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博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。evergreen pet clinic ebisu行動診療科担当。日本獣医行動研究会研修医。藤田医科大学客員講師。
こたつから離れず、いないと思ったらこたつの中にいる犬。まるでカタツムリのような姿になるので『コタツムリーヌ』と命名。コレクションに加えました。
さらに『コタツムリーヌ』の生態や遭遇した時の正しいケア、注意点について、獣医師の茂木千恵先生に真面目に解説してもらいました!
目次
- コタツムリーヌの生態《変な犬図鑑008》
- コタツムリーヌについて獣医師の先生に直撃してみた!
コタツムリーヌの生態《変な犬図鑑008》
コタツムリーヌは冬に出没する。
こたつがないと生きていけない。
喜んで庭を駆け回るなんてムリ。
いないと思ったらこたつの中に!
自分の居場所はここだと思って、
飼い主よりこたつを使っている。
最終的には、カタツムリのように
体がこたつにすっぽり収まるかも。
それが「コタツムリーヌ」なのだ。
コタツムリーヌについて獣医師の先生に直撃してみた!
犬がこたつに入ってくるのはなぜ?
暖かいだけでなく、静かで、飼い主さんの側に居続けられる、最高に心地のいいスポットだからです。
犬は先祖から引き継いだ習性として、薄暗く狭い穴の中で休むことを好みます 。そんな犬の好みにぴったりの形状をしているこたつ。寒さに弱い犬にとってはとても魅力的な家具といえます。しかも大好きな飼い主さんと一緒に過ごせる場所、となるとたまりませんよね。
好きな人の匂いに包まれながら静かで暖かい環境が揃っているこたつを、動きたくなくなるほど快適な居場所と感じているはずです。
こたつに犬を入れていいの?
入っても良いですが、飼い主さんがしっかりと管理してあげてください。
上記で挙げたように犬の好む要素を多く満たしているので、入らないようにする方が難しいでしょう。
ただし、犬の場合、全身入ってしまうことが多いので注意が必要です。気づかないうちに長時間入り続けてしまわないよう、気をつけてあげてください。
こたつにすっぽり入って暑くないの?
暑さは感じますが、人間と比べると時差があります。
犬の毛が断熱材の役割を持っているため、温度の変化に鈍感です。また、犬は皮膚で汗をかくことができません。唯一の汗腺も足の裏の肉球部分しかないので、体温調節が苦手です。
特に子犬や高齢犬は、体温調節がうまくできず、温まりすぎに気づかない事があります。
犬がこたつに入る場合の危険性とは?
長時間入り続けてしまうと、脱水や低温やけど、熱中症、あるいは感電などを引き起こす可能性があります。
もし犬がこたつの中にいる時に息が早くなっていたら、特に注意が必要です。熱中症の症状である痙攣や嘔吐がある場合はすぐに動物病院へ連れていきましょう。
コタツムリーヌに遭遇した時、何に気を付けるべき?
・こたつ内の温度が高くなりすぎていないか
・長時間入りすぎていないか
・様子に異常がないか
・こたつの電源を切り忘れていないか
確認しましょう。
人間よりも暑さに弱いので温度設定に注意が必要です。脱水が進むと動けなくなることもあり状態が悪くなりやすいです。ときどき様子を見るようにしましょう。
飼い主さんがこたつに入っていない時は、電源を切る方が安全性も高まり、エコや節電にもなります。使っていない時は、こたつの一部をめくっておいて、目が行き届くようにできるとよいでしょう。