更新 ( 公開)
獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬は頭やしっぽをブンブンと振ることがありますが、このしぐさにはどんな意味があるのでしょうか。しぐさから愛犬の気持ちを理解できれば、愛犬への正しい接し方を判断するのにも役立つでしょう。犬が頭やしっぽを振る理由と、対処法について解説します。
目次
- 犬がしっぽをブンブン振るのは楽しいから?
- しっぽを振っても喜んでいないことがある!
- しっぽが短い犬も気持ちは読み取れる?
- 頭をブンブン振って遊ぶのはなぜ?病気や攻撃的な気分?
犬がしっぽをブンブン振るのは楽しいから?
犬にとって、しっぽは体の中でもっとも感情があらわれるところ。しっぽの位置や動きで、自分の気持ちを表現しています。
しっぽを高い位置で左右に大きく振るのは、おもに「うれしい」「楽しい」といったご機嫌な気分から。飼い主さんや家族の帰宅時、ごはんやおやつ・散歩の前など、喜びや期待を感じているときによくするしぐさです。
このようなポジティブな気持ちでしっぽを振るときは、耳が上がり気味で、口元も緩むのが特徴。しっぽを振る速度が速いほど、興奮が高まっていると考えられます。
しっぽを振っても喜んでいないことがある!
ただし、しっぽを振っているからといって、犬が必ずしも楽しい気持ちを感じているとは限りません。犬のしっぽが立ち気味で、目を見開き体をこわばらせながら足を踏みしめていたら、何かに警戒しているサインです。動物病院でも、診察台の上で緊張している犬が、少し控え目にしっぽを振るときがあります。
初対面の犬などに対してこのしぐさをすることが多く、相手の犬を気に入って喜んでいるわけではありませんので、飼い主さんは勘違いしないように注意しましょう。
関連リンク
しっぽが短い犬も気持ちは読み取れる?
しっぽが短い犬も、わかりづらいだけで、よく見るとしっぽの付け根が動いています。
うれしいときや喜んでいるときは、しっぽの付け根が上向きになり、お尻や腰を左右にプリプリ揺らしているはず。
反対に、不安を感じているときには、しっぽの付け根が下向きになります。短いしっぽでも感情があらわれていて、観察するととってもかわいいですよ。
頭をブンブン振って遊ぶのはなぜ?病気や攻撃的な気分?
しっぽを振るしぐさと同じくらいよく見かけるのが、犬がタオルやおもちゃをくわえながら頭をブンブンと振り回すしぐさ。
これは、野生時代の習性である、捕らえた獲物をしとめ、食いちぎるような行動をして、狩りの擬似体験をしていると考えられます。
もし愛犬が頭をブンブン振りながら遊んでいたら、病気や攻撃的な気分なのではなく、狩猟本能を満たしているのでしょう。
ふだん愛犬と遊ぶときも、おもちゃを動かしたり投げてキャッチさせたり、狩りに似た動きを体験させてあげると、満足度がアップしますよ。
ただし、体全体をブルブルと震わせたり、なにもないときでも頻繁に頭を振っていたりしたら、ストレスや病気のサインである場合も。状況やほかの症状に応じて判断しましょう。
関連リンク
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。