意外に多い「隠れ口呼吸」に注意! デメリットだらけなので治し方を医師に聞いてきた
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ヒグマの頭胴長(鼻先からお尻まで)は200~230cm、体重は150~250kg
国内に出没するクマには、大きく分けて2種類がいます。北海道地域に生息するヒグマと本州で見られるツキノワグマです。ヒグマは、ユーラシア大陸や北米に見られる、北半球を代表する大型哺乳類です。
北海道に生息するヒグマは、世界の別の地域で見られるヒグマのなかでは最小ですが、ツキノワグマと比べると大きく、食性は肉食寄りの雑食です。
ツキノワグマの頭胴長は120~150cm、体重は70~120kg(画像提供:(C)佐藤嘉宏)
ツキノワグマは、ユーラシア大陸の東側に生息しています。本州では青森県の南部から京都府まで大きく連続して分布し、中国地方や紀伊半島、四国では孤立したかたちで分布しています。その名の通り首元に三日月状の白い毛が生えているのが特徴で、食性は草食寄りの雑食です。
ツキノワグマは3~4歳で性成熟しメスは子を産み始めます。一方、若いオスはより強い7~8歳のオスがいるため、なかなか繁殖のチャンスは回ってきません。
なお、寿命も平均で3〜4歳ですが、それは1歳になる前に半分のクマは命を落とすからです。生き残ったクマは比較的長く生き、15〜20歳まで生きるクマもいます。
冬眠から明けた春は体の脂肪が落ち、餌を探して森を歩き回っています。山菜取りなどで人間が山に入っていく場合に遭遇しがちです。
夏は餌が最も減少する時期で、少ない餌を求めてガリガリの姿で歩き回っています。暑さを凌ぐために冬眠ならぬ夏眠をする個体もいます。
大西さん
クマにGPSをつけて行動圏を調査した研究で判明したのですが、クマたちが夏に食べる山ぶどうや野いちごは日の当たる明るい場所を好むため、森の端で多く見られます。森の端は標高が低いので、クマは山を降りてきやすい状況にあるといえます。
秋は冬眠のためにより多くの餌を探しています。餌の量は夏と比べると倍以上。キノコシーズンで山に入ってくる人とも遭遇しがちです。
冬は冬眠しています。冬眠には木のうろや岩穴などを使います。ヒグマは倒木の下などを自分で掘って穴を作ることもあるようです。
冬眠というと、人間のようにぐっすり眠っている状態を想像しがちですが、脳は活動しています。冬眠とは、代謝を落とし、エネルギーの消費量を抑えてじっとしている状態であり、眠っているわけではありません。メスは冬眠中の1月ごろに出産します。
ミズナラの樹洞を使った冬眠穴(画像提供:(C)佐藤嘉宏)
温暖化の影響などにより「冬眠しないクマが増えているのでは」という指摘がありますが、多くの場合は冬眠中に大きな音などに警戒して様子を見に出て来たクマや、別の冬眠場所へと引越し中のクマが目撃されているケースが大半であると思われます。
ツキノワグマの親子(画像提供:(C)佐藤嘉宏)
冬眠中に生まれた子グマは、1年間親グマと過ごし、一緒に冬眠して次の夏に親離れします。街に出没する若いオスグマの多くは、この親離れしたオス。クマを含む一般的な哺乳類の特徴ですが、メスは親離れしても隣接した地域で暮らすことが多いのに対して、オスは年長の強いオスがいない場所を探して遠くに行く習性を持っています。
若いオスが新しい生活の場を求めてあちこち歩いているうちに、気がついたら人のエリアに入っていた、というケースは少なくありません。
樹上の若いツキノワグマ(画像提供:(C)佐藤嘉宏)
また、オスから逃げる子連れのメスのクマが迷い込むこともあります。メスは子がいる状態では交尾に応じないので、オスは子を殺そうとします。子連れのメスからすれば、子を殺されたくないので、オスから逃げ回った結果、より環境の良くない人里に近づきがちになる、という研究もあります。
【参考】岩手県盛岡市中心部の空港写真空撮。川沿いに緑の帯が確認できます
なお、街の中心部にクマが出没するケースの大半は、山から流れている川沿いの藪を通り迷い込んできた可能性があります。
大西さん
川の周りに街は栄える傾向があるので、川が山と街をつなぐ道になってしまっているんですね。川に沿って移動していたら、いつのまにか森じゃなくなっていたと、クマも困惑しているかもしれません。
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大西さん
ツキノワグマで20歳というと、人間の100歳くらいのイメージです。「野生で20歳はご立派!」といった感じですね。