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バーニー動物病院千林分院分院長。ペット薬膳管理士、中医学アドバイザー。動物病院でペットの診療にあたる傍ら犬猫の手作りご飯教室や問題行動のカウンセリングを行う。
室内でも比較的飼いやすく、家庭犬として人気の高い中型犬。一口に中型犬といっても、小型犬に近いサイズから大型犬に近いサイズまで体の大きさには幅があり、体つきや性格も多種多様です。今回は、中型犬23種をピックアップし、それぞれの体高・体重や平均寿命、飼育の注意点、初心者が飼いやすいかどうかなどを、バーニー動物病院千林分院の堂山有里先生監修のもと解説していきます。
目次
- そもそも中型犬とはどんな犬?
- 中型犬1. コーギー
- 中型犬2. 柴犬
- 中型犬3. ビーグル
- 中型犬4. フレンチ・ブルドッグ
- 中型犬5. ブルドッグ
- 中型犬6. ボストン・テリア
- 中型犬7. バセット・ハウンド
- 中型犬8. ボーダー・コリー
- 中型犬9. アメリカン・コッカー・スパニエル
- 中型犬10. イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- 中型犬11. イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- 中型犬12. バセンジー
- 中型犬13. ウィペット
- 中型犬14. 甲斐犬
- 中型犬15. ベドリントンテリア
- 中型犬16. ブルテリア
- 中型犬17. スタッフォードシャー・ブル・テリア
- 中型犬18. ブリタニー・スパニエル
- 中型犬19. 北海道犬
- 中型犬20. シベリアン・ハスキー
- 中型犬21. オーストラリアンシェパード
- 中型犬22. サモエド
- 中型犬23. 紀州犬(きしゅういぬ)
- 中型犬を飼う際の注意点は?
そもそも中型犬とはどんな犬?
犬は一般的に、「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに区別され、中型犬は主に体重が10~25kgまでの犬種が分類されます。なお、公式に大きさが定義されているわけではないため、体重では小型犬や大型犬の範囲にある犬種でも、中型犬に含められることもあります。
中型犬1. コーギー
中型犬のコーギー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は20~30cm、平均体重は8~11kgほど。オスとメスの違いは大きくはありませんが、メスのほうが若干小柄です。平均寿命は12~13歳といわれています。
外見と性格の特徴
ピンと立った大きな耳と胴長の体型が特徴的なコーギーは、もともと牧羊犬として働いていた犬種のため、運動能力が高く、利口で忠実な性格です。元気いっぱいに遊ぶことが大好きで、社交的な面もあることから、ほかの犬と遊ぶのを好みます。
飼育の際の注意点
スタミナのある犬種のため、日々の運動と遊びは欠かせません。散歩は30分以上、天気がよければ、毎日1~2回ほど行ってあげましょう。お手入れの面では、換毛期はかなりの抜け毛が見られます。短時間でいいので、できるだけ毎日ブラッシングを行いましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
賢い犬種なのでしつけはすぐに覚えてくれますが、主従関係をしっかりと築く必要があるため、甘やかしすぎないタイプの人におすすめです。
中型犬2. 柴犬
中型犬の柴犬。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本
体高・体重・平均寿命
オスの平均的な体高は38~41cm、メスは35~38cmで、平均体重は9~14kgです。日本犬保存会は「日本犬の中で唯一の小型犬種」と柴犬を紹介していますが、体の大きさによっては中型犬にも分類されるといえます。平均寿命は15歳といわれています。
外見と性格の特徴
およそ8割が赤色の被毛で、寒冷地方原産の犬によくみられるダブルコートです。もともとは猟犬で、庭先で留守番をする役割も担ってきたため、とりわけオスは縄張り意識が強い傾向があります。メスの方が人懐こく、しつけはしやすいでしょう。
飼育の際の注意点
喜怒哀楽の表現がわかりやすく、一緒に遊んだり、出かけたりすることに楽しみを見出します。その一方で、臆病な面もあり、周囲の刺激に過敏に反応します。社会化期のうちに刺激に慣れさせ、首尾一貫したしつけで飼い主との信頼関係を築くことが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
子どもや他の犬に攻撃性を示すこともあるため、初心者が飼う場合はドッグトレーナーなどの専門家にサポートしてもらうことをおすすめします。
中型犬3. ビーグル
中型犬のビーグル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが約36~41 cm、メスが約33~38cm。平均的な体重は、オスが約10~11kg、メスが約9~10kgです。平均寿命は12~15歳といわれていますが、アメリカには28歳まで生きたビーグルもいたそうです。
外見と性格の特徴
骨太で筋肉質な体つきで、大きな垂れ耳が特徴的です。被毛は短く、毛色はブラック、ホワイト、ブラウンの3色からなるトライカラーのものが大半です。獣猟犬由来のスタミナや高い活動能力を持ち、明るく元気な性格で遊ぶのが大好きですが、寂しがり屋の一面も持っています。
飼育の際の注意点
寂しがり屋な性格から、ひとりにされると過度に鳴くなど不安症になりやすい傾向があります。子犬のうちから留守番やひとり遊びに慣れさせ、独立心を養うことが大切です。大きな垂れ耳は通気性が悪く、特に梅雨の時期は外耳炎になりやすいため、定期的に汚れを拭き取るなどお手入れをしてあげる必要があります。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
いたずら好きで、拾い食いや無駄吠えなどの問題も出やすいため、初心者向きとはいえません。しつけやトレーニングに十分な時間をとれる人におすすめです。運動欲求を満たしてあげる必要があるため、散歩やジョギングが好きな人にも向いています。
中型犬4. フレンチ・ブルドッグ
中型犬のフレンチ・ブルドッグ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
フランス
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが27~35cm、メスは24~32cm。平均体重は、オスが9~14kg、メスは8~13kgとされています。平均寿命は10~13歳。ほかの犬種と比べて病気にかかりやすいため、長生きのためには日常的なケアが重要になります。
外見と性格の特徴
体は全体的にがっちりと引き締まっています。フォーン、プリンドル、パイドなどバリエーション豊富な毛色も魅力。明るく活発な性格で、飼い主と一緒に楽しいことをするのが大好き。闘犬の血が入っており、興奮しやすい一面もあります。
飼育の際の注意点
体調管理が少し難しい犬種です。暑さや寒さにとても弱いため、炎天下の散歩や室内の冷やしすぎなどには気をつける必要があります。皮膚トラブルも多いため、スキンケアは必須です。特に顔のしわの部分には汚れが溜まりやすいので、蒸しタオルなどで拭いてケアしてあげましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
パワフルですが飼い主の期待に応えることに喜びを感じる犬種なので、しっかりと時間をかけて向き合える人であれば、初心者でも問題なく飼えるでしょう。
中型犬5. ブルドッグ
中型犬のブルドッグ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は31~41cm、平均体重はオスが25kg、メスが23kgほど。フレンチ・ブルドッグよりも大きな体をしています。独特の体型ゆえに病気にかかる割合が高く、平均寿命は8~10年と短命です。
外見と性格の特徴
頭が大きく、顔には特徴的なシワと大きく突き出した下顎があります。フレンチ・ブルドッグが立ち耳なのに対し、ブルドッグは垂れ耳です。やや強面な見た目ながら性格は穏やかでおっとりとしていて、飼い主や同居する犬に対して愛情深く接します。
飼育の際の注意点
体温調節が苦手なため、人間にとっては問題ない温度や湿度でも熱中症になる恐れがあります。暑くて湿度が高ければ、夏以外でも冷房をつけてあげましょう。皮膚のシワには汚れが溜まりやすく皮膚炎になりやすいです。こまめに拭いてやり、月に2回程度はお風呂に入れてあげましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
皮膚炎に加えて、短頭種特有の呼吸器系の疾患も発症しやすく、さまざまなトラブルに対応する経験値が必要とされることから、初心者にはあまり向かない犬種です。治療費が嵩みやすいため、安心して飼うには金銭的な余裕があるかどうかも判断材料になります。
中型犬6. ボストン・テリア
中型犬のボストン・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
アメリカ
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は約28~38 cm、平均体重は約7~11 kgです。平均寿命は13~15歳といわれていますが、海外では18歳まで生きたボストン・テリアも確認されています。
外見と性格の特徴
引き締まった筋肉質の体形で、先のとがった立ち耳と四角い顔、間隔がやや離れた目元が印象的です。明るく活発でコミュニケーションを好むため、家族と遊んだり、たくさん運動させたりしてあげると喜びます。
飼育の際の注意点
犬種の特性として、皮膚や呼吸器、関節、目に病気が現れやすいです。毎日のお手入れの際に皮膚の状態や触れて嫌がる箇所がないかを確認してあげましょう。散歩では気道に圧迫がかからないハーネスの利用をおすすめします。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
初心者でも比較的飼いやすい犬種です。抜け毛が多く毎日のブラッシングは必要ですが、毛が短いのでそれほど手間はかかりません。甘えん坊な一面もあるので、コミュニケーションの時間を充分に確保できる家庭におすすめです。無駄吠えは少なく、都心でも問題なく暮らせます。
中型犬7. バセット・ハウンド
中型犬のバセット・ハウンド。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は33~38cm、平均体重は18~27kgです。平均寿命は10~12歳とされています。
外見と性格の特徴
大きめの頭と長く垂れ下がった耳を持ち、四肢は短く胴長です。頑固な一面もありますが、基本的には温厚でマイペース。愛情豊かで物静かな性格は、穏やかな表情によくあらわれています。
飼育の際の注意点
もともと猟犬として活躍していましたが、運動の要求量はそれほど多くありません。においを追うタイプの猟犬のため、嗅覚を使った遊びやトレーニングがおすすめです。太りやすく、関節を痛めやすいので体重管理が大切になります。皮膚がたるんだ部分は皮膚炎を起こしやすいため、こまめなケアを心がけましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
初心者でも飼えなくはありませんが、体重管理や病気を予防するための日々のケアが必要である点は心得ておきましょう。
中型犬8. ボーダー・コリー
中型犬のボーダー・コリー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
体高は個体差がありますが、オスは53cmほど、メスはオスよりもやや低いとされます。平均体重は14~20kgほどで、オスのほうが体が大きく、体重も重い傾向があります。平均寿命は10~17歳。先天的な神経系の異常が見られる場合もあり、寿命には幅があります。
外見と性格の特徴
トライカラーと呼ばれる3色の毛色や、黒と白のバイカラー、単色まで、毛色のバリエーションが豊富です。被毛の長さも短い毛質から、長めで荒い毛質までさまざまです。もともと牧羊犬として活躍していた犬種で、瞬時に自分の動きを判断する必要があったことから、賢く、状況把握を得意とします。
飼育の際の注意点
体力があるので、散歩だけでは運動欲求を満たせないことがあります。ドッグランで思い切り走って遊ばせるなど、多めの運動量を確保してあげましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
初めての方でも飼うことはできますが、運動好きなボーダー・コリーの体力発散や幼少期のしつけに時間をかけて向き合う必要があります。簡単には飼える犬種とは言えないので、トレーナーさんなど信頼できる専門家が身近にいると安心です。
中型犬9. アメリカン・コッカー・スパニエル
中型犬のアメリカン・コッカー・スパニエル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
アメリカ
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが約38cm、メスが約35cm。平均体重は、オスが約11~13.5kg、メスが約9~11kgです。平均寿命は12~15歳くらいとされます。
外見と性格の特徴
艶のある美しい被毛は、長毛を活かしたスタンダードカット、短く刈り上げたサマーカットなど、カットスタイルによって印象がガラリと変わります。性格は穏やかですが、ウズラ狩りの猟犬として活躍していたルーツから俊敏さとスタミナを兼ね備えています。
飼育の際の注意点
食いしん坊で太りやすいため、食事の与えすぎには注意が必要です。食べたら十分な運動をさせましょう。膝蓋骨脱臼を発症しやすい犬種のため、激しい運動や衝撃による膝関節への負担には注意が必要です。毛量が多く暑さに弱いため、夏は熱中症になるリスクが高まります。室内の温度管理をしっかりと行い、水をいつでも飲めるように常備してあげるとよいでしょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
コンパクトな体つきで落ち着きのある犬種のため、初心者でも比較的扱いやすいといえます。見た目にこだわりたい場合は、毎日の長時間のブラッシング、月2回程度のトリミングサロンでのシャンプーやカットが必要なため、時間や費用に余裕がある人の方が好ましいでしょう。
中型犬10. イングリッシュ・コッカー・スパニエル
中型犬のイングリッシュ・コッカー・スパニエル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが39~41cm、メスが38~39cmほど。平均体重はオスが12.5~15.5kg、メスが11.5~14.5kgほどです。平均寿命は12~15歳といわれています。
外見と性格の特徴
アメリカン・コッカー・スパニエルに比べると全体に細長く、狩りをするのにふさわしい体型をしています。しっかりとした骨格と長い垂れ耳、ウェーブのかかった美しい被毛をもちます。毛色は単色のブラックやレッド、2色の模様が入るローン、3色のトライカラーなど多彩。陽気で活発な性格ですが、やや繊細で警戒心が強い一面もあります。
飼育の際の注意点
ダブルコートの被毛は毛玉ができやすく、毎日のブラッシングが欠かせないため、こまめなケアが欠かせません。とても活発に動くことを好むので、十分な運動も確保してあげましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは活動的でエネルギッシュな犬種です。個体によっては興奮しやすい傾向が強く出るため、過度の興奮や噛み癖、吠えなどの行動が問題となることがあります。日頃からエネルギーの発散をしっかり行い、運動の欲求を満たしてあげ、興奮したときにも気持ちを切り替えて落ち着くことができるようなトレーニングを取り入れると良いでしょう。
中型犬11. イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
中型犬のイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は48~51cm、平均体重は22~25kgです。平均寿命は、12~14歳とされています。
外見と性格の特徴
大きな垂れ耳と長い足をもち、均整のとれた筋肉質な体つきをしています。明るく穏やかで、人懐っこい性格。利口で環境適応力も高いといえます。
飼育の際の注意点
走るスピードが速く、獲物を運搬する能力にも優れており、もともと鳥猟犬として活躍していた犬種です。運動要求量の多いことから、毎日の十分な散歩のほかに、広い場所で思いっきり走らせることも必要となります。外耳炎になりやすいため、子犬の頃から耳を触られることに慣らしておきましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
穏やかな性格で飼いやすい犬種です。運動をしっかりさせることができる環境で飼育すれば、良い家庭犬となります。
中型犬12. バセンジー
中型犬のバセンジー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
中央アフリカ
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが43cm、メスが40cm。平均体重は、オスが11kg、メスが9.5kgです。平均寿命は12~16歳とされています。
外見と性格の特徴
足が長く、筋肉質でスリムな体型をしています。被毛は、短いスムースコート。大きめの立ち耳と、くるっと巻かれたしっぽが特徴的です。愛情深さと用心深さの両面を持ち合わせ、利口で独立心が強く、飼い主には忠実ですが見知らぬ人は警戒します。吠えない犬として有名ですが、全く吠えないわけではなくコヨーテのような甲高い声を出します。
飼育の際の注意点
古代エジプトの王家で飼育されていた古い犬種です。狩猟犬のルーツを持つことから、運動要求量が多く活動的。1日2回、1時間以上の散歩が必要です。寒さに弱いので、冬には防寒対策をしましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
初心者でも飼育できますが、アクティブに動ける人の方が向いています。他人への警戒心が強いので、子犬のうちから人に慣らす訓練をしてあげましょう。
中型犬13. ウィペット
中型犬のウィペット。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが47~51cm、メスが44~47cmです。体重はオス・メスともに13~15kgが平均とされています。平均寿命は12~15歳程度です。
外見と性格の特徴
筋肉質で力強い肉体とすらりと伸びた足が美しく、もともとの役割であった害獣駆除に適した体格をしています。基本的に穏やかで落ち着いた性格をしており、飼い主の言うこともよく聞きます。神経質な一面もあり、見知らぬ人には警戒心を示すこともあります。
飼育の際の注意点
ウィペットは短毛な上にシングルコートなので、寒さに弱い傾向があります。冬場の散歩では洋服を着せるなど防寒対策をしっかりと行い、夏場はクーラーで身体を冷やさないように気をつけましょう。ウィペットのような胸が深い犬種は、胃捻転・胃拡張を起こしやすいため、食後の激しい運動や早食いは避けましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
飼い主に対して従順なため、しつけやトレーニングがしやすく、初心者にも向いています。無駄吠えも比較的少なく、室内でも飼育しやすい犬種です。
中型犬14. 甲斐犬
中型犬の甲斐犬。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが約47~55cm、メスが約44~52cmとされています。平均体重は、オスが15~18kg、メスが13~16kgほどです。平均寿命は12~16歳で、他の中型犬と比較すると長生きといえるでしょう。
外見と性格の特徴
日本犬ならではの精悍な風貌をしています。すらっと細長い四肢は筋肉質で引き締まっており、三角形のピンと立った耳、目尻が丸みを帯びた目、キツネのように長い口元が特徴的です。警戒心が強く、野性味あふれる性格で、猟犬としての気質も色濃く残っているため、不審な相手と感じれば攻撃的な態度を示すこともあります。
飼育の際の注意点
運動量が豊富なため、散歩は十分な時間を確保する必要があります。公園などでロングリードに切り変えて思いっきり走らせるのもよいでしょう。庭などで遊ばせていると柵などを越えて逃げてしまう恐れがあるので、脱走防止の対策も行いましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
他の中型の日本犬と比べて小柄ですが、俊敏性があり警戒心も強いため、初心者に飼いやすい犬種とはいえません。一方、信頼関係で結ばれた飼い主には忠誠心を尽くすので、根気良く信頼関係を築ける人に向いています。
中型犬15. ベドリントンテリア
中型犬のベドリントンテリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は38~43cm、平均体重は8~10kgです。平均寿命は12~14歳とされています。
外見と性格の特徴
洋梨のような頭部と、子羊のようにトリミングされたボディが特徴的な、優美でしなやかな体格です。基本的には温厚で神経質さはあまり見られませんが、興奮すると攻撃的になることもあります。利口でスキンシップが大好きな犬種です。
飼育の際の注意点
フワフワの被毛に独特のカットスタイルを保つためには、こまめなトリミングが必要です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
もとはキツネやイタチ猟で活躍していた使役犬。活動的で運動要求量が多いので、しっかり運動させられる人に向いています。スキンシップを嫌がらない犬種なので、抱っこしたり、触れ合ったりしたい人にもおすすめです。
中型犬16. ブルテリア
中型犬のブルテリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は53~56cm、平均体重は24~28kgです。平均寿命は10~14歳とされています。
外見と性格の特徴
卵型の頭部に、筋肉質で均整が取れたがっちりとした体格をしています。毛色は白、ブリンドル、レッド、フォーン、トライカラーなどがあります。飼い主や家族には忠実ですが、見知らぬ人や犬に対しては攻撃的になるという一面も持っています。
飼育の際の注意点
もとは闘犬として作出されましたが、その後の改良で闘争心を取り除き、現在の安定した性格になったという経緯があります。穏やかではありますが、体が大きく力も強いので、子犬の時期からしつけと社会化を行い、行動をコントロールできるようにすることが必要です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
テリア系の中では比較的扱いやすい犬種ですが、力が強く、運動要求量も多いため、初心者が飼うのは難しいでしょう。
中型犬17. スタッフォードシャー・ブル・テリア
中型犬のスタッフォードシャー・ブル・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は35.5~40.5cm、平均体重は11~17kgです。平均寿命は12~14歳とされています。
外見と性格の特徴
骨太で筋肉質な体に、短く太い首を持ち、被毛は艶のあるなめらかな短毛です。利口で人懐こく飼い主には従順ですが、他の人や動物には強い闘争心を見せます。闘犬用に作出された歴史を持つため、勇敢で大胆な一面もあります。
飼育の際の注意点
闘争心から生じるトラブルを防ぐためにも、子犬の頃から人や他の動物に慣れさせておくことが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
適切に社会化しないと家族以外の人や動物に対して攻撃的になるため、初心者にはあまり向きません。
中型犬18. ブリタニー・スパニエル
中型犬のブリタニー・スパニエル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
フランス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は44~52cm、平均体重は13~18kgです。平均寿命は12~15歳とされています。
外見と性格の特徴
垂れ耳とゆるくウェーブがかかった毛並みを持ち、四肢は長くスマートな外見です。明るく活発、温和で優しい性格で、利口なのでしつけもしやすいでしょう。
飼育の際の注意点
鳥猟犬として活躍していたことから仕事熱心で、運動の要求量も多いので毎日の散歩は欠かせません。歩くだけでなく、思いっきり走らせる運動も取り入れましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
しつけがしやすい性格のため、初心者でも飼いやすい犬種です。十分な散歩や運動に付き合える人が飼い主に向いています。
中型犬19. 北海道犬
中型犬の北海道犬。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本(北海道)
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが47~53cm、メスが42~48cm。平均体重は、オス・メスともに15~30kgほどです。平均寿命は、13~15年と考えられます。
外見と性格の特徴
寒い気候にも耐えられる豊かな被毛で覆われ、立ち耳、三角形の吊り目、巻き尾が特徴です。毛色は白、赤、黒、虎、胡麻、狼灰などがあります。勇敢な性格で飼い主には忠実に振る舞いますが、狩猟犬であったことから、知らない人や動物への警戒心・攻撃性も持ち合わせています。
飼育の際の注意点
幼犬の時期からできるだけ他の人や犬と触れ合う機会を作り、社会性を身につけることで、家庭犬として扱いやすくなります。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
野生に近い犬種のため、人とべったり過ごすというよりは、独立心を持って自立して暮らします。飼い主には忠実ですが、しつけは必要なので、初心者にはあまり向きません。
中型犬20. シベリアン・ハスキー
中型犬のシベリアン・ハスキー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
シベリア
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが54~60cm、メスが51~56cmほど。平均体重はオスが20~27kg、メスが16~23kgと大きめですが、そり犬の中では軽量の犬種とされています。平均寿命は12~15歳です。
外見と性格の特徴
極寒のシベリアでそり犬として活躍してきた犬種で、被毛の量が多く、太い眉のような顔の斑紋が印象的。ワイルドな風貌はオオカミにも似ています。仲間と足並みを揃えてそりを引くため、協調性があり、従順で集団生活に向いています。
飼育の際の注意点
仲間を認識できない状態に置かれると、狼のように遠吠えをすることがあるため、寂しさや孤独によるストレスを感じさせないようにすることが大切です。暗い場所が見えづらくなる進行性網膜委縮症や、白内障・緑内障など目の疾患を発症しやすいため、定期的にチェックを心がけましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
ひとりぼっちにされるのが苦手なため、家を留守にする時間が長い家庭にはあまり向きません。室内でゲームをしたり、体を使ったりするスペースを確保できる家が望ましいでしょう。
中型犬21. オーストラリアンシェパード
中型犬のオーストラリアンシェパード。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
アメリカ(諸説あり)
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが51~58cm、メスが46~53cm。平均体重はオス・メスともに18~35kgほどです。平均寿命は13~15歳とされています。
外見と性格の特徴
胸元の飾り毛が特徴的な美しい外貌をしています。毛色はブルーマール、ブラック、レッドマール、レッドなど多彩です。賢く愛情深い性格で、家族には忠実で献身的です。けんかも滅多にしません。
飼育の際の注意点
必要となる運動量は多めで、散歩は毎日2回、60分程度が望ましいといえます。フリスビー遊びやボール投げが得意なので、取り入れてあげるとよいでしょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
訓練に適した性格でしつけはしやすいです。気立てがよく、安定した気質のため、一貫したルールのもと毅然とした態度で飼育をすれば、初心者でも飼うことができます。
中型犬22. サモエド
中型犬のサモエド。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
シベリア
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが51~56cm、メスが46~51cm。平均体重は、オスが20~25kg、メスは18~23kgとされています。平均寿命は10~13歳前後です。
外見と性格の特徴
寒冷地の犬らしく、ボリューム感のある白くふわふわとした被毛で覆われています。荷役やそり引きなどの厳しい労働に耐えてきたルーツから、体は比較的筋肉質です。優しく温厚、人懐こい性格ですが、警戒心が強いので防衛的に吠えることもあります。
飼育の際の注意点
換毛期以外でも抜け毛が多いので、毎日のブラッシングが必要です。動くことが大好きなので、その欲求を十分に満たせるだけの散歩や遊びの時間を確保してあげましょう。ただし、胃拡張・胃捻転を起こしやすいため、散歩前後の食事は避けてください。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
温厚な性格ながら、力が強いので初心者向きとは言いづらい犬種です。体が大きいため、迎える際は、大型犬でも快適に住める住環境を整えましょう。
中型犬23. 紀州犬(きしゅういぬ)
中型犬の紀州犬。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本(紀州地方、現在の和歌山県・三重県)
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが48~55cm、メスが46~52cm。平均体重は、オス・メスともに15~20kgほどです。平均寿命は13~15歳とされています。
外見と性格の特徴
体は筋肉質で引き締まり、俊敏で走力に優れています。立ち耳、やや釣りあがった目、くるりと巻いたしっぽが特徴的です。被毛は短く密生しており、白、赤、胡麻の3種類の毛色がありますが、現在はほぼ白に統一されています。知的で好奇心旺盛、穏やかな性格で飼い主には従順です。他人や知らない犬には強い警戒心を示します。
飼育の際の注意点
換毛期の抜け毛が多いため、日頃からシャンプーやブラッシングには慣らしておきましょう。幼犬のうちから、知らない人や他の犬と触れ合う機会を設けることも大切です。必要な運動量は多いため、しっかりと運動させて欲求不満がたまらないように気をつけましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
かなり活発な犬種なので、1日1時間以上の運動が求められます。警戒心が強く、適切な社会化も必要なため、初心者には向きません。
中型犬を飼う際の注意点は?
ここまで、23種類の中型犬を紹介してきました。最後に中型犬の飼育面で気をつけるべき点をまとめます。
比較的室内でも飼いやすい
個体差はありますが、中型犬は小型犬と比べるとおおらかな性質の犬が多い傾向があります。また、大型犬ほど居住スペースを取らないので、室内でも比較的飼いやすいといえるでしょう。マンションなどの集合住宅でも飼育が許可されていることが多いです。
大型犬に比べて金銭面の負担が少ない
大型犬よりも病気にかかりにくく、寿命が長い傾向があります。医療費や食事代が大型犬ほどはかからないため、金銭面での負担も相対的に少ないと考えられます。
犬種によっては飼うのが難しい面も
中型犬には猟犬をルーツに持つ犬種が多くいます。猟犬をルーツに持つ犬は人間との生活の中でも狩猟本能を発揮してしまうことがあるため、適切なしつけが必要になります。しっかり運動させて体力を発散しないと、ストレスになってしまう場合もあります。そうしたことが重なると、犬種によっては慣れていない人が飼うのは難しい面も出てくるでしょう。