病気・健康
公開
博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。evergreen pet clinic ebisu行動診療科担当。日本獣医行動学会研修医。藤田医科大学客員講師。

「犬のごはん皿って、床に置いたままでいいの?」
食べこぼしやむせの原因が、実は“高さ”にあるかもしれません。愛犬の体格や年齢に合った「食べやすい環境」の整え方について、獣医師に聞きました。
目次
- 犬に「食事台」は必要? 実は体格が重要なヒント
- 愛犬の「ちょうどいいごはん皿の高さ」の見つけ方
- ごはん皿の高さの調整。まずは身近なものを使って試そう
- 素材・重さ・安定感から見る、愛犬のごはん皿選び!
- 【チェックリスト】愛犬のサインに気づいたら食事環境を見直そう!
- 「正解」はない。家庭に合った“うちの子スタイル”を探そう
犬に「食事台」は必要? 実は体格が重要なヒント
「愛犬のごはん皿は、台にのせたほうがいい」——そんな話、聞いたことはありませんか?
首への負担を減らせる、食べやすくなる……そんなメリットが語られることも多く、ペット用品売り場でも高さのある“食器台”を見かける機会が増えています。
でも、本当にすべての犬に必要なものなのでしょうか?
たしかに、「高さがあったほうがいい」という声はよく聞きますが、それが“どんな犬にも当てはまる正解”とは限らないようです。

獣医行動学の専門家・茂木千恵先生によると、
「若くて元気な小型犬であれば、床にごはん皿を置いても、体への負担が少ない場合が多いです。自然な姿勢で食べられるため、無理に台を使う必要はありません。一方で、大型犬や胸の深い犬種の場合は注意が必要です。体格の関係で、高さのある台を使うと、かえって病気のリスクを高めてしまうケースもあるんです」とのこと。
つまり、愛犬の“食べやすさ”や“体への負担の少なさ”を決めるのは、高さそのものではなく「その子の体格や体調に合っているかどうか」。
本当に大切なのは、その子にとって快適で安全な食事環境を整えること。
この記事では、獣医行動学の専門家・茂木千恵先生の見解をもとに、犬に合ったごはん皿の高さや、快適な食事環境の整え方をご紹介します。