埼玉県平野部なぜ暑い? 熊谷地方気象台と熊谷市長に聞いてみた
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掃除後にコケなどが生えにくいのもセールスポイント
お墓参りのときには欠かせない。そう言って墓参りのときの必需品として長年使い続けているファンがいるほど愛されている「墓石クリーナー」。中性なので大理石や御影石、タイルなどにも使用できる幅広さが人気の理由の一つだ。
製造しているのは、博多のすぐ東にある福岡県粕屋郡の株式会社マルシンだ。代表取締役の坂田幹雄さんに墓石クリーナーの使い方や特長について聞いた。
「墓石クリーナーを開けるとスポンジが入っております。墓石をあらかじめ水洗いして大まかな汚れを落としたら、そのスポンジに水を含ませて絞って、クリーナーを十分付けてください。汚れの部分にトントン叩いて塗布するのがコツです、汚れが浮いてきますからね。あとは直線的にこすって、水洗いをします。仕上げに乾いた布で吹き上げたら完璧です」
墓石は落ち葉などがこびりついて簡単には落ちないが、墓石クリーナーは頑固な汚れもピカピカになる。また、カルナバ蝋を入れているためコーティングしてくれるのもポイント。さらに、研磨剤不要で色落ちもしない。まさに墓石を綺麗にするために生まれてきたようなアイテムだが、もともとは違った用途で開発されていた。
当時人気だったテレビショッピングで大ブレイクした
話は30年程前に遡る。坂田社長は中洲の飲み屋で九州大学の先生と知り合った。このときのことを坂田社長はこう振り返る。
「よく見る方だったので、こちらから声を掛けたんです。話をするうちに先生が“研磨剤が要らない汚れ落としという、面白いもの作ったのにどこも振り向いてくれないんですよ”と愚痴をこぼし始めましてね。話を聞けば聞くほど、これは大きな商材になるぞと直感しました」
当時、坂田社長は大手商社のケミカル部部長。そろそろ自ら会社を作って独立しようと思っていたタイミングだった。酒場で出会った九州大学の先生と手を組み、研究を重ねて「スーパークリーナー万能Jr」を発売。当初はテレビショッピングを中心に露出させ、爆発的ヒットを記録した。だが同時に、「テレビショッピングだけでは安定した売り上げにならない」と商社時代に人脈を築いたホームセンターでの販売に注力する。ホームセンターでのセールスのときにはこんな思い出がある。
「油性ペンの落書きも簡単に落ちます。ホームセンターでは親御さんに、子どもが落書きしても“よく描いたね”と褒めてあげてください。簡単に消せますからと伝えていました。どこに描いてもいいんだよ、と。そうしたら教育にもなりますと話して購入していただきました」
株式会社マルシンが誇る定番の人気商品群
坂田社長の地道なセールスもあって、スーパークリーナー万能Jrはホームセンターでも売り上げを伸ばした。
「スーパークリーナー万能Jrは月に50万個から100万個売れたときもありました。。そうすると、色々なところからリクエストが届くようになるんですね。Jrは家庭用だけど墓には使えないか? といった声が。ニーズがあるのであれば、ということで商品化しました」
墓石クリーナーには当初、スポンジが付いていなかった。だが、坂田社長自身、自分で使ってみたところスポンジが必要だと気付き、和歌山のスポンジ会社に発注した。中身はスーパークリーナー万能Jrと全く同じではない。アイディアをもらったうえで溶剤を変えるという、改良を加えている。
「ご先祖様がおられたから今の自分達がいるということに感謝し、ご先祖様の祀られているお墓を綺麗にすることは人として最低限の感謝の行いだと私は考えています。そのお墓を綺麗に維持することもまた感謝の行いですよね。ですから私は、それをより簡単に綺麗にできる墓石クリーナーが世に出せてよかったと思っています。“長年放置していたお墓が簡単に大変綺麗になりました”といった声を頂戴するのですが、本当に嬉しいですよ」