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博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。evergreen pet clinic ebisu行動診療科担当。日本獣医行動研究会研修医。藤田医科大学客員講師。
散々興奮して遊んでいたおもちゃに急に飽きて、周りがおもちゃでいっぱいになっているあの犬を『チラカシーヌ』と命名。コレクションに加えました。
さらに『チラカシーヌ』の生態や類似例や注意点について、獣医師の茂木千恵先生に真面目に解説してもらいました!
目次
- チラカシーヌの生態《変な犬図鑑012》
- チラカシーヌについて獣医師の先生に直撃してみた!
チラカシーヌの生態《変な犬図鑑012》
チラカシーヌは、いろいろしたい。
夢中で遊んでいるなと思ったら、
目を離すと別のことをしている。
散々興奮して遊んでたおもちゃも
「あ、それもう興味ないんで…」
とめちゃくちゃ冷めたこの表情。
気づけばおもちゃを散らかし放題。
「もう〜」と文句言いつつも寝顔の
可愛さに負けて飼い主が片付ける。
チラカシーヌについて獣医師の先生に直撃してみた!
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どうして散らかすのですか?
「不安だ」もしくは「つまんない」と感じているからでしょう。
飼い主さんの留守などの時に、床を掘ったり仕舞ってある物を引っぱり出したりすることがあります。不安な気持ちを紛らせるためです。もし物が部屋中に散らかっていたら、あちこち動き回っていたことがわかります。
なお、1つの物に集中していても何かのきっかけで別のことに興味が移ったというケースも考えられます。さらに面白いものに興味が移ってしまい、元々遊んでいたおもちゃがそのまま放置になってしまうのです。
なぜ突然、夢中に遊んでいたはずのおもちゃへの興味がなくなってしまうのですか?
実は匂いや音など、人間には気づきにくいポイントをきっかけに興味の対象が移っているからです。
遊び始めは、おもちゃを獲物に見立てて勢いよく噛みます。しかし、ずっと同じ様な動作をしていると犬も覚醒状態が下がり集中ができなくなってくるのです。さらにそんな時に、違う場所から匂いや音が聞こえると、興味の対象が移って行きます。そして、それまで扱っていた物への集中状態が一気に途切れてしまうのです。
集中力の長さは、犬種などによって違いがあるのでしょうか?
いえ、犬種ではなく犬それぞれで個体差があります。また、その興味の対象物の種類によっても変わってきます。
初めて目にする物や狩りの本能を駆り立てられる音や形状、味、匂いなどは覚醒状態が続きやすく集中も長く続きやすいです。
一方、おやつや飼い主さんに対してあまり興味を示さない犬は、おもちゃなどでもすぐに飽きてしまう傾向があります。
うちの子、遊びながら寝ていることもあるのですが、犬にも“寝落ち”ってあるのでしょうか?
ありますよ!
もともと1日のうち半分以上はうつらうつらとした浅い眠りと覚醒を繰り返すのが犬の睡眠パターンです。興味を惹かれるものがあれば覚醒が続きますが、状況が単調で安心できる場合はそのままの体勢で寝てしまうことがよくあります。周囲の環境が安心できて、リラックスしていることの証です。
若い犬で活発な犬が直前まで動き回っていて急に寝始めるということもよくあるでしょう。これは好奇心が高まっている状態にもかかわらず肉体的には疲労困憊してしまっていて、体からの休息欲求に負けてしまった時点で起こります。睡眠はとても大切ですから寝ている犬は起こさないようにそっとしておいてあげてくださいね。