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強烈な刺激臭を出すことから、「へっこき虫」と呼ばれ嫌われているカメムシ。臭いだけでなく、野菜や果樹を食害するため、一年を通して警戒しなければならない相手です。どうやって駆除すればよいのか、頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、カメムシの駆除や寄せ付けない対策について詳しく解説します。においの被害を受けずに捕まえられる「カメムシホイホイ」の作り方も紹介するので、ぜひお試しください。
カメムシは「カメムシ目・カメムシ亜目」に属する昆虫の総称ですが、実はアメンボやタガメもここに入っており、非常に幅広いグループといえます。一般的に認識されているカメムシは、さらに細分化した「カメムシ科」に属する昆虫であることが多いです。
三角形の頭に短めの触覚、五角形の胴体の背には小楯板(しょうじゅんばん)と呼ばれる頑丈な構造物があります。種類によっては鎧や盾のような形状をしており、亀の甲羅のようにも見えることから、カメムシと呼ばれるようになりました。
大きさは概ね1cm程度ですが、なかには2cmを超える種類もいます。体色や模様もバリエーションが豊富で、緑や茶一色のものもいれば、色鮮やかで美しい模様のカメムシも。グロテスクな見た目をしているタイプもいることから、不快害虫として嫌われています。
人間に嫌われる陸生のカメムシは、主に山地や草地で植物の汁を吸って過ごしています。しかし緑豊かな場所に固執するわけではなく、農作物のある果樹や野菜、豆類、草花のある場所など、人間の生活圏にも入り込んできます。なかには農業害虫を食べる肉食性の種類もいますが、多くの草食性カメムシが人間を悩ませます。
気温が下がる秋頃になると、越冬のために家屋に入り込むことも珍しくありません。また、天気の良いポカポカした日は洗濯物の上で日向ぼっこしていることもあります。
種類にもよりますが、カメムシの目撃情報が増えるのは9月から11月頃が多いです。これは、春に繁殖期を迎え、夏までに産卵・孵化したカメムシの幼虫が成虫になり、越冬準備に入るためです。無事に冬を越せれば春に繁殖活動を終え、寿命を迎えます。したがって、カメムシの寿命は1年、長くても1年半程度だといわれています。
なお、暖冬の年は生き残れるカメムシが多いため、秋前でも大量発生することがあります。カメムシ大量発生の情報は、農林水産省の『病害虫発生予察情報』で確認するとよいでしょう。
カメムシは、中足と後ろ足の間にある開口部から刺激臭のある液体を放ちます。これは外敵への威嚇・警告で、「自分を食べてもおいしくない」と主張しているわけです。
実は仲間への警笛の役割も果たしており、周囲のカメムシは仲間のにおいで「ここは危ない」と察知するといわれています。ただ、あまりにも強烈なにおいのために気絶する仲間や、においを放った当人が死んでしまうケースも……。
においはカメムシによって異なり、たとえばクサギカメムシのにおいは「パクチーのよう」だと形容されることが多いです。パクチーの香りが苦手でタイ料理などが食べられない方は、クサギカメムシのにおいを不快・危険だと感じる遺伝子を持っているそうです。なお、なかには甘い果実のようなにおいを出すカメムシもいます。
カメムシは臭いだけではありません。農作物を食害するほか、人間を刺す被害も報告されています。ここでは、カメムシがもたらす害について解説します。
カメムシが越冬のために縁の下や屋根裏、畳の下などに侵入し、悪臭を放つことがあります。においの成分である「トランス-2-ヘキセナール」は2~3日残ることが多く、洗ってもなかなかにおいが取れません。
犬や猫などのペットがカメムシを食べる可能性もあります。犬も猫もカメムシを食べたくらいで体調を崩すことは考えにくいですが、強烈な口臭はしばらく続くかもしれません……。もし様子がおかしくなったら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
刺激成分である「トランス-2-ヘキセナール」はアルデヒドの一種であり、毒性を含みます。においを嗅いだ程度で健康被害が起こることは考えにくいですが、素足で踏んづけたり、服の中に入ったカメムシを乱暴に追い出したりすると、素肌に大量のアルデヒドを浴びる恐れがあります。
通常、カメムシが人を襲うことはありませんが、突如つかまれるなどパニックになった際には、針のような口で刺してくることもあります。痛みは「チクっとする程度」であることがほとんどですが、サシガメという種類は痛みが強い傾向があり、赤く腫れ上がるかもしれません。傷口から細菌が入る恐れがあるため、すぐに消毒液で消毒しましょう。
海外には、「シャーガス病」という感染症を媒介する吸血性のサシガメもいます。日本のサシガメ相手に過度な警戒をする必要はありませんが、刺される可能性を含め、素手での接触は避けたほうが無難です。
日本には約90種類のカメムシが確認されています。なかには益虫扱いされている種類もいますが、多くは農作物の食害や悪臭被害をもたらします。ここでは、駆除対象としてよく挙げられる代表的なカメムシをいくつか紹介します。
害虫カメムシの代表種といってよいのがクサギカメムシです。体長は1.3~2cm程度、体色は茶色や黒褐色で、褐色のまだら模様が見られます。全国どこにでも現れるうえ、マメ科や果樹をはじめとする多くの植物を食害し、家屋にも侵入します。
ホオズキカメムシは体長1~1.2cm程度の濃茶色をしたカメムシです。北海道以南に広く分布しており、ナス科やイネ科の作物を見つけては吸汁しにやって来ます。成虫のオスがメスの集団を引き連れて現れるので非常に厄介。天敵のいない施設栽培では大量発生することもあります。
スコットカメムシは主に本州・北海道に生息しています。体長9~11mm程度、光沢のある銅褐色と白い斑点模様が特徴です。比較的高地の広葉樹に付くことが多いため農業害虫としては問題視されませんが、寒くなると人家に侵入して集団越冬します。名前の由来はイギリスのカメムシ学者・J.Scott博士から。
アオクサカメムシは、ゴマやトウモロコシの主要害虫として警戒されています。体長は約1.2~1.6cmで、三角形の頭部に光沢のない緑色の身体しているのが特徴。幼虫時代は模様を持つ個体もおり、変異が多いです。よく似た種類にミナミアオカメムシがいますが、触角の先端部分や腹背部の色で識別できます(どちらも警戒すべき害虫です)。
チャバネアオカメムシも、果樹園を加害する代表的なカメムシとして警戒されています。光沢のある黄緑色に茶色の翅が特徴的で、体長は1~1.2cm程度。北海道から沖縄まで全国に分布し、雑木林周辺に生息していますが、越冬するために家屋に潜り込みます。よく似た種類であるヒメチャバネアオカメムシとの違いは、サイズの大きさと胸部分に見られる黒ラインです。
ナガメは一見するとテントウムシにも見える6mm~1cmのカメムシです。名前の由来は「菜の花につくカメムシ」であり、アブラナ科の農作物をあっという間に加害します。よく似た種類に「ヒメナガメ」というカメムシもおり、同じくアブラナ科の大敵です。小さいからといって侮ってはいけません。
マルカメムシは日本ではもっとも一般的な種であり、個体数も多いことから目にすることが多いでしょう。特徴は名前通りの丸っこい体で、体長は5mm前後、体色は茶色。主に大豆や小豆などマメ科類の植物を加害します。小さくて弱々しい見た目をしていますが、マルカメムシの出すにおいは強烈で、自分のにおいで気絶してしまうほどです。
キマダラカメムシは台湾や東南アジア出身の外来種で、江戸時代に入ってきたといわれていますが、存在が目立つようになってきたのは最近です。外見の特徴は2~2.3cmとかなり大きな体と、背中・足に見られる黄色のまだら模様。クヌギ、ヤナギから、ウメ、ミズキ、ツツジなど、さまざまな木々に生息しています。生命力・繁殖力は相当なものだと考えられています。
ツヤアオカメムシは「光沢の強いアオクサカメムシ」のような見た目をしています。幼虫はスギ・ヒノキなどに寄生し、成虫になるとミカンなどの柑橘類やモモ、カキ、ナシなどの果樹を加害するようになります。吸汁された農作物は台無しになるため、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシと並んで果樹園からの恨みを買っています。
ヨコヅナサシガメはケムシやイモムシ、クモなどを食べる肉食性のカメムシで、農作物を荒らす害虫ではありませんが、人間を刺すことがあるため要注意です。体長は1.6~2.4cmもあり、体色は光沢のある黒色をしています。カメムシのなかでは頭が小さく、複眼が飛び出しているのが特徴。関東地方以西の本州から九州に生息しており、公園などで見かけることもあるでしょう。
カメムシが侵入してきたら駆除するほかありませんが、できれば水際対策をしたいもの。ここでは、カメムシを寄せ付けない、あるいは入ってこられないための具体策を紹介します。
殺虫剤や防虫剤、あるいは忌避剤と呼ばれる薬を撒くことで、カメムシを含む不快害虫を寄せ付けない効果を期待できます。網戸や窓枠など、カメムシの侵入口となる場所へ散布しましょう。
下記はカメムシ専用のエアゾールで、一度撒けば約1~2週間は効果が持続します。
家の周りに撒くならこちらの粉タイプもおすすめ。ピレスロイド系の殺虫剤のため即効性があり、多くの害虫の虫除けとなります。
侵入経路となる網戸や窓サッシなどの隙間を隙間テープで塞ぎましょう。カメムシは小型なうえ体が平たいため、2mm程度の隙間があれば難なく侵入してきます。隙間が出ないよう、徹底的に塞ぐことが大切です。下記のような、虫がきらう成分が配合されている商品だとさらなる効果を期待できます。
多くのカメムシは草木のある場所を好むため、雑草や落ち葉といえど、放置しているとカメムシの隠れ家となる可能性があります。卵を産み付けられると翌年に大量発生するかもしれません。お庭の管理はこまめに行いましょう。もちろん、除草した草もきちんと処分しましょう。
守りたい作物の上に、防虫ネットや寒冷紗を被せるという物理的なバリアも有効です。防虫ネットは、カメムシを通さない網目の細かいものを選びましょう。寒冷紗は保温・防風遮光効果を期待して被せることが多いですが、害虫対策にもなります。
カメムシはミント系の香りが苦手なので、ミントの苗を植えると一定の効果を期待できます。家庭菜園をしている場所の近くや、窓際などの侵入経路に置くとよいでしょう。なお、同じハーブ系でもフェンネルはアカスジカメムシを引き寄せるため要注意です。
コンパニオンプランツとは、異なる種類の作物を一緒に栽培することで良い影響をもたらす組み合わせのことです。互いの成長を助けるだけでなく、病害虫の発生を抑えられることで知られています。
たとえば「ニンジン×エダマメ」の組み合わせは、ニンジンに寄生するアゲハチョウと、エダマメに寄生するカメムシを互いに寄せ付けにくくします。
予防しきれず侵入を許してしまったカメムシは、物理的に取り除くほかありません。ただ、刺激すると例のにおいを食らってしまうため、臭くならないよう対峙したいもの。ここでは、カメムシに異臭を放たせず捕獲・駆除する方法を紹介します。
「カメムシホイホイ」とは、ペットボトルなど身近にあるもので作成できる自作トラップのことです。用意するものはこちら。
誘引剤は必要ありません。カメムシが逃げるときに見せる「下へ落ちる習性」を利用します。作り方の手順は次の通りです。
ペットボトルではなく、牛乳パックで作ることもできます。上部を全開にし、中に台所用洗剤を入れるだけで完成です。
壁などに張り付いているカメムシを見つけたら、カメムシホイホイをカメムシの下に持っていきましょう。異質なものの存在に怯えたカメムシは、避難しようとして下に落ちます。そのまま洗剤の中に落ちて駆除成功という流れです。
現れたカメムシが数匹程度なら粘着テープがおすすめ。カメムシに粘着テープを貼り付け、素早く丸めるだけです。ゆっくり丸めると異臭を出す恐れがあるため、すきを与えず素早く行うのが鉄則。
昆虫の多くは熱湯をかけると即死、あるいは気絶します。お湯を沸かす時間さえ確保できるのであれば、非常に即効性のある手段でしょう。直接かけるほか、スプレーボトルに入れて噴射するのも効果的。
農作物に付いたカメムシを無農薬で取り除きたい方は、タバスコやコーヒーの原液を噴射する方法もおすすめ。殺虫剤よりも効果は落ちますが、ある程度の即効性を期待できます。また、コーヒーであれば嫌なにおいもしません。
ほかに、木酢液や竹酢液も効果的だという声もあります。原液を300~1,000倍程度に薄めてから使用するとよいでしょう。
カメムシが大量発生した場合や、洗濯物など汚したくない場所に止まっている場合は、凍結タイプの殺虫スプレーがおすすめです。カメムシを瞬時に凍結させ、においを出す前に動きを止められます。
上記は缶に虫のイラスト等が入っておらず、お部屋にそのまま置いてもインテリアを邪魔しません。
殺虫剤を使用してもかまわない場所であれば、殺虫剤を噴射するのがもっとも手っ取り早いでしょう。網戸や窓枠などにも散布しておけば忌避剤として効果を発揮できる商品もあります。
「あまりに大量発生している」「駆除してもキリがない」「気持ち悪いので駆除できない」といった方は、害虫駆除を専門とする業者に相談してみてはいかがでしょうか。
一般的に、駆除業者は家主立ち会いの下で被害状況を確認し、処置にかかる工数や費用の見積もりを出します。1社だけではそれが妥当かどうかの判断がつかないため、複数社に相談して比較するとよいでしょう。
費用はカメムシの数、被害範囲、メンテナンス度合いによって変動しますが、1万円~2万円前後だと考えておくとよいかもしれません。
専門業者に依頼するメリットは、特殊薬剤を用いた駆除や防除を施してくれる点です。「室内のカメムシはガス状薬剤で煙霧・燻蒸処理をする」「高所通気口には特殊器具と忌避剤を噴射する」など、状況に応じた対応を期待できるのも利点です。
一方で、なかには誠実とはいえない対応をする駆除業者もいます。業者選びにおいて価格面は重要ですが、安いだけで契約すると「安物買いの銭失い」になる恐れも。駆除実積、評判、接客応対の印象など、総合的な視点を取り入れましょう。
カメムシを駆除するにあたっての疑問や不安にQ&A形式でお答えします。知らずにやってしまうと手痛い「復臭」を受ける恐れがあるため、ぜひ参考にしてください。
A.気絶する個体もいますが、そうでない個体もいるでしょう。驚いたカメムシが掃除機内で悪臭を放った場合、そのカメムシを取り除いた後でもにおいが取れないかもしれません。掃除機を使うたびにカメムシのことを思い出したくなければ、止めておくことを強くおすすめします。
A.カメムシは明るい色と暖かい場所を好むためです。したがって、ポカポカした日に干されているシーツやタオル、Yシャツなどは格好の的になります。誤って取り込まないよう、カメムシが活発になる秋口は特に注意してください。洗濯物に卵を産み付けるケースもあるので要チェックです!
A.肌に付いたとき、服や洗濯物に付いたときの2パターンに分けてお答えします。
カメムシが出す分泌物は油や界面活性剤で分解できるため、オリーブオイルやサラダ油、食器用洗剤で洗うのが効果的です。クレンジングオイルでもかまいません。においが付着したところに数滴垂らしてよくこすり、石鹸で洗い流しましょう。
同じく、界面活性剤入りの洗剤で洗うとよいでしょう。また、カメムシが出す分泌物は発揮性のため、においのする場所にスチームアイロンを当てるのも効果的。
カメムシは秋頃にかけて大量発生する傾向があります。発生そのものを押さえるのは不可能なので、まずは侵入させない対策が必要です。網戸や窓際といった侵入口を物理的に塞いだうえで、忌避剤をまくとよいでしょう。農作物は防虫ネットや寒冷紗でガードするほか、コンパニオンプランツで寄せ付けない手もあります。
駆除するときは刺激を与えないよう要注意。手っ取り早いのは殺虫剤ですが、薬をまきたくない場合は凍結殺虫剤やタバスコ、原液コーヒー入りのスプレーも効果的でしょう。数が少なければ、中性洗剤を入りのカメムシホイホイもおすすめです。
個人の手に負えない場合は無理をせず、専門の駆除業者に相談するのも一つの手です。処理にかかる工数や費用はケース・バイ・ケースのため、駆除業者選びは納得したうえで選びましょう。安いだけで飛びつくと後悔するかもしれません。