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手作り家具やDIYリメイクで飾られたasami家のマンション。
一度ハマれば、トコトンまで深いのがDIY沼というもの。今回登場してくれるasamiさんも、そんな沼民のひとりだ。なにしろ、「フツーの主婦」だったという彼女はひょんなきっかけでDIYをはじめ、ついには猛勉強の末に日本DIY・ホームセンター協会が主催・運営するDIYアドバイザーの資格を取得してしまったというのだから。そんなasamiさんに、まずはDIYにハマるきっかけを聞いてみよう。
asamiさんのDIY覚醒のきっかけとなった「おままごとキッチン」と「すべり台」。その他にはお人形用のベッドなども自作したとか。
asamiさんがDIYにハマったきっかけはズバリ、長女が3~4歳のとき、「自分が手作りしたものをプレゼントしたい」と思い立って「おままごとキッチン」や「すべり台」などを自作したことだという。
「おままごとキッチン」は、ホームセンターで買ってきたカラーボックス2つを格子縞のラティスフェンスでつなげて組み合わせたもの。「すべり台」の滑降部もカラーボックスと同じプリント合板を利用して製作したんだとか。
「それまでDIY経験がゼロでしたけど、幼稚園教諭の仕事をしたことがあったので、もの作りに対する抵抗感はなかったと思います。幼稚園では季節の行事ごとに部屋を飾りつけたり、発表会の舞台を作ったり、そこにある材料をうまく利用して模様替えすることが多かったですから」と語るasamiさん。
特に「すべり台」はお子さんに好評で、遊びに来た友だちたちも「公園みたい」と言って、何度もすべりに来てくれたのだそう。
玄関ポーチのエアコンの室外機も、こんな風にスノコとラティスフェンスを利用してカモフラージュ。
幼稚園教諭だっただけでなく、後に3児の母となるほどの子ども好きのasamiさんにとってDIYは、単に「子どもを喜ばすための手段」だったはずだが、処女作の成功体験は彼女の心の内にある、何らかのスイッチを押してしまったようだ。
「最初に気になったのは、長女が幼稚園に入園したころに購入した分譲マンションの玄関ポーチ。来客を迎える場所なのに、エアコンの室外機が剥きだしになっていて気になっていたんです。そこで、再びホームセンターでスノコとラティスフェンスを買ってきて、室外機カバーを作りました。上の写真はハロウィン仕様ですけど、季節ごとのイベントに合わせて飾りつけをして、お客さんを迎える気持ちを表現してみました」
玄関のキーカバー。扉には金具とマグネットが打ち付けてあって、フタで隠すことができる。
このasamiさんの「生活感が出ちゃうところをDIYで飾って隠す」という手法は、室外機だけでなく、家の中まで及んだ。
例えば玄関には、生活感の出るカギが見えないように木材でキーボックスをDIY。同様に、リビングのインターホンと給湯器のスイッチにもカバーをつけた。
左がインターフォンカバー、右が給湯器のスイッチカバー。洗面所の歯ブラシも同じ方法でカバーをつけた。
こうして家の中から少しずつ生活感が消えていくと、見違えるように部屋がきれいになるのだが、きれいになればなるほど、他の部分の気になるところが目立ってくる。こうなると、DIYリメイクは止まらない。
「もとの床の色がどうしても気に入らなかったので、思いきって床のクッションフロアを貼り替えてみることにしました。プロにお金を払って頼めば完璧にやってくれるのはわかっていましたが、自分の手でやることにしたのは大きな挑戦でしたね。今見ると、素人感バリバリで笑ってしまうんだけど、それなりに満足のいく出来に仕上がったのはうれしかったです」
クッションフロアの貼り替えに成功したasamiさんは、その後もDIY沼にすっかりハマり、トイレや洗面所の床や壁紙を貼り替えたり、和室を子ども部屋に改造したりして、部屋の様子が日々刻々と変貌するカメレオンハウスになっていった。
左がビフォアー、右がアフターのキッチンの様子。「今の私なら、冷蔵庫や食器棚をどかして床全面を貼り替えると思うんですが、当時は見えている部分がきれいになるだけでも大満足でした」とasamiさん。
リビングの天井。ここに梁をつけたいと思い立ったasamiさん。
続いてasamiさんが手掛けたのが、リビングの天井のリメイクだった。
「梁のある天井に前々から憧れがあったんですが、何かの拍子に落ちてきたとしてもケガをしないようにしたいし、かといってコストもかけたくない。そう考えて、ひらめいたアイデアが木材ではなく、断熱材を使った『なんちゃって梁』でした」
ジャーン! 見事に梁が通って落ち着いた雰囲気に。
というわけでこの梁、断熱材を組み立てたものに木目調の壁紙を貼っただけのもの。このアイデアは、SNSサイトの『ハンドメイドが好き♡』コンテストで、優秀アイデア賞を受賞し、asamiさんを大いに満足させた。
ところで、DIYをしていく中で必ず悩まされるのが材料コストがかさむこと。下手をすると、完成品を買ったほうが安かったんじゃないかと思うくらい、木材にかかるお金はハンパない。
そんなことを考えながらホームセンターの売り場を眺めていたasamiさんの目に留まったのが、75×33cmの板4枚で作られた桐すのこ。2組で400円弱というリーズナブルなお値段である。「これを解体してストックしておけば、いろいろなものが作れるのでは?」と考えて、さっそく実践してみることにしたという。
そこで出来上がった作品のひとつが、この野菜ストッカーである。
すのこ材を利用して作った野菜ストッカー。底部にはキャスターが取りつけてあるので自由に移動させることができる。
「我が家のキッチンは狭いので、冷蔵庫に入れない、じゃがいもやタマネギなどの土物野菜はアイアンかごに入れて玄関ポーチに置いていたのですが、取りに行くのが面倒で、キッチンに置けるストッカーが欲しくなったんです。すのこ材の良いところは、柔らかいのでノコギリでのカットが簡単にできること。ワトコオイルミディアムウォルナットで塗装すれば、すのこ材を使った『なんちゃって木材』と気づかないくらい、見た目もよくなりました」
この野菜ストッカー、DIYを始めたばかりのころに作ったものだが、いまだに愛用しているほど、お気に入りの作品になったという。
実技試験対策で加工した演習問題の数々。大工道具だけでなく、ドリルドライバー、ジグソーなどの電動工具を使用した課題が出題される。
自分のDIYリメイクのアイデアをSNSで発信していくうち、人から「同じものを作ってほしい」と頼まれたり、ワークショップの講師を依頼されるようになったasamiさんはやがて、日本DIY・ホームセンター協会が主催している「DIYアドバイザー資格」を取得することを目指すようになった。
「それまでずっと我流で、その場その場のアイデアで身につけたツギハギの知識と技術を、しっかりとしたものにしたかったんです。家事をしながらですけど、半年くらい猛勉強して学科をクリア。その後は制限時間内に木材の組み手加工や壁紙貼りなどの補修作業をする実技試験になるんですけど、キンチョーしましたね。作業の早さだけじゃなくて、安全性や仕上げの丁寧さまで問われるので、気が抜けないんです」
猛勉強のおかげで、むずかしかった実技試験もクリア。こうしてDIYアドバイザー資格を取得したasamiさんは見事、DIY上級者になったと言って過言ではないだろう。
そんなasamiさんがその後に取り組んだのは、「アクティブ・スクウェア・大東」のリノベーションプロジェクト。大阪府大東市の廃校した小学校の跡地を利用して、宿泊や手ぶらバーベキューをはじめ、スポーツイベントや演劇公演などを楽しめる複合施設にしようとする取り組みである。
asamiさんはここで、2021年10月にオープンした施設内カフェ「ZELKOVA CAFE」の製作に参加した。
オープンしたカフェの店内。テーブルやカウンター、パーティションなどに至る内装すべてが手作り。
カフェに隣接したウッドデッキは、廃パレットを解体した材料で一から手作りしたもの。
ワイン箱で作ったメニューボード。このように使用している木材のほとんどが再利用した古材を使用している。
「楽しかったですね。それまで経験したことのない規模のDIY作業にたずさわることができたので、とても大きな達成感がありました。
それから、ほうぼうから集まってくるDIY猛者から技術を教えてもらえたのも大きな収穫でした。その後もDIY仲間の輪がどんどん広がっていって、DIYスペース『トコクラフトファクトリー』が主催している『端材deこどもつみきつくろ!』というプロジェクトにも参加しています。工務店から出た端材を積み木に作り替えて販売したり、指定の保育園や児童福祉施設に寄付したりする活動なんですけど、人々との出会いに刺激を受けています。
DIYって、どんなものを作るにしても、そのひとつ一つに達成感が味わえます。これからも多くの仲間を増やして、DIYの楽しさを広めていく活動をしていきたいですね」
と、夢を語るasamiさん。最後に「asami流ホームセンターの上手な使い方」を聞いてみよう。
「DIYで大事なことは、材料を寸法通りに切るということ。たった1ミリの寸法違いが仕上がりに響きます。ですから、ホームセンターのカットサービスは積極的に利用しています。DIYのプロが機械で正確に切ってくれるので、安心しておまかせできますよ」