野菜作りをはじめて3ヶ月目の人が、野菜作りをはじめていない人に伝えたいこと
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目次/ INDEX
耳掃除専門店「カレイドスコープ」の代表・田中ひろみさん(左)に取材しました
大人になると、なかなか誰かに耳掃除をしてもらうことなどないもの。耳掃除が苦手……という方の中には気がつけば数ヶ月、いや、数年間掃除していないこともあるのです。
そんな耳掃除が苦手な方や、反対に耳掃除が心地よくてやめられないという方を虜にしている場所が、耳掃除専門店「カレイドスコープ」です。YouTubeをはじめとしたメディアでの知名度も高い同店は、自分では見ることのできない耳の中をカメラで映しながらお掃除するのが特徴。時には“お宝”と呼ばれる巨大な耳垢が取れることも。
そこで今回は、お店に伺い普段なかなか見ることのできない耳の穴の中を覗かせてもらいました! 果たして自分の耳の中の世界はどうなっているのでしょうか?
田中さんは、耳掃除のやりすぎで耳鼻科のお世話になるほどの経験を持つ生粋の耳掃除好き。「耳垢は虫が嫌がる成分や防カビ成分も入っているので、実は腐ることもないんですよ」と話すよう、カレイドスコープでは耳垢の“お宝”を大切に保管していました。
耳垢の“元”は耳の奥から外へ移動し、入り口で剥がれ落ちた皮膚。これに耳の中の分泌物が混ざり合い、耳垢となって体の外へ排出されます。鼓膜の保護や耳の穴に侵入したゴミやホコリの吸着に加え、感染予防などの効果もある地味にすごいヤツなんです。
ちなみに耳垢は、耳の中の脂分を含んだ分泌液の量により、カサカサした乾燥タイプと、しっとりした湿性タイプ(アメ耳)に分かれますが、脂分が多いと黒っぽい耳垢に、少ないと黄色っぽくなります。
田中さん
カレイドスコープでは取れた耳垢を名刺の上に置く、奇行とも呼べるパフォーマンスも人気! 紺の部分には耳垢を、白い部分には髪の毛などを置いていきます。
初めに耳の外側をふわふわの泡で洗浄してもらいました
耳掃除前に行うマッサージは、仕事や勉強の合間のリフレッシュにも使える裏技。疲れたと感じたときには、痛気持ちいい程度の強さで耳周りを揉み込んでみたり、耳を持って上方向に引っ張ったりしてみましょう。
田中さん
耳周りには神経やリンパ節があるので、血行を良くすることで老廃物が流れ、様々な不快症状の緩和が期待できると思います!
蒸しタオルで耳全体を覆うように温めるのもリラックス効果があります。耳のマッサージと合わせて行うと気持ちがいいです。
蒸しタオルよりも手軽に使える、田中さんもオススメの耳の温めグッズ
マッサージを終えると、次はお待ちかねの耳掃除。カメラを耳の中に入れてみると、耳の穴の入り口付近には意外と毛が生えていました。
正面のモニターに耳の穴の内部が映し出されます
この毛量は多くもなく少なくもなく普通とのこと。耳毛は外からのゴミやほこりの侵入を防ぐ役割もありますが、カレイドスコープでは施術のため耳毛をきれいにカット。耳毛は1カ月ほどで元通りの長さに生えるそうです。
耳掃除専用のスコープ
スコープとハサミを耳の穴に入れる神業 ※耳毛カットは特別な技術が必要なため真似をしないでください
田中さん
赤ちゃんでも耳の中には産毛が生えているんですよ。年齢や性別は関係なく、人によって太さや濃さは様々です。
カメラと極細綿棒を耳の穴の中に入れています
耳毛がなくなり、ようやく全貌が見えてきた耳の中。
耳毛が生えている部分と生えていないピンクの皮膚の部分の境目あたりに、カサカサの耳垢がこびり付いていました。
耳垢がカサカサタイプでもしっとりタイプでも、カレイドスコープでの耳掃除の方法は変わりません。軸がへたらないという特注の細い綿棒に耳専用のローションをつけ、拭き取るよう丁寧に耳垢を除去していきます。
2mmと3mmの極細綿棒を使い分けています
ピンクの部分のさらに奥にある白い部分が鼓膜です。「奥の鼓膜のところに耳垢がついていますが、危ないので取らずに残しておきますね」とのことで、乾いた綿棒などでお掃除をすると、カサカサタイプの場合は粉砕して鼓膜の方へ落ちてしまう場合も。奥に行ってしまったカサカサ耳垢は、再び耳の外へ動いていくので無理に取る必要はありません。
鼓膜付近の皮膚がピンクに見える理由は、皮膚の下を通る毛細血管が透けて見えているから。耳奥は目元の皮膚以上に薄いため、とてもデリケートなのです。耳奥を綿棒などでかくと、皮膚の薄さゆえに初めは痛みが生じるものの、迷走神経も通っているため、触れば触るほど「痛い < 気持ちいい」に変わっていくとのこと。
そのため、耳掃除のやりすぎで鼓膜近くまで傷だらけになっている人や、ガサガサと耳垢の音がすると思いきや、実は耳垢ではなく鼓膜を触っていた人も多いのです。
田中さん
ピンクの部分には快感を生じさせる“迷走神経”が通っているので、耳かきで触れば触るほどハマってしまうことも。私もその1人で、昔は外耳炎で熱を出しては耳鼻科の先生に怒られる……の繰り返しでした。
「耳の奥まで触りすぎている方は、鼓膜にたくさん汚れや傷が付いているので、カメラで覗くとすぐにわかりますね」と、プロともなれば耳垢の張り付き具合や場所で、普段のお掃除の様子がある程度予測できるといいます。
気持ちいいからと耳奥のお掃除にハマってしまう人も多いですが、やればやるほど傷つきやすい危険な場所でもあるのです。
施術を受け、耳掃除は“かく”のではなく耳専用のローションで湿らせた綿棒で拭うことが基本だとわかりましたが、それでは、私たちが普段行っている耳掃除はどうなのでしょうか?
今回は特別に、竹・金属・コイル式といった、よくある耳掃除道具でのお掃除方法も教えていただきました。
金属や竹製の耳かきが入ったのは、耳毛が生えている穴の手前まで。孫の手のような形だからか、うまく耳垢を集められません。カメラで耳の中を確認してみると、一般的な耳かきや綿棒がいかに大きいかがわかります。
また普段は、コイルの溝部分に耳垢を集めるコイル式の耳かきを使用している体験者。普段の道具でお掃除する様子を見てみると、カサカサの耳垢は見事に粉砕されていました。
このように、一般的な道具を使用しての耳掃除は、耳垢を奥へと押し込んでしまったり、カサカサ耳垢が奥に落ちてしまったりする可能性があります。そのため、セルフケアで耳に一番やさしい方法は、ローションを付けた綿棒で耳垢を "ふやかして拭う”なのです。
ただし、耳の中でも産毛が生えていない奥のピンク色の部分は、前述のとおり皮膚が非常に薄く、乾いた綿棒でちょっと触っただけでも傷がついてしまう注意が必要な場所。この部分はふやかして拭うこともNGな、アンタッチャブルゾーンと覚えおきましょう。
田中さん
もちろんお好きな道具を使っての耳掃除でもいいですが、セルフケアの場合は耳の入り口から1cmまでの場所だけにしてください! 一般的な綿棒の綿の部分がほぼ1cmのため、その長さを目安に道具を短く持ってお掃除しましょう。
耳かき道具の柄は短く持つ
耳掃除はセルフケアが基本ですが、知らず知らずのうちに間違った方法で掃除をしている場合も。乾いた綿棒を使ったり、お風呂上りに耳掃除をしたり、家族で共有して同じ耳かきを使ってしまったりと、意外にやりがちなNG事項について田中さんに聞きました。
本当に爪楊枝やネジで耳掃除をする人などいるのか……と質問したところ「いるんですよ!」と即答する田中さん。耳毛が気になるからとセルフカットしたところ、耳の中が血だらけになった方もいるそうです。
耳垢が詰まる多くの原因としては、お掃除をしていたつもりが、実は綿棒や大きな耳かきが耳垢を奥へ奥へと押し込んでいること。お風呂上がりは耳垢がふやけて取りやすいからと綿棒でお掃除……というのはやりがちですが、耳垢を奥に押し込んでしまう可能性もあるので実はNG。
また、耳掃除の頻度は1ヶ月に1回でOK。1ヶ月周期で正しい耳掃除を行うと、思わぬ“お宝”が出てくるかもしれませんよ。
「耳掃除=耳垢除去」だけではなく、耳周りのケアも欠かさずにしたいところ。なかでも耳毛が生えていた耳の穴や耳たぶの裏側には、ワキの臭いの原因であるアポクリン汗腺があるため、角栓の詰まりや臭いの原因になることも。入浴時に耳の裏も清潔にするのも、耳掃除の一環です。
田中さん
実は耳には、小鼻と同等数の毛穴があるんですよ! 毎日のお風呂上がりにタオルで耳周りを拭うことも大切なセルフケアです。
カレイドスコープでの施術後、早速イヤホンを耳に入れてみたところ、いつも聞こえていた耳垢が動いているようなパリパリ音はナシ。週1回の頻度で耳掃除はしていましたが、完璧に耳垢が取り除かれたからか爽快感がありました。
田中さん
カレイドスコープには、国内に20人ほどしかいない「一般社団法人JEBジャパンイヤービューティ協会」の認定イヤーエステティシャンが在籍しています!