「モーニング娘。'25」小田さくらが考える猫との向き合い方とは? 58匹の保護猫をお世話したからこそ話せるコツ
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目次/ INDEX
唐突にすみません、飲み食い大好きライターのヒラヤマヤスコです。
めちゃくちゃ生活感のある台所からこんにちは
「中華料理」「辛いもの」「酒に合うもの」が大好きなので、家には常にラー油をストックしています。最近は餃子なんかも、お酢とラー油だけで食べるのが好きです。
また、中華はもちろんですが、ゴマだれとラー油でうどんを食べたり、おでんに「食べるラー油」をちょい乗せしたり、ちょろっと垂らすだけでいろんな料理にブーストをかけてくれる、頼れる食卓の友。
せっかくなら、もっとおいしいラー油を食卓に常備したい!
なんなら自分でいつでも作れるようになりたい!
というわけで、中華街へ走っていろいろ材料を買いあさってきました!
今回、作るラー油は4種類。
前半の2種類は、中華料理の監修やアドバイザーなどをされているアイチーさんに、簡単でおいしいラー油の作り方を伝授してもらいました。頼もしい!
愛吃(アイチー)
中国各地の多彩な地方料理との出合いを楽しむコミュニティ『中華地方菜研究会~旅するように中華を食べ歩こう~』主宰。中華料理にまつわるコーディネート・アドバイス・監修なども行う。一つの「食」を愛し極めた「偏愛フーディスト」プロデュースの期間限定レストラン『偏愛食堂』中華料理担当。料理・飲食系Webサイトにて執筆記事多数。
覚えると一生、ラー油には困らない(!)シンプルなラー油レシピから、フレッシュハーブを使った変化球まで、いろいろ作ってみようと思います。
使用する粉はこの3つだけ!
まずはお手軽なシンプルラー油から調理スタート。材料もすべてスーパーで揃い、工程わずか3つ、なんなら所要時間も3分でできちゃいます。粉を合わせて、油をあっためて、粉にかけたら完成。
「ラー油買い忘れた!」って時にパパッと用意できるのがうれしいですね。
材料は下記の通り。
《粉》
《油》
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アイチーさんいわく、一味唐辛子で作るとストレートにビシッと辛く、七味唐辛子で作ると辛みがマイルドでほんのり爽やかな味わいに仕上がるそう。私は辛いのが好きなので、一味唐辛子を用意しました!
五香粉や八角、いまや庶民派のスーパーにも並んでることが多くなりましたよね。ひとふり&ひとつ加えるだけで一気に本格的な味わいになるので、いい時代になったな〜と思います。
サラダ油を鍋へ……
サラダ油を鍋に入れて、八角を1つ落とし、中〜弱火で油を温めていきます。目指す温度はだいたい160℃。
鍋はこちらの『厚板アルミ行平鍋 16cm』を使いました。フチに注ぎ口がついているので、熱い油を注ぐ時にも安心です。
細かーい泡が出ているの、わかりますか?
160℃くらいの温度で、八角がチュワチュワ音を立てて細かい泡が出てきます。この状態をキープして、油に八角の香りを移します。
粉にかけた時に、ジュクジュク穏やかな泡を立てながらじんわり全体がなじむそう。これより温度を高くすると、かけた時の泡立ちの勢いがよくなり、煙と香りが立って香ばしさが加わると教えてもらいました。
このへんは好みでいいですが、油の温度が高すぎると焦げやすくなります。ちなみに、八角からブクブク泡が出て、いかにも“揚げてる”ような状態になると温度が高すぎ。火を止めるか、鍋を火元から離して温度を調整しましょう。
温まった油をボウルにかけたら完成です。
ジョワーーーー
泡が立つと同時に、唐辛子の香りが立ち上ります。これで完成!
あとは冷まして清潔な瓶に保存するだけ。めちゃくちゃ簡単ですよね。
続いて作るのは、先ほどの「基本のラー油」をベースに、香り付けのためのスパイスをたっぷり使った「アレンジラー油」。具材として干しエビやにんにくも加えて“食べるラー油”としても使えるものを作ります。
八角のほかに香味移しに良いものは、「ローリエ・花椒・桂皮・草果・香菜・玉ねぎ・長ねぎ・生姜がおすすめですよ〜」とアイチーさん。
「香味と食感の追加には、砕いたピーナッツ・刻みorスライスのにんにく・干し桜エビなどを加える」、「すりゴマの代わりに花椒粉・ピーナッツ粉にしてもおいしい」などの情報もゲット。説明を聞いただけでもわかる、ラー油の無限なる可能性……。
材料にはさまざまなスパイスを使いますよ!
「せっかくならいろんな香りを忍ばせたい!」ということで、アレンジラー油のラインナップはこちら。
《粉》
《油》
《味付け》
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香り付けのスパイスが多いので、油は気持ち足してもいいかもしれません。
まずは干しエビとにんにくを細かいみじん切りにして、唐辛子と合わせておきます。
一味唐辛子も、中国産ものをチョイス。国産の唐辛子はソリッドな辛さなんですが、中国産の唐辛子は辛さのなかに甘い風味や香りがあるんですよね〜。
スパイス類を油に浸すようにして火にかけます
甘っぽいのと爽やかなのと辛っぽいのと、いろんな香りが鍋から立ちのぼって、すごく幸せな気分に! 香りだけでよだれが出てきちゃう!
時折、鍋を斜めにして全体に油が回るようにしたり、長ねぎをひっくり返したりしながら、じっくり火を入れていきます。
油に十分に香りがうつったら、先ほどのボウルに油をかけて完成です。
スパイスたちを回収!
ちなみに、スパイスの回収には「かすあげ」が便利です。本来は揚げ物をした時に天かすをキャッチするやつなんですが、金属製なので油が高温でも溶ける心配がなく、網目が細かいので花椒などの細かい粒もすくいやすいですよ。
スパイスの組み合わせだけでなく具材の組み合わせもあり、組み合わせ多様なラー油作り。さらにアレンジを効かせてみようと思い、「東南アジア風の食べるラー油」にも挑戦してみました。
もともとベトナム料理やタイ料理が好きだったんですが、中華のなかでも、ラオスやミャンマーに接する雲南省の中華がここ最近のブーム。柑橘やフレッシュハーブを多用する東南アジア料理のテイストを、ラー油にも加えてみようという魂胆です。
材料はこちら。
《粉》
《油》
《味付け》
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熟す前の青い状態で実を乾燥させた「青花椒」が売っていたので、ノーマルな花椒とブレンドしています。青花椒は未熟なゆえのスカッとした香りが特徴です。なければ普通の花椒で大丈夫です。
粉と合わせておく具材を、それぞれみじん切りにします
レモングラスは根元から5〜6cm程度のところを切って、具にします。THE・繊維質!!な食感なので、食べた時のストレスにならないよう細かくみじん切りにしておきましょう。
余った茎の部分は、ざく切りにして油に入れて香り要因になってもらいます。具材と油と、ダブルのレモングラス使いがポイントです。
玉ねぎもみじん切りにしておきます。
鍋に油を張り、みじん切りにした玉ねぎを加えて火にかけます
そのまま低温で揚げはじめましょう! ここでフライドオニオンを作りはじめます。
香りを出すのに玉ねぎもいいというアイチーさんのアドバイスを受け、
「なんならフライドオニオンにしたらええんちゃう? 香りも油に移せるし、揚がったやつは具にできるんちゃう?」と思い立ったわけです。
低温で10〜15分くらいでじっくり揚げていくと、甘くて香ばしいフライドオニオンができあがります。かすあげですくって、粉類と合わせておきます。
レモングラス、香菜、干しエビにフライドオニオン。ぶっちゃけ、これ混ぜて舐めるだけでもおいしそう……
玉ねぎの香りがついた油に、残りのスパイス&ハーブ類を加えて香りを出していきます
レモングラスとコブミカンの爽やかなフレーバーに、青花椒の若々しい刺激が重なって、こちらも超絶いい香り! さっきのスパイスラー油とはベクトルが全然違う香りです。
こちらも、かすあげでスパイス&ハーブを回収し、ボウルの粉類と合わせます。立ちのぼる南国の香り、ぜひ嗅いでほしい……。
やるなら味付けも南国で!
甘み付けにタイのココナッツシュガーを、塩味にナンプラーを使いました。
雑味の多い甘さが、かえって味わいを奥深くしてくれます。日本製のきび砂糖でもいいので、ここはぜひグラニュー糖や上白糖ではない砂糖を使ってみてください。
えーっと、赤くないラー油があってもいいと思いませんか?
そもそもの話になっちゃいますが、ラー油って、おいしいのはいいんですけど、入れたらもれなく全部赤くなるじゃないですか。料理によっては、食材の色合いを損ねてしまうってことがあると思うんですよね。
というわけで思いました。
赤くないラー油、作れるんちゃう?
乾燥唐辛子の代わりに生の青唐辛子を使用し、ほかの材料も緑色のもので固めて「緑色のラー油」に挑戦してみました。
唐辛子は、タイなどの食材が買えるスーパーで買った「プリッキーヌ」という激辛唐辛子!
時季やエリアによりますが、輸入食材に限らず、国産の青唐辛子もちょこちょこ見かけます。新潟には「かぐらなんばん」、長野には「ぼたんこしょう」、香川には「香川本鷹」といったご当地唐辛子もあるので、それらで作ってみるのもよさそうです。
材料はこちら!
《粉》
《油》
《味付け》
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ここでちょっとしたトラブルが。
プリッキーヌを味見してみたら……
「ギュワアアアアア!! 辛ええええ!!!」
予想以上に辛かったんです。先端を少し齧っただけでも汗が吹き出るレベルの辛さ。
とはいえ私は「CoCo壱」で10辛イケるという辛さ耐性ガバガバ人間なので、問題ないといえば問題ないんですが、もれなく私しか食べられないラー油ができあがってしまう……。
というわけで急遽調整。冷蔵庫にあった辛さがマシな青唐辛子も使うことにしました
結局、具材的に使ったのは、プリッキーヌ1本分、残りは辛さがマシな唐辛子。これらをタネごと細かいみじん切りにしていきます。
青唐辛子を少なめにして、残りはししとうやピーマン、万願寺唐辛子などの辛くない唐辛子を組み合わせるなどして、自分にちょうどいい辛さと食感のバランスを探してみてください。
緑づくし!
みじん切りにした青唐辛子と青花椒粉、同じくみじん切りにした香菜とにんにくも加えてボウルに合わせておきます。
なかなかの刺激なので、肌が弱い人や手指に傷がある人は手袋をして切ってください。切った手でうっかり顔とか触るとピリピリします。
例のごとく、もろもろを油に加えて加熱していきます
シュワシュワ昇り立つ香りとともに、プリッキーヌから溢れ出すカプサイシンの刺激が充満!
うっかり家全体が催涙弾に。
別室にいた辛いのが苦手な夫のところにも刺激が伝わってきたようで、涙目になりながら、キッチンが風下になるように扇風機をブン回してました。ごめんやで……。
こちらも油以外をかすあげで回収し、熱した油をかけまして……。
冷まして瓶詰めし……。
世にも珍しい、緑色のラー油
この通り、きれいな緑色に仕上がりました。ぱっと見ジェノベーゼソースみたいですよね。
ジャジャーーーン!!!
ついに4種類のラー油ができあがりました!
保存瓶には150mlが入るこちらを使用。
けっこういっぱいいっぱいになったので、170〜200mlが入る、もうひとまわり大きな瓶でもよかったかもしれません。
左上から時計回りに、基本のラー油、香りラー油、緑のラー油、エスニックラー油。具によって、見た目もけっこう変わりますね。
さっそく料理に使ってみます!
その日の夜は、おうち中華! できたてホヤホヤのラー油を、いろんな料理にかけて食べてみました。
たとえば水餃子には黒酢と基本のラー油。
シンプルなレシピだからこそ、どの料理にも合います。
ピータン豆腐には香り高いアレンジラー油を
ピータンはクセのある食材ですが、重層的な香りをまとうことで臭みなどがマスキングされてよりおいしく!
エスニックラー油もめちゃくちゃウマい!
茹でた豚ハツにかけたんですが、ジャクジャクした具材の食感と、鼻に抜けるレモングラスの香りが豚肉に合います。というか、肉全般に合うラー油だなと思いました!
エスニックラー油と麺つゆを垂らしてねぎ散らして、そうめんを食べるなんてのもよさそう。
緑のラー油は、食材の色をそのまま活かしたい料理に大活躍します
たとえばタイなどのお刺身や、サラダチキンなどの“色の薄い食材”をメインにする時。
タイの柵を湯引きしてから刻んだ野菜と合わせて、柑橘の汁と塩(もしくは白だし)、緑ラー油をポタポタ。
カルパッチョ的な前菜ができあがります。
花椒がビリリと効いていて、食べるとちゃんと「中華!」な味わいが新体験。
スパイスの組み合わせ・具材の組み合わせ・唐辛子の種類・油の種類・味付けの種類……。あるいはそのすべてのかけ合わせで無限に味を変えられるラー油の世界に、どっぷりハマってしまいました。
フライドオニオンやゴマをもっと増やして歯ごたえの強いものを作ってもいいなと思ったし、島とうがらしにウコンを加えた沖縄っぽいラー油なんかもおいしそうだし。これから西日本では柑橘が出回ってくるので、柚子皮をたっぷり入れたラー油なんかもいいなあ……と、次はどんなラー油を作ろうかワクワクしています。
みなさんも手作りラー油の沼に来ませんか?
「これが私の至高のラー油!」という組み合わせがあれば、ぜひ教えてください。
余ったスパイスは、カレーや麻婆豆腐やポトフなど、料理のいろいろに使うと風味が引き立ちます。
私は小鍋に水とスパイス、すりおろした大量の生姜と黒糖を火にかけて煮詰め……
自家製のジンジャーエールシロップを作りました。こちらもおいしいのでぜひ!