

やみくもにわなを仕掛けてもイノシシの警戒心をあおるだけです。ここでは、初心者の方でも比較的扱いやすい箱わなの仕掛け方を中心に解説します。設置から捕獲・処理までの過程は次の通りです。

  1. 場所選び
  2. 餌付けと餌選び
  3. 箱わなの設置・誘引
  4. 捕獲成功
  5. 止め刺し

1.場所選び

イノシシの出没条項を把握しましょう。足跡・糞・泥こすりの跡などの「フィールドサイン」を見つけ、その周辺に設置します。

餌でおびき寄せる作戦のため、人家や田畑、道路近くに設置するのは避けてください。人目に付きにくく、山に近い見通しの悪い場所が望ましいです。また、山側から下りてくるイノシシがかかりやすいよう、わなの扉は山側に向けておくのが鉄則です。

2.餌付けと餌選び

イノシシを油断させるために、事前に餌付けをします。食い付きの良い餌は、トウモロコシ、リンゴ、栗、みかん、酒粕などですが、好みは季節や個体によって変わります。出没するイノシシの好みを調べるつもりで、いろいろと試してみるとよいでしょう。

食べた形跡が見られたら必要に応じて新鮮な餌を補充してください。3日以上連続して完食したら餌付け成功と見てよいでしょう。反対に、2週間ほど経っても口を付けていない、または中途半端に食べ残している状態であれば、餌の種類や餌付け場所を変えることをおすすめします。

3.箱わなの設置・誘引

箱わなを仕掛ける前に周辺の草刈りをしておきましょう。放置した農作物などがあれば除去してください。

設置が完了したら、中に入ると扉が締まるようセンサーあるいは蹴り糸もセットします。蹴り糸は、ウリボウの場合は40cm未満、成獣の場合は40cm以上に仕掛けるのがポイント。こうすることで、中型動物による誤動作を大幅に防げます。

餌を箱わな内に置くのは最後です。初めは箱わなから少し離れた場所へ撒き、徐々にわなのほうへ誘導するように撒きましょう。一度完食された餌の補充はわずかでかまいません。最終的には、箱わな内に全身を入れないと餌を食べられないくらい奥に餌を置きます。

4.捕獲成功

ここまでくれば捕獲成功ですが、扉がきちんと閉まらないようでは逃げられてしまいます。「落とし扉が完全に落ちるか」「センサーの設定に誤りはないか」「箱わな内に破損はないか」といったチェックは事前に徹底しましょう。

5.止め刺し

個体の処理は、銃器、刃物、電流、炭酸ガスなどを用いて行います。必ず法律や許可された条件に基づいて行ってください。

また、「手負いのイノシシ」という言葉があるように、捕獲したイノシシは必死の反撃を試みます。箱わな内にいるからといって油断しないようにしましょう。

対策しても手に負えない場合はイノシシ駆除業者へ依頼

対策しても無理ならイノシシ駆除業者へ依頼

自分で対処できない場合は、鳥獣捕獲を専門とするプロへの依頼を検討してもよいでしょう。地域の猟友会のほか、都道府県が技能や知識を認めた「認定鳥獣捕獲等事業者」という法人もいます。

認定鳥獣捕獲等事業者は平成27年5月施行の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」に基づいて導入されたもので、年々高齢化する狩猟者の負担を補う目的があります。イノシシ向けのわなの設置から捕獲、処理、移送まで一括してサポートしてくれるでしょう。

費用は防護柵の種類や個数、わなの種類などによりケース・バイ・ケースです。10万円~20万円程度は必要になるでしょうが、それ以上かかるケースも想定できます。見積もりの内訳はきちんと説明してもらいましょう。

もうちょっと知りたい! イノシシ対策Q&A

もうちょっと知りたい! イノシシ対策Q&A

イノシシ対策にかかわるちょっとした疑問にQ&A形式でお答えします。

Q.登山やハイキング中にイノシシと遭遇したらどうすればよいでしょうか?

A.慌てずに、目をそらさずゆっくりと距離を取ってください。細い道などで遭遇し、イノシシの通行の邪魔になりそうな場合は、端によるなどして逃道を作ってあげましょう。イノシシがよほど錯乱していない限り、わざわざ人間に向かってくることはありません。

  • 俊敏に動く
  • 驚かす
  • 威嚇する

これらはイノシシを無意味に刺激する行動です。絶対に止めましょう。万が一、攻撃の危険を感じたら、太ももの内側だけは刺されないよう、足を閉じてガードしてください。また、イノシシは高い所へは登れないので、堀や木などに登れるようならそこへ避難してください。

なお、ウリボウの近くには母イノシシがおり、人間を恐れるどころか積極的に攻撃してくる恐れがあります。かわいいからといって近づかないようにしましょう。

Q.催涙スプレーはイノシシ対策として有効ですか?

A.期待できるでしょう。唐辛子などの刺激成分でイノシシを驚かせたり、視界を遮ったりする効果があります。ただし、誤噴射で使用者側がダメージを負うケースもあるため、使用の際は十分に注意してください。基本的には最終手段と考えたほうがよいでしょう。

Q.犬を飼うのはイノシシ対策になりますか?

A.きちんと訓練された犬であれば頼りになるかもしれません。しかし、犬が怖がって逃げてしまう場合や、無謀に戦いを挑んで返り討ちに遭う可能性もあります。犬の散歩中にイノシシと遭遇した場合は、人間が一人でいるより危険だと警告している自治体もあります。飼い犬の力を過信するのはおすすめしません。

Q.イノシシ除けにハーブやピンクテープも効果ありと聞いたのですが……

A.レモングラスやミント、シソといったハーブを生かして作られた忌避剤が実際にあります。また、イノシシが警戒するとされるピンク系のテープも商品化されており、一定の効果を望めるようです。

一方で、期待以上の効果はなかったという声もあることから、イノシシの個体にも寄るのでしょう。危険ではないと学習されてしまえば、ほかの撃退グッズと同様、有効な対策とはいえません。

イノシシの対策まとめ

イノシシの対策まとめ

イノシシ対策で効果が高いのは、物理的にガードする防護柵です。触れると電気が流れてショックを与える「心理柵」も効果を期待できます。音やにおい、光などを利用した撃退グッズも一定の効果はありますが、「実は危険ではない」と学習されてしまえばどうしようもありません。

イノシシによる被害が絶えない場合は捕獲を検討するほかないでしょう。原則、狩猟免許と自治体への許可が必要ですが、プロの業者に依頼する手もあります。

捕獲前にイノシシと遭遇した場合は、むやみに刺激せず、落ち着いて行動してください。熊よけスプレーを放つのもよいですが、取り扱いには注意しなくてはなりません。何より、寄せ付けない、出会わない努力をするのが最大の対策といえます。

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