更新 ( 公開)
博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。evergreen pet clinic ebisu行動診療科担当。日本獣医行動研究会研修医。藤田医科大学客員講師。
小さいサイズと見た目の可愛らしさから家庭犬として人気の超小型犬と小型犬。体の小ささは共通していますが、性格やおすすめの飼い方は犬種によって変わってくるので、迎え入れる前に、その犬種の特徴をしっかり確認しておくことが大切です。今回は、超小型犬7種と小型犬21種それぞれの特徴や平均寿命、飼うときの注意点や初心者が飼いやすいかどうかなどを獣医師の茂木千恵先生監修のもと解説していきます。
目次
- 小型犬と超小型犬の違いは?
- 超小型犬1.トイ・プードル
- 超小型犬2.ポメラニアン
- 超小型犬3.マルチーズ
- 超小型犬4.パピヨン
- 超小型犬5.ヨークシャー・テリア
- 超小型犬6.ブリュッセル・グリフォン
- 超小型犬7.チワワ
- 小型犬1.柴犬
- 小型犬2.パグ
- 小型犬3.シー・ズー
- 小型犬4.ビジョン・フリーゼ
- 小型犬5.ジャック・ラッセル・テリア
- 小型犬6.ミニチュア・シュナウザー
- 小型犬7.ボストン・テリア
- 小型犬8.ペキニーズ
- 小型犬9.ミニチュア・ピンシャー
- 小型犬10.ミニチュア・ダックスフンド
- 小型犬11.イタリアン・グレーハウンド
- 小型犬12.狆
- 小型犬13.ノーフォーク・テリア
- 小型犬14.ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- 小型犬15.スコティッシュ・テリア
- 小型犬16.キャバリア
- 小型犬17.シェットランド・シープドッグ
- 小型犬18.日本スピッツ
- 小型犬19.スキッパーキ
- 小型犬20.チベタンスパニエル
- 小型犬21.ワイヤー・フォックス・テリア
- 超小型犬や小型犬を飼うときの注意点
小型犬と超小型犬の違いは?
小型犬と超小型犬の分類は、主に成長後の体重が4〜5kgより重いか軽いかによって分けられます。体重が4〜5kgより軽いものが超小型犬で、チワワやトイ・プードル、ポメラニアン、マルチーズ、パピヨン、ヨークシャー・テリア、ブリュッセル・グリフォンなどが含まれます。
超小型犬1.トイ・プードル
まずは、超小型犬のグループから見ていきましょう。トイ・プードルの性格の特徴や飼い方などについてご紹介します。
原産地
フランス
体高・体重・平均寿命
プードルの中でも最も体が小さいトイ・プードル。オス・メスともに平均的な体高は25cm、平均体重は3〜4kgです。平均寿命は約15歳といわれています。
外見と性格の特徴
縮れた巻き毛や縄状毛で覆われており、抜け毛が少ない犬種です。運動が大好きで活発な性格と、高い知性を持ち合わせていることから、訓練性能が高いという特徴があります。
飼育の注意点
運動欲求が高いので、定期的な運動習慣がないと欲求不満になり、問題行動が見られることも。無駄吠えをしやすい傾向があるので、都市部での生活では飼い主が愛犬をコントロールできないとご近所トラブルになる場合があります。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
このようにトレーニングが欠かせない犬種なので、飼い慣れていない人が飼う場合には、事前に十分な知識や必需品の準備と、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
超小型犬2.ポメラニアン
超小型犬のポメラニアン。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ドイツ
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は18〜22cm、平均体重は1.8〜2.3kgほどでとても小柄ですが、個体によって体格差がでやすい犬種です。平均寿命は12〜16歳で、犬の中でも長寿といわれています。
外見と性格の特徴
フサフサの直毛で毛量が多いのが特徴です。元気で明るくフレンドリーな性格。理解力が高く、芸なども楽しんで覚える一方で、警戒心が強い性質もあります。
飼育の注意点
骨がもろいので骨折しやすい傾向があるので、遊ぶときには目を離さないようにすることが大切です。抜け毛が多いので、ブラッシングやシャンプーなどの手入れをこまめにしてあげましょう。多くの運動量を必要とするため、散歩は1日に最低でも2回必要です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
賢い犬種なので、しつけをしっかりすれば飼いやすいです。ただし、吠えやすい、いたずら好き、お手入れが大変という面もあるので、しつけの時間が確保できて、日々のお手入れもきちんとできる人におすすめです。飼い主によるしつけが難しい場合は、子犬教室などに通うといいでしょう。
超小型犬3.マルチーズ
超小型犬のマルチーズ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
中央地中海沿岸地域(マルタ共和国)
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は23〜25cm、平均体重は2.5kgほどですが、オスは大柄で5kgを超える犬もいます。平均寿命は12〜15歳で、大型犬と比べると長めです。トリミングが必要な犬種なので、トリマーさんが病気を早期発見してくれる場合があります。
外見と性格の特徴
純白の毛色で抜け毛が少ないのが特徴です。基本的には、明るく朗らかな性格。オスはテリトリー意識が高く元気いっぱいですが、メスは独立心が強くマイペースで大人しいので、飼いやすい傾向にあるかもしれません。
飼育の注意点
マルチーズは警戒心が強いため、外に連れ出して環境や人に慣れさせることが必要です。また、他の犬よりも心臓病や流涙症、脱臼、外耳炎になりやすいので健康に気を配りましょう。シングルコートで換毛期がないため、抜け毛は少ないですが、毎日のブラッシングなどこまめなお手入れ欠かせません。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
室内飼育が必要なため、ご自宅で飼える人であれば大丈夫でしょう。飼い主にかまってもらうのが好きで甘えん坊な一面もあるため、犬との時間を楽しめることも大切です。
超小型犬4.パピヨン
超小型犬のパピヨン。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
フランス、ベルギー
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は20〜28cm、平均体重は4〜6kgほどです。平均寿命は13〜15歳と家庭犬の中でも平均的でしょう。一般的にオスとメスで寿命の違いはありません。
外見と性格の特徴
毛色は白地を基調とし、ブラックやブラウンなどが混ざります。好奇心旺盛で大胆な性格です。また、賢く遊ぶのが大好きなため、いろいろな遊びを覚えさせるとよいでしょう。
飼育の注意点
先天的に骨が弱いので、筋肉をしっかりつけ、体重を増やしすぎないことが大切です。また、フードの粒が大きすぎると喉に詰まらせる危険性もあるので、粒が小さいフードを用意しましょう。毛が細くて柔らかいので、毎日ブラッシングをしてあげるとよいです。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
知能が高く、状況判断が得意なので、トレーニングやしつけがしやすい点で、初心者にも飼いやすいといえるでしょう。ただし、大胆な性格から思い切った行動をとり、事故を招く危険性もあるので、注意が必要です。
超小型犬5.ヨークシャー・テリア
超小型犬のヨークシャー・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は18〜23cm、平均体重は3.2kg以下です。平均寿命は13〜16歳くらいになります。
外見と性格の特徴
最大の特徴が「シルキーコート」といわれる、絹糸のような光沢のある美しい被毛です。その毛色は成長するにつれて7回変化するともいわれていています。上品な見た目に反して、活発で遊ぶことが大好き。勝ち気な性質も持ち合わせています。
飼育の注意点
抜け毛が少ない犬種ですが、被毛が絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。また、運動不足でストレスがたまると、吠えたりいたずらをしたりするので、30分の散歩を1日に1〜2回取り入れましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
しつけやお手入れに十分な時間を使える人が向いています。警戒して吠えることもあるので、吠えなどの攻撃行動がでないよう、子犬のうちから社会化を意識したしつけを行いましょう。甘やかしすぎないことが大切です。
超小型犬6.ブリュッセル・グリフォン
超小型犬のブリュッセル・グリフォン。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ベルギー
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに、平均的な体高は20cm前後、平均体重は3.5〜6kgです。平均寿命は10〜15歳で、家庭犬として平均的なタイプです。
外見と性格の特徴
被毛はレッド、または赤っぽい色調で硬いワイヤーコート。バランスの取れた体格が特徴です。飼い主への愛情表現が豊かで、攻撃的なところもなく温和な犬種です。なかには警戒心が強い子もいます。
飼育の注意点
短頭種で気道がせまいので、暑さや熱中症に気をつける必要があります。暑い時間の散歩を避ける、室温管理などの暑さ対策を行いましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
あまり抜け毛はありませんが、被毛の美しさを保つため、定期的なブラッシングが必要です。お手入れに時間をかけられる人がいいでしょう。
超小型犬7.チワワ
超小型犬のチワワ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
メキシコ
体高・体重・平均寿命
チワワは個体差の大きい犬種なので体高の規定はありませんが、オス・メスともに平均的な体高は12〜20cmです。平均体重は1.5〜3kgとされています。平均寿命は14〜16歳と比較的、長生きをします。
外見と性格の特徴
体格がとても小さいチワワ。その被毛には、短毛のスムースコートと長毛のロングコートの2タイプがあり、個体によって違います。活動性は低めで飼い主への愛着が強いです。逆に知らない人への警戒心は強く、吠えやすいのでしつけが必要です。
飼育の注意点
チワワは動くのが大好きなので、足早に歩かせることで気分転換になります。できれば1日30分は散歩をしましょう。首が小さく弱いため、首輪やリードではなく、なるべくハーネスを使用するのをおすすめします。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
飼い主への攻撃性が高く、服従訓練の反応が低い傾向にあるので、初めて犬を飼う人には不向きな性質といえるでしょう。チワワを迎えたらすぐに家庭のルールを教え、トレーニングを始めることが大切です。
小型犬1.柴犬
ここからは、小型犬のグループを見ていきましょう。まずは、柴犬の性格の特徴や飼い方などについてご紹介します。
原産地
日本
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスは38〜41cm、メスは35〜38cmです。平均体重は9〜14kgと個体差があります。平均寿命は15歳といわれています。
外見と性格の特徴
柴犬の8割が赤色の毛色で、ダブルコートです。アンダーコートが暖かい空気をためこめるため、寒さが厳しくても外で活動することできます。警戒心が強く、攻撃性もあります。メスはオスに比べて服従性が高いため、トイレのしつけなどもしやすいです。
飼育の注意点
喜怒哀楽の表現がわかりやすいので、一緒に遊ぶうちに楽しみを見出すことができます。その一方で、臆病な面もあり、周囲の刺激に敏感です。問題行動を起こさないよう、子犬のときからトレーニングを行いましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
攻撃性が高いという研究結果もあるため、ドッグトレーナーさんなどの専門家にサポートしてもらうのがよいでしょう。運動欲求が高い犬種なので、1日2回、30分〜1時間程度の散歩が必要です。散歩に時間をかけられる人が向いているでしょう。
小型犬2.パグ
小型犬のパグ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
中国
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25〜28cm、平均体重は6.3〜8.1kgです。筋肉質な犬種のため、肥満と混同しないようにする必要があります。平均寿命は12〜15歳といわれています。
外見と性格の特徴
毛色はシルバー、フォーン、アプリコット、ブラックの4種。ダブルコートのため、春と秋の換毛期には抜け毛が多いです。明るい性格で飼い主の気持ちを読み取ってくれるなど、理解力に優れています。その反面、頑固な一面もあるので、根気よくしつけを行いましょう。
飼育の注意点
抜け毛が多いため、部屋の掃除をこまめに行いましょう。また、社会化不足になると吠えなどの問題行動に発展しますので、子犬のうちから人に慣れさせる機会を積極的につくることが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
重量感はありますが、コンパクトな体格なので飼育初心者でも飼いやすい犬種です。頑固な一面もあるので、よくない行動があった場合は、まだ幼いからといって容認せず、すぐにきちんと号令で正しい行動を指示して、しつけるようにしましょう。
小型犬3.シー・ズー
小型犬のシー・ズー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
チベット(中国)
体高・体重・平均寿命
オスメスともに平均的な体高は25~28cm、平均体重は5~8kgが平均的です。平均寿命は13~16歳です。世界で最も長生きをしたシー・ズーとして記録されているのは、アメリカ・フロリダ州の「スモーキー」という名前のシー・ズーで、23歳まで生きました。
外見と性格の特徴
ホワイトを基調とした美しく艶がある被毛、短いマズル、くりくりと大きい目が特徴です。飼い主に対する愛情が深く、人懐っこい傾向がありますが、プライドが高く、頑固な一面もあります。
飼育の注意点
無駄吠えや警戒吠えがほとんどないため、マンションなどの集合住宅であっても問題なく一緒に暮らすことができるでしょう。運動要求や遊び要求が低いため、ゆっくりと犬と暮らしたいと思っている人におすすめです。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
小型犬に見られる興奮性や活発さは少なく、攻撃性も低いので、初めて犬を迎える人でも安心して飼える犬種です。ただし、皮膚や被毛に関する病気にかかりやすい傾向があるため、低アレルギー性の食事にするなど健康ケアには気を付けましょう。
小型犬4.ビジョン・フリーゼ
小型犬のビジョン・フリーゼ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産国
フランス、ベルギー
体高・体重・平均寿命
オスメスともに平均的な体高は25〜29cmです。平均的な体重は5~10㎏ほどですが、性別によって体重が2倍ほど違うことがあります。平均寿命は12〜15歳です。
外見と性格の特徴
純白のアフロヘアと、短めの四肢が特徴です。活発で遊ぶのが大好きな子が多いです。人見知りもせず、素直なのでしつけもしやすいでしょう。
飼育の注意点
歯周病や膝蓋骨脱臼など小型犬特有の疾患にかかりやすいので、健康面は注意深く見守りましょう。また、太りやすい傾向があるので、炭水化物が少なく動物性タンパク質を多く含む食事を与えるのがおすすめです。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
無駄吠えも少なく、人間慣れしやすいので、比較的飼いやすいでしょう。ただし、甘えん坊気質のため、わがままになりすぎないようにしっかりしつけを行ってください。膝蓋骨脱臼を予防するために床が滑らないよう、室内環境を整えることも必要です。
小型犬5.ジャック・ラッセル・テリア
小型犬のジャック・ラッセル・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25〜30cm、平均体重は4〜6kgです。平均寿命は14歳で、比較的、病気になりにくく、丈夫な犬種といえます。
外見と性格の特徴
被毛にはホワイト地にブラックかブラウンの模様が入ります。体は小さいですが、筋肉質な体つきをしています。頑固で負けず嫌いな一面があり、独立心も旺盛です。
飼育の注意点
散歩時に、狩猟本能の強さからバイクや自転車に反応しやすく、交通事故のリスクが高い犬種なので、しつけが重要です。賢いので飼い主が一貫した態度で接すると、指示をよく理解してくれます。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
運動量が多いため、いつもの散歩だけでなく、ドッグランで走らせてあげるなど、しっかり体力を使わせてあげる必要があります。この運動量と狩猟本能の強さを理解しないと初心者には難易度が高いかもしれません。
小型犬6.ミニチュア・シュナウザー
小型犬のミニチュア・シュナウザー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ドイツ
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は約30〜35 cm、平均体重は約4〜8kg。平均寿命は12〜15歳です。
外見と性格の特徴
長い口ひげとまゆげがトレードマーク。ダブルコートで下毛は多いですが、抜け毛が少なめです。明るく好奇心が旺盛で、家族に対しては従順な一方で、知らない人には高い攻撃性を示すこともあります。
飼育の注意点
とてもエネルギッシュな犬種なので、1日2回、20〜30分ずつ散歩をしたり、庭で遊んだりして運動欲求を満たしてあげましょう。不安傾向が高い子は無駄吠えをすることもあるので、子犬の頃からしつけを行うことが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
抜け毛量が少ないものの、うねりのある上毛が絡みやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。こまめに愛犬のお手入れできる人、運動やしつけに十分な時間を取れる人が向いているでしょう。
小型犬7.ボストン・テリア
小型犬のボストン・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
アメリカ合衆国
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は28〜38 cm、平均体重は6.8〜11.3kgと幅があります。平均寿命は13〜15歳で、小型犬の中では平均的といえるでしょう。
外見と性格の特徴
常に笑っているような表情をしているボストン・テリアは、見た目のとおり愛嬌があってフレンドリーな性格です。活発で遊び好きな子も多く、興奮しやすい一面もみられます。
飼育の注意点
ボストン・テリアのような短頭種は、運動をしすぎると呼吸が苦しくなってしまいます。散歩や運動をする場合は、適度に休憩をはさみつつ、様子をみるようにしましょう。暑さに弱いので熱中症にも注意が必要です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
一度興奮すると手がつけられなくなる傾向にありますが、賢い犬種でもあるので、「待て」や「おすわり」など基本的な指示を教え、落ち着かせることができれば大丈夫でしょう。子犬のうちから積極的なしつけが大切です。
小型犬8.ペキニーズ
小型犬のペキニーズ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
中国
体高・体重・平均寿命
平均的な体高はオス・メスともに20cm前後です。平均体重は、オスは5kgまで、メスは5.4kgほど。オスはメスに比べて体が小さいですが、がっちりとした体系をしています。平均寿命は12〜15歳となります。
外見と性格の特徴
短めの足でてくてく歩き、ベビーフェイスが愛らしいペキニーズ。マイペースで自由気ままな性格が特徴です。ただ、意外と繊細でストレスを溜めやすく、デリケートな一面もあります。
飼育の注意点
吠えたり噛んだりというような問題行動は少ない犬種ですが、嫌なことがあるとじっと我慢してストレスを溜めてしまいます。車での移動や病院など、ストレスを感じやすいときの対策として、クレートトレーニングをしておくことが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
穏やかな性格で必要な運動量も少ないので、初心者向けの犬として紹介されることもあります。また、猫のようにマイペースなので、しつけの途中で気が散ったり飽きたりしてしまうことも。子犬のうちから根気よくしつけをしましょう。
小型犬9.ミニチュア・ピンシャー
小型犬のミニチュア・ピンシャー。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ドイツ
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25〜30cm程度。平均体重は4〜6kgと小型犬の中でも小柄なほうといえるでしょう。平均寿命は12〜15歳です。
外見と性格の特徴
シングルコートですが、短いサイクルで被毛の生え変わりがあるため、シングルコートの犬種の中では抜け毛が多いほうです。明るく活発で、好奇心旺盛な性格です。繊細で神経質な一面も持っています。
飼育の注意点
体力があり、運動欲求も高いので、十分な散歩時間を確保しましょう。アレルギー性皮膚炎を起こしやすいので、散歩後は蒸れたタオルで体を拭いて汚れやアレルゲンを取り除き、予防しましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
神経質な性格からトレーニングやしつけが難しいので、どちらかというと上級者向けの犬種といえます。ミニチュア・ピンシャーの性格を理解し、主従関係を築くことが大切です。
小型犬10.ミニチュア・ダックスフンド
小型犬のミニチュア・ダックスフンド。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ドイツ
体高・体重・平均寿命
ミニチュア・ダックスフンドは体高ではなく、胸囲の大きさがサイズの目安となります。平均的な胸囲は、オスは32〜37cm、メスは30〜35cmです。平均体重は約4.5〜5kg。一般的に健康な犬種なので、平均寿命は12〜16年と長めです。
外見と性格の特徴
毛質は、短毛の「スムース」、長毛の「ロング」、硬い巻き毛の「ワイヤー」と3タイプがあります。狩猟犬として活躍していたルーツから、勇気、忍耐力、賢さが特徴です。
飼育の注意点
ミニチュア・ダックスフンドの背中を支える筋肉を維持するために、定期的な運動が必要です。毎日2回、30分程度の散歩を心がけましょう。足が短く、地面からの熱で体温が上がりやすいので、直射日光を避けた時間に散歩するようにしましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
遊び好きで集中力が高い性質があるので、一緒に遊んで楽しむ余裕のある人に向いています。見知らぬ人や聞き慣れない物音に警戒して吠える習性があるので、近隣に迷惑をかけないよう、しっかりとしつけをする必要があります。
小型犬11.イタリアン・グレーハウンド
小型犬のイタリアン・グレーハウンド。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イタリア
体高・体重・平均寿命
個体差はありますが、平均的な体高は32~38㎝くらいです。平均体重は5~8㎏と、ほっそりとした体型です。オスは筋肉質な体型になりやすいので、メスよりも重くなるかもしれません。寿命は13歳前後といわれています。
外見と性格の特徴
短くなめらかな被毛や細く引き締まった体幹、長い四肢によって優雅な雰囲気がある犬種です。基本的に臆病で内気な性格なので、初めての人に対しては特に人見知りしやすいです。温厚で甘えん坊な面もあります。
飼育の注意点
皮膚病になりやすい犬種のため、定期的に濡れタオルで拭いてあげるなどして、皮膚が清潔な状態を保つことが重要です。特に秋冬は、乾燥による皮膚や被毛トラブルが増えやすくなるため、部屋の湿度管理をしましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
骨が弱いため、足に負担をかけないよう生活環境を整え、体重管理に取り組む必要があります。また、運動量が多いので十分な散歩時間を必要とするほか、神経質な性格のケア、寒さ対策などが必須です。お世話に時間をかけられる人が向いているでしょう。
小型犬12.狆
小型犬の狆(ちん)。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本
体高・体重・平均寿命
個体差はありますが、平均的な体高は25㎝程度、平均体重は4~5㎏と、小型犬の中でも小柄です。平均寿命は12歳前後とされ、家庭犬の中でも平均的といえます。
外見と性格の特徴
小柄で短い鼻、おっとりした表情が特徴の犬種です。日本での歴史は古く、1853年に「日本の犬種」として認められ、愛玩犬として人と一緒に暮らしていました。飼い主と一緒に過ごすのが大好きなので、たくさんかわいがってあげましょう。
飼育の注意点
脳が圧迫されて神経症状が出る水頭症やひざの関節が外れる膝蓋骨脱臼などに注意しましょう。また、短頭種なので体の構造上、熱中症になりやすいです。特に夏場はクールグッズなどを活用して、暑さ対策を行いましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
物静かで、穏やかな性格を持つ犬種のため、比較的、家庭犬として飼いやすいです。長く、細い被毛が絡まりやすいので、こまめにブラッシングなどのお手入れをしてあげましょう。
小型犬13.ノーフォーク・テリア
小型犬のノーフォーク・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25cm、平均体重は5〜5.4kgです。体高は低くコンパクトながらも頑丈な体格を持っています。平均寿命は12〜15歳です。
外見と性格の特徴
ノーリッチ・テリアとルーツは同じですが、その中でも垂れ耳タイプをノーフォーク・テリアとして独立した犬種に認定されました。ワイヤーコートと呼ばれる硬い毛質が特徴です。遊び好きで、飼い主への攻撃性は低いですが、頑固な部分もあります。
飼育の注意点
運動欲求と食欲が強いため、運動を十分にすることが大切です。また、運動をすることで体調管理ができるだけでなく、問題行動の予防にもなるでしょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
子犬の頃からしつけを始め、家庭内のルールを教えます。また、体を動かす時間を十分にとってあげれば、良い面を伸ばしていけるでしょう。
小型犬14.ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
小型犬のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は28cm、平均体重は7〜10kgで、小型犬の中では体格がよいほうでしょう。平均寿命は12〜14歳です。
外見と性格の特徴
白一色の被毛はダブルコートで、オーバーコートが短く粗いです。活動的で自立性もありますが、飼い主との関わりを求める傾向が高いです。訓練性能も高いため、しつけがしやすいでしょう。
飼育の注意点
皮膚炎や外耳炎など痒みを伴う疾患や、角膜炎、結膜炎など目の病気などにかかりやすいので気をつけましょう。また、レッグペルテスという大腿骨の異常も見つかりやすいです。その際は足をひきずったりかばったりするので、動物病院で診てもらうといいでしょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
ルーツが猟犬であるため、俊敏ですが、1つのものにこだわる傾向があります。日頃からルールを守らせるようにしつけ、リフレッシュのための運動に時間を割くようにすると、朗らかな個性を伸ばすことができます。
小型犬15.スコティッシュ・テリア
小型犬のスコティッシュ・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス(スコットランド地方)
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25.4〜28cm、平均体重は8.6〜10.4kgと、小型犬の中では大きめです。平均寿命は12〜15歳です。
外見と性格の特徴
短毛で硬いワイヤーコートが特徴です。毛色はブラックが多いですが、小麦色やブリンドル(黒・茶・グレイの混ざる虎毛)も含まれます。猟犬がルーツのため、訓練性能が高く、勇敢に立ち向かう気丈さと自立心も持ち合わせています。
飼育の注意点
他の犬への攻撃性も高めなため、飼育環境を良好に保つためにはルール作りが必要です。また、膀胱癌や肥満細胞種、リンパ腫などにかかりやすいため、定期的に健康診断をしましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
頑固に育つことがあるため、子犬の頃からルールを作り、信頼関係を築くことが大切です。運動欲求が高いので、毎日十分な散歩をし、ボール遊びをするなど自由に走れる機会を持ち発散させることができれば、良い面を伸ばしてあげられます。
小型犬16.キャバリア
小型犬のキャバリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は31〜33cm程度、平均体重は5〜8kgです。平均寿命は9〜14歳と幅があります。
外見と性格の特徴
錦糸状の長毛でわずかにウェーブがあります。攻撃性がなく、誰にでも温厚で優しい性格をしています。スキンシップを好み、人に触れられることに抵抗もありません。むしろ、人に寄り添ってくれる愛情深い犬です。
飼育の注意点
ダブルコートで抜け毛が多いので、毎日ブラッシングをするなどお手入れに時間をかけてあげましょう。また、長時間の留守番が苦手な犬種なので、さみしがらせないことが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
人と一緒にいることを好み、友好的な性格なので、初心者にとって飼いやすい犬種といえます。遺伝的に心疾患を発症する確率が高いので、病気とうまく付き合っていく必要があります。病気になったときに治療やお世話をすることになると心構えをしておきましょう。
小型犬17.シェットランド・シープドッグ
小型犬のシェットランド・シープドッグ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
スコットランド
体高・体重・平均寿命
平均的な体高は、オスが37cm、メスが35.5cmです。40.5cmを超えるものは好ましくないとされています。平均体重は6〜7kgとされていますが、実際は8〜9kgになることもあります。平均寿命は12〜13歳とやや短命といえます。
外見と性格の特徴
ふさふさとした胸の飾り毛と、優しい表情が特徴です。比較的、穏やかで落ち着いた優しい性格ですが、見知らぬ人や犬には警戒心をあらわにすることもあります。
飼育の注意点
警戒心が強めなので、チャイムの音や来客などに、過剰に反応しないようなしつけが必要です。日々の運動を必要とする犬種なので、散歩の他に広い公園で走らせてあげるとストレス発散できます。こまめにブラッシングもしてあげましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
穏やかな性格で問題行動も少ないため、初心者でも飼いやすいです。子犬の頃からしつけをしっかりとすれば、吠え声や動くものへの反応などコントロールできるようになるでしょう。
小型犬18.日本スピッツ
小型犬の日本スピッツ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
日本
体高・体重・平均寿命
平均的な体高はオスが30〜38cm程度です。メスのサイズは公式には認められていませんが、オスよりやや小さい傾向にあります。平均体重はオスが9〜11kg、メスが7〜10kgです。平均寿命は12〜14歳です。
外見と性格の特徴
ふわふわとした白い被毛と三角の立ち耳が印象的なスピッツ。明るく活発で聡明な性格をしています。好奇心が旺盛で遊び好きです。もともと愛想を振りまくタイプではありませんが、家族には深い愛情を示します。
飼育の注意点
毛量も抜け毛も多いため、こまめなブラッシングと月2回のシャンプーが必須。ホームケアだと大変なので、トリミンサロンの利用をおすすめします。比較的、太りやすい犬種なので、食事の量に気をつけることが必要です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
運動欲求が強いので、しっかり運動させてあげられる人が向いているでしょう。こまめな被毛のお手入れが大切なので、時間に余裕があるかどうかもポイントです。性格的には警戒心が強いですが、根気よくしつければ飼いにくくありません。
小型犬19.スキッパーキ
小型犬のスキッパーキ。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
ベルギー
体高・体重・平均寿命
平均的な体高はオスが28〜33cm程度、メスが25.5〜30.5cmです。平均体重はどちらも4〜7kgです。平均寿命は13〜15歳くらいになります。
外見と性格の特徴
小型ですが、バランスの取れた締まった体格をしています。毛色は黒く、ダブルコートタイプで、オーバーコートは直毛で毛量が多いです。活動性が高く、警戒心が強いですが、飼い主への愛着があり好奇心も旺盛です。
飼育の注意点
見知らぬ人への警戒心が強いため、丁寧に他の人に慣れさせるトレーニングをする必要があります。また、毛玉を防ぐために定期的なブラッシングをし、月1回程度のシャンプーをするようにしましょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
俊敏で訓練性能が高いため、ドッグトレーニングやドッグスポーツに興味がある飼い主であれば、個性を伸ばすことができるでしょう。必要とされる運動量が多いので、散歩だけでなく、ボール遊びなども取り入れるとよいです。
小型犬20.チベタンスパニエル
小型犬のチベタンスパニエル。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
チベット
体高・体重・平均寿命
オス・メスともに平均的な体高は25.4cm前後、平均体重は4.1〜6.8kgと多少の幅があります。平均寿命は12〜15歳になります。
外見と性格の特徴
体高よりも体長がわずかに長いタイプです。オーバーコートはシルクのような細い長毛ですが、顔と足の前部分は短毛です。アンダーコートは密で毛量が多いほうでしょう。活発で陽気な性格ですが、落ち着きがあり、注意深い面もあります。
飼育の注意点
毛量が多いため、足先の毛をこまめにカットする必要があります。自立心が強く、反抗することもあるので、子犬の頃からルール作りをすることが大切です。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
被毛のケアに十分な時間がとれる人がよいでしょう。自立心が強いので、わがままにならないようしっかりしつけをして、行動をコントロールできるようになれば、よい関係を築けます。
小型犬21.ワイヤー・フォックス・テリア
小型犬のワイヤー・フォックス・テリア。その性格の特徴や飼い方について見ていきましょう。
原産地
イギリス
体高・体重・平均寿命
オスの平均的な体高は上限39cm、平均体重は7〜9kgです。メスはオスよりやや体高が低く、体重も軽いという特徴があります。平均寿命は13〜14歳ほどで家庭犬としては平均的です。
外見と性格の特徴
しっかりとした、バランスの取れた骨格が特徴です。活動的で俊敏な動きをします。友好的で好奇心が強いでしょう。自立してマイペースですが、ときに頑固になる面もあります。
飼育の注意点
ルーツが猟犬であるため、反応性が高く、警戒心が強い部分もあります。子犬の頃から家庭内のルールを作り、丁寧に社会性を持たせてあげるトレーニングをするとよいでしょう。
飼いやすさ(初心者向きかどうか)
好奇心と運動欲求を満たすようなドッグトレーニングに注力できる余裕があれば個性を伸ばしてあげられるでしょう。もし、それが難しい場合は、しつけトレーニングや散歩などをプロに頼むのをおすすめします。
超小型犬や小型犬を飼うときの注意点
体格の小さな犬は、大きな犬と比べて、飼い主への攻撃的な態度や愛情を求める行動をとりやすい傾向があります。この行動を「小型犬症候群=Small dog syndrome(SDS)」といいます。体格が小さいから攻撃的になっても何とか収められるだろうと思われがちですが、攻撃性はエスカレートすることが多いです。攻撃的に振る舞う犬の内心は不安を感じていることも多いため、子犬の頃からルールづくりと気持ちの切り替えをできるようにコマンドを教えることが大切です。
犬を安心させるには、抱っこをしたり、膝の上に乗せたりすることが簡単な方法ですが、犬の要求に応えすぎていると飼い主から離れることを嫌がることもあります。犬としっかり向き合って遊ぶ時間と、距離を保って過ごす時間を作るなどメリハリのある対応をするといいでしょう。
※出典
https://www.oakhurstvet.com/blog/napoleon-complex-canine-dealing-with-small-dog-syndrome/
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。