裏庭をボタニカルにイメチェン! 手軽に出来るマイクロ家庭菜園!
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目次/ INDEX
猫は本来、無闇な喧嘩はしない主義です。例え気に入らない猫と出くわしても、どちらかが引くまでにらみ合いでけん制し、喧嘩になることを避ける習性があります。
それは、喧嘩をしてしまうと傷を負うリスクがあるためです。自然界の動物にとってケガは命取りになるので、できる限りお互いに直接対決は避けて生きているのです。
しかしなかには、よく飼っている猫同士が取っ組み合いをしている姿を見かけるという飼い主さんもいるかもしれません。
もしどちらかが一方的に攻撃しているわけではなく、お互いに甘噛みでやり過ごしているなら喧嘩ではなく単なるじゃれあいの可能性が高いです。遊びやコミュニケーションの一環なので、エスカレートしない限りは放置していても大丈夫でしょう。
じゃれあいと本気の喧嘩の見分け方としては、以下のようなポイントがあります。
喧嘩と遊びの分かりやすい違いは、鳴き声です。威嚇や唸るような声をあげてにらみ合っているのはこれから喧嘩が勃発するサインです。大きな叫び声をあげながら取っ組み合いをしているときは、本気の喧嘩中であることが多いです。
猫が耳を頭の方へピッタリと倒す様子は俗に「イカ耳」と呼ばれますが、これは警戒や不安、恐怖、怒りなどの現れです。しっぽをブンブン振り回して苛立ちをアピールすることもあります。
毛を逆立てて背中を丸めているポーズも、猫が喧嘩をするときの特徴です。ただし、驚いたり興奮しているときにも毛が逆立つことがあるので、鳴き声と併せて判断するのが良いでしょう。
また、喧嘩中は攻撃の本気度も違います。首根っこや鼻先、目などの弱点を着実に狙い、爪や牙を使って攻撃します。ただのじゃれあいのときは爪が出ていない「猫パンチ」をしたり、甘噛みで応戦するので大きなケガをすることはあまりありません。
成猫同士でじゃれあって遊んでいる場合はどちらかが逃げ出す=終了なので、しつこくすることは稀です。どちらかが一方的に攻撃していたり、逃げる相手をしつこく追いかけまわしているような場合は本気の喧嘩かもしれません。
もともと好戦的ではない猫が喧嘩をするときは、ほとんどの場合きちんとした理由があります。よくある喧嘩の原因をまとめたので参考にしてみてください。
多頭飼いしているお家では、猫同士の相性が悪いと喧嘩になることがあります。理由はわかりませんが、小さい頃から何匹か一緒に暮らしていても相性の良くない猫同士というのは筆者の家にも確かにいました。
顔を合わせただけで威嚇するほど喧嘩っ早いか、普段はできるだけ接触しないように過ごして争いを避けるかは猫の性格にもよります。
一般的に仲良くなりにくいといわれているのが、同性の成猫同士です。特に大人になってからはじめて顔を合わせたオスの猫同士は難しいことがあり、基本的には体が大きいほど腕っぷしに自信があるため自分から身を引くことをしなくなります。
同じくらいの年齢や体格で気が強い猫同士だと、競争意識から喧嘩に発展する場面も少なくないかもしれません。
外猫の場合、縄張り争いから喧嘩になるケースはとても多いです。特に未去勢のオス猫は縄張り意識が高く、自分の縄張りに他所の猫が入ってくるとまず威嚇して追い出そうとします。相手の猫が威嚇に動じず、出て行くそぶりを見せないと喧嘩になります。
また、家の中で飼われている猫でも、もともとソリが合わない猫同士はそれとなくテリトリーを分けて暮らしていることがあります。
猫は自分が大事にしているパーソナルスペースを乱されることを嫌います。例えばキャットタワーのてっぺんや、お気に入りのベッドなど、同じ家で暮らしていても他の猫には譲れないパーソナルスペースを持っている猫もいます。
多頭飼いをしている場合は一方のテリトリーに侵入したり、寝床の取り合いなどがきっかけで喧嘩が勃発することがあります。
猫もストレスが溜まると、いわゆる「八つ当たり」をすることがあります。強い不満や恐怖を感じてパニック状態になった猫が、不満とは直接関係のない相手に攻撃することを「転嫁行動」といいます。
八つ当たり(転嫁行動)の矛先は、自分より弱い相手や慣れている相手であることが多いです。多頭飼いをしているお家では、同居猫がストレスのはけ口になってしまうことがあるので注意しましょう。八つ当たりをされた側の猫の気が強いと、そのまま本気の喧嘩に発展してしまう可能性もあります。
また、大きなストレスを感じた猫が飼い主さんのことを噛んだりひっかいたりという行動に出ることもあります。以前は穏やかだった飼い猫がやたらと同居猫に喧嘩をしかけるようになったり、血が出るほど人間に噛みつくなど、性格が変わったように見える場合はストレスを疑ってみてください。
性格が攻撃的になる以外にも、食欲の低下、下痢や軟便、粗相(マーキング)、過剰なグルーミングなどがストレスサインとして現れることが多いです。
原因がストレスであればそれを取り除くことで改善する可能性もあります。転嫁行動や体調不良がひどい場合は一度かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
同居している飼い猫同士のじゃれあいなら基本的に止めなくても心配ありません。しかし時々、遊びから喧嘩に発展してしまうことがあります。
普段からよくじゃれあっている猫同士ならお互いに止め時を心得ていることが多いですが、一方が興奮してしつこくしたりすると、もう一方が怒って喧嘩になってしまうこともあります。シャーシャーと言いながら威嚇をはじめたり、しつこく追いかけまわしている様子が見えたら要注意です。
そういった場合は威嚇の段階で仲裁に入るか、大きなケガをしないように見守っていて、エスカレートするようなら止めましょう。
未去勢のオス猫は、発情期にメス猫をめぐって喧嘩をすることがあります。メス猫の発情期のピークは主に春と夏で、オス猫はメスのフェロモンや鳴き声につられて発情します。
外で暮らす猫の場合、発情すると繁殖のためにメス猫を求めて縄張り内を歩き回ります。オス猫の縄張りはメスに比べてとても広く、複数のメスの縄張りを囲むようにして作られています。他のオスと微妙に縄張りが被っていることもありますが、普段はお互い出くわさないようにして上手く喧嘩を避けているといわれます。
ところが発情期になると、オス猫は普段よりも好戦的になり、強さを示すため喧嘩をすることが増えます。自分の子孫を残すために他のオスを排除して、メス猫を奪い合うための行動です。
完全室内飼いでも、未去勢のオス猫や去勢が遅れたオス猫の場合は注意が必要です。外にいる発情期のメス猫の匂いや鳴き声に反応して、発情行動をとってしまうことがあるためです。
発情中のオス猫は普段よりも気性が荒くなるため、多頭飼いの場合は喧嘩に気をつけましょう。
一見すると見境なく戦っているようですが、実は猫の喧嘩には一定のルールがあります。基本的には喧嘩を避け、やむを得ず喧嘩をする場合にもルールに従って行うのが猫界の決まりになっています。
猫にとって、じっと目を合わせる=喧嘩をする気があるという意味になります。猫は体や顔が大きい相手のことを強いと認識するため、勝ち目がない相手と積極的に喧嘩することは滅多にありません。
相手が自分よりも体格が良くて強そうな猫の場合、一度は臨戦態勢になったとしてもすぐに負けを認め、目をそらして逃げの姿勢をとります。そういったシーンを見かけたら、戦う前に喧嘩の勝敗が決したと思いましょう。
戦えそうな相手だと判断すると、お互いに目をそらさずしばらく威嚇や唸り合いをします。どちらか一方が先制攻撃をしかけた瞬間、喧嘩開始のゴングが鳴ります。
喧嘩中は、叫び声をあげながら鋭い爪や牙で急所を狙って攻撃を繰り広げます。
ちなみに、よく勘違いされますがひっくり返ってお腹を見せるポーズは「降参」の意味ではありません。猫同士の喧嘩では劣勢になった方が地面に背中をつけて仰向けになることがありますが、これは「かかってこい!」に近い意味があるといいます。お腹という急所をさらすリスクはありますが、両手両足を使って攻撃できるようになるため、起死回生のチャンスを狙っているといえるでしょう。
そうこうしているうちにどちらか一方が反撃をしなくなったら、喧嘩終了の合図です。
相手に敵わないと判断した猫は、体を小さくかがめて耳を倒し、しっぽや手足を体の下にしまい込んで伏せの姿勢をとります。「完全降伏」のアピールです。負けた方がこのポーズをすると、勝った方がそれ以上攻撃することはほぼありません。
猫は基本的に相手と自分の力量を測って喧嘩をするので、致命傷を負う・負わせるまで戦い続けることはしないといわれています。
また、猫界では一度ついた喧嘩の勝敗が覆ることはありません。喧嘩によって強さの優劣が決まると、同じ猫同士が喧嘩をすることはなくなるといいます。
同居猫同士が喧嘩をしていると、どこまで放っておいて大丈夫なのか、どこから止めるべきなのか見極めが難しいですよね。
前述のように、同居猫同士のじゃれあい程度であればお互いに力加減が分かっているので心配はいりません。ぶつかり合ってコミュニケーションをとることで、その後の猫同士の関係性が良くなることもあります。
ただし、威嚇や唸り声が聞こえる場合は放置せず、これ以上エスカレートしないように注意してください。普段から仲が良い猫同士なのか、そうでないかも喧嘩の本気度を見分けるポイントになります。あまりに激しく鳴いていたり、爪を出して取っ組み合いをし出したら仲裁に入り、ケガを防ぎましょう。
猫の喧嘩を止めるには、何かで気を引く方法がおすすめです。おやつの袋をチラつかせたり、2匹の間におもちゃを投入したり、大きな音や聞きなれない音を出すなども有効です。このとき、猫を直接叱ったり、なだめようと抱っこしたりしてはいけません。余計に機嫌が悪くなったり、「かまってもらえた」と勘違いして喧嘩を繰り返してしまう可能性があるためです。
また、直接間に入ると人間の方がケガをする恐れがあるので、よっぽどの危険が無い限り直接手は出さない方が賢明です。もともとじゃれ合いが多い猫の場合は、普段からこまめに爪を切って短くしておくとケガ防止になります。
多頭飼いの猫たちを喧嘩させないようにするにはどんなことに気をつければいいのでしょうか?
放っておいても仲良くできるタイプの猫もいますが、それも個体差があります。自立した成猫の場合はそれぞれのパーソナルスペースを確保することで、ある程度喧嘩を防ぐことができるでしょう。特にもともと不仲な猫同士は、お互いに干渉させないのが1番の喧嘩防止策になります。
寝床やご飯を食べる場所を分け、専用のトイレを離れた場所へ設置するなど、顔を合わせない工夫をしましょう。どうしてもソリが合わないようなら、1階と2階に分けるなど居住空間を区切って対応するのも手です。
他には、飼い猫のルーティンを把握してあげるのもポイントです。猫は自分のルーティンを大事にする動物なので、ルーティンを他の猫に邪魔されると機嫌が悪くなることがあります。
また、もしこれから多頭飼いをするなら、そもそも先住猫は多頭飼いに向いているタイプなのか熟考することからはじめてみてください。
絶対に多頭飼いができないということではありませんが、このようなタイプの子は慣れるまで時間がかかる覚悟をしておきましょう。
10歳を超える高齢猫や、未去勢の雄猫などもあまり多頭飼いに向かないといわれます。高齢猫はストレスで体調を崩しやすいので、性格にもよりますが若くて元気な猫が現れるとペースが乱されストレスを抱えてしまう可能性があります。未去勢の雄猫は縄張り意識が高いため、新入り猫に縄張りを取られると思って喧嘩をしかける恐れがあります。
先住猫のケアを覚悟して新たに猫をお迎えする際は、以下のようなポイントに気をつけてみてください。
もともとおおらかで活発な性格の猫でも、環境が変わると不安になってピリピリしてしまうこともあります。先住猫と新入り猫の喧嘩を防止して良い関係を築くためにも、お迎えから2週間程度は関係を作るための準備期間と思い、焦らないことが大切です。
もし飼い猫と野良猫(外猫)の喧嘩を発見したら、できるだけすぐに止めてください。
外で暮らす野良猫は、猫白血病ウイルス感染症や猫エイズウイルス感染症などの感染症にかかっていることが少なくありません。それらの感染症は、主に喧嘩や交尾によって感染してしまいます。
唾液や排泄物からも感染するため、喧嘩だけでなくグルーミングや食べ物などが原因になることもあります。
全ての猫に接種が推奨されている3種混合ワクチンには、猫白血病ウイルス感染症や猫エイズウイルス感染症の予防効果はありません。5種混合ワクチンを接種している場合、猫白血病ウイルス感染症の予防効果はありますが、猫エイズウイルス感染症の予防には別途でワクチンを打つ必要があります。
運よく感染症にならずとも、喧嘩をしたまま外をうろついているうちにケガが化膿してしまったり、家に帰ってくるまでに悪化してしまう恐れもあります。
飼い猫の安全のためには外に自由に出すことはせず、できる限り室内飼いをすることをおすすめします。
猫は通常、子猫の時に兄弟たちと「喧嘩ごっこ」をして力加減を学びます。しかし小さいうちに1匹で引き取られた猫などは、その加減を知らずに大人になってからも本気でじゃれついてしまうことがあります。
猫同士のじゃれあいのなかで学べるコミュニケーションは少なくないので、過度にならない限りは手を出さず、微笑ましく見守っていましょう。喧嘩にも一定のルールがあるので、同居猫同士の場合は本気度を見極めて対応してあげてくださいね。
画像:黒岩ヨシコ